ハモニガン

登録日:2020/01/20 Mon 01:13:33
更新日:2024/09/17 Tue 06:49:10
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こいつが泣いていたんですよ!

人間に訴えていたんですよ!

ハーモニカの心が!


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ファイヤーマン』の第24話「夜になくハーモニカ-ハモニカ怪獣登場-」に登場した怪獣。

【概要】

身長:48m
体重:1万t
出身地:夢の島
別名:音霊怪獣

母親に捨てられた健少年の宝物だったハーモニカが、辿り着いた夢の島でその怨みと怒り、悲しみから怪獣となったもの。
まるで巨大なビルのように夢の島にそびえ立ち、突風や地震を起こして周囲の民家を破壊した。
ハーモニカの怪獣ではあるが、グネグネと動いたり膨張して膨らむなど、その存在は単純にハーモニカが巨大化しただけのものではない。

姿はまさしく巨大なハーモニカそのもので、手も足もないのでその場から動く事はできないが、それを補って余りある多くの超能力を持つ。
ハーモニカの吹き口である「グリーフホール」から突風を吹き出したり、反対に猛烈な吸引でファイヤーマンの腕を飲み込もうとしたほか、ファイヤーマンの目を眩ませる強烈な閃光を放つ。
さらに、夢の島に眠る無数の楽器を怨霊に変えて音波攻撃を行うなど、様々な超能力でファイヤーマンを苦しめる。

また、ファイヤーマンの必殺技である「ファイヤーフラッシュ」や「ファイヤーダッシュ」を受けた時には、そのエネルギーを吸収して逆に火炎攻撃を行うなど、物理的な破壊は恐らく不可能。

しかし、太陽の光は苦手なようで夜にしか出現せず、マリンゴンが発射した放射熱を受けた時には苦しそうに膨らんだ。


【活躍】

岬が健少年と一緒に夢の島でハーモニカを探した日の夜、都内に突風と地震を起こすと持ち前の超感覚で夢の島に異変を感じて様子をうかがっていた岬の前に突如として出現。

登場したファイヤーマンに対し、必殺技の「ファイヤーフラッシュ」と「ファイヤーダッシュ」をことごとく吸収して無効化し、強力な火炎放射で倒してしまう。

朝になって姿を消すが、夜になると再び出現。
岬の話から、SAFは太陽エネルギーに弱いと見て放射熱を発射し、一時は苦しむような様子を見せたが反対にマリンゴンを墜落させる。
再び登場したファイヤーマンに、今度は夢の島に眠る楽器を怨霊として甦らせて音波攻撃を行って追い詰める。

しかし、健少年の「お兄ちゃんが吹けばあいつも喜ぶと思うよ」という言葉を思い出したファイヤーマンが慈愛の心を持ってハープを弾くと楽器たちは消滅。

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さらに、ファイヤーマンがハモニガンを抱え上げて演奏するとその怒りを鎮めて小さくなり、元のハーモニカに戻った。

そして、元に戻ったハーモニカは岬から健少年へ無事に返されたのだった。


【その他】

「ハーモニカ」という楽器は、現在ではあまり馴染みはないかもしれないが1970年代後半までは学校の教育楽器として採用されており、子供たちには馴染み深い楽器であった。

このハモニガンの最大の特徴は、何といってもその「巨大なハーモニカそのもの」という姿だろう。
ウルトラシリーズにはギーゴンのように「楽器をモチーフにした怪獣」は存在するが、ハモニガンはただハーモニカを巨大化させただけ。
『ファイヤーマン』に登場する怪獣は、シンプルでオーソドックスな恐竜タイプの怪獣が多いが、その中で登場したハモニガンは直球の中に突如投げられた魔球である。
しかも、手も足もないただのハーモニカなのに強力な超能力でファイヤーマンを苦しめ、必殺技さえ通用しない強敵という、現代まで見てもトップレベルの個性派である。

デザインは池谷仙克。
と言っても見た目通り「巨大なハーモニカ」そのものなので、デザイン画も実際の造形物を作るための製図といった趣きである。

ハモニガンが小さくなっていくシーンでは、異なる大きさのハモニガンが複数制作されている。


お兄ちゃんが追記・修正すればあいつも喜ぶと思うよ

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最終更新:2024年09月17日 06:49

*1 出典:ファイヤーマン/円谷プロ/第24話「夜になくハーモニカ-ハモニカ怪獣登場-」/1973年6月19日放送

*2 出典:ファイヤーマン/円谷プロ/第24話「夜になくハーモニカ-ハモニカ怪獣登場-」/1973年6月19日放送/円谷プロ特撮ドラマDVDコレクション100号/2019年12月31日発行/ディアゴスティーニ

*3 出典:ファイヤーマン/円谷プロ/第24話「夜になくハーモニカ-ハモニカ怪獣登場-」/1973年6月19日放送/円谷プロ特撮ドラマDVDコレクション97号/2019年11月19日発行/ディアゴスティーニ