バイヴカハ(グラブル)

登録日:2017/08/07 (月) 23:18:20
更新日:2024/10/22 Tue 10:42:11
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いざ
戦わん
勝利のために

バイヴカハとは、ソーシャルゲームグランブルーファンタジー』に登場する星晶獣。
元は同社作品である『神撃のバハムート』に神族として登場しているキャラクターだ。
レジェンドガチャおよびサプライズチケットで入手可能な召喚石であると同時に、最終解放の際には彼女たちと戦場で相見えることとなる。

姿は、赤、青、白の衣を纏い、鳥たちを従えて背中の翼を広げた、三人の女神。
名前の由来は、ケルト神話に登場する、モリガン、ヴァハ、バズヴの三人の女神。このうちの一人、バズヴの別名が「バイヴ・カハ」。軍神、戦乱の神といった要素を持ち、本項で説明するバイヴカハもまた、その由来の通り、敵としても味方としても、激しい戦いを司っている。



召喚石として

風の属性のSSR召喚石。
分類としては、「高級鞄」と呼ばれるタイプ。
すなわち、加護効果はあまり意味を持たず、属性攻撃力および属性ダメージカットの効果をもたらす召喚効果にその本領を発揮する。

召喚効果
敵全体に風属性ダメージ(特大)。
味方全体の風属性攻撃を25%UP。3凸で50%、最終解放で60%UP。
同じく味方全体の土属性ダメージを25%カット。3凸で50%、最終解放で60%カットする。

加護効果
弱体効果耐性30%UP。3凸で40%。
風属性攻撃時にクリティカル確率UP。最終解放で効果値が上昇する。

最終解放時の土ダメージカット60%は、土属性の攻撃ならば実に6割のダメージを完全に遮断することを意味する。これはホーリーセイバーのアビリティ「ファランクス」とほぼ同等の効果であり*1、ユグドラシル・マグナの一撃必殺の特殊技「創世のルミノックス」すらも大幅にダメージを減らすことができる。
さらに、風属性の攻撃力は倍前後になるため、土属性のボスや土属性古戦場のボスなどに対して圧倒的な威力を発揮する。ファランクスと異なり、効果時間が3ターンあるのも魅力。

反面、加護効果は攻撃力に影響しない弱体効果耐性と、確実に攻撃力を上昇させるわけではないクリティカル確率UPであるため、メイン石やサポ石に置いてもティアマト・マグナのようなマグナ石、アナトのような攻撃力UP石のような効果は期待できないだろう。主にサブ石として運用し、相手の大ダメージを与える特殊技や特殊行動の前に召喚するのがセオリー。
バイヴカハの下位種であり初心者も入手機会の多いカーバンクル*2はフレ石に置いている人が時々いるが、入手機会が少ないバイヴカハなどの高級鞄をフレ石に置いている人は余り見ることがない。カツウォヌスをメイン石にする時に必要度が上がるカー・オンは所持者が多少多いのでその分見ることも多いかも。



ボス敵として

召喚石としての効果はシヴァやルシフェルのような強力な召喚石に比べるとサポート主体の効果であることもあって、主役級というほどのインパクトはない。

が、バイヴカハが真にその存在感を発揮するのは、彼女らと敵として対峙した時。



バイヴカハこそは、グラブルでも最難関・エンドコンテンツとして名高い召喚石HLマルチの、その中にあってなお最難関とされるボス敵なのである。



召喚石HLマルチとは高級鞄を最終解放するための条件となるマルチバトル。
通常グラブルのボス戦は、救援依頼を出し大勢で倒す仕組みとなっている。そのために数百万、数千万という、一般的なRPGの常識では考えられないようなHPのボスを、数分かからずに仕留められるのだ。
その人数も、通常のマルチバトルなら上限30人。2億ものHPを持つプロトバハムートを、30人の猛者たちがみるみるうち削っていき、打ち倒していく光景はある意味グラブルの醍醐味。

けれども中にはさらに人数制限のかかるマルチバトルもある。ランク101以上に達した者のみが挑戦する資格を得られるHLがこれにあたる。最初のHLとなるであろうティアマトやコロッサスのマグナHLは18人を上限とする。
だがこの時点でもまだ、ランク101に到達するほどになったプレイヤーなら、フレンドや救援に来てくれたプレイヤーたちと協力すれば、難なく攻略できることだろう。たとえ敵のHPが1億あったとしても。
プロトバハムートHLやアルティメットバハムートを除くが。

では、召喚石HLマルチはどうか。
本項でも紹介するバイヴカハをはじめ、各々が3億ものHPを有する最強クラスのボス敵たちに対して、挑むことが許可される人数は6人。



6人。



6人のプレイヤーのみで、3億のHPを持つボス敵を攻略する。これがいかなる意味を持つかは、グラブルを知らない読者にも察して頂けるのではないだろうか。一人頭の削るHPのノルマは、6分割しても5000万。
中級クラスのプレイヤーの最初の関門となるであろうマグナボスのHPが1000万程度で、通常はそれを30人枠で攻略することを考えれば、これがどれだけ凄まじいことかわかるかと思うのだ。

