ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス

登録日:2019/08/23 Fri 20:50:04
更新日:2023/01/06 Fri 08:47:00
所要時間:約 10 分で読めます




『Justice League: No Justice』は2018年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。

+ 作品情報
『DC Nation Vol.2』#0
発売 2018年5月
脚本 スコット・スナイダー、ジェームス・タイニンⅣ、ジョシュア・ウィリアムソン
作画 ホルヘ・ヒメネス

『Justice League: No Justice』#1~#4
発売 2018年5月
脚本 スコット・スナイダー、ジェームス・タイニンⅣ、ジョシュア・ウィリアムソン
作画 フランシス・マナプル、マーカス・トゥ(#2~#3)、ライリー・ロズモ(#3)

『Green Arrow Annual Vol.6』#2
タイイン。地球に残されたグリーンアローの戦いが描かれる。

日本では2019年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。

地球のヒーロー・ヴィランと『ソースウォール』から現れた神々の戦いを描いた作品。
バットマン・メタル』のラストで語られた『ソースウォール』の崩壊が引き金となる作品で、
崩壊によって引き起こされた混乱を象徴するように普段見られないような混沌としたチームの活躍が描かれる。

スコット・スナイダーとジェームス・タイニンⅣが担当する『Justice League Vol.4』の前日談となっており、
マーシャン・マンハンターとレックス・ルーサーの関係や生命の基本エネルギーなど重要な伏線が存在している。
また『ジャスティス・リーグ』以外にも多くのチームタイトルが新たなスタートを切るきっかけになっている。



【物語】

地球に現れ様々なチームに攻撃を仕掛けるブレイニアックは、完璧な作戦で戦いに勝利しヒーローたちを宇宙船に連れ去った。
彼の目的は故郷の惑星コルに迫る伝説の巨神オメガ・タイタンズ打倒のため、対抗する戦力を地球から集めることにあった。
ヒーローたちは突然の事態とヴィランの参加に不和を生じさせながら惑星コルにたどり着いたが、
地球のアマンダ・ウォラーの暗躍でブレイニアックが作戦を伝える前に破壊されてしまった。
ヒーローたちは数少ないブレイニアックの情報を元に、4つのチームに分かれ惑星コルと地球のための戦いを開始する。


【登場人物】

≪ジャスティス・リーグ≫

惑星コルを救うためにブレイニアックによって集められたヒーロー・ヴィラン。ブレイニアックの特製スーツを身に着けている。
立場や所属するチームも大きく異なるが、ブレイニアックの完璧な作戦を実現するために必要な人員が揃っている。
一部のメンバー間で対立が生じるも、惑星コルが崩壊すれば次は地球が標的になることから協力して任務に当たる。
オメガ・タイタンズを引きつける生命の基本エネルギーを元に、エネルギーに適した者がそれぞれ4つのチームに配置されている。
ブレイニアックの断片的な情報からエネルギーが具現化した大樹のバランスを取り戻そうとそれぞれの大樹に向かい、
防衛システムを切り抜けながらブレイニアックの作戦を超えた思い切った行動で大樹のバランスを取り戻していった。
しかし神秘樹の対処に遅れたため、惑星コルの住民と共に脱出し星の最期を見届けた。

≪チーム・ミステリー≫

未知なる宇宙の出身者で構成されたチーム。神秘樹が現れた『世界保育所』に向かった。
枯れた大樹を回復させるため施設に隠されていたブレイニアックが収集した様々な惑星の解放を試みる。
しかし作業の規模の大きさから遅れてしまい、最終的に惑星コルの崩壊と同時になってしまった。

メトロポリスを守る鋼鉄の男。

  • マーシャン・マンハンター(ジョン・ジョンズ)
様々な超能力や変身能力を持つ火星人。長年他のヒーローと距離を置いていたが、宇宙で何かを探っていたらしい。
新たなチームに戸惑うヒーローたちをスターロの力を借りて説得した。

  • スターファイヤー(コリアンダー)
惑星タマランの王女。かつて奴隷だった事があり支配欲の強いシネストロを嫌っている。
ブレイニアックが収集した惑星の中に故郷の惑星タマランを発見、任務の重要さを再認識しシネストロへの怒りを振り払った。

