登録日:2012/04/20 Fri 01:35:09
更新日:2024/11/09 Sat 17:18:29
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課金(かきん)とは、提供するサービスの利用に料金を課すシステムのこと。
我々が普段使うガス、水道、電気等の料金システムがその代表である。
課金システムにはいくつか種類がある。
1:従量課金
サービスを使用したぶんだけの料金を課すシステム。
ガス、電気、水道、電話料金、そしてインターネット回線使用料金やパケット通信料金がこのタイプ。
ただし、インターネットについては現在は定額制度が主流となっている。
2:定額課金
最初から料金が一定額に定められており、期限内であればその料金で使い放題というシステム。
現在のインターネット料金や各種レンタルサービス料金等がこれ。
携帯端末等のパケット通信料金等では従量と定額を組み合わせたようなシステムもある。
3:コンテンツ課金
音楽等のデータ配信サービスや
ゲーム等の
ダウンロードコンテンツ等に適用されるシステム。
課金とは本来、サービス提供者が利用者に料金を課すことであるが、転じて、
利用者がコンテンツに金を支払うことを「課金する」というようになってきている。
この項目ではこの3について主に解説することになる。
そう、ソーシャルゲームの存在である。
アイテム課金等とも言い、昔から基本無料のオンラインゲーム等で採用されてきたシステムであるが、
近年、
ソーシャルゲームの流行によりそのシステムが一般にも広まることになる。
『基本無料』と謡うソーシャルゲームは数多いが、課金によって有利不利が分かれるゲームがその殆どを占めており、
例えばランキングで上位を目指す、最適解のキャラクター(パーティ)を育てるともなると課金はほぼ必須になってくる。
ただし、だいたいのゲームは課金をしなくてもある程度は楽しめるようにはなっている(課金せずにどれだけ遊べるか、がソシャゲの評価点の一つだと言える)。
●目次
ソーシャルゲームにおける課金の種類
課金によって『
ガチャ』と呼ばれる抽選を行い、当選したアイテムを入手できると言うもの。
無論アイテムの種類はゲームの内容により異なる。
重要なのは、
『確率が不明』『いくらお金をかけても出るとは限らない』という点。
かなりのお金をかけたのに目的のアイテムが出てこない、あるいは何とか入手できたがそれまでに大金をつぎ込んだ状態を爆死と呼ぶことがある。
宝くじや
パチンコ等のギャンブルには一応の確率が公開されている。
しかしこのガチャ、表示上はともかく実際の確率が一切不明であり、やろうと思えば操作し放題なため、その不透明さには批判も多い。
レアリティごとの確率は公開していても、個々の確率は秘匿されているケースも多く、同レアリティ内でも確率に差が設けてあることもしばしばあった。
基本的にはいわゆる「目玉商品」は1%台かそれ以下に設定されている。
種類が追加されれば追加されるほど、レアリティに設定された確率はそのままなので個々の排出確率は下がっていくが、ピックアップなどと題して特定キャラだけ出るようにして個々の確率は激増、場合によってそのレアリティ内では排出率100%というような期間限定ガチャを実施するゲームも多い。
また、確率の問題であるため、特に欲しいアイテムに限って爆死してしまうと言う不運に見舞われる可能性は避けられない。
2017年12月21日にAppleが審査ガイドラインを変更したことで、それまで確率を秘匿していたスマホアプリでも有料ガチャの個々の確率が公開されるようになった。
ただし、ブラウザゲーム、無料でも取得できるポイントによるガチャなどは無関係なので秘匿されたままなのも多い。
また、こういったガチャには課金を誘おうと色々な付加価値がつくことが多い。
例
- 無償一回分引ける石が有償だと同じ量で3回、時には5回引ける。
- 有償で引くと普通のより確率が倍くらい上がっている、もしくは確定
2012年以前、いわゆるポチポチゲーが主流だった頃に問題視されていた方式。
課金ガチャで獲得できるアイテム全て、もしくは特定の物数種類を獲得する事で限定品が入手できる。
例えば、アイテム全10種類のガチャが1回300円であるとする。
これをコンプすると極めてレアなアイテムを入手することができる。が……当然最低でも10回ガチャを回す必要がある。
つまり10回×300円=3000円。
さらに、ダブりやコンプと関係ない物が当たることもある為勿論これだけでは済まない。
仮に全種同率、関係ない物なしであっても、コンプの期待値が1を上回るには実に32回=9600円も必要になる……。
フルプライスのゲーム一本分のリアルマネーで手に入るのはたかだか数十個のアイテムのみ。
その上、該当アイテムの一部が極めて低い確率でしか出ない場合も多い。
これの特に厄介なのは歯止めがきかなくなること。
あと1個の状態になったりすると、目的のアイテムを手に入れないとこれまで課金してきた意味がないため、途中でリタイアできなくなってしまうのである。
2012年になると消費者庁が違法か検討する方針を表明したためにSNS各社の株価が暴落。その後『コンプガチャは景品表示法に抵触する』との見解が示されて規制が行われ、現在ではコンプガチャは表向き存在しなくなっている。
一応規制が行われる前に業界の自主判断で多くのゲームがコンプガチャを廃止した。
一定期間、特定レアリティ(基本最高)の出現率を上げる。
パズドラの影響で「フェス」と呼べるような名前である事がほとんど。
しかし0.01%を0.02%にしても2倍の名目は成り立つ。
とは言えども普段よりも最高レアが手に入りやすいタイミングなのは間違いないので、多くのプレイヤー、特に無〜微課金プレイヤーは溜め込んだ石をこの機会に排出する。
その名の通り5〜10回程度のまとめ買い。1回分多く引ける、回復アイテムつき、レア度の高いものが1枚確実に手に入る等のオマケ付きが大多数を占める。9回分料金で10回回せる!というものもある。