もちろんランク101にもなればマグナボスを1人で数分で討伐してしまう人もいる*3
しかしハイレベルと言われるだけあって、当然こちらはHPが高いだけではない。
その攻撃も熾烈を極め、ジョブ、武器、召喚石いずれも最高のものを揃え、攻略テクニックも熟練の域に達したプレイヤーが6人揃って、さらに行動パターンとその対処法を頭に叩き込んだ上で、ようやく攻略できるようになるほどの難関ぶりである。

当然、ランク101に到達したばかりでは、戦列に加わることすらままならないだろう。ランク150、175越えという天上人たちが集ってようやくまともに戦えるという、まさに極限のステージなのだ。



いずれも劣らぬ強者揃いの召喚石マルチHLにあって、このバイヴカハが屈指の難敵と称される所以は何か。

一つには、モードゲージがないことが挙げられる。
モードゲージがあれば、敵をブレイク状態に持ち込み特殊技を使用不能に持ち込める。
バイヴカハにはそれがないため、特殊技を封じることができない。加えてチャージターンは1。つまり1ターンおきに熾烈極まりない特殊技をぶっ放してくるということだ。
モードゲージがないということは、ブレイク状態の敵に大ダメージを与えるブレイクアサシン系、オーバードライブ状態の敵に大ダメージを与えるドライブアサシンといった敵のモードゲージ依存のアビリティがほぼ無力化されてしまうということでもある。

弱体耐性も極めて高い。グラビティ、魅了、恐怖、麻痺といった戦線維持に重要なデバフは、二回目以降高確率で弾かれてしまう。まず行かないと思うが、有利属性以外ならほぼ不可能。
一方でバイヴカハの特殊技には凶悪なデバフを持った技が多く、生半可な対策では途中で戦場に立っていることすらできなくなる。デバフだけでなく威力自体も並外れた大火力。
そしてこのデバフは全て永続。ターン経過で解除されないのでクリアなどで解除しなければどんどん増えていく。

HPが83%を切ると真の力を解放してきて、攻撃力・DA率が大幅に上がる。カット無しで素受けするとガチガチの武器・石編成でも1撃で6000ほど与えてくる。上記の通りDA率も上がっているため危険。

HPが66%を切ると再び真の力を解放。さらに攻撃力が上がる。素受けすると8000近いダメージが入るので対策はほぼ必須。特殊技の「テスラ」も威力が高い上に、クリア1発では消えないDATA率ダウンを付けてくるのでマウントをかけておくといいだろう。

HPが50%を切ると、特殊行動「ネヴァン」を使用してくる。
この技はダメージこそ無いものの、1回分の反射効果を自身に付与する。ドラクエでいえば、マホカンタ+アタックカンタの効果。
そしてグラブルの世界で攻撃が敵に反射されるということは、数十万、数百万のダメージがそのまま味方に返ってくることを意味する。当然対処しなければ全滅不可避。
そしてこの特殊行動は6人全員で発生する。
つまり、「だれかが勝手に50%を切るダメージを与える」→「いつの間にか反射付与」→「知らずに殴ってしまい全滅」ということになりかねない。
そのためバイヴカハとの戦いでは、参加者6人全員がHPが52~51%になったあたりで一旦停止。フルチェイン可能な参戦者がスタンプで他の参戦者を制した上でトリガーを超え特殊行動を誘発させた上でディスペルで解除。
その後他の参戦者が1人ずつ特殊行動で誘発→ディスペルで解除の流れを繰り返していかなければならない。1度全員で特殊行動を誘発させ、その後まとめてディスペルなどということは不可能なので要注意。誰かが特殊行動を誘発させ、反射を付与した時点ですべての参戦者が殴れなくなる。
当然意思疎通は非常に大事である。スタンプできちんと連携を取らなければならない。
また時間がかかるのでデバフは消えてしまう。温存しておいて全員がトリガーを超えたらかけなおそう。
このため、誰かがディスペル系を大量に積んでくるか、ロボミ等のディスペル効果を持つ召喚石を装備してターンを回し発動可能状態にしておくことが推奨される。

最後にバイヴカハの直接攻撃力。戦闘開始直後は驚くほどではないものの、後半になるにつれて真の力を解放するにつれて攻撃力が上がっていき、最終的には1発7000~10000ものダメージを受けてしまう。
そしてHPが10%を切ると、特殊技「トゥアハー・デ・ダナーン」を使用するようになる。ケルト神話における神々の集団を由来とし、銀髪のウィスパードの少女が指揮するミスリル西太平洋戦隊の旗艦にも冠された名前を持つこの特殊技の効果は、カットなしの場合全体に4万前後のダメージ+全体の強化効果1つ消去の効果。
基本的に攻撃力のみを上昇させることを基本とするグラブルにおいて、よほどの上級者でも味方の最大HPは1万2,3千程度。つまりこれをまともにくらったらほぼ確実にその場で戦線崩壊、あるいは全滅を意味する。その大技が1ターンごとに飛んでくるのだ。
残りHP10%とはいえ、3億の10%は3000万。まだまだ侮れる数字ではない。まさに三位一体の戦女神による最後の試練と言えよう。当然のことながらカットを用意しなければならない。
もしくはここまで来ると麻痺も通るようになっているので、後衛に入れておいたソーンを引っ張り出して麻痺を付与→延長している間に全員でボコボコにしてしまうという手もある。ただ上記の通り非常に弱体耐性が高い上に、ソーンは弱点属性でないために麻痺が通りにくい。ハイリスクハイリターンであると言えよう。

