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夢と消えた百万ドル(トムとジェリー)

登録日:2019/11/03 Sun 15:21:25
更新日:2026/02/28 Sat 11:04:07
所要時間:約 10分で読めます




「夢と消えた百万ドル(原題:The Million Dollar Cat)」とは、アニメ「トムとジェリー」のハンナ=バーベラ期のエピソードの1つである。1944年5月6日初公開。


あらすじ

いつものように、ジェリーをからかって遊んでいたトム(今回は紐で縛ったジェリーにリンゴを被せ、そこへダーツの矢を投げるというもの)。

その時ベルが鳴り、一通の電報が投げ込まれる。
そこに書いてあった内容とは...、

「ニューヨーク市より奥様へ。あなたの伯母上が、猫のトーマスに百万ドルの遺産を残して亡くなりました。」

最初は「何だ百万ドルか」とお決まりの反応を見せるトムだが、「待てよ、百万ドル!?」ともう一度電報を読み返し、狂喜乱舞するのだった。
金魚にキスをする、花をばらまくと言った奇行を見て、「トムがついにおかしくなったのか」と思ったジェリーも、自分で電報を読み飛び跳ねる。
「遺産を相続したのは自分なのに」とジェリーに掴みかかるトムだったが、ジェリーはあくまで冷静に、電報の最後の一文を見せる。


「たった一つの条件は、トーマスがたとえネズミでも、何か生き物に害を加えたら、この百万ドルは与えられません。」


「たとえネズミでも。」

そう、ジェリーは「これでもうトムにいじめられることはない」と踏み喜んでいたのだ。

……ともかく、トムが百万ドルを手に入れたことは、連日世間を騒がせた。
「猫が大金相続!?」
「金持ち猫は牛乳風呂に入る!」
「ニャンと素敵な社交界」
「高級マンションへお引越し!」

...パークアベニューの高層マンションへ引っ越したトム。
しかし、そこへはなぜかジェリーも付いて来ていた。
その上、捕まりそうになるたびに「たとえネズミでも危害を加えてはいけない」という電報の相続条件を突きつけ、トムを引き下がらせる始末。

以下、そのシチュエーション
  • 置き去りにされた筈なのに、トムが乗った高級タクシーにトムより先に乗車。葉巻の火を用意してあげたり、トムのネクタイを引っ張ってからかう。トムは車から降りるも直後電柱に激突。
  • 家に帰ったトムが食べようとしたケーキ(一度トムが舐めた)をテーブルクロスを使って引き寄せ、(トムがせめて食べようとしたイチゴも、トムの口にフォークを突っ込んで)一瞬で平らげてしまう。その後乗っていたクロッシュをテーブルクロスでぐるぐる巻きにされ、家具でドアを封じられるもなぜか脱出
  • 疲れたトムが寝ようとすると、すでにベッドに寝ておりいびきを立てていた。シーツをトムに取られると、すぐさまトムの尻尾をシーツ代わりにする。その後シーツの取り合いに勝利し、トムをベッドの端に追いやって落とす(どうしようもなくなったトムは、自分の頭をバットで殴った)。
  • バスルームを長い間占拠。トムのタオルケットも奪ってしまう。

しかし、トムもただ黙ってやられているだけではなかった。
窓に「Fire Exit」の張り紙を張ると、バスルームの前でゴミを燃やし始める。

「助けてぇぇー!火事だぁぁぁ!」

驚いてバスルームから出てきたジェリーは、マンションの高層階から飛び降りてしまい...

「ついにジェリーをマンションから追い出した!」と、再び狂喜乱舞するトム。
ちょうど朝食の時間が来たため、席に座って「ジェリーがいるかもしれない。」と、慎重にベーコンエッグのクロッシュを開ける...

確かに、そこにジェリーはいなかった。
しかし、紙ナプキンを付けようとしたところ...、

そこには先ほど高層マンションから飛び降りたはずのジェリーが座っており、(これ見よがしに遺産相続の電報を立て掛け)目玉焼き、ベーコンと付け合わせのトーストを一瞬で平らげてしまう。
さらに追い打ちとばかりに、オレンジの果汁やバターを飛ばし、ネクタイを引っ張ってトムをからかうジェリー。

...さすがにトムも堪忍袋の緒が切れたのか、顔を真っ赤にして耳から蒸気を吹き出し、遺産相続の電報をビリビリに破り捨ててしまう。
ジェリーは破られた文書の中から「たとえネズミでも」というお決まりの文言を探してトムに見せるが、もはやそんなもので黙るトムではなく、紙をジェリーの口に突っ込んで飲み込ませてしまう。

するとトムは、これまでの鬱憤を晴らすかのように、皿やテーブルといった家具を破壊しながら、ジェリーを追いかけ回し・・・

「あーあ、これで百万ドルはパーになっちゃったなぁ・・・ だけど最高に幸せぇぇぇぇぇ!!!

遺産相続の話は無しになってしまったものの、トムはいつものように生き生きと(?)ジェリーを追い回すのだった...。

登場人物

今作ではジェリーの吹き替えはTBS版のみである。

  • トム
    日本語吹替:八代駿(TBS版)/肝付兼太(ヘラルド・ポニー版)/ダン小路(ワーナー版)
百万ドルを相続し高級マンションへ引っ越すが、相続条件を利用したジェリーに居場所や自由を奪われたことに激怒し、百万ドル相続を自ら放棄してジェリーに今までの仕返しをした。

冒頭ではトムに手足を縛られてダーツの標的にされていたが、トムが百万ドル相続権を得た旨の電報を読み、「他の動物に危害を加えたら相続は取り消し」という条件を利用し、トムの居場所や食事を占領するなどの意地悪さを見せる。しかし最後は堪忍袋の緒が切れたトムに電報を破り捨てられ、もはや相続条件を盾にすることも出来ず、今までの仕返しとばかりにトムから激怒の報復を受けた。

  • 電報屋
    日本語吹替:北村弘一(TBS版)/納谷六朗(ヘラルド・ポニー版)/ダン小路(ワーナー版)
声のみの登場で、トムに遺産相続の電報を届けた。

  • ナレーション
    日本語吹替:谷幹一(TBS版)/納谷六朗(ヘラルド・ポニー版)/ダン小路(ワーナー版)

余談

このエピソードはトムとジェリーでも珍しい、トムが最後に勝利する話となっている。

また、亡くなった伯母上という人物がなぜ(恐らくこの話におけるトムの飼い主であろう)「奥様」(姪)ではなく、猫のトムに遺産を受け継がせようとしたのかは永遠の謎である(当然ながら、日本の法律では犬や猫に相続権は発生しない)。

…と思いきや、「後見人を通じれば動物にも相続が可能」という制度を利用し、(飼い主が亡くなるなどした)犬や猫が遺産を受け継いだ例も世界にはあるようである(特に、2018年イタリアで400万円相当の遺産を相続した猫は「ジェリー」という名前である)。




追記、修正は「生き物に危害を加えない」ことを条件に百万ドルを相続してからお願いします。

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最終更新:2026年02月28日 11:04