しかし上記の確率の不透明さと相俟って、強力・高価なものが出にくい設定とも言われている。
逆に単発より1回1回の確率が高くなっていて、非効率で誰も利用しない単発はまとめ買いに割安感を与えるためだけの存在ということも多い。
またクリック回数が減るため、まだ課金しすぎてないと錯覚させると指摘する専門家もいる。
最近設定されつつある方式。
300回程度ガチャを回せば高レアリティのものが最低一つは手に入るという保証が付いている場合が多い。
下記の「ブル島ショック」以降設定されるようになった。いわゆるユーザー救済手段である。
この制度が導入されて以降、天井があることが当然という風潮が強まりつつあり、いわゆる「青天井」のガチャを設定するゲームへの非難が強まりつつある。
ただしX回引けば確実に高レアリティのキャラが手に入るという意味でコンプガチャのような販促の一つだとする者も多い。
上記の天井の派生系。
最高レアリティ、準高レアリティ、高レアリティ、ノーマルレアリティを限られた数ボックスに入れ、ボックスの中身がなくなるまで引けるガチャ。
要するに、
一定回数引けば必ず全部手に入る
というシステム。
作品によってはボックスに入れる最高レアリティのアイテムなどを選べる場合がある。またリセット機能が装備されたものもあり、全部引ききったらリセットというもののほか、目玉景品を引いたら残りがどれだけあろうとリセットできるというものもある。
当然のことだが初回でいきなり最高レアリティを引けてしまうこともあるし、最後まで最高レアリティが出ないこともある。確率論が一番わかりやすく適用できるガチャ。
+
|
... |
ここに一つのモデルを用意した。
最高レアリティ:1本
準高レアリティ:9本
高レアリティ:10本
ノーマルレアリティ:80本
の合計100本をボックスに入れた。
1回目で最高レアリティを引ける確率は1%だが、回数を重ねていくにつれて中身はどんどん減っていくために最高レアリティの当選確率はどんどん上がっていき、最終的には100%に到達する。
|
要するにお祭りとかでよくやってるくじ引きと同じ理屈。通常のガチャは無限に景品が補給され続けるくじ引きと言い換えることも出来る。
課金ガチャよりかはイベント内アイテムが手に入るイベント限定ガチャなどで見かけることが多いかもしれない。
◆直接購入アイテム
直接課金、あるいはゲーム内通貨やSNS専用電子マネーと交換する形でアイテムを購入するシステム。
ゲーム内通貨はゲーム内で普通に手に入る通貨と区別されている場合が殆ど。いわゆる「
石」。例えば
千年戦争アイギスでは神聖結晶という物が石でキャラ強化等に要求されるマネーは「G」(多分ゴールド)である。
現在のソシャゲは殆どが現金で購入した「石」を介してスタミナ回復やアイテムボックス拡張を行なったり、ガチャ(前述)やコンティニュー(後述)などを購入する形式をとっている。
基本的に「石」は無課金でもある程度は支給されるのだが、最近はゲーム内で貰った無償の石と課金して購入した有償の石を区別し、有償石でのみ引けるガチャ、などの様に課金勢を優遇する作品も増加している。
作品によっては、石とスタミナ回復等の関連性はばらしてあるケースがある。例えばデレマスはスタミナ回復もできるが、プレイヤー間で通貨として使用可能な「スタドリ」と自身のスタミナ回復にしか使えない「MYスタドリ」で区別が存在する。FGOではスタミナであるAPを回復させるアイテムとして林檎が存在するため、ユーザーは基本的に林檎の方を齧る。石は上記のガチャ、下記のコンテニュー、そしてスタミナ回復等の多用途に使えるが、基本的にスタミナで石を割るのは林檎すら食い尽くす超周回マスターであろう。ただFGOは順位争いでキャラを取り合う要素がないのでスタミナ回復は自分の欲しい素材を欲しい数集める為に食らうものだが、
石(ソーシャルゲーム)の項にあるようにモバマス等ランキングで特定キャラの強力な限定カード等のプレイヤーが欲しくなるコンテンツを配布するゲームでは……え、えらいことや、戦争や……。
◆コンティニュー
ゲーム内で
ゲームオーバーになった際、課金する(または課金アイテムを使用する)ことでその場からゲームを続けられるというシステム。
課金をしない場合は勿論最初からやり直し。
ただ、「パズル&ドラゴンズ」以降のスマホ時代のソシャゲでは大抵プレイヤーのテクニックがゲームに介入する仕様のため、コンティニューするくらいなら腕前を磨くなりデッキを調整するなりして対処することが多く、「石」をコンティニューにつぎ込むユーザーは少ない。
またそもそも近年の高難易度ステージではコンテが不可という制限も多くなっているためよりつぎ込むユーザーは減少している。
だが世の中どうしても不器用であったり調整が下手な人はいる。
また、ストーリーのあるゲームの場合、ストーリーを見たくても戦力不足でストーリーがクリアできない場合もある。
戦力を整えようとしてガチャ→爆死したり、期間限定イベントで時間切れを起こしたり、長期にわたるお預けを食らうくらいなら、コンティニューでクリアして先に進む方が確実かつ低コストとなることもある。
他にも、長いステージにおいて最後の最後でミスったときに、やり直すくらいならコンテした方が良いという判断に至ることもある。
そうした人は基本的に配布された無料石を割って対処する。モバマス派生のスターライトステージではコンティニューが10石で高難易度であるMASTERの初回クリア報酬が50石なので、ダメージガード等の調整を誤り1乙したとしても、差し引きでは得。FGOでも高難易度クエストの報酬が呼符(3石で1回ガチャ可能なところを1枚で1回引ける)や他クエストでは入手不可能な素材などであると、石一個割ってもトータルではプラスだし、令呪3画で代替できる上NP100%チャージのおまけもついてくるのであと一歩の一押しとしてはかなり有用。ただし、ストーリークエでも一部コンテ禁止ステージがあることには注意したい。
◆定期課金形式
FF11などのネットゲームで取り入れられてきたこの形式であるが、近年はソシャゲにも導入始められている。
つまりオンラインゲームの定番である。
