スレイヤー(デュエル・マスターズ)

登録日:2019/05/30 (木) 01:05:37
更新日:2021/06/13 Sun 23:39:55
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逆襲に向かった者は禍々しき呪いで倒れる事になる。




スレイヤーとは、デュエル・マスターズの能力。

解説


DM最初のエキスパンションであるDM-01から登場し続けているキーワード能力で、闇文明に属するクリーチャーのみが所有する。

効果としては、スレイヤー持ちがバトルをするとバトルした相手クリーチャーは勝敗に関係なく破壊されるという効果。
性質的には「道連れ」の要素を強く持ち、相手に嫌がらせのような痛手を負わせる闇文明の性格を象徴した能力とも言える。
聖拳編以前の旧テキストでは「勝っても持ち主の墓地に置かれる」という記載があることもそれを強調していた。

聖拳編以降のテキスト変更によるルール変更では、バトルに勝っても効果が発揮される仕組みに変更された事で攻撃性が強化。
これは、後に登場するG・リンク状態のクリーチャーなどを相手にする際に二回追撃(バトル勝利→スレイヤー破壊)する事を可能とした。
バトル勝利によっても起動するようになった事で、スレイヤー付与なども重複で効果を持つことが可能になった。

最初期から登場した能力だが、闇文明の基本的な除去手段の一つとして長らく使われ続けている。
パワーバランスを無視してのバトルによる破壊が可能であるため、小型クリーチャーやブロッカーが所持している事が多い。
スレイヤー持ちが1体いるだけで相手は大型クリーチャーの攻撃動作に動きにくく、火文明のバトル誘発効果や光文明のタップ&デストロイ戦法にも強い。
低レアリティクリーチャーが所持している事も多いので、カード資産が少ない初心者的には安く手に入る除去手段としても貴重な側面がある。

DMの歴史においては完全に廃れる事無く事出ている現役のキーワード能力である事から、今後も活躍し続けるであろう。


主なカード


嘆きの影ベルベットフロー C 闇文明 (3)
クリーチャー:ゴースト 1000
スレイヤー

DM-03出身のカードで、DM最初期の闇文明デッキのウィニーとして高い採用率を誇ったカード。

種族などもそこそこ優秀な点が強みだったのだが、ウィニーのインフレの波に付いていけなくなった事で使われなくなった。
現在ではまず見かけないが、初期カードのみ使用可能な限定戦などで遊ぶ際には使われるだろう。

ギガリングα C 闇文明 (5)
クリーチャー:キマイラ[サバイバー] 2000
SV-スレイヤー
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)

スレイヤー所持クリーチャーだが、サバイバーなのでスレイヤーを他サバイバーに共有できる特殊なクリーチャー。

数を並べる事を基本とするサバイバーの戦略を阻止しようと動く相手の妨害に対しての牽制になる。
しかし、バトルの発動が条件のスレイヤー効果が発動すること自体がサバイバーデッキではそもそもよろしくないとも言えるのが痛い点。

腐敗電脳メルニア UC 水/闇文明 (2)
クリーチャー:リキッド・ピープル/ゴースト 1000
このクリーチャーはブロックされない。
スレイヤー

スレイヤー所持の多色ウィニーだが、聖拳編のパワーインフレを象徴する一枚でもある。

低コストながらスレイヤーとアンブロッカブルを同時に所持する事に成功しており、相手のクリーチャーをより確実に仕留めやすく設計されている。
低コストのアンブロッカブル故にシールドに攻めやすく、殴り返しにはスレイヤーで確実に相手に損をさせる嫌らしさを持つ。
種族も非常に優秀であり、色さえ合えば種族デッキでは確実に採用候補として検討されやすい。

水文明と闇文明の基本戦略を上手く融合したクリーチャーであり、DM史に残る存在と言っても過言ではない。

魔聖デス・アルカディア VR 闇文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/グランド・デビル 6000
ブロッカー
スレイヤー
相手のクリーチャーが自分のシールドをブレイクする時、そのシールドを手札に加えるかわりに墓地に置いてもよい。そうした場合、そのシールドをブレイクしたクリーチャーを破壊する。
このクリーチャーは攻撃することができない。

闇堕ちした《聖霊王アルカディアス》として有名なこのクリーチャーだが、地味にスレイヤーを所持。

シールドを犠牲に攻撃してきた相手を葬るこのクリーチャーだが、スレイヤー所持はそのシールドが無くなった際も最低限の道連れが出来るように付け加えられた物となっている。
背景ストーリーでの設定では、味方を救うがために闇堕ちした末の後悔が生命の死を招くようだが、その精神性が強く反映された性能と言える。

クエイク・スタッフ C 闇文明 (1)
クロスギア
これをクロスしたクリーチャーは「スレイヤー」を得る。

クロスしたクリーチャーにスレイヤーを付与するシンプルな低コストクロスギア。

1コストと言う軽さから負担が少なくスレイヤーを付与できるため、手軽にスレイヤー持ちを作り出せる。
クロスギアの性質から除去手段はカード指定除去になりがちなので、意外と退けにくいのも厄介。