くどいようだが、この超難関を攻略できる人数は6人。誰か一人手を抜いてもクリア不可能である。
……と言いたいところだが、世の中にはこのステージをソロで攻略するプレイヤーもいるらしい。空の世界は広かった。



これほどまでの、極限の試練を経て得られるのが、バイヴカハの最終解放による風攻撃力70%UPおよび土ダメージ60%カットの効果。
確かにそれは小さい効果ではないし、うまく使えば強大な力を発揮するだろうが、ここまでの難関を突破するだけの価値のある、召喚石中で頂点に立つほどの効果かと言えば疑問が残るだろう。例えば火属性攻撃力を120%UPさせ、召喚効果で一度だけダメージを倍増させる召喚石シヴァなどは入手した時点で難易度をガラリと変えるほどの効果の高さゆえに、サプチケでも入手不能となっている。
それゆえバイヴカハの最終解放は攻略のための力というよりは、グラブルというゲームをそこまで極め、さらに5人の戦友と万全の呼吸を合わせて戦い抜いたことを証明する、トロフィーのようなものだと考えた方が正しいのかも知れない。




……というのが、全盛期から編集されていない本項目の解説。

申し述べておくと、この項目に書いてあることは嘘ではない。それどころか当時の要点をつぶさに解説している古き良き解説でさえある。
細部は間違いが多いが、グラブルはシステムや用語が複雑すぎる上に更新が非常に頻繁に起こる。
誰がどう記事を書いても絶対に文句が出るし、そもそも攻略情報を求めているんだったらこんなサイトを見るわけがないと割り切った方がいいだろう。アニヲタwikiってそういうサイトだ。
でも昔の記述がしっかり残るという意味でも、とてもいいサイトなのだ。gamewithなどの攻略サイトではこうはいかない。

青い衣を着ているのが長姉モリガン(CV:雨宮天)、
赤い衣を着ているのが次姉ヴァハ(CV:小松未可子)、
白い衣を着ているのが末妹バズヴ(CV:井上麻里奈)。
サイゲ世界における「バイヴカハ」は、この三姉妹を指す固有名詞である*4
元ネタはケルト神話に出てくる「バズヴ(バズヴ・カタ)」。日本語にまったく馴染みのない発音のため、だいたい「バイヴ」「バイブ」などと略される。
ちょっと下品な略称だが、「バイガウハ」のように間違えて覚える人が結構多いので、そういう間違いを正すという意味では結構よかったりする。


バイヴカハは前述されている通り、「定石や搦め手が通用せず、それでありながらやってくることは単純」という、当時のグラブルでは珍しかった超ド直球の理不尽ボスであり、とにかく真っ向勝負を強いられる。
しかも当時はまだレガリアシリーズ(マグナ2)も実装されておらず、
  • 4凸のマグナ1編成、あるいはまだまだおもちゃレベルだった神石編成
  • 出そろっていないクラス4ジョブ
  • 実装当時は人権とまで言われた120石のシヴァはまだ未実装
という状況でこんなもんを倒しに行くのである。冗談抜きで「色変え四天刃」が最強の武器だった時代だ。
カオスルーダーの「アンプレディクト」も、「ミゼラブルミスト」効果が安定しないせいで「アビリティ枠の関係で下位ジョブのダクフェの方が強い」と言われていたような、ゲーム開発側も未熟な頃。今では当たり前のことが、当時は夢のまた夢。
そんな不完全な状態で挑む、まさに難敵。
さらにこの時期のバイヴカハはこの戦いのセリフ以外にグラブルにおける登場シーンがなかったこともあり、その単純な大火力に加え、その「爆ぜよ」「散れ」「滅びなさい」「足掻け、力無き者よ」という突き放すようなセリフも相まって、「人の道理を理解しない無慈悲で理不尽な女神」という唯一無二の魅力にもつながっていた。

一時期は後発のエンドコンテンツだった「アルティメットバハムートHL」にも並ぶと評されることさえあった。「むしろ属性を選べるアルバハよりキツい」という評価すらあったほど。
アルバハより難しいというのもあながち冗談ではなく、当時は火属性は神石編成だとHPを盛りづらくて事故死が怖く、マグナ編成だと火力が盛れないのでジリ貧必至*5という、編成に求められる質が頭ひとつ抜けて高かったのである。
その点アルバハはトールでも持っておけば末席に加えてもらえるし、得意属性で挑めばいいし、2,3回やれば何に気を付ければいいかも分かってくるので簡単。下位報酬でさえ当時高級品だった「銀天の輝き」や集めるのが面倒な「究竟の証」や天司アニマなどが入ってておいしいから何度も挑んでいるうちに、初心者や身勝手プレイヤーによるデバフリセットにも柔軟に対応できるようになっていく、というわけ。
その点バイヴカハはとにかく搦め手を許さない。「恐怖なぞ使ってんじゃねえ!」とばかりに真っ向勝負を強いてくるし、火属性を鍛えていないと本当にきつい。

