グリーンモンス

登録日:2017/11/14 Tue 20:59:20
更新日:2025/02/16 Sun 21:40:37
所要時間:約 6 分で読めます




グリーンモンスとは、『ウルトラマン』に登場する怪獣である。
名前の由来はそのまんま「緑の怪物=Green Monster」の略。


概要

種別:怪奇植物
身長:40m
体重:2万t
出身地:東京
武器:毒花粉「モンスガス」

第5話「ミロガンダの秘密」に登場する植物怪獣。
南洋オイリス島に生息する肉食植物「ミロガンダ」がネオテニー(幼体成熟)を起こした姿である。
外見は緑色の頭陀袋がのたうち回ったようなもので、ウツボカズラのような巨大な補虫袋の下に、眼球のように黄色く光る部位がある。

ミロガンダは成長すると赤褐色の美しい花を咲かせるのだが、幼体は何と動き回って生物を捕食しまくるという恐るべき性質を有している。
移動した後にはムチンと呼ばれるたんぱく質を含む粘液が残る(カタツムリやナメクジなどの巻貝類と同じ)。
この幼体は拳銃数発で死ぬほど貧弱であるが、グリーンモンスに成長したことである「恐ろしい能力」を得てしまった。
なお、成体においては地面に根を張り、光合成と水だけで活動する(イデ隊員からは土筆とスギナに喩えられていた)。

が、このオイリス島からミロガンダを持ち帰った山田博士は余計なことをしてしまった。
彼は食糧問題解決のために植物の巨大化を研究しており、実際に80㎏のスイカポリバケツよりでかいニンジンなどを作っていた。
そして大室高原の研究所でミロガンダに放射線を浴びせ品種改良を試みたことで、突然変異を起こしたミロガンダは幼体のまま成長した上で何と知能まで持ってしまった。

グリーンモンスは生まれ故郷のオイリス島にある珪素に異常な関心を示しており、オイリスの湧水を呑んだ調査団を片っ端から襲撃する。
手始めに山田博士を殺害し研究所から脱走。その後東京都心のガード下で新聞社の小林記者が乗ったを襲い、逃げ出そうとした小林を丸のみにして殺害。
さらに地質学者の松尾博士の研究所にも忍び込んで彼も殺すと姿を晦まし、翌日には動物学者の坂井博士までも襲撃し餌食にした。

残る一人となった女性カメラマン・浜口節子が最後のターゲットになると察知した科学特捜隊は彼女の住むコテージに張り込む。
白昼堂々コテージに出現したグリーンモンスは、科学特捜隊を邪魔ものと見なし食い殺そうとするも、スーパーガンで滅多打ちにされてしまう。
4連射を受けて池に転落したグリーンモンスに勝利を確信した科特隊だったが、岩本博士は「スーパーガンが逆効果になってより強大になるんじゃないか?」と指摘する。

そしてその夜、悲劇は起きた。
丸の内のビル街で、岩本博士の推測通りスーパーガンのエネルギーを餌にしたグリーンモンスは建物を薙ぎ倒すほどの巨体に成長していたのである!
最早珪素を含んでいようがいまいがお構いなしに、本来なら光合成が全くできない夜の街でグリーンモンスは雄たけびを上げる。
駆け付けたアラシ隊員はスパイダーショットの火炎光線を浴びせようとするが全く通じず、ハヤタたちのスーパーガン掃射もまるで受け付けない。
グリーンモンスにとって、半端な攻撃は全て餌になってしまうのだから。

ならば素手で倒すとばかりにハヤタは(花粉を浴びて麻痺したアラシを安全な所に運んでから)ウルトラマンに変身。
暴れ狂うグリーンモンスに飛び蹴りを放つと、時計台は12時の鐘を鳴らした。
ゴングが鳴ったら、3分で片づけてこそチャンピオンの花道。植物と光の戦士、夜の世界のはぐれ者同士のタイトルマッチが幕を開けた。
咆哮と共にグリーンモンスは花粉を浴びせ、ウルトラマンは悶え苦しむ。
勝ち誇ったかのようにグリーンモンスはウルトラマンを押し潰し、瞬く間にカラータイマーが赤く点滅し出したウルトラマンに襲いかかる。
最後の力を振り絞り、ウルトラマンはスペシウム光線を一閃。
いかなグリーンモンスでも、獲物を喰らう補虫口を狙われてはエネルギーを奪い取ることも出来ず、真っ赤な炎に包まれていった。
完全に炎上し、灰になって消えたグリーンモンスの破片が、季節外れの雪を降らす。
ウルトラマンはそれを見届けると、夜空の彼方に向かい悠々と去っていくのだった。

「人間を捕食する」「ウルトラマンにおける初の植物怪獣」「エネルギーを吸収する」となかなかインパクトの強い怪獣ではあるが、
知名度がさほど高くないのは、その地味な外見からだろうか*1
とはいえ、冒頭で小林記者を食い殺すシーンなどは半世紀以上経った今見ても鬼気迫るものであり、子供ながらトラウマになった人は多いと思われる。

そういう暴れ振りもあってか、後述する漫画版二つでは、思いもよらぬ活躍を見せることとなる。


派生作品

ウルトラマン(一峰大二のコミカライズ版)

