登録日:2017/06/18 (日) 22:35:27
更新日:2025/01/10 Fri 14:30:49
所要時間:約 9 分で読めます
概要
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス(Independence Day:Resurgence)』とは、2016年に公開されたアメリカ映画。
1996年のSFアクション映画『
インデペンデンス・デイ』の20年越しの続編である。
監督は前作に引き続きローランド・エメリッヒ。
前作からリアルタイムで年月経過し、20年後の世界を舞台としている。
今作では、前作の戦いからエイリアンの技術を獲得し、宇宙船や月面基地、さらにはビーム兵器を内蔵した宇宙用戦闘機など、スペースオペラ寄りなギミックが満載。
世界観としても、世界が一つとなった地球宇宙防衛軍が中心となるなど、前作の「圧倒的技術力の差を持つ敵に打ち勝つ」ようなリアルミリタリー路線から大きく変更された。
当初は前作でスティーブン・ヒラー大尉を演じたウィル・スミスが続役予定だったが、DCコミックス映画の『
スーサイド・スクワッド』の撮影のブッキングで降板。
そのため、今作では前作からの20年の間に戦闘機のテスト飛行中に事故死したという身も蓋もない裏設定がつけられた。
こうした前作からの大きな路線変更、ウィル・スミスの降板が災いしたのか、興行収入としては前作の3分の1程度に留まり、出費国である中国での興行収入は世界全体の半分を占めるなど大成功の部類だったが、国内のみだと赤字となってしまう。
なお、20世紀フォックスは今作を2部構成にするというエメリッヒ監督の意向に難色を示し、今作の成功を条件に3作目の企画を考慮したがその達成は難しい模様。
公開当初、吹き替えに俳優の藤原竜也だけでなく、豪華声優陣が起用されたことでも話題となった。アニメで見かけるキャストであるため、今作のSFアニメらしさを強めている。
ストーリー
1996年、宇宙の果てから飛来したエイリアンの軍団は世界各地の都市を破壊したが、地球人の知恵と勇気によって打ち倒された。
…それから20年、エイリアンの技術を得た地球人は格段に文明を発達させ、国家間の戦争も根絶した防衛軍を結成。
宇宙への進出も着々と進み、平和な世界を取り戻しつつあった。
だが、前回の大戦の英雄・ホイットモア元大統領は脳内に浮かぶ謎の図形と警告に苦しめられていた。
さらに、南アメリカに残存していた残党の宇宙船からも、謎の信号が宇宙へと発信される。
そして、突如月面基地に現れた謎の球体の宇宙船。敵性と判断されたその宇宙船は撃ち落されるが、先の通信や予兆を危惧したデイビッド・レヴィンソン防衛部長は宇宙船の回収に向かう。
やがて不安は的中した。7月4日、20年前よりも遥かに巨大なマザーシップが地球に飛来したのだ。
敵はエイリアンの司令たる「女王」。さらに進化したエイリアンと、戦力を蓄えた人類の二度目の戦いが始まる。
登場人物
演:リアム・ヘムズワース/吹き替え:
藤原竜也
地球宇宙防衛月面基地配属のエースパイロット。
戦闘機の操縦の腕前は確かだが、お調子者で規則を無視し、無茶な飛行ばかり行う問題児。
訓練中に起こした無茶が原因でチームメイトのディランの操縦を妨害してしまい、以来仲が険悪となっている。
演:ジェシー・アッシャー/吹き替え:
前野智昭
20年前の大戦の英雄、スティーブン・ヒラー大尉の義理の息子。
前作で無邪気にはしゃいでいた少年の成長した姿である。
父の跡を追うように戦闘機パイロットとなり、防衛軍を代表するレガシー航空隊の隊長となった。
訓練中のトラブルでジェイクとは今も犬猿の仲。だが、今回の戦いで和解の機会が?
