SCP-3785

登録日:2020/05/24 (日) 23:07:56
更新日:2020/05/27 Wed 00:51:25
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SCP-3785は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト
収容クラスはEuclid。
撹乱クラスは2/VLAM。
リスククラスは4/DANGER。



概要

SCP-3785は場所系オブジェクト。
アメリカのジョージア州道166号線を逸れた未舗装路からのみ辿り着くことができ、そこ以外から侵入しようとしても、絶対に入ることが出来ない。

見た目は比較的見晴らしの良い丘であり、両側に沿って木々と共に電線が立ち並んでいる。SCP-3875内は常に夜であり、星も確認されたことのないようなモノばかりである。
SCP-3785内では北の奥地に進むにつれて、地形が複雑かつ移動が困難な状態へとなっている。このため、財団の探索チームは完全な北端にたどり着くことが出来ていない。

収容プロトコルは、SCP-3785へ繋がる道を封鎖・監視し、侵入者は地元の警察へ引き渡す。注意点として、実験を除き財団職員は確立された1.6kmの境界マーカーを超えてはならない。

何故ならSCP-3785内には、侵入した全ての人間を捜索・追跡した後に殺害する危険実体、SCP-3785-1が存在するからである。

SCP-3785-1は、白の1980年代後半型シボレー・ブレイザーと、その運転手と思われる実体の総称。
SCP-3785内を自由自在に移動することができ、この能力で侵入者を捉えた後に、上記の電線に“上下逆さに首を吊るして”殺害する

しかしながら、SCP-3785-1自体はSCP-3785から出現した例がないため、とりあえず入り口を防ぎ、民間人が侵入するのを阻止することを優先しなければならない。


補遺3785.1: 発見

元々SCP-3785はジャスパーの場所と呼ばれる、周辺地域のホラースポットだったらしく、
『迷い混んだ三人の子供がジャスパーなる人物に追いかけられ、最後には“上下逆さに首を吊られ”て殺害される。』という胸糞な言い伝えがあった。

財団の注目が集まった切欠は、当地域にて12名の若者グループが行方不明となった事件。
その3週間後に行方を眩ましていたメンバーが一人見つかったが、極度のパニックを引き起こしており、しきりに『ジャスパーが追ってくる』と叫んでいたという。

その後、現地を調査した財団職員が空間の異常を発見したことでオブジェクト認定が成され、他の行方不明者を捜索するための調査が開始されることとなった。


探索ログⅠ・Ⅱ

当初、投入された機動部隊D-15“カントリー・ライン”の部隊員3名(D-15テッター、ジャックナイフ、ノース)が捜索を行っているうちに、若者グループの足跡や焚き火の後などから北へ捜索していた。
すらと突如例の白いシボレーが遠くから現れたので、三名は一度隠れることに。車から出てきたSCP-3785-1はまるで猫にご飯の時間だとでも伝えるかのように『ニャーオ ニャーオ』と鳴き始めた。

困惑する一同であったが、ふとノースが若者グループのものと思われる携帯電話を発見、
その場所を離れようとする部隊であったが、奇妙な音が頭上から聞こえ、見上げた彼らは絶句し、直ぐ様退散し始めた。

そこには若者たちが逆さに首を吊られていたから。
同時に白いシボレーに乗ったSCP-3785が直ぐ様、空間を無視したかのように追いかけてきてきたのである。
"カントリー・ライン"のメンバーは出口に走っていくが、残念なことにジャックナイフがSCP-3785に追突され、連れ去られてしまった。

指令部は大至急、救出チームとして、機動部隊アトランタ-9“ダーティ・バード”を派遣した。以下、探索ログⅡから抜粋する。


(略)

ATL-9チームは速やかに前進し、D-15 テッターたちが残した跡を辿る。ディエゴの肩部装着型カメラは、薄暗い星明りを上空に捉えている。遠くで微かにエンジン音が聞こえる。

ATL-9 ジュニペロ: ジャック? ジャック、俺たちの声が聞こえるか、おい? お前を助けに来たんだよ。

D-15 ジャックナイフ: (くぐもった音)

司令部: 救出チーム、ジャックナイフからの通信を受け取ったことを報告しておく。

司令部: 救出チーム、ジャックナイフからの通信を受け取ったことを報告しておく。

ATL-9 シャーマン: 了解。


数分後、丘に近付くにつれ、電力線の支柱が見えてきた。高圧電線にはロープで拘束された無数の人影が縛り付けられ、電線から絞首縄で上下逆さに首を吊られている。
ほとんどの人影の大半は身動きしない。しかし一つだけもがいている影があった。紛れもなくジャックナイフである。その下にSCP-3785-1がジャックナイフを見上げているのが確認された。



ATL-9 シャーマン: クソが。よし、あの鉄塔を登る必要があるな。 (沈黙) 私がトラックを遠くに誘い寄せよう。君たち2人は塔を登ってジャックナイフを救出し、救出ポイントに帰還して落ち合う。彼を救出したらすぐ連絡をくれ、私は奴と他所でデートしてくるから。

ATL-9 ディエゴ: 分かりました。

ATL-9 シャーマンが部隊から離れる。彼は丘の頂に沿って支柱とSCP-3785-1からさらに距離を取る。ATL-9 ディエゴとジュニペロが位置に着くとすぐにATL-9 シャーマンが照明弾を灯す。

ATL-9 シャーマン: こっちだ、ゲス野郎!

