クビキリサイクル(戯言シリーズ)

登録日:2016/11/14 (月) 23:50:40
更新日:2018/05/14 Mon 16:49:25
所要時間:約 8 分で読めます







才能が一つ多い方が、才能が一つ少ないよりも危険である――ニーチェ








概要


アニヲタWikiのみなさん、こんにちは。
講談社ノベルズ&講談社文庫より刊行されている西尾維新先生のライトノベル『戯言シリーズ』の語り部です。
この度、このぼくが戯言シリーズの第一弾、『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』の紹介をすることになりました。
戯言シリーズの項目自体はあったわけですが、作品個別項目はなかったので、念願のアニメ化を機に作ってみた次第ですね。
さて、15年前にもなるので、流石のぼくも過去の自分を見返すのは気恥ずかしいのだけれどね…。


…調子が悪いので、そろそろタメ口で行かせてもらうよ。普段の語り口はこっちだしね。
本作『クビキリサイクル』のノベルズ版の刊行日は2002年2月8日。
そして本作こそが作家・西尾維新のデビュー作だったんだ。講談社ミステリー文学の登竜門であるメフィスト賞の、第23回で受賞し一気に単行本刊行、メジャーデビューした。
「京都在住の永遠の二十歳」はこうして文学界に降り立った。
ちなみに投稿時のタイトルは『並んで歩く』だった。何か示唆的だな。

今作は、ぼくとその腐れ縁の青色、玖渚友が巻き込まれた初めての事件を描いている。そしてあの人類最強の赤色との最初の出会いも、ね。
そして今でこそ西尾先生と言えば言葉遊びとバトル、という印象が強いかもしれないけど、この頃はまだ先生の好きなミステリー小説として作られていた。
孤島、連続殺人、密室とまさにミステリーの王道を行っている。設定からすればまさにミステリー小説、だろうね。
でも、勘のいい読者には気づいていたんじゃないかな?
探偵役である当時のぼくと玖渚の歪な関係や、「理由あり」そうな過去から、ミステリーシリーズに収まらないただならぬ気配があることを。
もっとも、赤いあの人が登場した瞬間から、ミステリーから逸脱を始めたのかもしれないけど。
でも西尾先生は当時、シリーズ化を全く考慮してなかった。それこそ驚き。


さて、この(一応)本格的ミステリーであり映像化が不可能を言われ続けたんだけど、なんとびっくりアニメ化されてしまった。
90年代によくあった、全8巻のOVA(各1話収録)タイプだ。製作は物語シリーズのシャフトだから、高いクオリティが保証されるよ。
…戯言だけど。





ストーリー


あれは4月、ぼくの友人である天才技術者、玖渚友は、大財閥の令嬢・赤神イリアさんに、彼女が4人のメイドと共に暮らす日本海の孤島「鴉の濡れ羽島」へと招待された時のことだ。
ぼくは玖渚の付き添い&保護者として、孤島のイリアさんのお宅に滞在することになった。
島には玖渚の他に4人の天才(全員女性)がいた―――上から目線の七愚人、スタイルを持たない画家、予知能力を持つ占い師、あらゆる味覚を察知できる料理人。
人並以下の能力を持つぼくには、とてもとても届かない人々。そして、ぼくを歯牙にもかけない人々。
だが滞在四日目の朝、島を襲う地震の翌朝―――異変は起きた。
招かれた《天才》の一人が、首なし死体で発見された。
でもイリアさんは頑なに警察を呼ぼうとしない。七日目に来る探偵に事件を解いてもらおうというのだ。
殺人事件に興味を示す玖渚をよそに、ぼくはただ傍観者として事件を立ち振る舞うつもりだった。でも、五日目の朝に起きた事件で、ぼくは事件の謎に挑戦することにした。

…でもそれは戯言。ぼくは探偵なんかじゃない、ただの傍観者、狂言回しだ。事件の真相など…たどり着けることはない。




登場人物


玖渚友の付き添い、おまけとして鴉の濡れ羽島を来訪したこのぼくだ。
この時はまだ「戯言遣い」の仇名はない。
今回は奇天烈な天才やお嬢様たちに振り回されるのが精一杯で(かつまともに相手してもらえず)、玖渚にもクールに対応しているように見えるだろう。
ヒューストンから日本に帰省して2ヶ月目、徐々に慣れつつある中での孤島生活だったものだから、異世界に来たようだったな。
で、異常な空間で異常な殺人事件に巻き込まれ、イリアさんの敬愛する名探偵の到着前に事件を「一応」終わらせようとしたんだけれど…。


天才・技術屋。
ご存じ、ぼくが付き添っている青色サヴァンの女の子だ。
この時はまだ、ぼくを「いーちゃん」と呼んで懐いてくる変わり者の天才だったように見える。
外出を嫌う彼女だったが、鴉の濡れ羽島で過去に起こった《事件》に興味を持ち、その調査目的でイリアさんの招待に応じた。


  • 伊吹かなみ
CV:川澄綾子
天才・画家。あらゆるスタイル、画法の絵を完璧に描く。
ウェーブのかかった金髪碧眼の美人画家さん。幼い頃に患った病気の影響で弱視持ちで、足も不自由なため車椅子を使っている。
見た目と裏腹に結構な毒舌家で、愚かな凡人の感覚を全身全霊をもって罵倒する。もちろんこのぼくを筆頭に。
赤音さんとはとことん馬が合わず、顔を見る度に口論ばかりしていた。
四日目の朝、借りていたアトリエで、一体目の首斬り死体で発見される。現場は前夜の地震で倒れたペンキで川が出来ており、密室状態だった。