そして厄介なのが、50%でつけてくる反射。この反射縄跳びに失敗する(反射事故)と、一般的な状況だと他のプレイヤーの主人公が真っ先に反射ダメージを受けて即死する。「自分の失敗で他人が壊滅的な被害を受け、自分は一切被害を受けない」という、共闘しているプレイヤーが一番ギスギスする状況を一瞬で作り出す。えげつねェな……。
グラブルは主人公の役割が非常に大きいゲームであり、主人公が落ちると「参戦者全体にかかる効果や召喚などが不可能になる」というゲーム性なので主人公は絶対に残しておかなければならない。もしそれがスパルタだったら、以降ダメカ役が一人いなくなった状態での討伐を強いられる。カーバンクルなども召喚できないのでダメージは見る見るうちにかさんでいき、3,4ターンで「勝利を信じて!」間違いなし。上位報酬を狙えるほどの火力を出せる人なら、その後ダメージを稼げなくなって報酬がまずくなるというオマケつき。
だからプレイヤーは絶対にこう思う。
「あーあ!あいつが反射踏んでなかったらなぁー!」
こんなギスギスした空気で残りの討伐、そして連戦の場合はこの次からの討伐もこなさなければいけない*6

といっても、この不完全なパーティを強いられていた時期でさえ、「役割分担をして戦うのが当たり前」というプレイヤーが集えば非常に簡単に倒せるボスだったりする。
確かに理不尽なのだが、そもそも示し合わせて挑む敵なのだ。全盛期のフラムやメドゥのようにギスギスする要素が常に付きまとうわけでもないし、全盛期のプロバハHLのような晒し行為があるわけでもない。現在の高難度コンテンツのように開幕で数万ダメージ与えてくるわけでもない。このひりつく緊張感を味わいたいという物好きなプレイヤーも当時はそこそこいたものである。あとボイスがえっちだし。
ぶっちゃけダメカとクリアさえ切らさなければ(それがキツいのだが)、最後の10%までなら割と安定する。最後の10%はファランクス越しでさえ致命傷や全滅をさせてくるのでキツいのだが、それだって当時はフレンド石で「アテナ」を借りるのが一般的なので割と安定するのだ。
コメント欄にはずいぶん苦戦している感想が残っているが、ぶっちゃけ知恵の輪のように頭を使って解くものを強引に引きちぎろうとするから難しくなっているという意見は当時から多かった。
むしろ「無駄に体力が高く、参加報酬の関係でワンパン放置が横行するせいでそもそも討伐自体が成り立たない」マグナHLや、「報酬がゲロマズなせいで誰も入ってきてくれず、入ってきたと思ったら救援欄をリセットするためで即撤退された(ひどいとカタリナの真顔スタンプを押したり暴言を吐かれることも)」リッチなどの方がよほど高難度コンテンツだった。特にリヴァマグHLとかは一時期、本当に討伐が成り立たなかったからなぁ……。

さらに実を言うとこの時点でもソロ討伐自体はかなり簡単な部類に入る。
バイヴカハはぶっちゃけ「単なる火力の高いボス」に過ぎず、後のボスのように「全体即死」「大回復バフをつけてダメージ無効」のようなことをしてこないため(これでも当時としては法外に強かった)。そして火属性には昔から優秀なキャラが多く、それらを組み合わせれば非常に時間はかかるものの現実的に狩れるのだ。
その中でも面白いのがRキャラの「フレッセル」を起用したもの。攻撃が比較的ぬるい前半にフレッセルの1アビでポーションを貯めていき、50%を超えた際の反射はフレッセルの2アビで処理。退場してもらって、あとは本隊の3人+サブ1人に「カーバンクル・ペリドット」「アテナ(石、キャラ双方)」「ザルハメリナ」などでダメージを抑えながら戦うというもので、当時の3~4凸マグナ時代でさえ現実的な確率で狩れるボスだった。
グラブルはソロ称号が実装された時期から「火力とレアリティの暴力で攻める」という分かりやすいゲームになっていったが、裏を返せばそれまではエンドコンテンツにRやSRのキャラを代用品として搭載することはできたのである*7
ぶっちゃけ頑張れば本当に無課金でもソロで倒せてしまうボスであり、かつては「Rキャラと鞄と現実的に手に入る武器でバイヴカハをソロ討伐する」という動画もあったほど。つまり知恵を使えば結構簡単に倒せてしまうのだ。
もし問題があるとすれば別にそうまでして狩りたいボスではないということだろう。当時はまだフルオートなんて便利なものはないし、カー・オンと違って「ソロでやった方が簡単」という構造矛盾ボスではないため、どう考えても試行回数を増やした方がいい。非常に時間はかかるといったが、10分とか20分じゃなくて50分ほど。それも手動。誰がやるんだこんなもん。グラブルとは知恵捨てと心得た方がいい。
そもそもソロ称号も存在していなかった時代では単なる自己満足である。……ソロ称号なんてもん実装する運営も運営だよ。


