ケムリクサ

登録日:2019/01/28 Mon 18:16:16
更新日:2025/02/20 Thu 19:29:49
所要時間:約 7 分で読めます




概要

ケムリクサ』とはヤオヨロズ制作のアニメである。監督は『けものフレンズ』を手掛けたことでも有名なたつき氏であり、氏が過去に作った短編アニメを原作としている。

PrimeVideo独占先行配信としてTV放送よりも15分前にAmazonプライムで先行公開する形がとられていたため配信は少なかったが*1
放送終了から1年後には様々な配信サイトでの配信が開始された。
また、アニメ本放送前後には前日譚後日譚にあたる短編アニメが不定期でツイッターにアップされていた。
前日談ではりつ姉が元気、りなが一人、等の違いがある。


あらすじ

赤い霧に囲まれた何処とも知れぬ荒廃した世界。そこにはとある姉妹が水を探し、生存を掛けて「ムシ」と戦いながらあちこちを転々とし、日々を生きていた。
そんなある日、姉妹の前に謎の青年「わかば」が現れる。
わかばの正体、世界の全貌、様々な謎が交錯する中、姉妹の行き着く先とは……


登場人物(CVは全てTVアニメ版)

姉妹

全員の共通点としてマゼンダ(紫)の髪を持っている。六人姉妹だったが、物語開始時点で三人に減って、替わりにりなが六人に増えた後に一人減っていた所に、更に一人減ってしまった。
体内にケムリクサを持っており、水さえ飲めば活動出来るが水が尽きると死んでしまう。
逆にケムリクサが無事なら体が欠損するレベルのダメージを負っても再生できる生命力の持ち主。
内部にケムリクサ(ミドリちゃん)の木を生やし、最後尾の壁が抜けた車輪の無い電車を拠点としている。
また、姉妹にはそれぞれが一つの感覚に特化している反面、他の感覚は著しく欠けているという共通した特徴がある。
りつやりな等が特徴的な語尾をしているのも、聴力の低さから声を聴き分けられない他の姉妹にも誰が喋っているのかを分かりやすくするため。必要に迫られての文字通りキャラ付けの為だけの語尾であるため、りつはわかばとの会話時には時々語尾に「にゃ」を付け忘れる事もままあった。

りん
CV:小松未可子
四女。
身体能力に優れる。また、末妹が死んだ際に視覚を受け継いでいる為に遠目が利く。
物語の比率はわかば視点の方が多いものの、りんが主人公として設定されている。黒いライダースーツ風の衣装に身に纏っている。前日談から微妙に格好が変化しているが、これは死んでしまった姉妹の意匠をそれぞれ引き継いだものと考察されている。
戦闘力は(現時点での)姉妹の中では最強であり主戦力。身軽さとパワーを両立しており近接戦闘は勿論、緑(ミドリちゃん)のケムリクサを食べる事で、口や手の平からアカムシには致命的なダメージとなる緑色の光弾を放ち、遠距離戦もこなす。
家族には優しいが、アカムシとの戦いで数多くの姉妹を失った影響から、基本的には警戒心が人一倍強くて疑り深く、あまり人に心を開こうとしない。口調も男性的。
本来は死んでいった姉達から泣き虫と評される程に心優しく、思いやりがあって慎重な性格。
わかばに対しても彼の言動に対して素っ気なく返したり、引き摺って歩く様な雑な扱いを繰り返す等、基本的に冷たく接しているのも現在は自分が姉妹を守っていかなければいけないという意識の現れ。しかし、りなの分身の一人を助けてもらった事を機に行動を共にしていると時折顔が熱くなる、胸がドクドクする等の謎の現象に苛まれるようになる。本人は「毒」と思っているが……?
既に「好き」を見つけている他の姉妹と違い、みんなを優先するが故にりん自身は「好き」を見つけていない事を反対に姉や妹達に心配されていた。


