ネオラント

登録日:2014/02/06 Thu 17:20:36
更新日:2025/05/01 Thu 17:20:08
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だ~れだ?






深い 海の 底で 光る ネオラントは まるで 夜空に 輝く 星のように 見える。




■もくじ


■データ


全国図鑑No.435/シンオウ図鑑No.135
分類:ネオンポケモン
英語名:Lumineon
高さ:1.2m
重さ:24.0kg
タマゴグループ:水中2
性別比率:♂50♀50

タイプ:みず
特性:すいすい(天候が雨の時、素早さが2倍になる)
   よびみず(水タイプの技を無効化し、特攻を1段階上げる。ダブル・トリプルバトルでは味方に使われた全ての水タイプの技を自分が受ける)
隠れ特性:みずのベール(火傷状態にならない)

種族値
HP:69
攻撃:69
防御:76
特攻:69
特防:86
素早さ:91
合計:460

努力値:素早さ+2

ケイコウオ→ネオラント(Lv.31)


■概要


ケイコウオの進化形。
身体の上と横についていたヒレが巨大化し、まるでの様な姿に。
「うみのアゲハント」の異名を持つケイコウオよりもよっぽどアゲハントっぽい。
おっとりした表情をしているが実は肉食。

ヒレをネオンのごとく光らせて獲物をおびき寄せる。
同じようなエサの獲り方を行うランターンとは仲が悪いらしい。タイプの関係であっさり負けるだろうが。
しかし、この狩り方は天敵となる獰猛なポケモンまで誘き寄せてしまうというリスクがある。
ヒレは海底を這い回るのにも用いており、砂の中に隠れたスターミーを探し出して捕食するという。

その優雅な見た目と「ネオンポケモン」といういかにも目立ちそうな分類名とは裏腹に、全ポケモン中でもトップクラスで地味なポケモン。
第4世代から第9世代に至るまで著名なキャラでネオラントを使う者が1人しかおらず、
そんな初登場作品であるDPでも入手が中盤以降の釣りのみとやや遅めなことが原因なのだろうか…
おまけに同作ではみずタイプのポケモンの種類がとにかく多いのもあるだろう。
ストーリー攻略で使いやすくて入手が容易いエンペルトフローゼルギャラドス等を差し置いてネオラントを使う人はそうそういなかっただろうと思われる。

某百科サイトでは、サービス開始当時にいた493種類のポケモンの中で最も記事作成が遅かったせいでネタにされてしまったことがある。
ハンテールよりも影が薄いとも言われ、あまりの影の薄さに「ポケモン界の空気王」という非常に不名誉な称号まで頂戴することとなった。
とはいえ、2016年のポケモン総選挙では468位と中の下程度の順位なので、一定の人気はあるようだが…

名前は恐らく熱帯魚の「ネオンテトラ」が元だと思われるが、見た目にネオンテトラらしさは皆無(進化前のケイコウオの方は多少似ている)。
デザイン的には、深海魚のナガヅエエソが近い。


■ゲームでのネオラント


ケイコウオを進化させる他、「すごいつりざお」で釣ることも出来る。すなわち通常エンカウントでは出現しない。
さらに「ダイヤモンド・パール」ではネオラントを使用するトレーナーが223番水道にいる1人しか存在せず、しかもスルー可能。
そのため、殿堂入り後のシンオウ図鑑埋めで「ケイコウオの次のポケモンが見つからない」と慌てる人が続出したとか。だから道中のモブトレーナーを余さずしばき倒す必要があったんですね
(なお、前述の「すごいつりざお」はぜんこく図鑑後からの入手となるので、この方法では見つけられない)
一応、ケイコウオが進化する可能性に目星をつけられれば、普通にレベルを上げていくだけで入手できるが…

ただでさえ単水タイプは数が多い上に、あまりの影の薄さもあってか、
プラチナ版では「いいつりざお」で釣ることも出来るようになり、使用するトレーナーも増えた。

XYORASではバトルシャトレーヌのルスワールが手加減版手持ちで使用する。
著名なキャラがネオラントを使うのはルスワールが初となるが、「あまごい」から「なみのり」や「れいとうビーム」で攻撃してくる特殊アタッカーでしかなく何とも地味。


■対戦でのネオラント


はっきりいって「低い」としか言えない攻撃と特攻。
耐久もそれほど高いわけではないが、素早さに関しては「すいすい」を活用すればたいていの相手に対し先手は取れる。
フローゼルカマスジョー?あーあー聞こえない。
補助技は自力習得の「メロメロ」や「ゆうわく」、タマゴ技で「あまえる」や「てんしのキッス」、教え技で「おいかぜ」などそれなりに覚えられる。
また「とんぼがえり」も自力習得可能なので、バトルでは基本的にサポート役として振る舞う場面が多くなるだろう。