とはいえ払わないとプレイできないわけではなく、課金をすると一定期間恩恵を得られると言うもの。
期間は1ヶ月が多く、値段は300円〜1000円までと様々。
ゲームによって内容は異なるものの、例としては
- 通常ログボに加え、豪華なアイテムが入ったログボを受け取れる(石等が含まれているのがほとんど)
- スタミナの回復が1日1回無料
- デッキ枠の増加
等が挙げられる。石の数を見ても(多くは有償石扱いではなく無償石扱いとはいえ)同額をそのまま課金するよりもお得な事が多く、少ない課金で多くの利益を得られるため、微課金勢が増えつつある。
◆追加コンテンツ
ソーシャルゲーム以外で言えば、『無料ゲーム』を謡っておきながら、「この続きをプレイするには別途料金が必要」といった物もある。
こういった作品は買い切り型作品の一部を「
体験版」として無料で公開するのと同じといえば同じなのだが、その事が分かりにくい場合などだとレビューが荒れやすい。
◆アイテムコード
雑誌や関連商品などに付くコードを入力することでアイテムなどを入手できる方式。
コミック化や
アニメ化してもこれが付けば一定以上の売上は見込めるため爆死を回避できる。
しかし
GoogleやAppleにショバ代を払わずに課金させるようなもので、Appleでは禁止する条項もあったがあまり厳しく取り締まられていなかった。
2015年8月、
モンスターストライクがこれでAppleと一悶着あり、警告を受けても無視した挙句にAppStoreから一時的に削除され、これを見た各社はいっせいにアイテムコードや招待コードを廃止した。
Android版でもiOS版からアカウント移行できる関係で一緒に廃止したアプリが多い。
サイト経由で入力、ブラウザゲーム版で入力、などの方式で続けているアプリもある。
利点と問題点
F2Pゲームの多くは課金システムによって利益を得て運用資金にしている。
ユーザーの課金によってゲームは存続していると言って過言ではない。
実際、そういう課金ユーザーが定着したおかげで何年も続いているようなゲームもあるし、グッズを販売したり、果てはアニメ化までして手広く集金できるようなゲームも現れた。
だが、そういった手広い集金システムを得られるゲームはほんの一握り。
その一握りさえ、普及するまでスタッフ、絵師や声優といった人たちへの報酬は課金で稼ぎ出すしかないのである。
それを踏まえて、特別欲しい
というわけではないが、「ゲーム運営へのお礼や支援」の意味も込めて課金をするというタイプのユーザーもいる。(「お布施」「納税」「感謝の課金」などと呼ばれる)
しかしその陰で課金をするユーザーとしないユーザーの格差は開くばかりである。
課金をする=基本的にガチャを回せる回数の増加や「有償限定のアイテム」の購入によってかなりのアドバンテージを得られる。
特に強力なのが「定額で買い切る有料限定アイテム」の類。こちらはガチャと違って運も絡まないので払った額に応じてちゃんとした効果が見込める。
「任意のキャラを確実に購入できる」で強力な最高レアを確実に入手したり、ゲーム内の強化アイテムを「オマケ付きパック」等から直接購入するなどの手段を取ることができる。
また、例え少額の月額課金サービスだけの課金であっても、続ければ続けるほど、塵も積もればで無課金とはかなりの差が生じてくるのだ。力も費やしてきたお金も。
課金の継続を狙ってボーナスの中身が継続する度に豪華な物になるケースもあり、続ければ続けるほどに恩恵が大きくなる。
そして、ガチャで目的のキャラが引けず爆死してしまい、石が足りないという状況に陥っても、金をどんどんつぎ込んで出るまで回せばいいわけである。
一方で無課金ユーザーの場合、日頃のプレイによってしっかり石を貯めて目当てのキャラを運良く引けたとしても、そのキャラのポテンシャルを最大まで引き出すことが出来ないケースが多々。
ゲームによっては4回も5回も重ねなければいけない事もあり、たった1枚引いた程度では何の役にも立たないケースもある。
運よく完全に重ねられたとしても、そのカードはソーシャルゲームの宿命でインフレに飲み込まれていくため、次第に使い物にならなくなり、単なるコレクション以上の価値がなくなることもある。
これらの点は課金ユーザーも変わらないが、あちらは金が続くならその都度最新カードに乗り換えればいいのに対してこちらは乗り換えが困難。
長いスパンで最新カード→数年後の最新カード、と乗り換えるとしても、その「間」をガチャも引かずにどう繋ぐかが新たな問題として立ちはだかる。
ソーシャルゲームの宿命でインフレしていく都合、既存のカードにはどんどん価値がなくなっていくため、今必要だからとそのカードを手に入れるため、ポテンシャルを引き出すために課金したとしても「投資した価値」がいつまで保つかは不透明。
更にガチャの「当たり」の確率も非常に低く、運が悪いと何百回回しても出ないことがあるために、最悪6桁近いお金が一瞬で溶けてしまう。
ガチャが青天井の場合、下手をすると7桁に届くケースすらも。
「インフレによる価値の減衰」「ガチャそのものの当たる確率」という二つの要素は特に課金への嫌悪感を抱かせやすく、非課金者に「何が何でも課金などしない!」「出るかわからないガチャに数千円、数万円も払うなんて出来ない」と言わしめる大きな要因となっている。
金を落としても見返りが少ないのもあるが、単純にお金を落とすのが嫌な者も多い。
また、ある種の
縛りプレイとして非課金を「楽しむ」スタンスの者もいる。
一方で「ゲームは好きだが運営は嫌い」という理由で課金しないプレイヤーもいる。
そういうゲームは総じてガチャが渋かったり、いわゆる『人権』と揶揄される強い特定キャラを引かない(引けない)とイベントやクエストがクリア困難なケースが多い、
お祭りゲー、アイドルゲーといった
キャラゲーなのに運営のお気に入りの特定キャラばかりが露骨に優遇されてあからさまな優遇不遇がある場合など、
ゲーム側(運営側)に問題がある事が大半である。
格差をイメージしたグラフにするとこのようになる。
廃課金者(殿堂入り)