  • スターロ
洗脳を得意とするヒトデ型の宇宙怪獣。『バットマン・メタル』に続いて軽いノリの持ち主。20人の中で唯一純粋なヴィラン。
にもかかわらず収集された惑星の住人を落ち着かせる役目を任され、戸惑いながらも無事成し遂げた。
その後、時間稼ぐためにアトムの白色矮星の力を利用して巨大化し、知慧の巨神に取り付いたが引きちぎられた。

  • サール・シネストロ
恐怖を力にする『シネストロ・コァ』のリーダーでグリーンランタンのライバル。
元グリーンランタンだったこともあり、惑星を解放することによる宇宙の混乱を危惧する。

≪チーム・エントロピー≫

無法者や状況に応じて立場や姿を変化させる者で構成されたチーム。壊理樹が現れた刑務所『ウルトラ・ペニテンス』に向かった。
枯れた大樹を回復させるため刑務所から宇宙の重罪人たちを解放し、ブレイニアック2.0の発見で大樹を復活させた。
ブレイニアック2.0が今後の作戦の鍵を握ると思っていたが、彼からブレイニアックの真の目的を教えられた。

ゴッサムを守る闇の騎士。

  • レックス・ルーサー
大企業レックス・コープの社長でスーパーマンのライバル。マーシャン・マンハンターとは個人的に仲が良い。
個性をぶつけ合うヒーローたちを理論的な語りで説得し、ブレイニアックの作戦通り4つのチームでの行動を促した。

  • ビーストボーイ(ガーフィールド・ローガン)
緑色の肌を持ちあらゆる動物に変身する少年。チームのムードメーカー。
大樹を回復させるためとはいえ重罪人を解き放つことに戸惑っていたが、ロボのアドバイスで吹っ切れ怪物に変身し活躍する。

  • ロボ
故郷である惑星ツァルニアを壊滅させたという異星人の賞金稼ぎ。超人的能力と再生能力を持つ。粗暴だが義理人情に厚い。

  • デスストローク(スレイド・ウィルソン)
実験で驚異的な能力を得た傭兵。

≪チーム・ワンダー≫

魔術に関わり深い者で構成されたチーム。驚嘆樹が現れた惑星最後の魔術師が眠る『科学神官の墳墓』に向かった。
枯れた大樹を回復させるため魔法を使おうとしたが、ブレイニアックのスーツの影響で力を発揮できずにいた。
亡霊の反撃で追い込まれる中、魔法使いではないワンダーウーマンの『真実の投げ縄』の一撃で大樹を復活させた。
その後、作業が遅れていた『チーム・ミステリー』の援護に向かう。

超人的力を持つアマゾン族の王女。

  • ドクター・フェイト(ケント・ネルソン)
魔術師ナブーの力を持つヘルメットをかぶることで魔術を使うヒーロー。

  • ザターナ(ザターナ・ザターラ)
言葉をさかさまに唱えることでパワーを発揮する魔術師。

  • レイブン(レイチェル・ロス)
悪魔トライゴンと人間のハーフ。周りの感情に敏感で、多様な人物が集まったことでナーバス気味。

  • エトリガン(ジェイソン・ブラッド)
悪魔エトリガンをその身に宿すオカルト研究家。

≪チーム・ウィスダム≫

科学と関わり深い者で構成されたチーム。知慧樹が現れた『中央情報保管庫』に向かった。
成長しきった大樹を減退させる方法を思いつかずにいたが、サイボーグの『マザーボックス』の力を利用し成功させた。
しかし完全には弱めることが出来ず、惑星コルの崩壊が迫ったため避難民の援助に回った。

