アットウィキロゴ

孔雀王(漫画)

登録日:2018/05/04 Fri 20:00:00
更新日:2026/06/11 Thu 17:45:11
所要時間:約 3 分で読めます




「オン・マユキラテイ・ソワカ!」



孔雀王とは荻野真による漫画作品である。
主人公『孔雀』が様々な妖魔や悪霊、悪魔や神々との戦いを繰り広げる。
仏教キリスト教など様々な宗教の伝奇を豊富に盛り込んだ壮大なスケールの物語が人気を呼び長期シリーズとなった。
続編に「退魔聖伝」「曲神紀」「戦国転生」。前日談である「ライジング」がある。

作風は時期によって大きく違うが、全体的にエログロは共通する。場合によっては下手な成人漫画よりエロい。
特に退魔聖伝の頃は絵柄が洗練されてキャラクターが総じて美形化、女性キャラのプロポーションも非常に肉感的でファンの人気も高い。
……復活した曲神記以降はデフォルメされた絵柄になってしまったこともあってか特に。

OVA作品や実写映画化もされている。基本的に孔雀と阿修羅と王仁丸は鉄板。

2019年4月29日、作者の荻野先生が腎不全のため逝去。
病身に鞭打ってなんとか完結させたが、多くの謎・伏線が解きほぐされずに残ってしまったのは作者も無念だったろう。

【物語】

  • 無印
裏高野の対魔師孔雀は、日々様々な退魔行で闇の手からこの世を守ってきた。
しかし、事件の中で孔雀はこの世を滅ぼそうとする巨大な闇の勢力「六道衆」との戦いに巻き込まれていく。
その中で明かされていく孔雀の出生の秘密。果たして孔雀は世界を救えるのだろうか。

  • 退魔聖伝
六道衆との戦いの後、孔雀は再び拝み屋稼業に戻っていた。
再び迫り来る妖魔との戦い。そして源義経の悪霊やドラキュラ伯爵との戦いも仲間との絆で乗り越えていく。
しかし裏高野を日本古来の神である天津神に乗っ取られてしまった。
裏高野は壊滅し、仲間たちも行方知れずに。
孔雀は天津神を倒せる唯一の武器であるスサノオの牙を集めるため旅立つ。

  • 曲神紀
孔雀は天津神を倒すための旅を続けていた。
しかし天津神のツクヨミは神を暴走させて作り出す曲神を送り込んで孔雀の抹殺を狙ってくる。
そんな中、すべての元凶といえる古代の原初神イザナギが動き出していた。

  • 戦国転生
戦国時代へとタイムスリップしてしまった孔雀。
彼はこの時代で知り合った信長や秀吉と協力しあいながら、同じくこの時代に来ているはずの阿修羅を探して旅立つ。

【作中用語】

  • 孔雀王
かつて光の天使でありながら闇に堕ち、光に戦いを挑んだとされている大天使。
尚、本作で言う所の“孔雀王”とは→密教(仏教)の孔雀明王とヤジディ教の孔雀大天使(マラク・ターウース)とキリスト教の堕天使ルシファー(ルシフェル)をミックスさせた独自の設定となっているので少々ややこしい。
基本的には孔雀明王扱いされてる大魔王ルシファーと解釈しとけばだいたい正しい。
実際、天界に居た時の本名はルシフェルである。
その力は絶大無比であり、世界を滅ぼす力を持つ黄幡星さえも一方的に滅ぼすことができる。
続編以降はあんまりフィーチャーされなくなったが、いざとなれば魔界の魔物も従えられる。
孔雀はこの孔雀王の生まれ変わりであり、孔雀王の力を手に入れることはそのまま世界を手に入れることに等しいため、孔雀の血を巡って数多の戦いが繰り広げられることになる。
尚、続編の「退魔聖伝」では普通に西洋の悪魔の話とかが出てくるので、無印からのファンは大いに戸惑うことになったのは御愛嬌。

  • 裏高野
高野山と対となる、この世を闇から守る退魔士たちの総本山。孔雀もここの所属。
裏高野と言いつつ、設備の規模とかは普通の高野山と変わらないので高野山のお坊さん達が退魔師やってると思ってくれても構わないと思う。
しかし後ろ暗いこともいろいろやっており、何かあるたびにモブ僧たちが大量死する。

