キルル(ケロロ軍曹)

登録日:2020/02/02 (日曜日) 13:49:55
更新日:2021/06/11 Fri 20:21:36
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キルキルキルキルキル…。



キルルとは、『ケロロ軍曹』に登場するキャラクター。
古代ケロン人が創造した侵略用生物兵器であり、正式名称は『自動判別型侵略兵器【キルミラン】』。その片割れである“実行する者”。
「片割れ」の名の通り、製造されたキルルの多くには制御装置の役割を担う“審判を下す者”が何らかの形で随伴しており、目標の選定や侵略を認可するかどうかの決定権はそちらが担う。
“実行する者”であるキルルは極めて堅牢な構造をしており、物理的な破壊はほぼ不可能。そのため、ひとたび起動した場合“審判を下す者”を探し出して停止させて貰うしか止める手段はない。
下記の性質から、名前の由来は『KILL(殺す)』だと思われる。

映画版とテレビ版と原作版で、ケロロ小隊が初めて会ったキルルは異なっており*1、映画版とテレビ版と原作が全て別々の世界であることを示す存在でもある。



■共通項(そうだと思われるものも含む)

彼らの最も恐るべき所は侵略対象の住人に同化し、極めて閉鎖した思考性を持つ「個体」とすることで、互いの種族性を破壊させて争わせ、滅亡に追い込むところである。
アニメ第128話でギロロ達が話していた事によると、「キルルは古代ケロン人が作り出した最悪の侵略兵器で、一度動き出せば侵略するどころか惑星の全生物を死滅させ、その惑星を滅ぼす」というのだ。*2

キルルが誕生したのは、地球の時間にして6500万年前のこと。キルルはケロン軍が地球侵略のために製造したものであった。
しかし当時、人類は出現しておらず、ケロン軍はそこに住んでいた恐竜が地球人だと認識。これによりキルルの戦闘力は恐竜に合わせて設定された。

キルルの同化により、一部の恐竜は思惑通りの暴走を始めるのだが、当時のケロン軍の科学力でもキルルの性能の全てを掌握しきれておらず、キルルの力で恐竜たちが異常進化を起こしてしまい、高い知能を獲得してしまう。*3
逆に恐竜が地球を拠点とした凶悪な宇宙侵略計画を企て始めてしまい、これを見たケロン軍はこのままだと地球や自分達の星はおろか、宇宙規模での大惨事を引き起こしかねないと判断。宇宙意志の裁決によって断罪者のアンゴル族に「黙示録」の依頼を出した。
この結果アンゴル=モアの母であるアンゴル=ティアによって「黙示録」が発動され、その余剰効果で恐竜が絶滅した。

これによって宇宙侵略は阻止され、ケロン軍は「新生地球人の誕生、再出発」を待つため地球侵略を一端中断。その後、キルルは強化された「宇宙侵略法」により大変危険な兵器であると判断された。

しかし、ケロン軍は未だにキルルを所持しており、改良品を作り続けている。
ただし、対キルル用兵器『キルミランデリーター』などの開発も行っており、何の考えも無しにキルルを用いているわけでは無い。



■バリエーション

□オリジナル(仮称)

『超劇場版ケロロ軍曹』、『超劇場版ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!』、『超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ天空大決戦であります!』、原作13巻の『特別編』、上記の劇場版2作目を元にした長編『深海の迷子たち』、ゲーム『ヒーローズファンタジア』に登場。全て別個体。

初期段階では通常のケロン人と同じサイズだが、自身が影響を及ぼした生命体同士の不信感などから発生するマイナスのエネルギーを吸収し、巨大化する。この姿は舞衣曰く「カグヅチよりも大きい」。
やがて巨大な塔のような姿になり、初期形態を量産。そのまま物量によってその星の生命体を滅亡させるとされる。

なお、上記の通り恐竜が仮想敵とされていたため、設定上の戦闘力はアサシン兵を上回るとされているが、塔形態が量産したキルルはドロロと同程度の実力があるであろうゾルルはおろか、タママの後輩であるタルルにも倒されていた。*4

滅ぼされたのは『特別編』にてガルル小隊と交戦した個体のみで、残りは封印、もしくは別の役割を与えられることで事なきを得ている。


X-5.5(エックス・ゴーゴー)(アニメでは「キルル バージョンX-55」表記)

原作第137話、そのアニメ版であるアニメ第243話に登場。
ケロン軍本部から地球に送られた単独活動兵器であり、「X-5.5」は仮コード。
クルルによると、このキルルは桁外れの軍事力を誇る「Xシリーズ」のひとつであり、原始星を一方的に制圧するためにケロン軍が莫大な費用をかけて開発していたもの……だったのだが、宇宙侵略法が強化されたことで使えなくなってしまったという。
そこでケロン軍は、ケロロ小隊へのプレゼントを送るためのパッケージとしてこのキルルを使用した。なんとも贅沢な兵器の平和利用である。