しかし当時のエンドコンテンツだった十天衆の最終解放が一般化してくると「1度目の麻痺耐性が薄い」という弱点を突かれ、「最終ソーンで麻痺を入れて4アビで延長し、2分間何もさせない状態を作ってみんなでタコ殴りにして勝つ」という、いわゆるデバフ奴隷*8戦略が一般的になってくる。こうなると単なる退屈なサンドバッグに成り果ててしまう。
さらにプレイヤー側のインフレによって6人HL自体の「人を集めて役割を分担して……」という文化が終わったこともあり、デバフ奴隷や他プレイヤーのサポートをあてにしてうまい報酬を短時間で入手する「時短役」を自称した火力職が一般化。
この時短役が数名集った結果討伐に失敗、という事態が頻発し、ただでさえ難易度の高かったマルチバトルは討伐の失敗すらあり得るほどの、別の意味での高難易度化を引き起こすことになる*9

ここまでならどんなゲームにもよくある話なのだが、実はグラブルの6人HLは上位と下位で報酬の量に雲泥の差が生じる。上位だとそこそこのものがもらえるが、下位だと参加賞のアニマとプシュケー以外ないも同然のゴミドロップなのだ。
たとえば武器「ル・フェイ」は上位を取らなければほぼドロップしない。一応参加賞の「バイヴカハのアニマ(1戦につき1~2つ)」を100個集めれば1ヶ月に1回交換することができるが、1日1回しか自発できない相手で、しかも時間はかかるし、上述の「火力職のみで挑むと討伐失敗」というおそれが非常に高いボスだし……。
とにかくこんな面倒なマルチはさっさと終わらせようと「役割分担を無視して火力職で挑んで失敗」という事態が相次いで、ただでさえ難易度の高かったコンテンツはもはや「ちゃんとわかっていれば簡単に倒せる敵を倒せない」という地獄のありさまになっていく*10

当時はまだ今ほどプレイヤー間の火力に理不尽な差がなかったこともあり、自分が火力役をやればもっと早く討伐できるのに討伐失敗が嫌だからデバフ役をやるというストレスフルなことを強いられたり、
身勝手に殴るもんだから他のプレイヤーが反射を踏んで役割を遂行できなくなって討伐に失敗したり(火力役は「あー失敗したわ」でさっさと撤退するが、そうでない人は「俺たちは成功させるためにやってんだよ!」と怒り心頭である)、
6連戦部屋による討伐が一般化した頃は「デバフ役に『俺が素早く討伐してやってるんだから』と暴言を吐く」「これがアホらしくなってワンパン放置」など様々なトラブルの温床にもなった。
海外のプレイヤーも増えてきた時期であり、そもそもコミュニケーションが取れないという事態も……。

現在では低ランカーを中心に「火力を出せるガチ廃が殴りやすい環境を整えておき、さっさと殴ってもらって自発を処分する」「青箱ラインまで殴ってさっさと退場」という遊び方が一般化しているが、この時期はまだ火力にそこまで理不尽な差がない時代*11。当然青箱なんて実装されてない。「なんで俺が我慢しなきゃいけないんだ」という不満を持つ人も多かった。
この時期はまだそういう遊び方が一般化する前の過渡期の時期……というより、このバイヴカハをはじめとした高難度コンテンツが起こした諸問題を解決するために、現在の「火力を上げなさい、そうすればもっと火力を上げられるコンテンツに挑めます」「挑める火力がないならあきらめて火力を上げましょう」「理不尽の共有なんてやりたくないから個人枠を実装します」という単純なゲームになっていった一因ともいえる。
2019年頃からは敵側の理不尽行動を和らげる調整や、マルチバトルの経験を楽しくするためのFP実装、低難度コンテンツにおけるドロップキャンペーンなどが一般化していくようになったが、そういった施策の端緒のひとつが、この6人HLにおけるギスギス体験への苦情だった……のかもしれない。
さらにこれをきっかけにソーンによる2分麻痺サンドバッグ化が横行するようになり、ガラケー時代のソシャゲのようなポチポチゲー状態を引き起こす。これによって「デバフの無効化・リセット」「麻痺を無視しての行動」などが一般化していくようになった。この顕著な例が、頻繁なデバフリセットやデバフ耐性の変化を行うアルティメットバハムート(N含む)である。
一番入れたいデバフを無効にするボスも一般的になっていき、この「麻痺させてタコ殴り戦略」の時代は終わりを告げた*12

