イザナギ

登録日:2012/10/07 Sun 22:51:54
更新日:2025/01/22 Wed 11:14:57
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もしかして→イザナギ(ペルソナ4)

日本神話における創世の神。
漢字表記は古事記だと伊邪那岐、日本書紀だと伊弉諾となる。ここではイザナギとカタカナ表記し*1、主に古事記での行いを説明する。

神世七代の最後に妻のイザナミと共に生まれた。つまりイザナミとイザナギは夫婦であり兄妹でもある。

別天津神から国産みを命ぜられ、天之瓊矛を使ってまずオノゴロ島を作り、地上に降りる。
このオノゴロ島が後のオーブ連合首長国かは不明。
さて、地上に降りたはいいが。国を作るなんてどうすればいいのか分からない。
仕方ないので、イザナギとイザナミはとりあえず状況確認をすることにした。

イザナギ「君の身体はどうなっているんだい?」

イザナミ「私の身体には、成長しきっていないところがあります」

イザナギ「へーそうなんだ。俺の身体は逆に成長しすぎているところがあるんだよね」


イザナギ「あ、君の成長しきってないところを、俺の成長しすぎているところで刺し塞いで、国を作ればいいんじゃね?」


(以上、古事記の文章を大体直訳)


という会話の後、早速実行に移すイザナギイザナミ夫妻。
なんと古事記にはエッチのやり方まで正確に書いてあったのである。
しかも、前述したとおりこの二柱は兄妹。
つまり、日本神話世界における最初のエッチは近親相姦だったのだ。いやまぁ、世界中の神話的に珍しくもなんともない話なのだけれど。
さて、そんなわけで早速セッ…国産みの儀式を始める二柱。
まず最初にイザナミが「いい男!結婚しよう!」とイザナギを誘い、イザナギが応じて儀式を始める。
すると生まれたのは、水蛭子(ヒルコ)と呼ばれる未熟児だった。

そんな我が子を、二柱は情け容赦なく、冷酷に育児放棄。

もう一度ヤッてみるが、また未熟児が生まれるやいなやまたもや育児放棄(最悪だ)。

どうしてちゃんとした子どもが生まれないのかと別天津神に聞きにいくと、どうやら「イザナミの方から声をかけるのがダメだ」ということ。
そこで今度はイザナギから声をかけると、ちゃんとした子どもが生まれた。これが後の淡路島である。

因みにこのエピソードは、男尊女卑の理由づけとして書かれたものだといわれているが、「陰の属性である女性は足りず、また陽の属性である男性は満ち過ぎておりそれぞれの役割が大切である」「受けと攻めを逆転させてはいけない」という教えだという説を唱える一部の女性もいる(らしい)。
いずれにせよ、壮大なものを生む神話としては過程が大事なのである。
むしろ、どこぞのエデンみたく性の不一致がもつれて離婚に至る羽目にならず良かった。

その後も順調に国や神を作っていったが、最後に生まれたカグヅチによって事件は起こる。
の神であるカグヅチが、イザナミの成長しきってないところを焼いてしまうのだ。
病床に伏せ、ついには死んでしまったイザナミ。イザナギは酷く悲しみ、恨みのあまりカグヅチを八つ裂きに殺してしまう
仇とはいえ、自分の子供を八つ裂きにするとか…
因みに、この時の血や肉片から多くの神が生まれ、その中には国譲りで重要な役を担うタケミカヅチがいるが割愛。
カグヅチを殺しても満足がいかなかったイザナギは、黄泉の国までイザナミを迎えに行くことに。
しかしそれは失敗に終わる。その辺はイザナミの項目を参照のこと。

黄泉から帰ったイザナギは、黄泉の穢れを落とす為に体を洗う。
その時、左目を洗うとアマテラスが、右目を洗うとツクヨミが、鼻を洗うとスサノヲが生まれた。原理とか考えてはいけない。
この三貴子に高天原や地上の統治を任せ、地上で隠居生活を送ることに。
最後は、働かないスサノオに怒って地上を追放したのち、多賀(現在の位置は諸説ある)というところに引きこもってしまい、そのまま出番終了となる。

引きこもりといえば天照大御神の天岩戸伝説が有名だが、実は父親も引きこもっていたのである。
さらに言えば、天照大御神の息子、オシホミミ(フルネーム正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命、マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)も、
地上を統治するように二度命じられているが二度も拒否している。要するにニートである。
親子三代にわたって引きこもり。しかも創世神と最高神とその息子(さらに言えば天皇家の先祖)が。もうヤダこの国。

元来、日本の国土に由来した神々というのは所謂自然信仰から生じたアニミズム的な自然神を基本としていたと思われる中にあって、国土を生み出す役目を負ったイザナギとイザナミは大きく役割を違えている。
これは、イザナギとイザナミもまた伝来した仏教の影響を受けて編纂された古事記と共に上記の通りに“天皇の支配の正当性”を示す、神話段階からの宗教的な概念と意訳により生み出された系譜に連なるカミだからであり、根源神“アメノミナカヌシ”→“クニノトコタチ”→“イザナギ・イザナミ”→“アマテラス”→“ニニギノミコト”→“神武天皇”へと創生と支配が引き継がれていくことになるとされ、この系譜が後の神道の基本となった。
実際、イザナギからイザナミの名前は仏教の十二天の一つで“伊舎那天”に由来すると考えられており、この伊舎那天とは大自在天の異名ともされていたり。
正に創造と破壊を司る夫婦神に相応しい由来……と言いたい所なのだが、実際には伊舎那天は大自在天ではなく他化自在天の異名だそうな。
……流石はセッ○スで万物を作った奴等だぜ。もうヤダこの国。


追記・修正するには妹の成長しきってないところを自分の成長しすぎているところで刺し塞いでください。

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最終更新:2025年01月22日 11:14

*1 「イザナキ」と4字目が濁らない表記も多いが、日本神話は元々口伝時代が長いのでちょっとの差はまあ仕方ない。