演:マイカ・モンロー/吹き替え:
坂本真綾
ホイットモア元大統領の娘。前作であどけない少女も、今は一人前の女性に成長。
現在は大統領の補佐に就いており、かつては父のようなパイロットを志望していたが現在は一線を退いている。
訓練学校時代、ジェイクやディランの同期であり、三角関係の末に今はジェイクと交際中。
20年経過し体調が悪化する父を心配し、穏やかな老後を暮らすことを望んでいたが…。
演:トラヴィス・トープ/吹き替え:
石田彰
ジェイクの相棒パイロット。
いつも無茶をやらかす相棒に冷や冷やし、よく弱気を吐くいたって普通の感性を持つ。
レインに一目惚れし、積極的にアタックする。
演:アンジェラ・ベイビー/吹き替え:
小松未可子
レガシー飛行隊の中国系女性隊員。
月面基地のジャン司令の姪であり、パイロットの腕前も高く冷静沈着な性格。
演:ジェフ・ゴールドブラム/吹き替え:
大塚芳忠
前回の戦いでエイリアンの弱点を解析した技術者で、現・地球宇宙防衛部長。
各地の宇宙船の残党が宇宙に向けて信号を発信している現象を調査するうちに、新たな勢力の存在を知る。
警告も叶わずマザーシップの襲来により、二度目のエイリアン撃退作戦を指揮することとなる。
演:ビル・プルマン/吹き替え:安原義人
20年前、米軍を鼓舞し、戦闘機部隊を率いた英雄たる元大統領。
しかし今や老いにより衰えた老人と化しており、かつての威厳は最早ない。
20年目の記念日が近づき、エイリアンと直接接触した後遺症により謎の記号を書き殴るという発作に見舞われ、人類に向けてエイリアンの警告を伝える。
そして絶体絶命の中、最後の務めを果たすために再び戦場へと舞い戻る。
演:シャーロット・ゲンズブール/吹き替え:
林原めぐみ
エイリアンと交信した患者を中心に研究している心理学者。
再婚した妻のコニーを交通事故で亡くした直後のデイビッドと一時交際していた。
エイリアンと接触したことのある人間に共通する謎の記号と宇宙船の信号の関連性を調べ、デイビッドに協力を依頼する。
演:ジャド・ハーシュ/吹き替え:清川元夢
デイビッドの父。現在は20年前の大戦を基にした自伝を出版し穏やかな老後を満喫している。
マザーシップ襲来時に船で沖に出ており着水時の大津波に巻き込まれ、遥か陸地に流され避難中の子供たちと合流、何故かそのまま車やスクールバスを乗り継ぎながらエリア51の基地へと向かう。
演:ヴィヴィカ・A・フォックス/吹き替え:渡辺美佐
ヒラー大尉の妻で、ディランの母。
ストリッパーだった彼女も、前回の戦いで被災者を救助した経験を生かし立派な女医となった。
マザーシップ襲来で最後まで取り残された患者の傍にいたが、避難する際にビルの崩落に巻き込まれ、救助誘導する息子の目の前で死亡する。
演:ブレント・スピナー/吹き替え:掛川裕彦
旧エリア51の科学者。
前作でエイリアンの解体中に復活したエイリアンにより死亡したと思われていたが、20年間昏睡状態ながらも生きていた。
エイリアンの再襲撃と共に目覚め、エイリアンの交信経験を活かして難航する敵の攻略や月面の球体の調査を中心にまさかの大活躍を果たす。
演:ジョン・ストーリー/吹き替え:星野充明
オーキン博士の助手。20年間眠っていた彼の世話をしていた。
実は博士に友情以上の感情を抱いていたご様子。まさかの一番の泣き所をかっさらった。
演:セーラ・ウォード/吹き替え:山口由里子
現・米国女性大統領。
冷静沈着で慎重派な女性だが、流されやすく肝心な時に決断を誤るどちらかと言えば暗君であった。
演:ウィリアム・フィクトナー/吹き替え:
立木文彦
地球宇宙防衛軍の将軍。エリア51基地の司令を務める。
中盤、大統領のシェルター襲撃により急遽大出世。
演:ニコラス・ライト/吹き替え:松本忍
政府監察官。デイビッドの視察に任務を見学するつもりだったがエイリアンとの決戦の現場に巻き込まれてしまう。
演:デオビア・オパレイ/吹き替え:乃村健次
アフリカのコンゴの部族部隊の隊長。
ナイフと格闘術だけでエイリアンと戦い続けてきた歴戦の勇士。
演:ジョーイ・キング/吹き替え:
潘めぐみ
大津波から避難する際に遭難していたジュリアスを拾った四人兄妹の長女。
思春期真っ盛りで彼氏や両親を津波で亡くし落ち込んでいたところ、何かと呑気な弟たちやジュリアスに苦言を呈していた。
そのまま置き去りにされたスクールバスと合流し、ジュリアスと共にエリア51基地へと向かう。
登場する異星人
エイリアンの司令。星系ごとに母星から派遣されている侵略の統治者。
逃亡した種族の天敵である球体の異星人を追い、さらに侵略を中断された地球を壊滅させるために自ら出撃。
圧倒的な戦力差と敵部隊を罠に嵌めるなど狡猾さでもって侵略していく。
…が、あっさり偽の発信に騙されホイホイと囮に乗り、怒りでスクールバスをひたすら追い回した挙句追い付けないなど抜けているところも。
エイリアンの敵対種族。
かつて科学技術の発達による肉体の情報化で有機的肉体を捨てたほどの高度文明を持っていたが、エイリアンの侵略によって故郷は壊滅。
その後生き残った彼らは同じくエイリアンに滅ぼされた星の種族を集め、対エイリアンの星間連合を結成していた。
だがエイリアンに見つかり逃亡の旅に出たところ地球で撃墜されてしまうも、最終的に救出され人類に全てを伝えた。
メカニック
エイリアンの戦闘機の技術を搭載し、宇宙空間での航行が可能となった戦闘機。
基本構造はF-22ラプターと同じだが、最新の核融合エンジンを搭載し亜光速飛行が可能となった。
宇宙空間での運搬、建設作業を目的とした宇宙船。
過酷な環境下での作業にも耐えられるように頑丈に造られているようだ。
人類の宇宙進出の第一歩として、2009年に完成。
クルーは主にアジア人で構成されている様子。防衛用主砲も完成したが、パワーアップしたマザーシップの猛威には全くの無力だった。
衛星軌道上に備え付けられたビーム兵器群。しかしマザーシップの攻撃に(ry
エイリアンの女王の指揮する部隊の搭乗する巨大円盤。トレードマークの主砲のみならず、
- 主砲相当のビーム攻撃もシールドで防御
- 大気圏に接近するだけで空が炎上
- 着陸制動だけで東南アジア~中東が巻き上げられ壊滅
- 着陸態勢だけで巻き上げられたアジアの建造物がヨーロッパに落下し壊滅
- ペダルの着水だけで大西洋が大津波になり、東海岸水没
…等、完全に規格外の被害をもたらした。
最終的には地球のコアを奪うために地道な掘削活動を行う。
余談
2016年の公開当時、日本では今作の公開3週間後に『
シン・ゴジラ』が控えていたが、当初同作の英語タイトルは『GODZILLA:RESURGENCE』であり本作と丸被りだった。
この件でアメリカ国内ではどうなるのかと話題になっていたが、最終的に『シン・ゴジラ』の方が『SHIN GODZILLA』のタイトルで公開されることとなり決着。
なお日本では今作は26億円の興行収入とそれなりにヒットを飛ばしたが、『シン・ゴジラ』は同年の邦画興収第2位の82.5億円の大差をつけている。
人類を代表して言おう。
追記・修正記念日おめでとう!