りつ
CV:清都ありさ
三女。
聴覚に優れる。
生き残った姉妹では一番のお姉さんで、物事の決定を下していた。りんからは「姉さん」、りなズからは「りつねぇね」と呼ばれている。猫耳を生やした巫女の様な姿をしている。語尾に「にゃ~」と付けるのが口癖。赤い霧の影響なのか、本編までに目の下に隈が浮かび、しょっちゅう咳き込んだりする程に体が弱ってしまっているため、拠点から基本的に動くことがない。
性格は姉妹の中で最も穏やかであるが、大雑把な一面も持っている。なお、同人版では怒ると怖い性格だったが、TV版ではその設定は無くなっている模様。
わかばに対しても話が通じると分かった時点で警戒を緩め、同行するようになってからは、硬かったりんの表情がわかばの存在で緩んだ事にも早くから気付いていた。
先述の通り体が弱っているため、基本的に戦闘には参加しないが、いざという時の強さは健在らしく、作中ではミドリちゃんを利用した広範囲攻撃を行っている。また、体が弱る前は相当に強かったらしく、前日談ではとあるキャラに「私とりっちゃんでボッコボコだよ~」と言われるほどだった模様。このため視聴者からは最強説が出されている。
ミドリちゃんの木の管理が役目であり「好き」である。
尚、姉妹の生命線ともなっているミドリちゃんの存在は、元々は何かを育てるのが好きな彼女の趣味から始まっている。有事の際には島中に巡っている木の蔦を通じて耳のみを出して様子を探ったり、りん達と連絡し合っている。


りな
CV:鷲見友美ジェナジェナぞう
五女。
味覚に優れる。姉妹では唯一食べる事が「好き」で、廃材や鉄骨すら食べてしまえる。逆に食べたものを復元し、吐き出す事もできる。
生き残った内では一番下の妹。メイド服とツインテールが特徴の幼女。姉の事は「ねぇね」と呼んでいる。元々は一人のりなであったが、姉妹の内に死者が出た事から、戦力と寂しさを埋めるために「さいしょのひと」に倣ってモモのケムリクサで六人に分裂している*2。しかし、分裂を繰り返した事で個々の能力は落ちてしまっており、子供位の体格になっているのもそのため。
その事で一人(りなぞう)は物語開始前に死亡しており、二人目(りなこ)は第一話冒頭にてアカムシに殺されており、残りは4人(りなっち、りなじ、りなよ、りなむ)となっている。
りなむ、のみは普段は寝ているので、他のりなが栄養を与えたり、りなよが代弁している。
スカートの丸いのは取り外し可能で、連絡に使ったり食べる事も可能。
名前の由来は、それぞれ「りな」+「番号」。*3
一人称は「りな◯」で、まとめる場合には「りなちゃんズ」と称している。
なお、中の人によれば「ちゃんと演じ分けている」との事で、実際にそれぞれにトーンが違っている。
実際、2周目位からは見分けも付くナ!
語尾に「ナ!」と付けるのが口癖。食欲旺盛であり、見た事ない形の物を見ると食べずにはいられなくなる。
性格は無邪気でやんちゃ。わかばの監視役であり、しょっちゅうからかって遊んでいる。その中でも特にりなじは大体くっついており、スキンシップが多い。わかばは彼女達にとっても好奇心を刺激される遊び相手でもあるらしく、りなじだけではなく割と懐いている。
りんと共に戦闘要員も務めるが、分裂している事もあってか、単体では姉程の戦闘能力は無い模様。
前日談では分裂前の「りな」として登場しており、他の姉妹と同等と体格であった他、声色も若干異なっている。

今は亡き者達

全員ムシとの戦闘や旅の最中に命を落としており現状前日談にのみ登場している。

りょう
CV:三村ゆうな
長女。
嗅覚に優れており、鼻を使って狩るべき獲物を察知する。糸目とチャイナドレス・手袋が特徴で、この内手袋は彼女の死後りんに引き継がれた。
のんびりとした口調で話すがその実、姉妹きっての戦闘狂であり、愛用のリボンが巻かれた鉄パイプを武器にケムリクサ無しでアカムシを倒す強者。
それでも、本人曰く「素でやったらりんの方が全然強い」らしい。恐らく身体能力と戦闘センスの差であろうか。
その分怒ると怖いらしく、りなぞうがパイプをかじった際にはきつい制裁(「めっちゃしばかれてたナ!」「ナ!」)を下したという。*4