______________
重課金者>>>>>>>>>>>軽課金者>>>微課金者>無課金者
※ゲームによって変わります。
※あくまでイメージです。
もっとも、ソーシャルゲームの基本的なコンセプトは「気軽に強くなれる」である。
普通のゲームならば強くなる為には相応の時間を費やしてやり込みをする必要があるが、ソーシャルゲームにおいてはより多く課金することによって強くなる。
上記のグラフの課金者を「やり込み度」に置き換えれば普通の
ゲーマーのそれと何ら変わらないのだ。
しばし一部の非課金ユーザー達は課金ユーザーとの格差に対して不満をぶちまけるが、
お金も時間も掛けずに課金ユーザーと同等の強化が出来ないことなど自明の理であり、格差ゼロの要求は単なるワガママでしかない。
一方で運営側もお金を払った人に何らかの追加サービスを施さなければ、呆れられてしまいお金を払うユーザーなどいつかはいなくなる。
また「気軽に」などというが、その気軽さだけに何万も出せる人間はそうそういない。
そのお金があれば他に何ができるかを考えてしまうと、如何に割高な代物であるかは容易にわかってしまうからだ。
例えるなら、4万円あれば
Nintendo Switch本体とソフトが一本買えてしまう。そのお金が、出るかわからないガチャに一瞬で溶けてなくなる事は、よくよく考えれば恐ろしい事でもあるのだ。
ゲームと言えど、そのデータを充実させるには対価が必要であり、それが時間か金かの差でしかない。
「最悪課金すればそれなりに熟練プレイヤーに追いつける」という安心感があればこそ、人気ゲームに後発で参加する参入障壁が低くなる意味合いもある。
時間は後発組には絶対に追いつけない代物であり、時間で絶対的に有利不利が決まってしまうとなれば、後発参加してみたいという意欲がそがれてしまうのである。
もちろん、ゲーム黎明期からずっと継続しているプレイヤーの優位性もある程度確保しないと不公平感が出てしまう。
また、課金による格差が大きすぎても、それはそれで新規プレイヤーのやる気を削ぐ結果に終わるので、そこのさじ加減は非常に難しいところがある。
尤も月に何十万円も課金できるような社会人はともかく、そう安々と注ぎ込むようなお金のない子供はそうは行かない。
…というか子供にギャンブルさせるような行為に近いので、子供にそんなことをさせてしまうこと自体が倫理や教育的にマズイが。
そして金がなくとも先に購入できてしまうのが後払いである課金システムの怖い所でもある。
子ども等が意味も解らずに勝手に課金をして親に迷惑をかけるトラブルも起こるのだ。
実際、自制心が足りない子どもが親の
クレジットカードやネットマネーを濫用して問題化したこともある。
ちなみに現在はアプリ内で年齢確認を行い、未成年だった場合は課金が出来ない・課金額に制限がかかる等の規制を行なっているタイトルも多い。
民法上、未成年者の場合お小遣いを超えた契約は取消が可能なのが原則であり、数十万円と言った明らかにお小遣いを超えた課金は後から取り消されても文句が言えない。
運営サイドもある程度の自己防衛をしないと運営サイドも取消対応に追われるハメになってしまうし、ガチャで爆死したプレイヤーが「子どもがしたことにして空ぶった課金を取り返そう」なんて不届きなことを考え始める可能性もある。
なお、未成年者が親の許可なく勝手にとんでもない課金をしてしまった場合には運営に連絡をするとアカウントを消す代わりに取消しを認めてくれる場合もある。
トラブルの実例
著名なケースの一つ。
簡単に説明すると「出る事になっている商品の排出率が0%になっていた」。
排出率が公開されていなかったこともあり、不具合が発表された時点で既に絶対に出ない目的のキャラを求めて大量課金したユーザーが多数存在…つまり手遅れ状態であった。
この手のゲームで絶対にあってはならない事態だったこともさることながら、後処理に失敗した(返金・疑似的な返金ではなくガチャチケット配布)こともありネット上の関係コミュニティは一時大荒れとなった。
後述のアンチラ騒動共々、上記の「確率が不明」という問題点が(一歩間違えば)どういう事態を引き起こすかをよく表した実例。
こちらも著名なケース。
元々コンプガチャでやる予定だったガチャを、規制により普通のガチャで実行した…のはいいのだが、確率を公表していた代わりに目玉商品の排出率を上げていなかったため「SRを引いたと思ったら恒常だった」という報告が多発。
SRの確率自体が1.5%と低く、お目当てのカードを手に入れられたユーザーは一握りとなった。
このケースは運営に直接の非は無かった為返金などは一切されていないが、後に「いわゆる天井のあるガチャ」「一定以上の課金をすれば確実に目玉商品が入手できるガチャ」が大半になったのはこれが遠因とされている。
上述の「確率が不明」「出現率アップと書いてあっても具体的な上昇値が不明」な仕様が原因になったケース。
この事件は批判された点が多すぎるため、直接課金と関係する部分に絞って説明させていただく。
グランブルーファンタジー(以下、グラブル)では特定の武器を入手することで新しい仲間が加入するシステムである。
また、多彩なキャラ・文字通りの豪華声優陣と一種のキャラゲーの側面もある。
この騒動の場合「『出現率アップ』とだけ表記されている武器をガチャで引くと新キャラが加入する。新キャラは3人」というガチャ内容であった。
が、3人のうち「アンチラ」が加入する武器のみやたら出ない報告が多発。70万円以上使ってやっと引いたというユーザーも確認された。
「新キャラの武器はそれぞれ排出率が異なっている」とは一言も説明されていなかったため、景品表示法の「有利誤認」「広告の虚偽・誇大広告」にあたるのではないか(≒違法ではないのか)と批判が殺到。
最終的にはユーザーからの署名により消費者庁の調査が入ったが、「違法性は無い」と結論が出た。
後に多大な迷惑とご心配をお掛けしたとして「疑似的な返金」「ガチャにいわゆる天井を常設」などの対処が行われた。
普通のニュースでも話題になったため、ユーザーではないが騒動は知っている閲覧者も多いのではないだろうか?