雨パではそこそこ立ち回れるポケモン。
先手で出して「あまえる」等でアタッカーの足止めをした後、「とんぼがえり」で交代、というサポートが主流。
攻撃技は一致で「なみのり」「アクアテール」「ねっとう」「たきのぼり」、サブウェポンが「れいとうビーム」程度と水タイプの中でも最低レベルの貧弱さ。
後は補助技撒き等をこなした後に最後っ屁として「きあいのタスキ」+「じたばた」か、同じ水タイプ対策として「めざめるパワー()or()」を使う手もある。
また、水タイプとしては珍しく「とびはねる」と「ぎんいろのかぜ」を覚えられる。やや不安定であるが前者は麻痺を狙えるので不意打ちとしては有効。

ダブル・トリプルバトルでは「よびみず」が人気。
自分以外が使用した水タイプの技を全て自分が受けることができる。
第五世代以降はそれを無効化し、特攻を1段階上げるボーナスまでついた。
ただし「だくりゅう」「なみのり」などによる範囲攻撃は自分に当たる分しか無効化できない。

とはいえ、そもそも素の火力が低すぎるため決定力が低く、耐久型にしようにも積み技も回復技もない。
「すいすい」による高機動力も、フローゼルはおろかラブカスにすら劣るという始末。
もっとも、流石にラブカスには素早さ以外は勝っているが。
さらに第五世代までは水タイプの中では最速で「とんぼがえり」を撃てるポケモンだったが、第六世代でゲッコウガにその座を奪われてしまった。
「すいすい」込みならもちろんダントツだが、それを加味しても大体のポケモンが出来てしまうので、こいつをわざわざ用いる必要性が無いのが実情。

なので純粋なアタッカー型としてはお世辞にも期待出来ないが、幸いにも補助技は豊富で素早さも並程度にはあるので、サポート役としての適性はそこそこ。
不安の残る耐久面もサポート役に割り切った育成であれば何とかカバーできる範囲ではある。
ただ、みずタイプは層が分厚い事に定評があるわけで……。

一応、「よびみず」と「みずびたし」を両立できるという細すぎる個性がある。
が、世代を越える毎に「みずびたし」は効かない相手が増えており、そもそも相手をみずタイプにしてネオラントに何かできるのか……と言われればそこまでだが。

ダブル・トリプルバトルでは「よびみず」と「おいかぜ」がネオラント自身だけでなく味方ポケモンにも影響するため、シングルバトルに比べればまだ有用性が上がる。
「おいかぜ」を始動させたら「とんぼがえり」でさっさと下がらせても良いし、下がった後も「よびみず」によって相手の水技を牽制できる。
「ちょうはつ」による妨害を掻い潜れる「こごえるかぜ」を「おいかぜ」の代わりに使うのも手。
そのまま場に居座らせる場合も、先述の「メロメロ」「あまえる」や、相手ポケモンを水単タイプに変える「みずびたし」など、
補助技を駆使して搦め手で攻めれば他にはない面白い立ち回りが出来るかもしれない……

かもしれないよ!

BDSPでも特に変更点はない……が、関連作の『LEGENDS アルセウス』において待望の「ハイドロポンプ」を習得
どうせなら対人戦のあるBDSPの時点で覚えておいてほしかったところだが……。

第9世代ではアルセウスから「ハイドロポンプ」を引き継いだほか、「ひやみず」「マジカルシャイン」「アンコール」なども習得。
が、それでようやく環境に登れるようになったかと言うとまた微妙。
雨パにおける需要もイルカマンフローゼルの「ウェーブタックル」でひたすらに叩き潰すのが主流になってしまい、サポート役は入る余裕がない……。
また、前世代で登場していた「クイックターン」を多くのみずポケモンが使えるようになったことで、
みずタイプの「とんぼがえり」使いという強みも薄れてきてしまっている。
一応、とんぼは特性で無効化されることがないという利点はあるが……。


■ポケモン不思議のダンジョンでのネオラント


第4世代のポケモンという事で『時・闇・空の探検隊』から参戦。
ネオラントは「きせきのうみ」と「ゼロのしま ほくぶ」に生息しており、「あまごい」から自身の特性「すいすい」を発動させ、連続攻撃を狙ってくる。
もう片方の特性「よびみず」は同部屋内で使われた水タイプの技を引き付けて無力化するという「ひらいしん」の水タイプ版とも言える効果に。
「きせきのうみ」は水タイプ多数なので水技を使う事はあまり無いだろうが、水タイプ主人公やパートナーが主力だと地味に厄介である。

レベルアップ技には「あまごい」を含め、直線攻撃技かつ一定確率で混乱させる「みずのはどう」、
状態異常による搦め手を一定ターン封じる「しんぴのまもり」
異なる性別でないと効かなくなったが効果は強力な行動封じ技「メロメロ」と厄介な技をいくつか所持。
この中だと水技の威力がアップし、他の「すいすい」持ちまで暴走しかねない「あまごい」が一番危険だろう。

「ゼロのしま ほくぶ」では高レベルなため、部屋全体攻撃技「ぎんいろのかぜ」を習得。
「あまごい」から「すいすい」を発動されると、1ターンで二連発される事も。中々に強烈。