  • サイボーグ(ビクター・ストーン)
特殊な技術で半身が機械化された青年。『マザーボックス』の力で木にアクセスし、大樹の実が重要だと知った。

超スピードを操る鑑識官。

ブルースの息子でバットマンのサイドキック。見知らぬ者やヴィランに敵意を剥き出しにして、バットマンにたしなめられる。

  • ハーレイ・クイン(ハーリーン・クインゼル)
ジョーカーの元愛人で元精神科医。悩むサイボーグを和ませようとしたジョークが道を切り開いた。

  • アトム(ライアン・チョイ)
特殊なスーツとベルトで体を縮小できる科学者ヒーロー。ブレイニアックの縮小技術に興味を持つ。


≪ヴィラン≫

  • オメガ・タイタンズ
『ソースウォール』から現れた4体の巨神。火星や惑星コルに太古の伝説としてその名を残している。
生命の基本エネルギーであるミステリー/神秘、エントロピー/壊理、ワンダー/驚嘆、ウィズダム/知慧を司る存在。
自分たちの力が知的生命体を支配すると信じており、様々な星に基本エネルギーの影響で成長する種を植えたとされる。
そして宇宙の終わりに姿を現し、もっとも成長した大樹からエネルギーを吸収し星を破壊すると語られている。
伝説の存在だったが破壊された『ソースウォール』から現れ、エネルギーを狙い惑星コルには知慧の巨神が出現した。
『ジャスティス・リーグ』の抵抗虚しく知慧の巨神は惑星コルを吸収、時を同じくして地球の種が完全に成長し、
『STARラボ』には知慧樹、『ベル・レーブ刑務所』には壊理樹、『運命の塔』には驚嘆樹、『孤独の要塞』には神秘樹が現れた。


≪その他≫

  • ブレイニアック(ブリル・ドックス)
機械と一体化し最高の知性を得た惑星コレクター。故郷の惑星コルをオメガ・タイタンズから救うためヒーローたちを集めた。
完璧な作戦のためにヒーローの特製スーツには制限を設け、また地球では他のヒーローを休眠状態にする、
自分が破壊された際には地球の種が起動するなど仕掛けを施していた。
ヒーローたちにも勝利した完璧な作戦を実行しようとしていたが、作戦を前にウォラーの思わぬ介入で機能を停止してしまう。
彼の真の目的は『ソースウォール』の崩壊で宇宙を支配する存在となった生命の基本エネルギーをその身に宿すことだった。
『ジャスティス・リーグ』を利用して惑星コルの生命の基本エネルギーを吸収し、
さらにオメガ・タイタンズの目を惑星コルから地球に向けさせ、自身の最大の障壁である地球を破壊しようと目論んでいた。

  • ブレイニアック2.0(ブリル・ドックス)
惑星コルの刑務所で厳重に閉じ込められていたブレイニアックの息子。ブレイニアックのバックアップとしての役割を持つ。
ブレイニアックのスーツの導きで『チーム・エントロピー』に発見され、バットマンはブレイニアックの代替要員と思っていた。
しかし実際は彼もブレイニアックの目的を達成するための道具に過ぎず、
作戦が順調に進んでいた場合はエントロピーの象徴としてブレイニアックに吸収される予定だった。
彼もそのことを受け入れており惑星コルと運命を共にするつもりだったが、ロボに無理矢理連れられ惑星コルを脱出した。

  • アマンダ・ウォラー
『タスクフォースX』こと『スーサイド・スクワッド』の責任者にして『ARGUS』の幹部。
『ジャスティス・リーグ』が全世界に『ダーク・マルチバース』などの情報を公開した際、
自分たちが宇宙のことを何も知らないと実感し、情報を手に入れるためにブレイニアックへのアクセスを試みた。
サイキックを集めた『タスクフォースXI』で作戦を実行し、オメガ・タイタンズの情報を入手するもブレイニアックを破壊してしまった。
その結果として宇宙を危機に晒したことを知らずに、姿を消したヒーローたちに代わって地球を救おうと独り北極に向かっていた。
途中グリーンアローと手を結び地球に植えられた種を確認しに向かうも、ブレイニアックの死で種は起動していた。
最後の抵抗に種を核兵器によって破壊しようとするも、希望を捨てないグリーンアローの抵抗で防がれた。

  • グリーンアロー(オリバー・クイーン)
シアトルを守るエメラルドの射手。ブレイニアックの襲撃を逃れたヒーローの1人。
彼とバットガール、スーパーガールの3人以外のヒーローはブレイニアックによって休眠状態にある。
事件と同時期にクイーン社の衛星に異変が生じたため、その反応を追い北極にいたウォラーのもとにたどり着いた。
彼女の暴走を知るも、世界を救うためには協力するしか無いと判断しウォラーと手を結んだ。
起動した種を前に核兵器の使用を試みるウォラーを止め、『グリーンランタン・コァ』と連絡を取ろうとしたが、
時既に遅く地球にはオメガ・タイタンズが迫っていた。

  • グリーンランタン・コァ
宇宙の治安維持組織。全隊員が集結し『ソースウォール』にできた穴の対処に当たる。



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