前半の流れはTV版と変わらないものの、こちらではなんとスペシウム光線の全エネルギーを吸収し、あろうことかウルトラマンより巨大な姿に成長している
ウルトラマンを撤退させると最早止める者はおらず、自衛隊の攻撃を受けても逆に餌に変え、東京中で花粉を撒き散らしあらゆる生き物を捕食していた。
ムラマツキャップは3日かけて「1滴でどんな生物でも即死する」「1万倍に希釈して農薬の原液並み」という毒薬を作らせ、
これをジェットビートルで補虫口の中に突っ込ませない限りグリーンモンスを倒す方法は無いと決断。
ちなみにその間科学特捜隊は逃げ惑う市民から出動しないことに文句を言われたり、新聞に「グリーンモンスに負けたのか」と書かれたりしていた。
最年長の自分が犠牲になろうとするもハヤタたちから止められ、遂に科学特捜隊全員で出撃する。
ビートル隊はグリーンモンスの花粉攻撃に苦戦するものの、散布に間一髪で成功。
しかし、あまりに強力な毒薬は苦しみのあまりグリーンモンスをさらに暴れさせる結果となってしまう。
ハヤタの変身したウルトラマンも苦しみから猛攻を加えるグリーンモンスに歯が立たず、遂にはウルトラマンまでも捕食してしまう。
しかしそれはウルトラマンの捨て身の作戦であり、逆に体内からバラバラに引き裂かれる。
残った根の部分だけで逃げようとするものの、スペシウム光線で焼き尽くされ遂に死滅した。

ウルトラマン THE FIRST

一峰版同様スペシウム光線を食って巨大化しており、夜のため全力が出せないウルトラマンを絞め殺そうとした。
しかしムラマツキャップの「スペシウム光線がウルトラマンの武器だとすれば、我々の武器は知恵だ!」という言葉を思い出したハヤタ=ウルトラマンは機転を利かせ、グリーンモンスを抱え上げると一気に上空に飛ぶ。
そして宇宙空間でグルリと地球を半周し、ブラジル上空で日光を浴びてウルトラマンはエネルギーを回復。
そのままグリーンモンスは太陽まで運ばれ、紅蓮の業火の中に投げ込まれた。
スペシウム光線をも吸収するグリーンモンスも、エネルギーの塊である太陽が相手では流石に吸収しきれず燃え尽きる結末を辿った。

しかし、エピローグでは太陽に咲くミロガンダの巨大な花のイメージイラストが描かれており、グリーンモンスが太陽のエネルギーにすら耐えた可能性が示されている。
もし貴方が空に燃える太陽の横に花のような影を見かけたら、それはきっとミロガンダの花なのである。

ちなみにこの流れは『ウルトラQ』のバルンガのエピソードのオマージュと思われる。


余談

  • グリーンモンスのデザインは成田亨。サボテンを土台にアンバランスに仕上げたと証言している。

  • 本エピソードではアイキャッチの都度、グリーンモンスの緑の粘液が画面を覆う特殊な展開になっている。

  • 科特隊との格闘シーンで池に落ちるシーンではグリーンモンスを押すスタッフの手が映っているミスがある。

  • スペシウム光線でグリーンモンスが炎上するシーンでは、グリーンモンスの着ぐるみが実際に燃やされた。


  • この第5話は真夏に放送されていた*2ため、視聴率29%という『ウルトラマン』で最の視聴率を叩きだした。色々とオカシイ。

  • 「ミロガンダの秘密」はこの番組がまだ『レッドマン』というタイトルだった頃から温められていたシナリオであり、没案では主人公が火を噴いて焼き殺していた
    それを踏まえてか、『怪獣大全集2 最新怪獣の全て』に掲載されている小説「ウルトラマン必殺十大戦法」ではウルトラマンが同様の戦法で勝利している。*3
    また本話は制作順では2話にあたるのだが、光学合成のみは制作1話の「侵略者を撃て」よりも先に行われている。このためスーパーガンの光線が直線状だったりと後の回と比べると差異が見受けられる。





「過ぎたるはなお及ばざるがごとし。追記・修正もほどほどが大事だねえ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • グリーンモンス
  • ウルトラ怪獣
  • ウルトラマン
  • 初代ウルトラマン
  • 怪奇植物
  • 食人植物
  • 人喰い
  • 這いよる混沌
  • オイリス島
  • ミロガンダ
  • 巨大化
  • 花粉
  • 植物怪獣
  • 植物
  • ネオテニー
  • みんなのトラウマ
  • 怪獣
  • 悪役
最終更新:2025年02月16日 21:40

*1 余談になるがウルトラシリーズでは植物系の怪獣は不人気で、そのため第二ウルトラシリーズではレオゴンなどの従来の怪獣型のデザインに近いものが登場するようになった

*2 ゴールデンタイムの番組は、夏休み期間で里帰りやレジャーシーズンである8月中旬には落ちる傾向にある。アニメやバラエティ番組などではその辺を考慮した番組制作が行われることが多い。

*3 初期のAタイプと呼ばれるウルトラマンのマスクにキレコミがあるのも、実は火炎放射を使う設定があった(のだが制作段階で没になった)からである。