りく
CV:天沢カンナ
次女。
触覚に優れる。そのため、姉妹では唯一ケムリクサをまともに扱う事ができ、特にキミドリを利用した電撃や重力操作を得意とする。
ツリ目にギザ歯にパーカーとマフラー、透けスカートが特徴。この内マフラーは、彼女の死後りんに引き継がれている。
一人称は「俺」のヤンキー口調で話す男勝りな性格で好奇心旺盛。旅の最中は、湖にいるとされている「動物」に会うのが夢だった。触覚が人一倍強く、水の在り処やムシの居場所を探すのに大いに役立った。触り心地のいいものに触れるのを好んでおり、りつの耳を気に入っていた。一方で痛みもその分強めに感じてしまう為どんくさかった模様。(但し本人曰く「痛みを感じる時に『生きてるって感じ』がする」らしく、むしろ痛みに快感を覚えている模様)
このことから視聴者に敏感マゾヤンキーという、とんでもないアダ名を付けられた。
後にわかばにケムリクサの扱い方のコツを教えた。これにより彼はりょくが遺したダイダイのケムリクサの内容を理解し、この世界や姉妹にについてある程度の知識を得られた。


りょく
CV:関根明良
六女。
知力と視力に優れる。眼鏡と黒のセーラー服が特徴で語尾に「じゃん」と付ける。前述した通り、彼女のスカートと視力は現在りんに引き継がれている。
末っ子だが、姉達は基本的に呼び捨てにしている。*5
ぼそぼそと喋る内向的な性格だが、知りたがりで研究熱心な面もあり、ケムリクサの育て方を突き止めた他にも姉妹で唯一文字が読めた。「分からないことだらけってことはこれから沢山学べるってこと」と言っており、割とポジティブな面もある。
興奮するとダミ声になる。
ケムリクサにも興味を持っていたらしいが、自分の集めていたものを勝手に使うりくとは喧嘩が絶えなかった一方で自分に扱えないケムリクサは彼女に所に渋々持って行っていたらしい。
頭脳派である事から戦闘向きではないと思われていたが、実際は巨大なレンズを生成して敵のビーム光線を屈折させて回避する等、特殊能力を生かした頭脳戦に優れる。
姉妹では唯一の頭脳派だが、他の姉妹が悉く脳筋だの大雑把だのウォーモンガーだのアホばかりだったため、相当に苦労していた模様である。
ダイダイを日記にしていたが、りつに渡されたせいでわかばに全て読まれる羽目に・・・

その他の登場人物

わかば
CV:野島健児
特化した部分が無い替わりに欠損した能力が無い。
赤い血を流したことから姉妹にはムシと勘違いされたが、その時点で視聴者はわかばの方が人であると察した……しかし、真相はさらにややこしかった。
りんと並ぶもう一人の主人公で、わかばの視点で物語が進むことの方が多い。ある意味ヒロイン。
姉妹が回収した水の中から突然現れた謎の青年。発見以降「ムシでも人でもない謎の生き物」として姉妹の元に軟禁されることになる。
一人称は「僕」。常に敬語で話す。基本的にはナヨナヨしていて臆病な人物だが、非常に好奇心旺盛であり、状況を問わず興味深い物を見つけると「めっさ気になる~」と言って、釘付けになってしまう。一方で危険が分かっている状況でも他人の為に命を投げ出すような行為を躊躇わないことが頻繁にあり、自己犠牲の精神が人一倍強い。現状りんには冷たくあしらわれてばかりだが、彼女を悪く言うことは全くない。
戦闘能力は皆無と呼べる程で体も脆いが、アカムシの気配(周囲との温度差)を察知できる、旺盛な知識欲、視覚や嗅覚、聴覚を普通に有している等、散っていった姉妹にも通じる感覚を有している他、緑のケムリクサの攻撃を受けると傷が癒える、余り水を必要としない替わりに食物を好む等、りん達とは違う特徴を持っている。
後に、触覚を普通に有していることからりんやりつが扱えなかったケムリクサも使えるようになっていき、特に性格なのかアオを使用した防御に習熟していく。
文字も読めることから、ダイダイに記されたりょくや、さいしょのひとの記録にも触れることに。


