レトロフリーク

登録日:2020/04/12 Sun 17:43:01
更新日:2024/08/28 Wed 21:04:06
所要時間:約 7 分で読めます



レトロフリークとは、2015年10月31日より、株式会社サイバーガジェット社から発売されている据え置き機である。
価格は20,000円前後だが、2020年4月現在は若干ながらも落ち着いて来ている模様。

◆概要

昔はゲームソフトといえばカセットタイプが主流であり、格闘ゲームやアクションゲーム、シューティングゲーム等のスコアやRPG等の進行状況等は、そのままソフトにセーブされるのが当たり前であった。
言うまでもなくこれは、カセットに内蔵されているバックアップ機能と、その動力源となるボタン電池があってこそである。

しかし、プレイ時間や時代の流れと共に内蔵電池は徐々に劣化していき、ついにはバックアップ機能すら働かなくなってしまった。

「久々にあのゲームをプレイするか」

『ERROR! 電池切れでセーブデータが飛びました。』

「…………orz」

大抵の場合、電池切れなら電池を交換すれば良いだけの話であるが、慣れていないとソフトを壊してしまって完全にプレイする事が出来なくなり、レトロゲーマーにとってはトラウマ必須である。

「電池交換したい・・・でも自信ない;」

そんな悩みを解決するために登場したとも言えるのが、このレトロフリークである。
これさえあれば、内蔵電池がお釈迦になっているゲームでもセーブデータは飛ばない為、安心して遊べる訳である。
一応ゲームデータは本体にセーブされるが、別売のmicroSDカードを使って後述のインストールを使用すれば色々お得である。

◆2020年4月時点で対応しているハード


※ただしこれらはソフトウェアで対応しているという意味で、
インストールするためには別売アダプタが必要な場合がある。後述の◆ハードウェア構成を確認しよう。

◆2020年4月時点で未対応のハード

  • ファミコンディスクシステム
  • NINTENDO64
  • ネオジオ
  • ネオジオCD
  • ネオジオポケット
  • メガCD

このうちディスクシステムに関しては、当初は実装する予定であったが、諸事情により断念。
なお、ディスクシステムのアダプターを本体に取り込む機能はそのまま残っているため、ある方法を使えばディスクシステムのゲームもプレイは出来るが、機材を揃えるのにその少なくない出費を厭わない覚悟が必要となる。
また、ディスクカードはかなり繊細である為、下手をすれば磁気データが飛んでしまい、ゲームが出来なくなる。
その為、レトロフリークでディスクシステムのゲームを遊ぶにはかなりの博打となる事を付け加えておこう。


◆機能

【インストール】
所謂ゲームデータの吸い出し。
まず、本体にソフトと別売のmicroSDカードをそれぞれの差し込み口に挿す。
起動したらインストールしてSDカードの中にソフトのデータ等を吸い出し、記録する。
本体にも保存領域が3GB近くあり、レトロゲームなら数千本入るがデータ消失などを考えて本体とSD両方に入れるのをお勧め。

吸い出してインストールできるソフト数に上限はないが、データ数や量が増えるほど処理が重くなり
1000や2000を越える数を入れるとかなり重い。
SDカードに入れたソフトデータはそのままPCに退避させたり戻したりが自在なので
頻繁に遊ばないゲームは移しておくことで対処可能。

一度本体かSDカードに取り込めば、以降はレトロフリーク本体にソフトを挿す必要はなくなる。
つまり、吸い出したデータが入っている本体自体かSDカードさえあれば良いのである。
ただし、吸い出し元のソフトは手放さず、必ず保管しておくように。
SDカードに取り込んで、後は用済みと言わんばかりにソフトを手放す行為は色々ブラックだからである。*1

なお、データを取り込んだSDカードは、吸い出しを行ったレトロフリークでのみ使用可能であり、他のレトロフリークでは使用不可能。
これは「大量のゲームデータを取り込んだSDカードを入手し、自分が所有していないゲームを大量にプレイし放題」という違法行為を防止する為である。

【クイックセーブ】
この機能を使えば、RPGにおけるセーブ地点でない所は元より、格闘ゲームであろうがアクションゲームであろうがスポーツゲームであろうが、どんな場面でもセーブできる。

また、ロードを使えばセーブした地点からやり直しが可能となるため、例えばアクションゲームをやっていて、「ミスして残機を一つ失ってしまった」
となっても、ロードすれば「一機失う前の状態」にまで戻す事ができ、残機を失う事なくリトライする事ができるのである。

なお、当初は取り込んだゲーム一作につき、セーブ制限は10個までであったが、後にバージョンアップし、100個までになった。

【そのまま遊ぶ】
インストールせずとも実物ソフトをアダプタに差し込んでファミコン等レトロゲーム互換機のような使い方もできる。
しかし後述のアダプタの破損しやすさからお勧めしない。
そしてインストールしてデータを抜き取るだけでなく、レトロフリーク本体で進めたセーブを実ソフト側のセーブに上書きできる。

【撮影】
プレイ画面のスクリーンショットを撮影する事が出来る。

【オーバークロック】
ゲームスピードを速くしたり、遅くしたりする事が出来る。

【リージョン】
日本、アメリカ、ヨーロッパの三種類があり、主にリージョンロックが掛かったゲームをプレイしたい時に必須。

【画面フィルター】
HDMIに対応して、確かに画面が綺麗になったけど、昔のボヤッとしたドットの方が良い!という人にオススメ。
設定から画面に加工をかけ、真にレトロなドット絵でプレイ出来る機能。

【その他いろいろ】
公式が内部のデータベースに仕込んでおり、特定のゲームを取り込むと
ファンファーレや画像、ミニゲームなどが解禁される。累計インストール数が100を越えると…?