- 途中から宇宙船どこいったってなった -- 名無しさん (2017-06-18 23:09:28)
- ゴジラでエメリッヒでタイトルまで被るもんだから一時期ネタにされてたな、作品自体もまあ...って感じだったけど -- 名無しさん (2017-06-18 23:25:14)
- 日本語吹き替え版はマリ、カヲル、時田、レイ、冬月、リツコ、ゲンドウがいて狙ったとしか思えないwウィルスミス降板がなければ加地さんもいたんだろうな -- 名無しさん (2017-06-18 23:38:12)
- もう地球防衛軍並みに地球側が超兵器投入してよかった気はする -- 名無しさん (2017-06-19 00:30:59)
- 少なくても観て損はなかったと思う面白さだとは思うんだけどな。前作と比べて批判する人は何を求めていたんだろう -- 名無しさん (2017-06-19 08:10:31)
- ↑まあ、名作の続編ってことで期待値が高すぎたんだろうね。 -- 名無しさん (2017-06-19 09:01:51)
- エイリアンに肩入れするのもアレだけど、「後数秒粘れば勝てるんだから、トップ死んだのぐらい後回しにしてがんばれよ!」と突っ込んでしまった -- 名無しさん (2017-06-19 09:12:42)
- 露骨に「それ、エメゴジで見たぞ」なシーンが多くてなあ・・・そしてそのエメゴジが「それ、ジュラシック・パークでry」だから「初見なのに見飽きたような感覚」に陥るっつー・・・ -- 名無しさん (2017-06-19 18:44:05)
- エイリアンの技術で技術発展した未来のシーンは見て感動したな -- 名無しさん (2017-06-20 00:31:28)
- ↑だが無意味だ(勝てるとは言ってない) -- エイリアン (2017-06-20 23:10:20)
- ↑2 だからこそ月面基地の瞬殺っぷりと終盤の90年代チックなスクールバス大暴走に萎えてしまった。 -- 名無しさん (2017-06-20 23:24:15)
- 後半のフロイドのヒャッハーっぷりと終わりの時にあんなにボコボコにされているのに「今度はこっちの番だ」と戦意高い地球側に吹くわ -- 名無しさん (2017-06-22 22:48:19)
- ↑2 「お約束」だからね。エメリッヒが良い意味でも悪い意味でも「お約束」ばっか作る人だから・・・ -- 名無しさん (2017-06-30 23:41:23)
- 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2019-10-12 13:06:35)
- シン・ゴジラの衝撃と興奮冷めやらぬままハシゴで見て、一気に脱力したのはいい思い出です。 -- 名無しさん (2020-05-19 02:28:40)
- 次回作あったら被害者の会が地球に来訪するんだろうか -- 名無しさん (2021-12-17 21:03:20)
- 3作目は被害者の会と連合艦隊作って逆にハーベスター母星(滅びてなかったら)攻め込んで欲しい -- 名無しさん (2022-11-06 17:10:25)
- 母艦の攻撃力が高すぎて子機が全然出てこないで戦闘機のドッグファイトが見れなかったのが残念かな。前作はそこも大きな見どころだったのに。 -- 名無しさん (2024-04-22 09:46:59)
- 公開前に発売した、本編の小説版と、前作から今作までの20年間を描いた「クルーシブル」の2冊を事前に読んでから観に行った。だから、映画ではバッサリカットされた裏設定や登場人物のバックストーリーがスラスラと頭に入ってきた。だからこそ、監督・脚本のエメリッヒ監督に言いたい。『そ れ を 映 画 本 編 で や れ』 -- 名無しさん (2024-04-28 04:11:30)
最終更新:2025年01月10日 14:30