これはガチャそのものが問題になった訳ではないのだが……
同作は本来CS機で展開されていたシリーズの、しかも正統続編という扱いであったにも関わらず、公式生放送でのこの発言が「スマホなのは仕方ないがせめて買い切りタイプで……」というわずかな希望を打ち砕いてしまい、ファンから完全に見捨てられてしまった。課金するだけの事がないと判断されてしまったのも大きい。
CS作品のプレイヤーがどれだけガチャに対して不信感を抱いているか、という事をよく表した事例である。
一応コラボイベントも行っており、それなりにサービスもしていたが、
「いつまでもつか…」それを気がかりにしつつ無課金でやっているユーザーしかいなかった。
そして「課金へのこだわり」という言葉で粉々に打ち砕かれたユーザーからの信用が
回復することはなかった。
これはコンシューマ機の作品における問題であるが、問題点がソシャゲとかなり共通している上、その後の展開がソシャゲ界隈にも影響を与えているため記述する。
まず「ルートボックス」というのは、ゲーム内でアイテムをドロップさせるのではなく、手に入る「宝箱」に「鍵」を使って中身のアイテムを入手させるというシステム。「宝箱」の中身は開けるまで分からないし、「鍵」は別途課金して購入する必要がある……すなわち「ガチャ」そのものである。
そしてこのシステムは現在海外の大手CSタイトルで広く導入され始めている……つまり有料のゲームにさらにガチャ課金を導入するというビジネスモデルが広まっているという事態となっている。
事の発端となった作品「STAR WARS BATTLE FRONT II」では、キャラを強化するアイテムをルートボックスから入手可能であり、対戦において課金勢と無課金勢が不公平となると批判が殺到した。
同作の問題がソシャゲと根本的に違うのは、まずゲーム本編自体が有料(フルプライス)なことに加え対人戦をメインコンテンツとしているために、自己満足や有利に遊ぶために課金するのではなく課金しなければ勝てない(Pay-to-Win)というバランスになりかねないという点である。
それにより同作はゲーム内課金を一時的に停止。さらに一部の国や州ではルートボックスはギャンブルにあたるのではないかという理由でルートボックス規制に関する議論が始まっている。
この騒動を受けて、前述した通りAppleは「「ルートボックス」のアイテム出現確率の明記」を義務付けることをAppStoreのガイドラインに追加。この影響で「パズドラ」「モンスト」といった日本国内の「ガチャ」採用タイトルでも確率がゲーム内で表記されるようになった(ただし現状は全ての作品で行われている訳ではない)。
ルートボックスガチャを実装していたがゆえにサービス終了に追い込まれるソーシャルゲームやアプリも少なからず存在し、『メビウス ファイナルファンタジー』がルートボックスの法的立場はベルギー地域で不安定である事を理由に、ベルギー地域でのサービス終了となった。
課金が関わる諸問題の中でも最大級かつ最悪とも謂われるケース。
「3000円で10連を1度回せて、10人中1人は星5(最高レアリティ)キャラ確定」というソシャゲによくあるタイプの有償ガチャを18/9/13に開催したが、
同日19時25分~38分頃の13分間の間に有償ガチャを引いたユーザーから「星5、或いは星5に進化可能な星4.5キャラのみが排出される」という、記載されている確率的に有り得ないスクリーンショット付きの報告が相次ぎ、
翌日に公式から「サーバーへの一時的な高負荷により、星4以下のキャラの抽選データが欠損した」という不具合があったが修正されたという報告と、データのロールバックをしないことと合わせてガチャ単発分の石が配られた。
ガチャ石の配布と同じ頃にはユーザー達が「ガチャ結果の画像の中で星5キャラが最大3人までしか出ていない」という共通点を見出しており、
更には「確定排出の星5キャラ1人は10人目排出時に出ると記載があるが、10人目で抽選データが欠損している筈の星4キャラが出た」という画像つきの報告が上がっていたことで、「星5キャラの排出数上限が実は設定されていたのではないか」「記載通りの排出率になっていないのではないのか」という指摘が相次いだ。
16日にこのガチャに関する全ユーザーのデータを対象にした追加調査の発表が行われ18日に調査結果を発表するとしたが、18日にアプリを停止する形で緊急メンテナンスに突入し調査報告も延期。
翌日、アプリリリースまで遡る調査の結果、ほぼリリース直後からユーザーからの問い合わせを基に「同一IDキャラが4人以上含まれている場合再抽選するプログラム」と「星5キャラが4人含まれている場合再抽選するプログラム」が組み込まれていた事を暴露。
タチが悪い事に後者のプログラムは「10連ガチャで星5キャラが大量に排出された」と公式に報告したユーザーが現れた後、当時のプロデューサーがTwitterで「そんな記録は見つからなかった」「確率的に無いとは言えないが、宝くじ1等を当てたほうが早い」など、
この報告を晒し上げた上でコラ扱いしておきながらその2日後に問題のシステムを組み込んでおり、おまけに経緯は「原因特定に至らなかったが、暫定措置として組み込んだ」というものだった為、暫定措置を1年以上放置していた事にもなる。
この問題に対してガチャとガチャ石の販売を一時停止した上で上記プログラムの排除とガチャシステムの総入れ替え、初動対応の致命的なミスもあってか個別ロールバックも厳しいという事からユーザーには受取期限までに開始したユーザーを含めた全ユーザーに様々な補填を行うとしたが、
「所謂詫び石などで、ユーザーの為と言いながら行っていた確率不正操作や嘘まみれだった報告や嘘まみれのガチャページ、単発分の石で誤魔化そうとしたとも取れる最悪の初動対応を許せるか?」という問題も残っている。
Twitter上での問い合わせに対するWright Flyer Studios(以下WFS)代表の逆ギレとも取れる発言、問題発覚から程なくして行われた親会社であるGREEの株主総会で荒木代表が「足元で問い合わせも沈静化している」「法的問題があるとは思っていない」というニュアンスの発言をしたことも相俟って、GREE及びWFSに対する信頼はストップ安なのが現実である。
