SCP-4465

登録日:2020/05/17 Sun 18:44:29
更新日:2024/03/09 Sat 20:25:41
所要時間:約 5 分で読めます





愛する人がいるのに自ら命を絶つことなんてできるだろうか。



初めに

SCP-4465の記事へようこそ、SCP財団アニヲタ支部の方々。
最初に申し上げるが、このオブジェクトはさっぱり意味が読み取れない。第一、記事の文字数がわずか400字に満たない上、まともな概要が読み取れないのだ。
本項目ではネタバレも含まれるので、それでも良いという人のみ、記事を読み進んで頂きたい。





概要

SCP-4465とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登録されたオブジェクトの一つ。
オブジェクトクラスは「Safe」。

収容プロトコルは、財団の安全ロッカーに置くだけというシンプルなもの。使われなければ安全という意味である。

説明

SCP-4465は、グロック17のピストルである。
数ある銃器の中でも手頃な値段で購入できる代物であり、見た目は普通の銃である。以上、説明はこれだけである。

ならば、肝心の異常な性質の説明はどうなのかというと、


SCP-4465の正確な特性は不明です。
テストは翌月に予定されています。



短い。
いや仮に短い記事だとしても目を離したら絶対首へし折る像財団世界に爆誕した某ポケットな電気ネズミモンスターでもまだきちんとした説明があった。



発見経緯



SCP-4465は手首からの大量失血により自殺したアーノルド・デュバーの遺体と共にアパートで発見されました。


肝となる文は次。


彼の遺体が発見される3日前、彼の大学のルームメイト、
彼の母親、そして彼のペットの犬は皆、お互いに10分以内に口蓋から後頭部にかけて同一の銃創を受けていました。
弾丸はSCP-4465のマガジンのものと一致しました。


アーノルドの遺体が発見される三日前に、彼の家族とペット、そして友人が揃って10分以内という短い時間の間に、拳銃自殺したかのような傷を負って死亡していたという事実。

ここだけ見たならば、アーノルドが家族や友人を巻き込んで心中したかのように思えるが、それは否定された。



アーノルド・デュバーは最も近い犠牲者から、3,000キロメートル離れた場所にいました



最も近い距離でさえ3000キロメートルという途方もない数字ならば、もう一人(どちらかに犬も付属)は更に離れた場所にいたことが示唆されている。

飛行機や電車、深夜バスといった手段を用いるのならば不可能ではないのかも知れない。だが冷静に考えてみると、これから無理心中しようとする人がそんな回りくどい方法をとるのだろうか。
何らかの手段で被害者の元へたどり着き、殺害した後にまた自宅へ帰った三日後に命を絶ったというのは、余りに面倒なことではないだろうか。

極めつけはアーノルドの自殺した方法である。彼はSCP-4465ではなく、ナイフで手首を切って命を絶った。なぜ他の人のように拳銃自殺しなかったのか。

財団の研究者たちも疑問に思ったことだろう。ならば実験して調べるしかない。以下がその記録である。

実験記録


SCP-4465実験記録実験は倫理的懸念のため中止されました




は................................?

あの冷酷であっても残酷ではないと謳い文句にしながら、数多くのDクラス職員やエージェント、研究者、時には顔も知らない子供までも使い潰す我らが財団が、倫理的懸念などという理由で実験を中止してしまったのだ。

........勘の良い人ならば既に気づいているかもしれないが、この記述から、SCP-4465が財団職員だけでなく、社会に生きる我々にも悪影響を及ぼし兼ねない代物であることが読み取れる。

だが残念なことに、本家記事にはこれ以上の記述がない。これではSCP-4465の異常性が読み取れない。




........ここから先は、SCP-4465に関する残酷な真実を記載しているため、ネタバレバッチコイ!!という方のみ読み進めてもらいたい。












ネタバレ




誰もが誰かと繋がっているから。



SCP-4465の本当の異常性を知るために、本家ディスカッションに飛んでもらいたい。そこにSCP-4465の筆者、"DarkStuff"氏からの言葉がある。


It’s a gun that kills loved ones of the target shot.
(その銃は愛するものを殺します。)

このオブジェクトの真の異常性は、撃たれた対象の代わりに愛する者に着弾・殺害するというもの。
銃弾を発射すると弾はテレポートし、撃たれた人の愛する人に着弾してしまうのである。

恐らくアーノルドは拳銃自殺しようとして、SCP-4465を顔に向けたのだろう。しかしどれだけ撃っても死ねない。そもそも発射されているのに弾が何処かへ消えてしまった。

そうして数日後、彼のもとへ家族や友人の訃報が届いたのだろう。やがて自分が持っている拳銃の"真の意味"、そして自分が取り返しのつかないことをしてしまったと理解したアーノルドが、どのような思いで拳銃ではなくナイフで命を絶ったか................語らずとも理解できよう。






自ら命を絶つ。確かにそれは自然の法則や倫理に反した行為なのだろう。耐えきれない困難や苦痛から逃れるために全てを捨てあの世へ、そうした人々や今まさにそんな思いを抱いている人もいるかもしれない。

だが忘れてはならない。全てを捨てるということは、自らが愛した者たちのことさえも見て見ぬ振りをするということであることを。

残された者たちのことを考えたことがあるか?

彼らの心に、どれだけの傷を残すかということを省みたことはあるか?

ある意味では、このオブジェクトはそれに対する一つの答えなのだろう。



自殺は自らの命を捨てることだけでなく、その人を愛した人々にも大きな傷を残すということを。
そして、それに対するもう一つの答えが本記事のメタタイトルにも表れている。

即ち、


SCP-4465


人間は一人では生きていけない(No Man is an Island)




Tale-JP「孤独な人間は生きているとは言えない。」

ある日、研究員の一人がSCP-4465を使って暴動を引き起こした。どうやら、とある要注意団体と繋がっていたらしく、他の研究員が質問したところ逃走、複数のオブジェクトを強奪し収容室へ立てこもった。

そこへある男が足を踏み入れた。男は裏切り者にSCP-4465を向けられ、被弾しながらも裏切り者を捕らえることに成功したのだった。




........全てが終わった後に、ルビーの首飾りをかけた男は静かに呟く。


「愛する人なんて、とっくに全員死んだよ。」


愛する人、それは人としての死か、それとも.....。



追記・修正は自らを愛してくれている人々を想いながら、お願いします。



SCP-4465 - No Man is an Island
by DarkStuff
http://www.scp-wiki.net/scp-4465
http://ja.scp-wiki.net/scp-4465(翻訳)

孤独な人間は生きているとは言えない。
by meshiochislash
http://scp-jp.wikidot.com/alove
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最終更新:2024年03月09日 20:25