オーバーキル・グレイブヤード UC 闇文明 (3)
D2フィールド
自分のクリーチャーすべてに「スレイヤー」を与える。(「スレイヤー」を持つクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

味方全員にスレイヤーを付与させるD2フィールド。

低コストで味方全員をスレイヤーにするため、序盤から相手の動きを大きく鈍らせる効果が期待できる。
D2フィールドは張り替えられやすいので長期の展開は難しいが、その辺は相手のD2フィールドも同じリスクがあるのでお互い様。


スレイヤーのバリエーション


対象を限定したスレイヤー効果が登場しているが、どちらも知名度はあまり高くない。

◇自然・光スレイヤー


魔幻の影エターナル・クライ C 闇文明 (3)
クリーチャー:ゴースト 2000
自然・光スレイヤー(このクリーチャーとバトルした相手の自然または光のクリーチャーは、勝っても持ち主の墓地に置かれる)

DM-05で登場したスレイヤーであり、現時点では《魔幻の影エターナル・クライ》と《ギガゲイル》のみが持つ。

特定文明にしか効果を発揮しないスレイヤーという事は、単純に考えれば既存のスレイヤーの下位互換能力である。
対抗色に引っかからない相手では低スペックの実質バニラでしかなくなるので、登場当時から需要はあまりなかった。
自然・光スレイヤーを持つカードはいずれも後にスレイヤーのクリーチャーで上位互換が出ているため、現在では完全に需要がない。

ちなみに、DM-05では対抗色へのメタ能力としては他にも「火・自然ブロッカー」なども登場しているが、似たような問題点を抱えているので当然使われなかった。

◇ゴッドスレイヤー


神羅ライジング・NEX SR 火文明 (6)
進化クリーチャー:ルナティック・エンペラー/アーマード・ドラゴン 13000
究極進化-自分の進化アーマード・ドラゴンまたは進化ファイアー・バード1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手は自身のパワーが一番小さいクリーチャーを1体選んで破壊する。
ゴッドスレイヤー(このクリーチャーがゴッドとバトルする時、バトルの後、そのゴッドを破壊する)
T・ブレイカー
このクリーチャーが破壊された時、相手は自身のパワーが一番小さいクリーチャーを1体選んで破壊する。その後、自分のパワーが一番小さいクリーチャーを1体破壊する。その後、進化ではないドラゴンを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。

DM-33で登場したスレイヤーであり、現時点では《神羅ライジング・NEX》のみが持つ。

ゴッド種族のみに機能するスレイヤーであり、こちらも既存のスレイヤーの下位互換…なのだが、上記の自然・光スレイヤーよりは評価されている。
何故かと言うと、《神羅ライジング・NEX》が火文明である事が理由で、対象は限定であるが火文明単色で存在する珍しいスレイヤーとなっているのだ。
そして《神羅ライジング・NEX》自身がゴッドスレイヤー抜きに強力なスペックであり、単に「オマケ効果」としての側面が強い事も理由か。

ゴッド自体が環境の第一線ではあまり見ない種族なので、ゴッドスレイヤーの使用頻度は高くないと思われる。
更に言ってしまうと、《神羅ライジング・NEX》などの究極進化獣自体があまり使われないという事情がある……。


逆スレイヤー


ブラッディ・イヤリング C 闇文明 (2)
クリーチャー:ブレインジャッカー 4000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、このクリーチャーを破壊する。

バトルの勝敗に関係なくバトル後に破壊される」というスレイヤーとは真逆なデメリット効果が存在するが、これは「逆スレイヤー」という俗称がある。

スレイヤーと同様に闇文明所持のクリーチャーに配分されている他、効果の登場時期も同じDM-01。
ブロッカーが持っているパターンも多く、逆スレイヤーブロッカーとしては特に《ブラッディ・イヤリング》が有名。

デメリットがあるためか、コスト設定に対して比較的パワーが高めに設定されているクリーチャーが多い。
つまり、バトルでは生き残れないがバトル自体には勝ちやすい設計になっており、相打ち狙いの能力とも言える。
そのため、逆スレイヤーは「疑似的な相手クリーチャーの除去呪文」とも言われる事がある。

デメリット効果とは言っても、闇文明はスーサイド戦法が基本戦術なので逆にメリットとして活かされる事も多い。
基本セットの時期はともかく、様々なスーサイド戦法が増えた現在ではデメリットとしての効果は更に薄まってきている節もある。

ちなみに、「バトル後に破壊される」のではなく「バトル中に破壊される」というタイミングが少し異なる逆スレイヤーのパターンもあるので、注意が必要。


補足


DMの兄貴分であるMagic the Gatheringには「接死」というキーワード能力があるのだが、こちらの登場はスレイヤーの影響を受けている事が公式で明かされている。






追記・修正に向かった者は禍々しき呪いで倒れる事になる。

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最終更新:2021年06月13日 23:39