  • 園山赤音
CV:嶋村侑
天才・学者。
ぼくがかつて参加していたヒューストンのER3システムのトップの学者チーム、七愚人《世界の解答に最も近い7人》の一人。ぼくの大先輩にあたる。
冷静沈着で落ち着いた女性で、ぼくに対しても優しく接する。でもやはり天才に紛れず、凡人との差に対して無理解さを垣間見せる。
かなみさんを公然と軽蔑し、顔を見る度に彼女に喧嘩を吹っ掛け、そのためにかなみさん殺しの重要容疑者として浮上。
さらにアリバイがなかったことを機に、ぼくの提案で地下倉庫に保護(軟禁とも言う)される。
が、五日目の朝、密室状態の倉庫内で、二体目の首斬り死体で発見される。


  • 姫菜真姫
CV:遠藤綾
天才・占術師。
プレコグニション(予知能力)、クレヤボヤンス(千里眼)の力を持つ、自称本物のESP=超能力者。
常に人を食ったような性格で、勝手気ままな態度で周囲を振り回す。
周囲の印象はもちろん悪いが、特にぼくにやたらと辛辣な態度をとり、顔を合わせる度に小馬鹿にするため、戯言抜きに不愉快な人だ。
…その力をもってして、何故事件を放置していた?理由は簡単だ、それが彼女が辿り着いた境地だから。


  • 佐代野弥生
CV:池澤春菜
天才・料理人。
「絶対味覚」の舌の持ち主で、ありとあらゆるものを舐めるだけでその成分を読み取れる。例えば汗の味から血液型を当てるように。
趣味として屋敷の調理も担当し、毎日様々な豪華料理を作ってくださった。
ただ感覚としてはごく普通の一般人のそれで、連続殺人にすっかり心が参ってしまう。そして、自分達天才を島に招待したイリアさんを疑うようになる。
…印象が薄すぎたせいか、ぼくは8月には彼女の名前をすっかり忘れてしまっていた。


  • 逆木深夜
CV:浜田賢二
伊吹かなみの付添人。
足が不自由なかなみさんの介助として、島に同行。同じ天才でない「凡人」として、ぼくに親近感を寄せていた(買い被りだ)。
かなみさんとはほとんど恋人同士に近く、彼女のわがままにも臆することなく付き従っていて、彼女が死んだ時には大きなショックを見せていた。


  • 赤神イリア
CV:伊瀬茉莉也
屋敷の主人。
日本を代表する大財閥、赤神家のお嬢様で、あまりに破天荒な性格のために本家を追放、鴉の濡れ羽島で四人のメイドと隠居生活を満喫。
この人も別の意味で凡人を逸している人だ。
退屈しのぎのために日本の天才五人を屋敷に招き、共同生活を実施する。
突然の殺人事件にもむしろ興奮し、そして一週間後に到着する最後の天才で名探偵の《哀川さん》に「プレゼント」するために事件を放置する暴挙に出る。
…実は過去に自分の姉を殺し、殺人衝動をもつ病気を患っている、とてる子さんは言うけれど…。


  • 班田玲
CV:桑島法子
屋敷のメイド長。
常にイリアさんに付き従っているショートヘアのメイドさん。あまり話さないから、性格が読めない人だ。
ぼくともほとんど接点はないけど、後日談でようやくまともに会話する。でも…。


  • 千賀あかり
CV:桑谷夏子
三つ子メイド・長女。
気の強いメイドさん。
三つ子の中では一番タイプなのだけど、最終的に一番ぼくに対する風当たりが悪かった気がする。


  • 千賀ひかり
CV:新谷良子
三つ子メイド・次女。
おっとりしたメイドさん。ぼくや玖渚とは一番交流時間が長く、すっかり打ち解けたこの島の癒しとも言うべき存在だ。
赤音さん殺しの事件でアリバイがなかったことから、主人のイリアさんに疑われてしまう。


  • 千賀てる子
CV:後藤邑子
三つ子メイド・三女。
眼鏡っ娘メイドさん。無口で五日目までは声も聞いたこともなかった。
だが、一度口を開けばかなり辛辣で、イリアさんの地雷に触れたぼくを滅茶苦茶に罵った。…もっともそれは図星なのだけれど。
でもそれは嘘かもしれないし…そうでないかもしれない。あと戦闘力は三人の中でも最強。


人類最強の請負人。
ご存じ、今回がぼくと初めての出会いとなる、傍若無人な赤い人だ。
イリアさんが恋をするくらいに夢中になっている「探偵」(と思っていた)で、七日目に鴉の濡れ羽島に到着予定だった。
ぼくが見せ場を奪ってしまった腹いせで、本土に帰還後、車でぼくを拉致って事件の「本当の真相」を聞かせる。
イリアさんの態度から男と思っていたけれど、最初は女性とは思わなかったな(今更、戯言だ)。











…今日のところはここまで。


では、最後にぼくから追記修正について一言アドバイスを。



スタイルを持たずに、何にでもなれるように。




…本当、戯言だよ。

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