スカンクエイプ(未確認生物)

登録日:2016/03/05 (土曜日) 0:15:??
更新日:2025/03/11 Tue 18:20:43
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スカンクエイプ(Skunk Ape)とは、アメリカ合衆国で発見された未確認生物(UMA)の一種。


概要

アメリカに棲息する獣人タイプの未確認生物。
主な目撃事例はフロリダ州に集中しているが、ジョージア州、テネシー州でも目撃したという証言がある。

名前の由来はそのまんま「スカンク」と「エイプ」(大猿)をくっつけたもの。
「スカンク」という名が示す通り、 強烈な異臭を放つ のが最大の特徴。
その臭いは腐った卵やカビの生えたチーズにヤギの糞を混ぜたものなどと形容される。
実は獣人型UMAが悪臭を放っていたという目撃報告は決して少なくはないのだが、スカンクエイプの臭気は常軌を逸しており、
不用意に接近するとまともに目を開けていられないほどの刺激臭が漂うのだという。

形態

身長およそ2m、体重は150㎏以上あると推定されている。
直立二足歩行が可能で、足跡は35cm~40cmと巨大。
体毛は茶褐色もしくは赤褐色。
アメリカで獣人と言えばUMAの代表選手ことビッグフットがいるが、
スカンクエイプの形態はビッグフットに比べるとより類人猿に近く、特にオランウータンに似ているとされている。

人や動物に襲い掛かる狂暴な獣人

穏和な気象で危害を加えられたという報告が少ないビッグフットとは対照的に、スカンクエイプの性格はかなり狂暴。
人間や動物を襲って負傷させたり、殺したりすることがある。
1997年6月、フロリダ州デルレイ・ビーチのオレンジ畑で働いていた季節労働者が 何者かに殺される という事件が発生し、
真偽はともかくこれはスカンクエイプの仕業と目されている。
また、この事件現場周辺では肝臓を食べられた鹿の死体が多数発見されており、これもスカンクエイプが犯人ではないかと噂された。

2002年6月、テネシー州キャンベル郡を中心に、怪物の目撃が多発した。
目撃者たちは牙のような大きな歯を持ち、強い悪臭を放つゴリラかオランウータンのような怪物を見たと証言したのである。
その4か月後の10月には 100匹以上のネコが行方不明になる という異様な事件が発生。
現場で毛むくじゃらの怪物が目撃されていたことから、怪物がネコを攫っていったのではないかと推測されている。

この騒ぎを受けた地元の未確認生物研究家のクリス・ドットソンは、怪物の正体はスカンクエイプに違いないと主張した。
同年10月25日、ドットソンはテネシー大学の生物学者ジョン・プラシクらと4名の研究チームを組んで、
キャンベル郡に出没した怪物について現地調査を行った。
そして、スカンクエイプの物と思しき謎の動物の体毛と糞を採取することに成功。
DNA鑑定に回されたが結果は現在まで判明していないという。

11月23日には、女性がスカンクエイプに襲われ、怪我をするという事件が起きた。
午後9時30分過ぎ、ジャクソンボローに住む主婦が車で出かけようとした矢先、物陰から躍り出た怪物と遭遇。
体長は2m前後、全身を金褐色の体毛に覆われ、凄まじい悪臭を放っていた。
怪物は女性をその場に押し倒して去っていったが、その際、彼女は腹部と腕に打撲傷を負っている。

ミヤッカに出現した巨大オランウータン

これまでスカンクエイプを撮影した写真は数多く存在したが、
いずれも遠景から撮ったものばかりで信憑性に欠け、既存の生物か自然物を誤認したのだと一蹴されることも少なくなかった。
ところが2000年の秋、そんな風潮を覆す衝撃的な事件が起こった。

フロリダ州のサラソタ保安官事務所にとある女性から手紙が送られてきた。
手紙には2枚の写真が同封されていて、ミヤッカ国立公園がある州道沿いで撮影されたことから、

手紙を書いた女性によると、写真はヤシの葉が生い茂る自宅の裏庭に現れた謎の生物を撮影した物で、
撮影者は彼女の夫と家に訪れていたもう1人の男性だという。
奇妙な生物は 3日続けて裏庭に出没し、 ポーチまで上がってくることもあった。
女性によれば、どうやら生物はポーチに置いてあったリンゴを狙っていたらしい。

あまりに衝撃的な写真であったため、世界中で真贋を巡って激しい論争が起きた。
その距離の近さと鮮明さから、人間が着ぐるみに入って怪物のフリをしていただけだという声も随分あったという。
また、近所の動物園から逃げ出したオランウータンだったのではないかという説も出た。

