眉月大庵

登録日:2015/11/03 (火) 08:00:57
更新日:2025/06/13 Fri 19:43:06
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眉月(まゆづき) 大庵(だいあん)。捜査三課の刑事だ。


“三課”じゃあ、分かりにくいか。
いわゆる“国際課”だな。


それとも‥‥ガリューウエーブの
ギタリスト、のほうがイイかい?


眉月大庵(まゆづきだいあん)とは、ゲーム『逆転裁判』シリーズの登場人物。

【概要】


地方警察局の捜査三課、通称「国際課」に配属されている刑事*1。年齢は24歳。
刑事であると同時に、警察関係者5人で結成されたバンド「ガリューウエーブ」のギタリストでもあり、リーダーの牙琉響也と人気を二分している。
サメをモチーフにしたド派手な衣装に身を包んでいるほか、何よりミサイルの弾頭のように顔から30cmほどは突き出ためちゃめちゃ長いリーゼントが特徴的であり、初見で彼を刑事と見抜く者は少ない。

不良のような外見に違わず性格や口調も粗暴だが、刑事としての能力は優秀であるため響也からの信頼は厚い。
響也が新人だった頃に組んだ刑事でもあり、コンビを解消した今でも互いに「相棒」と呼び合う仲となっている。
怖そうなイメージだがお茶目な一面も持ち合わせており、自分のギターに「エレッチ」という名前をつけて愛用している。
国際課に所属してはいるものの、実は海外への渡航経験は一切ない。理由は「飛行機のシートは俺には狭すぎるから」。
そのことを王泥喜法介に突っ込まれた時は、「海外へ行かなくとも国際課の仕事はある」と開き直っていた。

【本編】


逆転裁判4』第3話『逆転のセレナード』に登場。
この話ではガリューウエーブのメンバーとしてステージで演奏をしていたが、その後演奏中に些細なミスをしてしまっていた事がばれてしまい響也と口論になっていた。
演奏の最中に発生した殺人事件では被害者のローメイン・レタスの身元の照会を任される。
翌日開かれた法廷で意味深なナンバーをレタスが書き残していた事が立証されると、響也の指示でそのナンバーを国際警察に照会。結果レタスの正体が国際警察の捜査官だと突きとめた。
だがその事を報告していた時に、証人のラミロアから予想外の証言が飛び出し、法廷が騒然となり審理が中断してしまう。


以下ネタバレ
























彼こそがレタスを殺害した真犯人。
彼が何の面識もないレタスの命を奪った理由は、ボルジニア共和国原産の「繭」にあった。
この繭は難病「チリョーレス症候群」の特効薬の材料であると同時に、処方を変えると大量の有害物質を作成することもできる危険な代物でもあった。
勿論その繭が簡単に密輸されないようボルジニア政府と国際警察は目を光らせており、特にボルジニア政府に見つかれば問答無用で死刑となってしまう。
だが、何とかしてその繭を手に入れようとした大庵はある奇策を思いつき実行に移す。
それは、響也がラミロアから譲り受けたギターの中に繭をこっそり入れて空輸しようというものだった。
協力者としてラミロアと行動を共にしているマキ・トバーユを引き込み、計画通り繭を日本へ持ち込む事に成功。
だがその計画はレタスに見破られてしまっており、彼から密輸の事が発覚するのを恐れて彼を殺害した。
ちなみに肝心の繭が入ったギターは響也がステージで使っていたが、犯行現場からマキに命令し、ギターの中にあらかじめ仕込んでおいた発火装置を作動させてギターを燃やし証拠を隠滅した。

彼がそこまでして繭を欲していた理由は、司法長官の息子がその特効薬を要する難病を患っていたためだとされている。
司法長官が取引相手なら、このスキャンダルが発覚してもダメージが大きいのは司法長官であるため、下手な犯罪者と取り引きするよりかはよほど安全であると王泥喜は考えたようである。