プロデューサーが「いろいろやろうぜ」を地で行く春田氏から、「プレイヤーが求めるのは暴力。暴力はすべてを解決する……!」という理解をする木村氏に交代したこともあるだろう。
上述の「高級鞄なんてトロフィー同然、シヴァ撃った方がいい」という評価はまさにその方針差を如実に表すものである。たぶんこれを書いた人はディフェンド・オーダーとかやったことない人だ……羨ましいなあ……。
シヴァが出る以前はバハルシ以外の四属性が火力を得るためには面倒な条件を経なければならず、たとえば種族をばらけさせる必要があるテスカポリトカや、召喚石の属性をそろえる必要があるカツウォヌス*13などとにかく死ぬほどめんどくさいことを強いられ、それで3凸してやっと属性100%UP。
そんな火力を出すのが難しい時代に高難度コンテンツに挑む場合、「火力補佐と耐久補佐を同時に行え、メインに据えれば火力を犠牲に弱体耐性まで得られる」という高級鞄はとてもありがたい存在だった。当時は古戦場やHELL120などの最高難易度、6人HLのソロ攻略などでも、攻略の安定化のために持つ人は結構いたのである。
しかしシヴァをはじめとしたサプ不可石は何の条件もなしに無凸で120%UP、しかもエウロペ以外の3つは召喚石としても優秀な始末*14。そんな後から出てきた強い石を比較に出してその前に実装されたコンテンツを評価しても、『そもそも遊んでいるゲームの方針自体が違う』としか返せないのである。この時期の4凸石でその後も使用に耐えうるのって、4凸アポロン(マウント)と4凸アテナ(ダメカ+再生)くらいか?
この2名のプロデュース方針の、ちょうど狭間で翻弄されたボスが、バイヴカハをはじめとした高級鞄マルチなのかもしれない。他にもこの狭間の時期でうずもれていった様々なコンテンツがあるので、たまには思い出してあげてほしい。
ただぶっちゃけこれは単なるソシャゲ、いろんなことをやらせるよりも単純に火力を上げて解決する方がはるかに穏当だということは申し添えておく。ディフェンド・オーダーや旧アーカルムなんてろくなもんじゃないぞ。


つまり「難しいボスを役割分担して倒してね」という案の正統派の強ボスが、
「火力を上げれば報酬がおいしくなるぞ」というゲーム性と重なった結果生まれた凶悪ボスとしての側面もある、ということ。
元ネタのモリグナは女性の様々な相を示したというが、元ネタよろしく強ボスの様々な相を示したものだったのだ。


その後、アップデートによってマルチバトルの参加人数が18人まで増加。
その上HPは据え置きな上、討伐失敗を生み出していた最大の原因である反射も個人枠になったため実質的な大幅弱体化を受けた。
プレイヤー側も天司武器、終末武器、オメガウェポン、アーカルム召喚石&十賢者などで大幅にパワーアップしており、そもそも極端な強敵ではなくなっていた。
また既存のル・フェイのみならず、追加されたウニウスの性能が数を揃えるほど強いタイプで、連戦部屋で一山いくらで瞬殺されていく程度の扱いになってしまった。

ソロでは相変わらずの強敵であるが、わざわざそんなことをするのは物好きか称号目当ての強豪騎空士くらいだろう。
もし失敗してしまっても救援を出せば3分と持たずに倒されるので、挑戦しやすくなったのはメリットだが。


さらにその後、バイヴカハなどの「高級鞄」と呼ばれていたマルチはソロ用のフリークエストになった。
1回当たりにかかる討伐時間は増えたものの、アニマのドロップ個数や武器のドロップ率は格段に上がり、「暇な時間にフルオートで倒してアニマを集める」といった趣のボスになっている。
当時のバイヴカハを知っていると「これをソロでやらされるのか」と尻込みしがちだが、実は「火力は超控えめ、デバフ耐性ガバガバ、50%時の反射も存在しない」と、ぶっちゃけストイベボスの方が印象に残るほどに無個性なボスになっており、往時の理不尽さは見る影もない。他のゲームで例えればカイオーガネオラントになったくらいの、あるいはサンダー・ボルトが死者への手向けになったくらいの格下げ。
他のボスは行動に名残が色濃いだけに原型のなさが尋常ではない。ODゲージの存在しないV2マルチの一般化などもあり、すっかり没個性なボスとなってしまった。
「昔のきくうしさまはこんなのに苦戦してたのか」「こんなもんの個別項目ってどういうことだよ」と思うなかれ、ぶっちゃけ外見が同じだけで中身は別物だ。
もちろんこちらの方が断然精神的に健全に遊べるのだが、あの理不尽時代のバイヴカハを知っていると一抹の寂しさも禁じえない。
昔は個別項目を作られるのも納得のレベルで強いボスだったのである。

もしこれを読んでいるあなたが尻込みしているのなら、アギエルバやアテナ、火ジークあたりを編成して一度試し切りに行ってみよう。割とあっさり倒せるはずだ。
そして10回も討伐すると武器が2,3本ぼろぼろ落ちていて、その4凸用のアニマを集めている間に2本目が完成したりもする。
逆にもう挑む理由のない人は……ウニウスや支配の天秤目当てに白目剥いてやってたあの時間はなんだったんだろう、と思い出に浸ってみてはいかがだろうか。