アニメでは「Xシリーズ」といった用語や「原始星を一方的に制圧するための兵器」といった設定はなく、アニメで登場した下記の「キルル.」や「キルルX-52」よりバージョンアップされた新型であるという設定になっている。
戦闘力はかなり高く、ケロロ小隊が束になっても全く敵わず、ケロロ小隊の最強兵器であるゴッドケロンを圧倒し、最終的に胸部を貫き大破させ、ケロロ、クルルロボ以外のMK-Ⅱシリーズを機能停止に追い込んだ(その後の戦闘でクルルロボは木っ端微塵、ケロロロボは一応原型は残ったが大破してしまう)。
最後はモアの『ハルマゲドン』により、機能を停止した。*5
因みにケロロがこの個体を初めて見た際に一瞬、後述の「マッシュ」と勘違いをしている(すぐにクルルが否定した)。

□キルル.(ドット)

アニメ第128話、第129話に登場。
ケロン軍の侵略カウンターの中で育ったキルルであり、古代兵器「キルミラン」の配合体で、アップグレード版。
カウンターが「マッシュ」と呼ばれていたので、このキルル.も「マッシュ」と呼ばれていた。
冬樹が「ケロロ小隊が地球から撤退しないように」とおギロ様(おゲロ様のスペア)に願をかけ、その御利益で侵略カウンターが雷を受けて停止した副作用で出現したが、実際には1週間早まっただけでいずれは出現する予定だった。
他の生命体に△のマークをつけ、その生命体から優柔不断のエネルギーを吸収して成長する。エネルギーを放出して誰かを優柔不断にさせると、その相手に△マークがつく。

超劇場版のキルルは「キルキル…」としか話さなかったが、このキルル.は一言だけ「デンドロ…」と喋った。容姿が劇場版のオリジナルと違っており、幼年体に近く尻尾が生えている。

しかし不良品であったため、代わりに下記のキルルX-52が送り込まれた。その際に来たケロン軍の母艦の者がキルル.をケロン星に持ち帰り処分しようとするが、キルル.と仲良くなったケロロはこれを拒否。
しかし母艦は1時間以内にキルル.を引き渡せといい、残り時間が少なくなったとき、ケロロは時間延長を母艦に懇願するが、ケロロの優柔不断さをキルル.が吸収し、そのエネルギーが大きすぎて吸収できる量の限界を超えたためにすべて放出した。そのエネルギーを浴びたケロン軍の母艦に乗っていたケロン人とキルルX-52が優柔不断になったため、ケロロ小隊の撤退は取りやめになり、結果的に地球とケロロ小隊を救う形になり、侵略期限もうやむやとなった。
また、キルル.はケロン星に連れて行かれたが処分はされず*6、その日から全宇宙の半数の宇宙人たちが優柔不断になったといわれている。

ギャグ調とは言え、キルルの侵略兵器としての影響力の大きさを如実に表現したエピソードである。


□キルル バージョンX-52(テンゴーニー)

アニメ第129話に登場。通称「キルルX-52」。
上記のキルル.を不良品としたケロン軍が、母艦とともに地球に持ち込んだキルル。量産型。
不信感やトラウマを抱いているなど、精神状態がよくない者に×マークをつけ、その者をコントロールする。その他、活躍については上記の通り。
本編では夏美が操られたのだが、この時の彼女はかなり怖い。


□アニメ第230話のキルル

アニメ第230話に登場。
それまでの個体とは異なり、ケロン軍の研究施設で開発中の試作品の戦闘ロボット。施設を脱走して行方不明になり、幼年期のケロロらの秘密基地に入ってしまい、暴走状態で暴れまわっていた。
最終的には、幼少期のケロロらに対して襲い掛かってきたところを本編のゲストキャラクターであるキカカが防ぎ、キカカが自身のジェット噴射のような機能でキルルを抑えたまま空高くに上がっていった。
その後、何があったのかは不明だが、キルルは残骸となって森で回収されている。


□キルルシステム

アニメ第300話で登場。
厳密にはキルルではなくキルルの試作機にあたり、クルル曰く「博物館級の代物」。
ケロン人形態はなく最初から高さ数メートルの塔形態になっている。
オノノ少尉が性能実験のために携帯していたものを起動した結果、侵略へのやる気が失せていたケロロ小隊を操り、非情な戦士へと変えてしまうが、最終的に最上部にあった核をオノノ少尉に撃ち抜かれて機能を停止した。



■余談
原作者の吉崎観音によると、「キルルは誰の心にもいる」という。
上記にある「大半のキルルが倒されることはあっても消滅せずに残っている」のは、これが理由のようだ。


追記・修正はキルルに操られた人間にお願いします。

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最終更新:2021年06月11日 20:21

*1 映画版ではキルル、 テレビ版ではキルル. 、原作版ではキルルX-5.5

*2 アニメでは既に138個もの惑星を滅ぼしたと言及されている。

*3 一応キルルの暴走を防ぐために、もう片方のキルミランである"審判を下す者"と呼ばれるOSが設けられていたのだが、恐竜相手では無意味だった。

*4 もっとも、数が多すぎるので二人とも「きりがない」と辟易していたが。

*5 これ以外の攻撃は全てキルルに回避または防がれ、ケロロ小隊はまともなダメージを与えていない。モアの『ハルマゲドン』は不意討ちにより受けてしまったモノ

*6 クルル曰く、「優柔不断になった本部の奴らにそんな決断は出せるはずがない」