  • 六道衆
“りくどうしゅう”と読む。闇の勢力を率いて数々の陰謀を巡らせ、この世を滅ぼして闇の王国を築こうとする魔物や邪神の集団。無印における敵勢力はほとんどこれの傘下。
最高幹部は八葉の老師だが、実は初登場した頃はフルメンバーではなかったらしい。
胎蔵界曼荼羅をモチーフとした闇曼荼羅の中心に座す闇の最高神(孔雀王が天蛇王かその両者の間の子供)を誕生(復活)させて闇曼荼羅が完成すると世界が闇に堕ちる……らしい?
というわけで、幹部は密教の神々(仏)の名前を冠しておりラスプーチンとかも居る。
しかし邪悪な知性を持っているが、その根本は破壊本能そのものの獣の集団であり、その行く先が光も闇もない無の世界だということを無視している。

  • 天津神
退魔聖伝から登場する敵対勢力。
アマテラスを主神にツクヨミ、オモイカネ、タヂカラオ、ヒルコなどがいる。
正体は太古の昔に日本に攻めてきた外来の神であり、土着神である国津神を倒したが自らも疲弊して眠りについていた。
現代に復活し、再び日本を我が物にしようとする。……普通に神社に祀られてるじゃんとかいうツッコミは無しで。
裏高野の地下に天の岩屋が存在してたり、空海が天津神に騙されて裏高野作ったことになってたなど、完全に連載が悪い方向に進んでしまった切欠で、案の定でストーリーがまとめきれない上に暫く休載するハメになってしまった。

  • 国津神
退魔聖伝から登場した一応は味方勢力。
スサノオを頂点として、かつての天津神に追われた日本の土着の鬼(もの)という設定。


【登場人物】


  • 孔雀
主人公。バカでエロでパチンコが趣味の生臭坊主。
しかし密教呪術の達人で、シリアスな場面になったらとてつもなく強い。そんなんでも超絶美形設定で毎回のように女子には興味を持たれているのだが、当人がそういう性格(かつエロ本やAVで満足する程度)のためか間違いは決して起こさない。
一応、本命というか憧れてるのは月読。
基本的には温厚で善良。しかし救いようのない邪悪な人間に対しては冷たく見捨てる場合もある。
出生やらがかっとんでおり、シリーズが進むごとに正体がカオスになっていく。
得意技は、気を練り上げて放つ「発勁」。火炎を起こす「不動明王火炎呪」。雷を起こす「雷帝インドラ印」。風を起こす「風天神」。基本技の「早九字」など。
最大の技は守護神である孔雀明王の力を解き放つ「孔雀明王呪」。

  • 王仁丸
呪殺を生業とする呪禁道の術者。孔雀のライバル
“おにまる”と読む。
ターミネーターじみたサングラス姿で筋骨隆々の大男で、毎度血みどろにされるが死なない。
大暗黒天(大黒天)を守護神としているらしい。
孔雀とは腐れ縁からいつしか仲間意識を持つようになっていく。
孔雀の「発勁」と自分の「発勁(鬼攻破)」をあわせて放つ合体技の「太極波」は破壊力抜群で本シリーズを代表する必殺技。
無印では黄と、退魔聖伝では阿修羅と別バージョンを披露している。
式神を操る戦法を得意とし、鎖付きアックスで魔物の群れをなぎ払う頼もしい男。
別作「怨霊侍」で弟が登場した。

  • 阿修羅
本作の正ヒロイン……だった。破壊神阿修羅の血を引くため生まれながらにして塔に幽閉され心を閉ざしていたが、孔雀に救われ彼を慕うようになる。人間界に迎え入れられてからはJKとなるが、最初に通い始め女子高がドエロい陰謀の舞台となった。(下記の黄の初登場時の事件。)
「退魔聖伝」では寺から通ってたし友達も出来てたので転校したとかなのだろう……多分。
能力は発火で、人間や弱い魔物なら焼き払えるが、強い相手には効かない場合がほとんど。
お色気要員かつ、前述の通りで無印では正ヒロインかつ妹ポジだったのだが、作風が変わった「退魔聖伝」にて一気にギャグキャラ化して賑やかし要員に。そして、シリーズが進むごとに顔と性格が別人レベルで変わってしまった。