シロ
CV:小松未可子
Episode4で倒したヌシの残骸から出てきた白いムシ。言葉は話せないが内蔵されたモニターに(絵)文字を表示することでコミュニケーションがとれる。わかば達を助ける行動をとり、特にわかばに懐いている。
Episode8に登場してきたシロの仲間達もわかばに懐き、わかばに「船長の替わりになってくれる」ことを頼んできた。
赤い霧の命令はキライ。船長の命令はスキ。
「ココ? フネノナカ」
また、シロ達が合体した様子はヌシの様でもあった。


さいしょのひと
6人姉妹と入れ替わりで死亡したとされる人物。ダイダイ色のケムリクサにメモを残した人物だと思われるが、目的の部分が不自然に消されているなど不審な点も見える。

用語

ケムリクサ

本作のキーアイテム。複数の色が存在し、それぞれで用途が異なる植物(又はその葉)。木から生成される緑色(通称ミドリちゃん)は、アカムシの弱点であり、食べることで口からビームを放てるようになったり、光の剣を出現させて戦闘能力を底上げできる。同じく木から生成される黄色は強い光を放つ為、ランプとして使われる。他にも、外部で採取出来る水色の物は姉妹曰く使えないらしいが、わかばが手にしてからというもの、時折光るようになり、後にその効果が「バリアを発生させる」ことであることが判明する。他にも枝を生やした白い物や、姉妹が体内に保持している赤い物が存在する。

ムシ

外を闊歩している謎の生物。中でも黒い体を持ち、関節から赤い光を放つ個体は「アカムシ」と呼ばれ、他の生物に襲い掛かってくる危険な存在である。真向から戦って倒すことは可能であるようだが、弱点である緑のケムリクサを用いるのが無難。しかし、さらにその中でも「ヌシ」と呼ばれる個体はかなりの巨体の持ち主であり、それによって強大なパワーを誇るだけでなく、頭部から極太のレーザービームを放ってくる最強最悪の存在であり、撃破は困難を極める。
白い体を持ち、青い光を放つ個体もいるが、こちらは襲ってくることは無く、無害な存在である。

赤霧

読んで字の如く。この世界を覆っている他、充満している場所も存在する。アカムシ以外の生き物がこの中に長くいると体に悪影響を及ぼし、やがて死に至る。それはわかばも例外でない為、りんは彼が不審な動きを見せた際には、この中に落として「処理」しようとしている。



放送後の変動




追記・修正はケムリクサかキイロそばを食べながらお願いします。






















このせかいのしくみについて


これじぶんでもかけそうじゃん てことでかいてみる


いろいろしたいけど まずじぶんたちについてしって いきぬかないと


けむりくさがだいじっぽい ひからせるのはりくしかできない しゃくだ


わたしたちや けむりくさのえねるぎー としてみずがひつようみたい


このせかいは いくつかのしまで できている あいだにかべ?


むかしはひとがいた? かなりたくさんいたっぽい どこいったんだろ


もじがべんりじゃん このむずかしいの よめたらもっといろいろ わかりそう


さいしょのひとは なにかかくしてる? しんようしていいのか?




















分割後の私へ


これを見ているという事は何かトラブル?


記憶の葉を持ってる私が1人いるはず。詳しくはその子に聞いて。大体解決すると思う。


無いと思うけど 記憶の葉が機能していない場合、まずは何度か開くかしてみて。


分割後はケムリクサで動くことになるから お腹はへらないけど水はちゃんととって。


あれ、文字って読めるよね? ここまでよめてるよね? 読めない子にも共有すること。


さいご、念のためだけど私たちの目的はワカバの所に行くこと。ワカバを助けること。


ごめん、ここについては、忘れて、すきにいきてもらえるとうれしい、記憶の葉も


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最終更新:2025年02月20日 19:29

*1 それ以外にはニコニコで有料配信があったくらいであった

*2 尚このモモは彼女にしか扱えなかった模様

*3 りなっち、りなじ、りなぞう、りなよ、りなこ、りなむ、ナ!同人版では、更にりなな、がいたのナ!

*4 ただ、りなが分裂したのはりょうの死亡後の話であり、時系列に矛盾が生じているが、詳細は不明。

*5 まあ、六つ子に近いし。

*6 たつき氏によると麺を食べないことを日清に確認したところ二つ返事だったとのこと

*7 一人は10話のED直前に登場している