挙げ句、こっそり利用規約を修正して社名を「WFS」に改名する社名ロンダリングを図りユーザーからは怒りを通り越し呆れ果てる声が上がった。
余談だが、Appleに対し「返金に関してWFSに何度も問い合わせているが一向に連絡がないので、Apple側から開発元に対し対応是正の連絡をして欲しい」という問い合わせをしたユーザー曰く、「Appleによる返金は出来ず、カード決済の場合はカード決済会社に問い合わせて欲しいが、今後アプリの審査は厳しくなるかもしれない。必ず審査部に調査させる」という解答を得られたらしい。
また、前プロデューサーは自身のTwitterアカウントにて遠回しながら非を認め謝罪。
直接的に作品名は出していなかったが、「当時WFSを離れてスクウェア・エニックスへ移っていた為、他社他作品となった本アプリ名をコンプライアンス上の問題で直接的に出すことが出来なかった」という説が有力である。
なお、本アプリはNintendo Switchへのコンシューマー移植も発表されていたが、この大不祥事が発覚した影響なのか有力な続報が2年以上経過しても殆ど出ておらず「WFSへの信頼ごと移植の話も立ち消えたのではないか」と噂されている。
また、ある意味性善説で成立している部分があったガチャの確率表記を真っ向から裏切り、ガチャシステムを採用したアプリゲーム業界に激震を齎した本事件以降WFSを「詐欺師」扱いする声もある。
最初期の運営発言と大きく食い違う悪質過ぎるガチャでユーザーの怒りが爆発したケース。
サービス開始前の雑誌インタビューで「期間限定キャラはいない」「全キャラに☆3~5のバージョンが実装され、全てのキャラが☆3から最高レアリティまで進化が出来る」と発言しておきながら、
9/27に突然開催されたフェスガチャ限定で実装された、これまで設定上言及されていた「古の七勇者」の1人ノルがお世辞にも万人受けするキャラではなかったこと、
原作シリーズの設定を完全無視している上に原作にはない七つの大罪要素を付加されていたこと、事前インタビューの発言とは正反対にフェスガチャ限定で☆5のみの実装だったことで瞬くに炎上。
運営は程なくして陳謝、☆3~4版も追って実装する等の釈明もなされたが完全に対応が後手に回ってしまい、「ソシャゲ運営に疎すぎる」という厳しい声が相次ぎ、
改善策や今後ユーザーアンケートを実施する等の方針を発表した僅か4日後の出来事であったこともあり、これまで運営に我慢していたユーザーが怒りを爆発させる騒動に発展。
しかもガチャページなどにはノルの排出率が上がっているような記載がなされているが実際は他の☆5と同じ0.185%と低く、更に「ガチャを回してノル専用装備を手に入れよう」というキャンペーンも同時開催されていたが、
ガチャを回した際に出るアイテムが規定量手に入れば装備品は手に入るが、それまでにノルが出る保証はなく、手に入らなければ行き場のない装備が転がるだけで、アークRのガチャには天井が無いことから実質的に青天井で底なしのコンプガチャという地獄の釜でしかなかった。
結果、「本当に反省しているのか」「事前インタビューも発表された方針もパフォーマンスだったのか」と運営Twitterに対して怒号が飛ぶ大炎上となった。
その後も一挙手一投足ほぼ全てで炎上が続き、「システムエラーでアプリが落ちた際に支払われるガチャ石が本来の数の数千~数万倍の数が一方的に支払われ、数日後一方的に一時BANを喰らい石が回収され、それらに関して運営からの説明などが一切ない」など、
運営姿勢において「宇宙人」と形容される状況に陥りユーザー離れが加速している。
2018年10月18日に開催された「メモリアルガチャ」を発端として大規模な炎上騒動にまで発展した例。
かねてから原作キャラの実装数の明らかな偏りを筆頭に少しずつ運営体制に対する不満が積もっていたが、同ガチャは最高レアの☆5は過去の期間限定キャラと新規実装の「操機のプリシス」に限定されていたが、
最大の問題は☆5キャラの提供割合は約0.4%と絞られているにも関わらずプリシスの排出率は同じく0.4%(10連特典枠でも約1%)とピックアップされていない闇鍋ガチャであったことだった。
しかも同ガチャに含まれていた復刻対象の中には以前の排出から4ヶ月しか経過していないキャラも含まれており、あまりにも早期の復刻にユーザーは困惑し、プリシス一点狙いのユーザーからは悲鳴が続出。
復刻対象に関しても、「ここで逃すと来年まで出ない」と前回排出時に推しが出るまで課金してでもガチャを回したユーザーが怒り狂う事態に陥り地獄絵図となった。
上記に加え、メモリアルガチャは初めてガチャチケットの対象外となったのも火に油を注いだ。
今までは限定ガチャ開催中はガチャチケットでも当たる可能性があった為、定期的に数量限定で販売される星4~5確定ガチャチケット+α(育成素材他)がどうせ10連の確定枠しか期待しないなら、と紋章石(いわゆる課金石)を消費してそちらを購入していたユーザーも多かった。
そんな状況で開催されたメモリアルガチャでは事前情報もなく急にガチャチケット対象外の紋章石オンリーのガチャだった為、紋章石をチケットに変えていたユーザーは大量のチケットがありながら「操機のプリシス」を狙う事すらできない有様だった。
ここまでならよくあるガチャを発端とした炎上で終わったが、怒りで暴走したユーザーが本作に関わっているスクエニのマーケティング担当者のTwitterアカウントを特定してしまい、そこでユーザーのみならず下請け会社(この場合トライエース説が有力)を貶めるコンプライアンス違反の発言を繰り返していた事が発覚、即座に大炎上。
炎上から約4日後にプロデューサーとディレクターが動画でコメントを出し、今後開発・運営・宣伝体制を継続的に見直すことや天井の設置予定を発表。
更に問題の広報担当者はクレジットから抹消され、2周年生放送の場で未実装のシリーズキャラ全員を実装予定として逃げ道を塞ぎ、サービス開始当初に立ち変える事を発表したが、