レタスを射殺した後は「恋するギターのセレナード」の歌詞に見立てて事件を演出し、最終的にマキに疑いがかかるよう擬装して、さらには自分は事件とは無関係だと主張するためのアリバイ工作も行う。
だが、1日目の裁判の時にラミロアが大庵を犯人だと主張した事で風向きが変化。
それでもラミロアが盲目であることにつけこみ、その証言に信憑性は一切ないと主張するが、2日目の裁判ではその証言を元にロジックを組み立てた王泥喜によって犯行が次々と明らかとなり、次第に逃げ場を失っていった。
……と思われたが、王泥喜の主張には何1つ決定的な証拠が無かったため、結果大庵の犯行証明には至らなかった。

そこで王泥喜がとった行動は大庵と密輸の共犯関係にあったマキに犯行計画を証言させようというものだったが、それでも大庵は「マキが自分から密輸を認めるわけがない」と高を括る。
しかし、マキにとってはここ日本で密輸を認めなければ、ボルジニアに帰って再び裁かれることになり、ボルジニアで有罪となれば死刑が確定してしまう。
どう考えてもそれならば日本で罪を認めた方が懲役で済むだけマシ*2であり、むしろマキにとってはここで密輸を認めないわけがなかったのである。
その事実を王泥喜に指摘されても、なお罪を認めようとしなかった大庵は次第に情緒不安定になっていき、最終的に頭を激しく振り乱して錯乱しながらマキに「たのむっ!しゃべらないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(ry」とリーゼントを画面中に振り乱して懇願する。
最後はすっかり意気消沈し、半ば自白のような形で全ての罪を認めた。

半ば脅迫じみた手段且つ、「しゃべらないでくれ」だけでは何のことを指すのかわからない為自白と言えるのかわからない代物だが…









なお、この事件、逆転裁判史上最もトリック等の穴が多いと指摘される事件である。
最初の時点で「大人でも撃てば反動で肩を痛める大口径リボルバーで射殺したとして小柄な少年(もちろんピンピンしている)を逮捕した」というツッコミどころしかない理由で捕まっており、これに関して尋問中にいくらツッコもうとしても許してもらえない。
しかし大庵が犯人と発覚する決め手が「大口径リボルバーを撃ったために肩を壊していた」という理由だったりする。
レタスは犯人は分からないと言ったが 犯人はあの容姿 であり特徴を言えば終わりである。
更に大庵は瀕死のレタスがダイイングメッセージを書いているのを放置*3。レタスも爆竹を仕掛ける大庵を放置。気づいていたとしても致命傷を負っていたので動くに動けなかっただろうがその後ダイイングメッセージを消しにそばに来たのにあの姿を見ないとかあり得るのだろうか(しかも王泥喜にはちゃんとこっちを見ながら喋っているので目は見えているはずである)。そんな具合なので、

大庵はレタスから顔も髪型も見られずに
  • 銃を奪う
  • もみ合って暴発させる
  • マキに指令
  • 撃つ
  • 鍵を握らせる
  • ダイイングメッセージを書く隙を与える
  • それを消す
  • 茜にばれない様に3部へ
を行える超人

などと言われるハメに。

また、取引相手の司法長官も息子が病気ならば 息子をボルジニアの病院につれていけばいい だけの話であり、
危険を冒してまで密輸をする意味が全くない。
海外渡航が困難なほど病状が悪いので密輸でしか治療方法がないならともかく、こんなことをすればボルジニアからは有害物質を大量に作るために密輸としか思われず、
しかも死刑確定の密輸犯であるマキを日本で匿ったりなんかしたら外交上の大問題は免れない。
それどころか、司法長官の息子の治療というのはあくまで王泥喜の推測でありマキは動機すら語っていないので、
他にも共犯者がいて日本で有害物質を作るつもりだったという可能性すら残されている。
ついでに、海外へ行った事のない彼がどうやってマキとコンタクトをとったのかも結局不明なまま話は終了している。

結局、司法長官の息子はどうなったのかもわかっていない。


追記・修正はギターの演奏をミスらない方にお願いします。

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最終更新:2025年06月13日 19:43

*1 実際の「捜査三課」とは異なる。現実の三課は窃盗や詐欺など、いわゆる「知能犯」を扱う部署である。

*2 年齢的にも14歳であり、日本で有罪になっても課されるものは死刑より遥かに軽いと思われる。

*3 気づいた後でメッセージを隠滅していたが、これにより犯人は目が見える人物だとばれてしまった。だがマキも実は目が見えていたのでそれほど問題にはならなかった。