  • 慈空阿闍梨
孔雀の師匠のジジイ。孔雀に負けず劣らずの生臭坊主で、若いころはパチプロだったらしい。
しかし実力は文句なしに最強格(阿闍梨とは密教系の僧侶の最高位)であり、王仁丸を追い込んでいた愛染明王を余裕で撃破してしまうほど。

  • 黄海蜂
「こうかいほう」と読む。中国人で黄家仙道の導師。
作中屈指の常識人。しかし彼の初登場エピソードはシリーズ屈指のエロさで知られる。
孔雀、王仁丸に続く3番手ポジションだったが続編以降は無印とは若干パラレルくさいためか出番が無かった。
後に天蛇王の生まれ変わりである孔雀の姉の朋子と出会い恋に落ち、闇堕ちして八葉の老師の一人となってたりしたが最終決戦前に戻ってきてエピローグでは記憶を無くした朋子と結ばれた……美人とはいえ、よう友達と同じ顔した女と結婚できたな。

  • 日光
密教の総本山である裏高野の主。
その名の通りで日光菩薩を守護神とする。
この世を闇から守護することを使命とする退魔僧たちを率いて戦うが、なぜかやることなすこと裏目に出るかわいそうな人。
特に「退魔聖伝」終盤の扱いが悲惨。

  • 月読
ヒロインそのⅡ。裏高野の女人堂の主で黒髪美人。
月光菩薩を守護神としている。
生まれついての盲目だが気配で他者を察知できる。阿修羅と並んで脱ぐ機会が多い。
孔雀の憧れの人で何気に両思いなのだが(阿修羅の存在とか)色々あって結ばれる可能性は低いと思われる。
必殺の月光菩薩真言はなにげに作中屈指でえげつない技。

  • 鳳凰
元裏高野の退魔士であったが、闇に魂を売って大魔王サタン*1となった。
無印後半のライバルポジ。
初登場時は女性的な顔つきだったがなぜかすぐに男性的な顔に変わった。
手裏剣のような八方輪鈷敍を武器に使う。

  • 朋子
無印のラスボスにして生き別れていた孔雀の双子の姉。
孔雀王と並ぶ闇の支配者たる天蛇王の化身であり、本来は優しい女性だがあまりに過酷で残酷な運命に翻弄され、ついに闇に落ちてしまう。
容姿は長髪にした孔雀そのもの。そのためいまいち可愛くない。(ちゃんと美人設定なのだが。)……前世である天蛇王は(下半身は蛇でも)ちゃんと可愛いのに何故だ。

  • 蓮花
裏高野の女退魔士。
「退魔聖伝」からの登場人物。
力が全てと信じる孤独な少女だったが、戦いの中の出会いを通じて戦人の心を知る。
守護神は勢至菩薩。
彼女の登場エピソードはドラキュラやエリザベート・バートリー、合わせて吸血鬼設定となったジル・ド・レェと戦う吸血鬼編という中々にカオスでやりたい放題な長編である。
しかし、せっかく和解したと思ったら最終章に突入してしまい、知らん間に殺されてたり、挙げ句に生き人形にされてしまい裸踊りをさせられたり日光を逆レイプしたりする。
続編の曲神記でも登場するが、この時には自我が戻っていた。

  • オモイカネ
太古より生き続けている天津神の一人で、脳みそだけの化け物。他人に寄生して操ることで活動する。
神というだけあって密教呪術の全てを知り尽くしており、術の対戦では孔雀に完勝した。
しかし知恵の神を名乗る割には思慮が浅く、自滅しがち。

  • ツクヨミ
退魔聖伝から登場の天津神のリーダー格。月読とは別人。
退魔聖伝の頃は冷酷非道な悪党キャラ一筋だったが曲神記ではバカ親父に翻弄される苦労人になった。

曲神記から登場の日本の神の原初神。ツクヨミたちの父に当たる。
とんでもないわがままな馬鹿親父で、退魔聖伝で悪行の限りを尽くしたツクヨミたちが可哀そうになるレベル。
妻のイザナミにも愛想を尽かされかけており、壮大な夫婦喧嘩へと発展する。


「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前! アニヲタ明王追記修正呪!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年06月11日 17:45

*1 本作でもルシフェル=孔雀王とは別人で、本作のサタンはベルゼブブのようなイメージを持たされている。