この発表で「実装過多でアプリが転覆沈没を起こすまでマリア、クレア、レイミ等の人気キャラだけを実装するつもりだったのではいか」という疑惑が現実味を帯びるなど、ありとあらゆる意味でユーザーの逆鱗に触れた騒動となった。
それ以降、一度着いた火は勢いを増してユーザーから運営に対する不満蓄積がヒートアップし、当時の開発Pを筆頭に運営及び開発チームの黒い噂(自供を含む証言及び物証つき)まで流れ始めユーザー離れが加速する最中、今度はガチャや全滅からのコンティニューなどに使用するガチャ石に相当する紋章石を課金・購入しても反映されず、問い合わせてもまともな反応がないという事態が多発。
一部ユーザーがApple側に運営に問い合わせるよう要望を送るが、Appleからの連絡も意味を為さず、更にApple側が「同アプリで同問題が多発しているため、課金を控えたほうがいい(要約)」と問い合わせメールに対する返答で警告する事態にまで発展した。
この一連の騒動で運営側への信用は地の底へと叩き落され、特定キャラへの過剰な依怙贔屓は止まらないまま、約2年後にサービス終了に追い込まれる事となった。
後にメモリアルガチャは不定期開催となったが、排出対象を「本来の復刻時期ではない季節限定キャラ(水着やバレンタイン等)」や「特定キャラ2名の一部期間限定バージョン」に絞る形となった。
完全に余談となるが、この騒動の引き金となった操機のプリシスがサービス終了までの間に復刻された回数は僅か2回(サービス終了間際の復刻含む)。運営側もなにか思うところがあったのか、無かったことにしたかったのか…
FLOWER KNIGHT GIRL(以下花騎士)運営迷走の象徴ともされる事件。
2019年。フラワーメモリー実装、突然の転スラコラボ及び性能問題、殆ど意味を成さない人気投票など運営への不満が徐々に累積しつつあった年なのだが、その19年も押し迫った12月に事は起こった。
年末年始に実施されるキャンペーンのお知らせに紛れ込む形でとんでもないお知らせが掲載される。
ガチャ産☆6(本ゲームでの最高レアリティ)キャラ一人と300枚で交換可能だった虹メダルが2020年1月27日に実施するメンテナンスを最後に交換対象から既存☆6キャラを完全に排除し、代わりにレベルキャップ解放素材や虹メダル交換でしか手に入らないキャラやフラワーメモリーを交換対象とするという内容だった。
なお虹メダルとは基本的に☆5以上のキャラクターがガチャで被った際に入手できるアイテム(☆5なら2枚、☆6なら50枚)。
また20年現在では廃止されているが週に一度だけ引ける課金ガチャのオマケで20枚入手できたため、実質このガチャは20枚の虹メダルを購入するものと団長たちには認識されていた。
このゲームでの☆6の産出率は低く、基本的に0.5%のため、虹メダルの存在は課金の有無に問わず団長たちにとって生命線である(20年現在では新キャラガチャのみ2%となっている)。
その生命線であり、長い目で見ればいつかは欲しいキャラが手に入る救済措置に等しい代物だったが、それらが突然剥奪されるという予告でもあり、しかもどうしてその仕様変更に踏み切ったかの理由説明すら無く、
年末に行われた公式生放送でも「今は言えない」とはぐらかされたまま流されていき、挙げ句交換レートや交換対象として追加される花騎士の性能どころかイラストすら明かされないまま団長達の戸惑いと抗議の声を無視して2020年1月27日のメンテで仕様変更が強行実施された。
なおすっかり様変わりした交換対象のレートは既存のキャラ、メモリーのそれと変わらなかった。
そこまでして強行された変更だが、約4ヵ月後「虹メダル交換所のラインナップは20年1月20日までの★6キャラクターまで、リニューアル時に追加されていた花騎士及びフラワーメモリーは撤去」という仕様の再変更が行われた。
この発表が行われた公式生放送で虹メダル関係でユーザーに混乱を招いた事が謝罪され、開発チームからもレターという形で謝罪が行われたものの、このような事態に至った経緯の説明がなく、ユーザーたちを失望させ、運営側が何をしたかったのか本当にわからない騒動となった。
ちなみにこの一件は一部の団長たちには「虹メダル徳政令」と俗称されている。
ふるーつふるきゅーと!(以下ふるふる)には月初めの辺りに「ふるフェス」という、最高レア出現率2倍&限定キャラ排出の強力なガチャを開催していた。
2022年12月に始まるはずだったそれも以前の予定では「第40回ふるフェス」というお知らせだったのだが、開催2日前になって「ふるフェスを廃止し、次回は『第1回超ふるフェス』になる」という予告が出る。
予告内容で既にかなりの不安を煽るような内容であったが、蓋を開けてみれば
- 超ふるフェスにしか使えない「ふるフェスチケット」でしか回せない(これは予告されていた)
- しかも「第1回超ふるフェス」で販売されるのは「第1回超ふるフェスガチャチケット」であり、次回開催時に持ち越すことが出来ない事が明言されている
- 課金限定になったのに「最高レア出現率2倍」の部分が全く変わっていない
ふるフェス開催時に毎回創生石1500個を配っていたのが無くなった
と、予想の斜め下を行く大改悪であった。
無課金ユーザーはもとより、チケット回りの改悪のせいで「
ピックアップキャラのために課金する人間はピックアップキャラを引いたら残りのチケットがほぼムダになる」となるのが課金ユーザーの失望を買い、ふるフェス開催時には毎回ふるふるが上がっていたDMM内ランキングも
超ふるフェス開始時は下がるという大惨事に。
この惨状を重く見たふるふる運営側も12月9日には謝罪&超ふるフェスの廃止&次回以降はこれまでのふるフェスに戻す事、あとついでに来年以降もサービスは続く事を明言したものの、
誰の目にも分かる改悪を不意打ちのようにやられてしまったユーザーの怒りと失望は大きく、それまでの勢いを取り戻すことが出来ないまま翌年8月31日に
サービス終了してしまった。
無課金プレイヤー不要論