メイン州在住の未確認動物学者ローレン・コールマン博士は、この写真に大して綿密な検証を行った。
彼は被写体の生物の構造的特徴を徹底的にチェックし、それをオランウータンの特徴と比較した。
そして、眼球がカメラのフラッシュ光を反射する様子、虹彩の大きさ、歯列の構造、舌の長さと形状、毛の色といった各部を比較した結果、
写真の生き物はスマトラ・オランウータンに酷似している という見解を出すに至ったのである。
もっとも、東南アジア原産であるはずのオランウータンがアメリカで目撃されることはあり得ないし、
あるとすれば上記で述べた通り動物園から逃げ出した可能性くらいである。
しかも、当時フロリダ州の動物園でオランウータンが脱走したという記録はどこにも残されていないのだ。

なお、「ミヤッカ・スカンクエイプの写真」が公表された直後から、
コールマン博士の元にはフロリダ州東部から中央部にかけての海岸地帯に住む人々から多くの手紙が寄せられた。
それによると、同地帯では1963~1981年にかけて写真の生物によく似た獣人のような生き物の目撃が相次いでいたという。

目撃の歴史

  • 1942年
フロリダ州北部のスワニー郡で、地元の男性が約1キロにわたって「巨大なサル」に追いかけられたと訴え出た。
これが記録に残るスカンクエイプの目撃報告第1号である。

  • 1957年
フロリダ州南部のビッグ・シプレス自然保護区で、
キャンプ中のハンター二人のテント内に、毛むくじゃらの怪物が侵入。

  • 1963年~1971年
フロリダ州中部のバスコ郡にある湿地帯で、
体長約2m、赤褐色の毛におおわれ、異臭を放つ獣人の目撃が多発。
スカンクエイプの存在が広く知れ渡るようになった。

  • 1970年~1979年
フロリダ州西部のヘルナンド郡で謎の獣人の目撃事例が多発。
数十件を超える報告が集まった。

  • 1994年4月
フロリダ州南部のエバーグレーズ国立公園の湿地帯で、
野生動物の撮影に訪れたハンガリーのカメラマン、ジョーゼフ・ムチェックが、
約15m先の茂みから躍り出た赤褐色の体毛に覆われた怪物と遭遇。
酷い悪臭に意識を失いそうになりながらも写真撮影に成功した。

  • 1998年9月8日
スカンクエイプ研究家のデイブ・シャーリーが、
エバーグレーズ国立公園内で約2時間の樹上生活を毎日欠かさず8カ月にわたって続けていたところ、
約45m先の草原を歩く獣人の姿を撮影することに成功。

  • 2000年7月8日
エバーグレーズ国立公園内の湿地帯でスカンクエイプがビデオ撮影された。
体長およそ2m、全身が赤褐色で、腕を大きく振りながら走っていたという。

  • 2001年7月

  • 2004年8月
フロリダ州南部の田舎道を車で走行中のジェニファー・フォードが、
道路脇の溝の中に立っている赤褐色の毛におおわれた巨大な獣人を目撃した。

  • 2006年11月9日
フロリダ州北部のサンタローザ郡で、
チンパンジーに似た奇怪な生き物が民家の庭や野原、小道などで目撃され、写真にも撮られた。

正体の考察について

前述した通り、スカンクエイプの外見的特徴は、オランウータンによく似ている。
体長もオランウータンの大きなものは1.5mに達し、やや小型のスカンクエイプであれば十分誤認する可能性も有りうる。
しかし、動物園やペットとして飼われていた動物が厳しい自然を生き延びることが出来るであろうか?
加えて繰り返しになるが動物園から動物が脱走すればニュースや新聞で報道されるはずである。
有力視はされているものの、全ての目撃報告をそれで片付けてしまうのに無理があることは言うまでもない。

他には化石霊長類ギガントピテクスの生き残り説や、新種の霊長類説が挙げられている。
実際のところ要は 臭くてでかいだけ の単なる猿なので、仮に新種だとしてもそこまで特殊な種ではないだろう。
確かに身長およそ2m、体重150㎏以上というのは オランウータンと比べれば 規格外のでかさだが、
大型のゴリラなら身長1.8m、体重180kgに及ぶ事もあり、猿全体からみれば大きいことは大きいものの、大騒ぎするほどのサイズとは言えない。
臭いに至っては、そもそもスカンクエイプその物が発生源なのか単に他から移っただけなのかがはっきりしていない以上、どうとでも理屈づけられる。
更に身も蓋もない話をしてしまえば、 たまたま大きく育った体臭のキツいオランウータン だった可能性も否定できない。
何しろ、ホモサピエンスにだってたまに異様に臭い個体ややたらでかい個体が度々現れるのだから。



追記・修正はスカンクエイプの臭いに耐えられる方だけお願いします。

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最終更新:2025年03月11日 18:20