その後サンドボックスで使いまわしのソロ用ボス「バイヴカハ・ミーレス」が実装されたり、
その一方でプレイアブル化によってキャラクターの掘り下げが行われたりなど、
今では往時の理不尽なボス感はまったくなく、単なる賑やかしの一角、おっぱい大きい3人組といったところに落ち着いている。

たぶん最近のプレイヤーにはエニアドシリーズのテフヌトあたりの方が印象が深いのではないだろうか。





他にもソロ用にダウナー調整をされたボスにはヘクトル(光属性)がいるが、こちらも当時は非常に理不尽なボスとしてその名をほしいままにしていた。
バイヴカハと同じく超正統派のボスなのだが、こちらは「暗闇や魅了などの攻撃を確率で無力化するデバフを無効化」「攻撃回数が非常に多くDATA率低下を受け付けない」「頻繁に放ってくる特殊行動(当時は珍しかった上に、今のようにHPバーに行動を示すラインがなかった)」に加え、
  • 当時の闇パの理想編成が背水を前提にしたものであり、そうでない編成はまったく火力を出せなかったこと
  • その背水を徹底的に殺す技の数々のせいで工夫が一切通用しないこと
  • 当時の闇属性のキャラは格差が大きく、さらに搦め手を使えるキャラがほとんどいなかったこと
  • 落とす武器「イーリアスボウ」があんまり強くなかったこと
  • 光プシュケーを集めたいならアポロン*15に挑めばいいこと
という当時のプレイヤー事情もあって、6人HLが好きだったプレイヤーの間ですら敬遠され、食べ残しや討伐失敗が頻発した。理不尽時代のバイヴカハを大喜びで狩っていた筆者でも、あまり楽しいボスではなかった。
バイヴカハが最高難易度としておそれられたのに対し、こちらは単に「はいバリア貫通だし!」みたいなことをされているような印象が否めずにいやがられたというのが正確かもしれない。
当時のプレイヤーの観点からすると『背水以外の手段で火力確保できるならそうしてるわけで、それができないから水ゾ難民なんて言葉があった。そんな時代に背水を全否定じゃそりゃそうもなるわ』。

現在ではどの属性にも搦め手を得意とするキャラが増え、さらに火力も全体的に底上げされたため、かつて高難易度と呼ばれて尻込みされたバイヴカハやヘクトルよりも、プロメテウスやアヌビスのように面倒なデバフをばらまいてくるボスの方が面倒がられている。
昔はプロメテウスが一番簡単とまで言われてたのに、評価が逆転してるなぁ……。



当時6人HLだったコンテンツは、現在では6人HLとしてはアルティメットバハムートHLとダーク・ラプチャー(HARD)以外は残っておらず、
当初は6人HLとして実装されたマリス・メナスシリーズも現在は18人マルチに調整されている。そしてものすごく不人気なので大体食い残しだらけ

その後に新しく実装されたアガスティアやシエテのようなボスもいるのだが、プレイヤーの中には「これ以上はキリがない。別にそこまで強くなるつもりはない」と割り切って挑まないプレイヤーも多い。たとえばキャラが好きで遊んでいる場合にしても、
別に十天衆超越や十賢者の最終解放がなくてもニオはグラジーに抱き着いてくれるし(プレガンド・コーラス)、
オメガだの終末だのを最終解放しなくてもアラナンやオクトーはサウナに入るし(おじさんサウナ人生)、
サンドボックスを周回しなくてもガチャを引けばソーンやニーアも浴衣を着てくれる(浴衣ガチャ)のだ。
さらにこういったエンドコンテンツへの尻込み対策として「天破の祈り」という『既定の素材を使えばチートコードでも使ったんじゃないかってくらいの強化を得られる』システムが実装された。もうなんかいろいろ矛盾してない……?

かつてはグラブルのエンドコンテンツとして大盛況だった6人HLも、今はすっかり様変わりしてしまっている。
アルバハHLは3分程度であっさり片付き、ルシファーHLなんて10回倒すことがキャンペーンの必須条件になっているせいで「倒しに行けないけどとりあえず寄生する」「そんなプレイヤーを憐れんだソロ狩り師が食べ残しを恵んであげる」なんてことも行われている始末。

そんな時代を全力疾走している現役バリバリの騎空士がこの記事を読んでも「エアプの江戸しぐさ」なんて思うかもしれないが、今ほどインフレゲーになる前はこういうエンドコンテンツで結構色々あったんだよ、という。
この記事はそんなむかしむかしの、老人の昔語り。ほんとにわけわかんないことをさんざんやらされた我々の屍の上に、今の「リミキャラそろえて火力を上げて気持ち良く殴って報酬でさらに火力を上げる!」という分かりやすいゲームが成り立っているのだ。
だいたいあの時代の産物だって悪いもんじゃないんだぜ、アンチラとかハレゼナとかコルワとかみんなかわいいじゃん……。