「課金をしないプレイヤーは企業の利益にならないため、ゲーム運営上は不要な存在・邪魔な存在である」とする論調。
たしかにそう考える運営会社も存在し、そういった会社のゲームは課金しなければ途中から満足にプレイできなくなるよう設計されている。
だが根本的な話として、無課金であっても
運営が認めた正規プレイヤーであり、バグ利用などの不正な方法で無課金プレーをしているわけではない。
でなければ、プレー無料を謳ってコンテンツをリリースしない。
その分特典などの差はあるが、そのさじ加減は運営次第でありいかにプレイヤーにお金を出してもらい利益を出すかを考えるのが運営の仕事であり、そういう商売のしかたと言える。
第三者が無課金でプレーすることを悪しように言ったり、無課金プレイヤーを追い出そうとしたり、課金を強要することは筋の通らない行為であると言えるだろう。
類例として「無課金プレーヤーのくせにわがままを言うな」というものもある。
すなわち報酬が少なすぎるなどの不満に対して「課金する気が無いなら文句言うな」「無課金のくせに生意気言うな」といった理屈である。
しかしこちらも内容はともかくとして無課金プレーヤーに対しても問い合わせや不満を口にしてはならないという理屈にはならない。
第三者が不満に対して口をつぐませるのも、筋の通らない行為と言えるだろう。
その他、無課金プレーヤーも顧客として扱う見方もある。
というのも、もし課金プレイヤーしかいない場合『課金したけど、他のプレイヤーも課金しているので全く勝てない・追いつけない』という事態が発生することになるため。これではせっかく課金しても満足感が得られない。
その点、無課金プレイヤーがいれば彼らを倒すことで課金の成果を実感できるようになり、無課金プレイヤーが多ければ一騎当千の快感も生まれる。
また、無課金であってもプレー人口が多ければコンテンツの盛り上がりにもつながりそこから口伝で情報が広がり、そこから新たな課金ユーザーが生まれる可能性もあるわけである。
こういった効果を見込んで、今でも「無課金でも遊べる」を謳うソーシャルゲームは生み出され続けている。
ゲームを楽しむために
これがまず大事なことだと思われる。コンプガチャが消滅する今、のっぴきならないような状況は少なくなりつつある。
そうなれば問われるのはユーザーの心構えである。課金して手に入るアイテム類は確かに魅力的だが、
誰しもが湯水の如く金を注ぎ込める訳は無く、当然限界があるのだから、目が眩んで欲のままに課金しまくってしまうのは愚かな行為と言われざるを得ない。
自分自身の財布の状態を良く把握し、大丈夫な範囲内で、そして楽しみつつ課金すること、それを忘れないようにするべきではないだろうか。
元来楽しむ為にある筈の課金アイテム、ひいてはソーシャルゲームそのものが行き過ぎた行動のせいで悪く言われるのは、
(たとえ課金していなくても)良い気分のするものではないだろう。
番外編:リアル課金
ところで、「課金」という語を含むものに「
リアル課金」というものがある。
「何か」に対して対価を支払う事は同じだが、その「何か」が「リアル」、つまり
現実世界に対しても使われることが、スマホ向けゲームの世界には存在していたりする。
そして、これが「ゲームを楽しむために」にぶら下がっているのにもちゃんと関係があり、「リアル課金」が出てくるのはだいたい
IngressかPokemon GOのどちらかの話である。
この両作品は現実世界を舞台にしている性質上、
現実世界で実際に行動することで遊ぶことになるため、その結果現実世界への対価が「課金」になぞらえるようになった。
おかしな話である。
さらに番外:スマホ課金
ある程度はPCも含みはするが、多く使われるのはこちらなのでこう記述する。
これは何かというと、環境投資というのが最も的確だろうか。要するに”スマホの性能を高くしゲーム環境を向上させる”事にお金をかける行為。
これもまたゲーム内の石ではなくリアルの物品に課金する行為であるため表題のように言うことがある。
何故このような言葉が発生するのか、具体例として
アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズを例にとってみる。
この作品は所謂
音ゲー要素を含む上に、アイドルたちが同時に多人数3Dで歌って踊るのがウリ。
つまり、どうなるかと言うと……下手なスマホは爆熱ゴッドフィンガーされるのだ。
実際に(プレイ不能という意味ではなく)サポート外の端末は「正常にプレイすることが出来ません」という表示が出る。
要するにアイドルの表示人数などを絞るなどカスタムすれば運用自体はできなくはないのだが、”正規の”というか、
運営が想定している100%の描写を発揮できていないというのは間違いないことになる。
もっとひどい事態について言ってしまうと、アイドルたちのダンスやステージ描画に本体がついていけず、
処理落ち、あるいは大きな入力遅延が発生して
タップやフリック入力に失敗、音ゲーとしてすらマトモに遊べないと言う事すらありうる。
そんな環境で無理くりプレイを続けるくらいなら、本体を高性能品に買い替えて対処する……というのがスマホ課金である。
これは宝具=大技の演出がカットできないFGOなどでも有効とされ、発熱神殿するくらいならスマホ買い替える方がよくね?
ということでもう本体課金するわ……というプレイヤーは存在する。ある意味スマホ業界と重課金兵は昵懇と言っていいのである。
またアプリのアップデートによってOSが古い端末ではプレイできなくなることもある。そのため継続するなら2~3年を目安とした間隔でのスマホ課金...というより買い替えは必然的とも言える。
近年ではスマホそのものの性能向上もあって価格が高くなっていることがあるため快適なスマホゲームライフを送りたいならアプリだけではなく端末買い換えのためにも十二分にお金を用意しておくこと。
賞品一覧
レアアイテム*権
- 反対意見がなかったのでリセットしました。 -- 名無しさん (2024-08-08 09:16:22)
最終更新:2024年11月09日 17:18