黄(DTB)

登録日:2011/05/18 Wed 04:10:24
更新日:2024/09/02 Mon 22:03:08
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てめぇら契約者は黙って人殺してりゃいいんだ!


CV:池田勝

DARKER THAN BLACK -黒の契約者-の登場人物。名前は「ホァン」と中国語読みする。
帽子とロングコート、頭頂部のハゲがチャームポイントのオヤジ。


“組織”のエージェント。
黒(ヘイ)銀(イン)、猫(マオ)からなるチームのリーダー。主に任務の指示、情報の伝達、物品の受け渡し、“組織”との連絡、後方支援を担当する。


チームで唯一の一般人で、契約者に対して軽蔑の念を抱いている。
特に任務の実行者である黒に対しては辛辣な言葉を口にし、任務優先の考えもあって度々衝突を繰り返す。
また、銀に関してはドールということもあってか完全に道具として見ている節があり、行方をくらました際は本気で処分することを考えていた。
……もっとも、信じられない光景を目の当たりにして引き金を引くことはできなかったが。

どこで習得したのか銃の腕はかなりのもの。一般的な拳銃からスナイパーライフルまでなんでもござれ。

結構な酒豪で、よほど気分が落ち込んでいる時でなければ酔わない。昔馴染みの女性がやっている酒屋で一杯やるのが爛れた日常の中で唯一の楽しみ。

愛車は黒のスズキ・ワゴンR。
いつも吸っている煙草はわかば。



以下、ネタバレ
















本名は久野潔(くのきよし)。

元は警視庁公安部の腕利きの警官で、ロボットアームこと宝来善光の部下だった。互いに面識はないが、霧原未咲の先輩にあたる。
銃の扱いが上手いのもこの経歴のため。


中年になるまで女に縁がなく、今までもこれからも独身を貫くだろうと考えていたが、ひょんなことから岸田志保子という女性と知り合う。
当初こそ、絡まれるから仕方なく相手をしていたが、一緒に過ごすうちに成り行きで男女の関係になり、やがて彼女を愛するようになる。
さらにその流れで結婚を申し込み、志保子もそれを受諾した。
普段酔っ払うことのない彼も、この夜ばかりは上機嫌の千鳥足であった。


……一緒になれよ。だますんじゃねえぞ……


しばらく幸せな日々を送っていたが、ある日の夜、後輩である磯崎壮一の家で飲んで帰ろうと外に出たその時、志保子が不可思議な力で磯崎を殺害するところに遭遇。
事情を聞こうと志保子を探すが、その後彼女は黄の前に現れることはなかった。

それからそう日が立たないうちに、“組織”が接触してくる。
本来ならばMEにより記憶を消されるはずだったが、公安での実績を買われてスカウトを受け“組織”の一員となる。


黄が契約者に対して人一倍忌み嫌っているのはこの過去が原因。
酒屋をやっている馴染みの女性というのは磯崎の妻で、彼女はMEにより夫に関する記憶を一切失っている。
ちなみに物凄く色っぽくて美しい。しかも顔も覚えていない夫に操を立て、縁談を全て断っているいいオンナ。

契約者を軽蔑し続けてきたが、到底合理的とは言えない行動をとる黒、そして感情を持たないはずの銀が涙を流す姿を見て考えが変わりはじめる。



以下、更なるネタバレ














第19、20話における新興宗教「ゲート原理主義者友愛会」についての任務で志保子と再会を果たす。
教祖アルマを暗殺すべく共同で作戦を実行するが失敗してしまい、彼女は責任をとるため“組織”から消されることになる。

志保子の対価は「人間の感受性を取り戻すこと」で、任務失敗後に隠れ家で罪悪感に苦しみながら自分の心中を吐露する。
「久野潔」に近付いたのは友愛会に内通していた磯崎の情報を得るためだったこと、そして本当に潔を愛してしまったこと。
潔に結婚を申し込まれたあの夜、酔った彼の隣で見せた笑顔も言葉も、
何ら打算のない彼女自身の感情から湧き起こったものであり、
2人で過ごしたあの夜の記憶こそが、彼女が人間として生きた唯一の証だった。
それが潔の中から消されてしまうのが何よりも恐ろしかった。
それ故に、潔を「黄」として”組織”に拾われるよう根回しした、ということ。

その言葉を信じられず、ケジメをつけるため射殺しようとする黄だったが、まだ志保子のことを愛していため引き金を引くことをできなかった。
そこで黒に2人共殺すように命じるが、黒は「逃げればいい」と言って逃亡に手を貸す。

港から船に乗って逃げるはずだったが、目論見は既に“組織”にバレていた。
手遅れであると悟った志保子は黄に向かって突然能力を発動させる。
まさかの行動に虚を突かれ、思わず尻餅をついた黄だったが、志保子は黄を置いて走り去った。
その数秒後、車のクラクションとブレーキ音がけたたましく鳴り、少し遅れて鈍い衝撃音が響く。
慌てて駆けつけた黄と黒が目にしたのは停止したトラックと、その脇に横たわる志保子の姿であった。
契約者は罪の意識を感じない。何事も合理的に判断し、自らの安全を優先して動く。
だから志保子はあえて能力を使うことで、対価として「人間らしさ」を取り戻し、黄を守るため、自ら死を選んだのだった。



志保子……なぁ志保子……


もう、騙すなよ……


この一件を通して黄は契約者に対する自身の認識を改め、黒達と“本当の意味で”仲間となった。


第23、24話で“組織”の刺客に撃たれて重傷を負ってしまう。怪我を隠して黒達を地獄門に送り届け、別れの挨拶を済ませた後、追っ手を引き付け自爆。
奇しくも、その死に場所は志保子の死地と同じ港だった。
「悪いな。オヤジ一人しかいなくてよ」



地獄門内での謎空間でもちゃんと登場。どうすべきか悩む黒に対し、他の皆と共に発破をかけ去っていった。

どっちか一方が無理なら、両方取れ

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最終更新:2024年09月02日 22:03