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最終更新:2024年10月22日 10:42

*1 ファランクスは無印で属性問わず50%カット、Ⅱで70%カット、Ⅲで70%カットと弱体耐性UP。

*2 リキャストタイムが短いので下位互換ではない。

*3 マグナソロ討伐と言われる。マグナMVP確定流しの次の成長の区切りとも。

*4 この三姉妹は一般的には「モリグナ」と呼ばれるが、なにぶんケルトの昔の神話なので異説が非常に多く、その呼称も安定していない。ゲームごとに違った解釈があるので、郷に入れば郷に従えということで。

*5 さらに当時はまだまだ「オールド・エッケザックス」は非常にレアな品だった。イメージ的には今のマリスやメナスのような感じ。そしてまさかその後数年にわたってオッケ編成を強いられることになるとは当時のプレイヤーは思ってもいないので、土マグナや風マグナのように抜本的なやり直しを強いられることを恐れて強化を尻込みしていた人も多かった、というプレイヤー事情もある。プレイヤーは何もゲームが大好きな廃人ばかりではないのだ。

*6 一応擁護しておくと、反射縄跳びについてはバイヴカハの実装当初からすでにだいぶましな方であった。調整される前のメドゥーサHLなんて反射5回、踏んだら「大いなる破局」とほぼ同じ結果が待ち受けている。当時のクラス3ジョブの3凸マグナパで20分くらいかけて討伐する敵のラストでこれ。現在のように仕掛けてくるラインが可視化されておらず、2%で壊滅必至の理不尽全体攻撃が待っているので誰か1人でも落ちると20分を無駄にするリスクが出てきて、それはもう大変だった。他にも反射ではないが、デバフがついていなければダメージがまともに通らない上にデバフ体制まで無駄につけてしまうため、以降の討伐が極めて不利になる「フラムHLの水モード移行時のデバフリセット」なんてものもある。そういうのに比べればバイヴカハの反射縄跳びはだいぶマシな方ではあった。……まぁこれは「毒を食うよりは雑草の方がまし」みたいな擁護なんだけど。

*7 現在でも十賢者を即座に引っ張り出して効果を得るため、自爆持ちのクリスマスラカムなどが採用される。

*8 他ゲーでは単なる役割分担だが、グラブルはほぼ「出したダメージ」のみで貢献度が決まるため、マルチバトルでデバフを入れるのはある意味利敵行為になる。そのためみんなが報酬を目当てに火力職をやりたがって討伐に失敗するため、誰かが「ドロップがゴミになるだけで報酬がよくなることは一切ない」というデバフ役をして討伐を安定させなければならない。このデバフに特化した参加者を「奴隷」と自虐・揶揄したもの

*9 同様のものに「カー・オンHL」も存在する。こちらは相手の攻撃がぬるいこと、当時の土パが十天衆2人を筆頭に火力役が多かったこと、そもそも人がろくに集まらないことも相まって「ソロで倒した方が楽」という評価を得るに至った。しかも選択肢の少なかった当時は合理的な理由からヤイア(SR)を心行くまで使えたということもあって、そっち系のお兄さんも大満足だ。

*10 これについては『囚人のジレンマ』の典型的な例であり、プレイヤーが悪いというよりそのような調整をしてしまった環境整備者側に落ち度がある。詳しくは各自ゲーム理論などをお調べください。そしてもし学問的に興味が出たなら、グラブルのマルチバトルあたりを実例の端緒にして調べてみるのもいかがだろう。最近のFPや半額の実装は、この囚人のジレンマの解消にも役立っているのだ。

*11 たとえば現在では一般的になった「リロ殴り」だが、これがまだスマホのスペックなどの関係で一般化する前の時代なので「それができる端末を持っていること」が火力を上げるテクにもつながった(端末課金)。さらに火力を出すために「モーションの最適化」を行う不正ツールを使用していたプレイヤーも非常に多かった。裏を返せば、リロ殴りという「工夫」を最適化することで火力差を出せる・埋められる時代だったのだ。現在でもライトプレイヤーが多いマグナ2あたりでは有意な火力差を生じさせられるが、ぶっちゃけあんまり健全な遊び方ではない。

*12 一応言っておくと、まだソーンの4アビもなかった火力が低かった時期には、忍者でたまに入れることができる「30秒の麻痺」でさえもありがたがられた。しかしこれは「アビリティの再使用までのターンを稼いで体勢を立て直すため」「敵の危険な行動ラインを確実に踏み越えてファランクスを成功させるため」という意味合いが強く、サンドバッグにしてさっさと終わらせるというものとは程遠かった。

*13 こちらは後に条件を満たすと1ターン目から大ダメージを出せるようになり、「鰹剣豪」と呼ばれる編成に組み込まれた。

*14 エウロペはキャラクターのランダム蘇生なのだが、この時期に蘇生が必要になるシチュエーションは大体「全体即死」などを受けて召喚が不可能になっている状況なので矛盾している、というもの

*15 ぶっちぎりの最低難易度だった6人HLボス。実装された「マグナ1の3凸時代」当時から「4~5人でも勝てる」「通常版の方が圧倒的に強い」といわれ、その低難易度ぶりから6人HL童貞を捨てるボスとして人気があった。