◆コードフリーク
所謂チートプレイが出来る様になる。
所持金MAX、無敵になれる等、ゲームバランスは確実に崩壊してしまう。
コードを入手するには、

1.サイバーガジェット社の公式サイトからzip圧縮されたファイルをダウンロードし、展開する。
2.展開したらフォルダーをmicroSDカード所定の位置に書き込み、そのSDカードをレトロフリーク本体に読み込ませる

という手順を踏む必要がある。

その為、これを行うためにはインターネットが接続できるだけでなく、SDカードの読み書きやzipファイルを開く事が出来るPCやスマホが必要である。

◆ハードウェア構成

  • レトロフリーク本体
レトロフリークの中枢部、この本体にACアダプタ端子、HDMI出力端子。microSDスロット、USB端子2つがある。
インストール済のゲームを遊ぶ分にはこの本体だけで自由に遊べるが、インストール自体には後述のアダプタが必要。
※電源用コードやHDMIケーブルなども必要。レトロフリークのセット内容によっては付属してないため用意する必要がある

  • カートリッジアダプター
レトロフリーク本体に外付けするパーツで、実機のカセットを差し込んでデータを取り込むために必要。
FC(NESは不可)、SFC、MD、PCE(それぞれの海外版も可)、GB〜GBC〜GBAソフトを差し込むスロットとUSBポートの3つがある。
繰り返すがソフトを取り込んだ後は使わなくてもレトロフリーク本体だけで遊べる構成な上に
熱暴走対策など色んな理由でアダプタはインストールしたい時のみ接続する方が良い。

  • カートリッジアダプター(SFC用)
SFCとSNESソフト のみ 取り込める上に実機SFCコントローラを接続できる端子が2つある。
取り込める種類は減少したが単価が下がった廉価版のような扱い。

  • レトロフリーク標準コントローラ
ボタン配置がSFCに近い付属コントローラ
  • レトロフリーク用アーケードスティック。
レトロフリーク用のショートカットキーなどが付いたアーケードスティック。
※ただしレトロフリークのコントローラはUSB接続であり、市販のUSBコンもだいたい使える上に公式がそれを容認している。

  • コントローラアダプタ対応コネクター
[レトロフリーク本体]〜[当該コネクタ]〜[実機コントローラ]の接続順で
実ゲーム機のコントローラを接続して遊ぶことができる。
AV仕様FC、SFC、MD、PCE、FC前面の拡張端子が一つづつの構成。

  • コントローラアダプタ対応コネクター(SFC用)
こちらはSFC実機コントローラ端子が5つある。マルチプレイにおすすめ。

  • 追加カートリッジコンバーター
カートリッジアダプターの上に挿すことでさらに他機種のソフトを取り込める。2020年現在では以下の2種。
  • ギアコンバーター:ゲームギア、セガマーク3、SG-1000用
  • NESカートリッジコンバーター:NES(海外ファミコン用

2020年時点でこれだけのハードや付属品になっている。
レトロフリークは多種多様な組み合わせで売られているため必要な付属品があることを見極めて購入すること。

◆注意点

  • SFCのカセットの扱い方
SFCのカセットが上手く抜けない場合がある。
こうなってしまったら無理矢理引っぱって抜こうとはせず、右斜の方向にゆっくりと動かしながら抜こう。
というよりも昔のクソガキがファミコンを扱う感覚でカセットを乱暴に抜き差しすると
その 一回で1万円越えのアダプタが壊れる こともある。いやマジで。繊細に扱おう。
また、レトロゲーム復活剤を使うよりも無水エタノールを使えば良い場合もある。

  • 途中でフリーズ&電源が落ちる時がある。
言うまでもなくこれは、長時間のプレイによって熱暴走した事が原因である。
まさに、「ゲームは一日一時間!」
とはいえ、短時間しか経っていないのにこうなってしまった場合は、公式へ修理に出した方が良いだろう。

  • 一部遊べないソフトがある。
詳しくは公式サイト等で確認してみよう。
「えっ・・・このゲーム好きだったのに、遊べないなんて…orz」
トラウマ必須である…。

とはいえ大体のゲームに対応してるから大丈夫…ほら、起動した。

なんて人もご注意を。起動やセーブが出来ても画面が正しく表示されなかったり、BGMが流れなかったり、カートリッジへのセーブデータの書き出しが出来なかったりするので、一度は見たほうが身の為だろう。
リストに載ってないのに異常が出る場合もあるが、ソフトの数が膨大なので漏れがあっても仕方ないと言えば仕方ない。

本ゲーム機はAndroid(Linux)をベースにエミュレータを動作させているものである。
株式会社サイバーガジェット社の公式サイトにて公開されたソースコードには

◯VBA-M (ゲームボーイ系統)
◯Genesis Plus GX (メガドライブ系統)
◯FCEU (ファミリーコンピュータ系統)
◯SNES9x (スーパーファミコン系統)
◯Mednafen (マルチプラットフォームエミュレータ。この場合は主にPCエンジン系統)

これらが使用されていることが明記されており、インターネット上の様々なレトロゲームデータベースとここからの情報を照らし合わせることで、具体的な動作の差異をある程度予測することも出来る。




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最終更新:2024年08月28日 21:04

*1 著作権法では「データのバックアップ」は合法とされており、バックアップの要件を満たすにはオリジナルを所持している必要がある。「ソフトそのものは所有してるけど実物ソフトの損壊を防ぐためにその中のデータだけを別手段で遊んでいます」ということ。

*2 Windows等のOSよりも更に機械に近い部分で動くソフトウェア。PSで言えばCDの読み込みやメモリーカードの読み書きをしている部分のソフト。

*3 つまり私的利用の範囲を超えない(吸い出したファイルをネット上でやり取りができない)ように、あえてプロテクトを掛けている。