SCP-3785-1のエンジン回転音が大きくなると共に歪んだ笑い声と甲高い音が聞こえ、実体は支柱から離れてATL-9 シャーマンの方へ移動する。実体が丘の向こうに消え次第、ATL-9 ディエゴとジュニペロは支柱に向かって移動し、昇り始める。
彼らが昇るにつれ、上方でロープで縛られ首を吊られた状態で身をよじっている姿はより活発に動き始める。一瞬、対象がディエゴのカメラに映り込む — D-15 ジャックナイフの目が見えるが、顔の他の部位はロープで覆い隠されている。

2人が昇るにつれて、周辺区域の様子がより視認可能になる。彼らの視点からは、下の世界は暗い森に覆われた大地を一本線の空き地と似たような電力線が走っているように見える。上空は未だに黒く、薄暗い星明りが点在しているが、幾分光っているように見える。
さらに遠くでは、地面が著しく歪み捻じれた状態となって自己ループを形成し、標準的な幾何学に適合しない形式で歪曲している。

最終的に、ATL-9 ディエゴとジュニペロは両者ともに支柱の頂点に辿り着く。命綱としてロープを手繰りながら、ジュニペロがジャックナイフの方に身を乗り出す。

ATL-9 ジュニペロ: 待ってろよ、ジャック。こいつを切る時間を少しくれ、そしたらここからはおさらばだ。

ジュニペロは鋸歯ナイフを取り出し、ロープを切断し始める。ディエゴの視点からは、ジャックナイフは一心にジュニペロを見つめているように思われる。
下方では、森の中からエンジンの回転音が聞こえ、その後間もなくして小規模な爆発が起こる(後にATL-9 シャーマンが投げた手榴弾と判明)。

突然、低いゴロゴロと言う音が、明確な音源無しに響く。電力線が振動し、ジュニペロは線を掴み続けるために切断作業を暫く中断することになった。ゴロゴロ音が収まった後、ジュニペロは切断を再開する。

ATL-9 ジュニペロ: 待ってろ、待ってろ… あともう… ほんの少し—

ATL-9 ジュニペロがロープの最後の繊維を切断し、ジャックナイフの絞首縄と拘束が解ける。ジャックナイフは咳き込みながらジュニペロに手を伸ばすが、上方に向かって“落下”し始め、電力線から離れていく。

ATL-9 ディエゴ: クソッ!

ATL-9 ジュニペロ: ヤバいぞ! ディエゴ!

ATL-9 ディエゴが別のロープを用意し、ジャックナイフに向けて投げるが、1mほど外れる。再び低いゴロゴロ音が聞こえるが、今回は下方から歪んだ笑い声が付随している。ジャックナイフは

D-15 ジャックナイフ: クソッたれ! クソッたれ! 助けてくれ! 嫌だ! 助けて! 誰かお願いだぁ! 助けて!

ジャックナイフは上昇し続ける。下方では、歪んだ笑い声がより大きくなり、どことなくネコ科の鳴き声を思わせる鋭くけたたましい音で途絶える。低いゴロゴロ音は響き続けている。

ATL-9 ジュニペロ: ディエゴ? どうすりゃいい?

ATL-9 ディエゴ: こん畜生!

D-15 ジャックナイフ: なんてこった、なんて、できない、俺できない— (沈黙) 嗚呼。

電力線上にいる2人の上で、空の薄暗い星が変化し始める。星は僅かに明るさを増して歪み、地平線の端から端まで広がる数千(もしくは数十万)もの巨大な、漠然とタコに似た目を形作る。ジャックナイフが空と向かい合うように捻じれるのが見える。

ATL-9 ジュニペロ: ジャック!

D-15 ジャックナイフ: 俺— (沈黙) 俺は— (沈黙) こいつはそこら中に-

ジャックナイフの身体が劇的な勢いで切断され、声が途絶える。この際、空の目が暗い赤色に輝き、ジャックナイフの身体は唐突にバラバラになる。残った内臓は空に上昇し続ける。間もなく、低いゴロゴロ音は収まり、下方から歪んだ笑い声が聞こえる

ATL-9 シャーマン: ジューン、ディエゴ、聞こえるか? ジャックナイフを回収したのか? トラックに乗った実体は森の中に消えた。

ATL-9 ディエゴ: 了解。ジャックナイフはロストした。合流ポイントに向かってくれ、そこで会おう。

ATL-9の全隊員はSCP-3785内から回収された。SCP-3785内の危険な状況を鑑み、これ以上の有人探査は一時的に制限されている。SCP-3785の上空で観察された実体の性質は不明。

[記録終了]



ジャックナイフの最後から、一つの真実が明らかとなった。
SCP-3785-1(ジャスパー)の真の目的は、空に現れた巨体実体へ獲物を捧げることだったのである。
この実体が何なのかは不明ではあるが、今までこの場所に迷いこんだ者たちは皆、この大型実体の供物として捧げられてしまったのだろう。


補遺3785.4: 回収された携帯電話のデータ

以下は行方不明となった、若者グループの一人である女性の携帯電話から回収された情報である。

内容は、初めは皆で楽しくパーティーをしていたが、途中からSCP-3785-1によって一人、また一人と連れ去られていくというもの。電波も通じず、必死に家族に助けを求める彼女の姿が痛ましい。

彼女はせめて、一人残され遠くから拐われた仲間が吊るされる光景をカメラに残すが、カメラの光でジャスパーに気付かれ........











ID:3785.AV.17
記録形式:写真
内容:カメラの弱光で照らされた暗い男性の姿。これ以外の文脈は不明。この写真は、携帯電話から回収された他全ての記録から数日の間を置いて撮影されている。









SCP-3785


ジャスパーヶ丘(Jasper’s Hill)


これ見たことない?

実はこの記事、旧SCP-947(ジャスパーヶ丘)として投稿されていたものである。その後、著者のdjkaktus氏が取り下げ、探索ログⅠ・Ⅱを追加して再投稿したのが現SCP-3785である。



追記・修正は、安全な場所からお願いします。


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