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夜は短し歩けよ乙女

登録日:2011/12/31(土) 15:16:36
更新日:2026/03/13 Fri 17:28:57
所要時間:約 3 分で読めます





こうして出逢ったのも、
何かの御縁。


夜は短し歩けよ乙女とは2006年に刊行された森見登美彦氏作の小説、及びこれを原作としたメディアミックス作品。

自由奔放天真爛漫な「黒髪の乙女」と彼女に片想いし背中を追いかける「先輩」とを取り巻く可笑しく阿呆な人や出来事を描いた恋愛小説。春夏秋冬の4章で構成され、2人の視点が交互に描かれてゆくのが特徴。四畳半神話大系有頂天家族ら森見登美彦作品の例に漏れず京都が舞台であり、世界観を共有している。

第20回山本周五郎賞、2007年本屋大賞2位、第137回直木賞候補といった有力な文学賞を受賞し、ベストセラーとして20年経っても愛されている森見氏の代表作である。

なお、本作タイトルは大正時代の歌謡曲『ゴンドラの唄』の冒頭歌詞が由来となっている。



あらすじ

京都の某国立大学に通うクラブの「先輩(私)」は、ある日クラブを訪ねてきた後輩「黒髪の乙女」に一目惚れしてしまう。
なんとか彼女の目に留まろうと日々苦心するが…。
恋するあの子とお近づきになりたい、悩める「先輩」の運命やいかに!?

乙女が夜の飲み屋街に繰り出す春の話「夜は短し歩けよ乙女
鴨川の古本市で乙女の思い出の絵本を巡り先輩が奔走する夏の話「深海魚たち
学園祭を楽しむ最中突如現れたゲリラ演劇「偏屈王」によって運命が転回する秋の話「御都合主義者かく語りき
李白翁の風邪が京都中を巻き込む冬の話「魔風邪恋風邪
の4編から成り、最初は路傍の石ころにすぎなかった先輩が少しずつ活躍を見せてゆく。


登場人物

※括弧内はアニメ映画版のキャスト

  • 先輩(私)(声:星野源)
この物語の主人公。彼女いない歴が年齢とイコールな人だったが、「黒髪の乙女」に一目惚れしてしまい京都の街を奔走する。
奥手すぎるため、「黒髪の乙女」を追う方法がストーカーじみてたり妄想癖もあったりする。
が、「黒髪の乙女」のためならどんな無茶もやってのけ、決める時は決める漢でもある。大学の近くに下宿している。

大人の世界に憧れて夜の街に繰り出して行く自由奔放で好奇心旺盛な大学一回生。先輩に思いを寄せられても全く気が付かないマイペースな天然キャラ。
常軌を逸したアルコールへの強さを持ち、周りの人達が風邪で倒れていく中で一人平気だったりと不幸体質な主人公と違ってかなりハイスペック。
悪漢に絡まれても姉から教わった「おともだちパンチ」で撃退する。
女性視点での語りに森見氏が苦難した結果、違和感を感じないよう極端に天然な人物となったそう。

四畳半神話大系にも登場。天狗を自称し、空中浮遊をしたりと謎の多い人物。
珍しいものの陰にはだいたいこの人がいる。
余談だが文庫版あとがきやつばさ文庫版では彼のビジュアルはやたらイケメンに描かれている。実際は茄子の如き大顎の男なのだが…

四畳半神話大系に(ry
樋口さんと行動してる事が多い歯科衛生士の女性。
とても美人なのだが、大酒飲みで酔ったら人の顔を舐めようとするという奇癖の持ち主。
特技は宴会に紛れ込んでタダ酒を飲むこと。

「先輩」の数少ない友人でありイケメン。趣味は軽音楽やアイドル鑑賞など多岐にわたる。
主人公の恋愛相談に乗るが、からかってるだけの時もある。
女装させるとスゴい美女と化す。女装をしている状態だと「先輩」でも見抜けない。
コミカライズ版では「北大路」といった名前が付いている。

「東堂錦鯉センター」の経営者。不幸が重なったうえ、竜巻に鯉をさらわれてしまう。基本的に良い人だけどドスケベ。
どさくさに紛れて「乙女」の胸を触ったり抱きつこうとする。
おともだちパンチで撃退された人。

有頂天家族にも登場。超お金持ちな謎の老人。金貸しをやってたり妙なイベントを主催したりする。
自家用の3階建ての派手な電車に住んでる。
この爺さんが風邪引いたせいで京都の街がえらい事に…。

夏の古本市に現れた“古本市の神”を名乗る謎の少年。その幼さに見合わずあらゆる本に対しての見識が非常に深い。悪しき蒐集家から古本の解放を目論む。
原作では美少年という設定なのだが映画版ではどういう訳か「四畳半神話大系」の小津と瓜二つの妖怪が如きビジュアルにされてしまった。

  • パンツ総番長(声:秋山竜次(ロバート))
昨年の学園祭で出逢って恋に落ちた女性を探している男。彼女に再会するまではパンツを履き替えないといった珍妙な願掛けを行っているため「パンツ総番長」の称号を手にした、彼もまた恋路を迷走している人物。
原作ではその女性と普通にめでたく再会を果たすのだがアニメ映画版では…?

メディアミックス

ヒット作だけあり原作小説から派生した数多くのメディア展開が行われている。

コミカライズ

2008年から角川『増刊エース』にて約1年間連載。全5巻。漫画は琴音らんまる。『時をかける少女』や後に『君の名は。』と人気作品のコミカライズを数多く手がける作家。
原作の4エピソードに加えて幕間に数多くの漫画オリジナルエピソードが挟まれているので原作ファンでも知らない話が楽しめる。

舞台

アトリエ・ダンカン製作の2009年版とヨーロッパ企画製作の2021年版が存在。
2021年版の脚本演出担当である上田誠はアニメ版「四畳半神話大系」の構成担当であり、森見氏とのコラボ作品「四畳半タイムマシンブルース」も存在する。

アニメ映画

2017年公開。原作だと1年間の物語であったのを映画版では一晩の物語に再構成。そのため一晩に李白翁との飲み比べと古本市と学園祭が行われ風邪が大流行りしその晩のうちに収束するとんでもないことになっている
監督:湯浅政明、脚本:上田誠、キャラデザ:中村佑介、主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATIONとアニメ「四畳半神話大系」のスタッフが再集結。*2全体的なノリも「四畳半」に近いものになっている。ちなみに先輩役に星野源が起用されたのは湯浅監督直々のオファーだとか。



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最終更新:2026年03月13日 17:28

*1 「四畳半神話大系」での彼の担当声優は藤原啓治氏であったが病気療養のため本作では中井氏に変更されている

*2 ただしアニメーション製作はマッドハウスではなくサイエンスSARU