ポケモンだけの世界では中々に強い敵ポケモンと化したネオラントであった…が、それでも地味な感じが否めないのは何故だろう。
本家ポケモンシリーズよりかは間違いなく強くはなっているが、他の敵ポケモンを軽々と上回れる程の存在感までは発揮できていないような気がするのだ。
(現に「きせきのうみ」ではタイプ一致「ほうでん」の使い手チョンチー・ランターンや、連続攻撃技の使い手オクタン・パルシェン、
「こうそくいどう」持ちのキングドラ・サクラビス・ラブカス他多数など、注意しなければならない敵がとにかく多い)
「あまごい」一本だけで他ポケモンを暴走させられる役割だけを見ると優秀なサポーターではあるのだが
アタッカーとしては攻撃技不足、倍速技を覚えられずで総合的に地味になってしまっているのだろうか…

…ただし上記は敵として出た際の話。プレイヤー側が扱う場合だと話は変わって来る。
前述した「ぎんいろのかぜ」は勿論、「ふぶき」を技マシンで覚えられるので2種の全体攻撃を使用可能。
「あまごい」+「すいすい」コンボからの全体攻撃二連発はこちらが使っても強烈。ネオラントで無双したい場合は是非ともやってみよう。
しかもケイコウオ系統のかしこさスキルには「たげい」が含まれている。覚えると元々PPの少ない全体攻撃がいつもより多めに使えるぞ!

ちなみにケイコウオのタマゴ技には「こうそくいどう」がある。
『時・闇・空の探検隊』は技教えがないため「おいかぜ」が習得不可であり、同作のケイコウオ系統はこれが唯一の倍速技。
タマゴから育てる場合はこの技を覚えた個体を狙うと役に立つ事だろう。

ポケモンカードでのネオラント


本編と同じくカードのほうでも非常に地味な存在であり、初登場から現在までたったの5種類しかカード化されていない。大人の事情で早々に封印されたユンゲラーと同数といえばどれだけ少ないか分かるだろう。
因みにケイコウオは4種類である。
ポケパワー(現在でいうところの特性)で相手のバトルポケモンを強制的に交代させるという面白い効果を持っているので、個性は強かったようだが…

しかし2022年1月発売の拡張パック『スターバース』にてネオラントVが登場し、下記の性能が大きく話題を呼んだ。

たね HP:170 タイプ:水
弱点:雷×2 抵抗力:なし にげる:無

特性:ルミナスサイン
自分の番に、このカードを手札からベンチに出したとき、1回使える。自分の山札からサポートを1枚選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。

ワザ:アクアリターン 120
水無無
このポケモンと、ついているすべてのカードを、自分の山札にもどして切る。

特別なルール
ポケモンVがきぜつしたとき、相手はサイドを2枚とる。

注目すべきは特性「ルミナスサイン」。
なんとSM期にて猛威を奮ったカプ・テテフGXと全く同じ特性を引っ提げてきたのである。どちらも蝶がモチーフに含まれているのは何かの偶然だろうか。
ベンチに出すだけでサポートを確定サーチできるという強力な特性であり、クイックボール等のグッズがサポートに早変わりする使い勝手のよさから、おおよそどのデッキにも1枚は採用する価値はあるレベルの汎用カードとなったのである。

唯一のワザ「アクアリターン」がカプ・テテフと違い、技の必要エネルギーが無色オンリーでないことからとっさの攻撃に参加し辛いという欠点はあるものの、使用すれば山札に戻って特性の再発動を狙えるという強みがある。


このカードでネオラントの知名度の向上に貢献できればいいのだが…


■余談


『分類がネオンポケモンだから光る技を多数覚えるのか?』
……と思いの人もいるかもしれないが、実際のネオラントはレベルアップだと光る技を全く覚えない。
これは初登場の第4世代から現行の第9世代全てで共通している。光らないのにネオンってなんだよ
技マシンやタマゴ技で「フラッシュ」や「あやしいひかり」は覚えるので全く光れないわけではないらしいが…
彼らネオラントの光は天敵を誘き寄せかねないとの事なので、あえて覚えないようにしているのだろうか。

また「海のアゲハント」なる異名を持つ事から『水タイプでありながら虫技もいくつか使える』という珍しい特徴を持っているが
近年のポケモン作品では「ぎんいろのかぜ」や「シグナルビーム」といった虫技が使用不可技という形で没収されており、
現行の第九世代でネオラントが使える虫技は「とんぼがえり」だけになっている。少ねぇ…
「むしのさざめき」をそれらの代替技として渡されたり、イメージとマッチしそうな「ほたるび」や「ちょうのまい」を新規習得するなんて事も無し。
光る事もなければ数少ない個性も奪われつつある、彼らネオラントが輝ける日は来るのだろうか。


追記・修正はネオラントのことを忘れないトレーナーにお願いします。

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最終更新:2025年05月01日 17:20