ロックアップ 我等あかつきプロレス団

登録日:2020/05/31 (日曜日) 23:40:00
更新日:2020/06/03 Wed 07:49:01
所要時間:約 5 分で読めます





「大丈夫だ、心配するな」



ロックアップは、猿渡哲也による漫画作品。
掲載誌はグランドジャンプ。
全4巻。



傑作格闘漫画タフ・シリーズでやたら有名な猿渡哲也によるプロレスを扱った作品。
真剣勝負としてのプロレスではなく、現実に則したショーとしてのプロレスを真正面から描いている。


地方のマイナーなインディーズプロレス団体『あかつきプロレス団』の社長である主人公サムソン高木が、ボロボロの身体に鞭打って自らの信念の元リングに上がり続けるという物語。
普段はどことなくニヒリズムを感じる暗い展開が多い同作者の漫画には珍しく、比較的コミカルで明るい作風が特徴。(ただし主人公の設定はかなり重いが)
ストーリーもプロレスという軸でしっかりと纏まっており非常に熱く引き込まれる、隠れた名作と言える。
巻数も少なく内容も他と比べて比較的敷居が低いので、猿渡哲也作品をどれから手をつけようか迷ったら本作か「傷だらけの仁清」あたりがオススメ。(「Rūnin」や「ZIG」や「GOKUSAI」や「あばれブン屋」でも別に良いが)
というか100巻以上も出てるタフがおかしいんだ。

とはいっても猿渡作品なのでヤクザ殺人鬼娼婦が出てくるのはご愛嬌。
また、バトル・シンデレラなどの小学生並みの横文字ネーミングセンスも健在っス。
猿漫画お馴染みの「なにっ」や"PC書き文字"や「しゃあっ!」等もちゃんとあるので猿欠乏症に陥る心配はないと考えられる。



◆登場人物

あかつきプロレス団

サムソン高木

本作の主人公。あかつきプロレス団の社長にして、満身創痍の末期癌プロレスラー。本名は高木虎ノ介。
末期癌は設定ではなく事実で、他にもヘルニアやらなんやら大量の不調を抱えている。
不器用な性格だが人情家でお人好しで、身体の検査のついでに入院している子供達のお見舞いもしている。なんだかんだ地元でも愛される人気者である。
しかし運営する団体の経営は火の車で様々な方面に借金を抱えており、金貸しに返済を待ってもらう際の土下座はもはや堂に入っている得意技状態。

元々は国内屈指の人気団体『新世紀プロレス』の正統派イケメンレスラーだったのだが、自分が原因で相手レスラーに怪我をさせたことを気に病みベビーフェイスを引退、ヒールレスラー『極悪大魔王ザ・グレート・SAM』に転向した。
私生活までヒールを徹底した結果、後輩へのシゴキまで過激化してしまい流血沙汰になったこともあるなど、まっすぐ過ぎて極端な男。
プロレスでお客さんを楽しませることを第一に考えており、常人なら痛みで立つことすら出来ないほどボロボロの状態でもリングに上がるタフガイを超えたタフガイ。
タフって言葉はサムソンのためにある。

モデルは誰がどう見ても武藤敬司。本人公認のツイートもある。
名前はサムソン冬木と高木三四郎からと考えられる。

余談だが何故か顔や肉体がタフシリーズでやたら使い回される。
良いんスかこれ?

大空ウミ

バトル・シンデレラ
本作の一応のヒロイン。あかつきプロレス団の紅一点。
猿漫画では珍しい戦闘シーンがちゃんとある女性メインキャラ。
実はサムソンの娘で本名は蒼井ウミ。元々は母と自分を捨てたサムソンを憎んでいたが、彼の人柄に触れ母の言う通りの人だと察して和解。
父と共にプロレスラーとして活躍するようになった。
美人なのでファンも多く、熱心なファンクラブも存在する。

バーバリアン松井

あかつきプロレス団所属。
素手で7人を殺害し警察官に射殺された父と、殺人鬼で獄中出産の果てに死亡した母の間に生まれる。
殺人衝動を制御できず、幼少期から暴行を繰り返し数十人を病院送りにしたことすらある怪物。
本人は破壊を望んでいないが本能には抗えずプロレスによってその衝動を抑えている。

…………という設定をサムソンから与えられた格闘オタクなレスラー。当然両親も健在で、公務員の真面目な父と専業主婦の母と極々普通。
しかしリング上でその設定を堅実に守るうちに、本当に怪物の如く派手な試合を行うタフなプロレスラーになっていく。

ちなみに4ページに渡ってやたら気合を入れて描かれたこのキャラ設定だが、演出も含めて完全にタフシリーズ名物「悲しき過去」のセルフパロディ。
松井本人はこれに対して「格闘クソマンガにありがちな設定」とドン引きしていた。貴様ー!タフを愚弄するかー!!

シーマンダー

『メガ(トン)ファイター』の異名をとる大型のレスラー。
元力士で200kg近い巨漢だが、実はどうしてもやりたい技があるとサムソンに相談する…

新世紀プロレス

如月翔

新世紀プロレスのスター選手。
元々は新世紀に所属していた頃のサムソンの後輩で、彼からちゃんこを無理やり食べさせられるなどの激しいしごきを受けていた。
その影響か高木が懸念する程に後輩を厳しくしごいており、骨折までさせてしまうなど苛烈な性格をしている。
モデルはコスチュームから推測するにオカダカズチカか棚橋あたりと考えられる。

GJプロレス

和田アキ男

ガマ親分の甥で、元総合格闘家のプロレスラー。
総合に居た頃のプライドが抜けず、まだあまりプロレスというものに馴染めていない。
そのため打撃もきつくエンターテイメントを提供するプロレスラーとしてはまだまだ一流とは言い難い面がある。
シュートを仕掛けた自業自得とは言えサムソンに顎を割られたり、腕自慢の大学生に「しゃあっ!」と強襲されたりと受難が尽きない。
最後はサムソンと有刺鉄線バットによるデスマッチを行う。
モデルはまあ十中八九和田アキ子だろう。

その他

ガマ親分

猿漫画名物ヤクザの組長。
ただしあくまで地域密着型の地元ヤクザ。いつもの裏社会の大物だとか影の総理ではない

熊田正人

サムソンの大学時代の学友。柔道オリンピックの強化選手で、同じくレスリングのオリンピック強化選手だった高木とは仲が良かった。
その際教師にバレないように"精力絶倫にして不死身のマスクマン"「紅・珍太郎」としてサムソンとプロレスの試合を行っていた。
ちなみにサムソンの方のリングネームは"変態星より飛来した変態王子"「スペルマ・カケル」。…学生プロレスでは下ネタリングネームはむしろ鉄板のお約束とはいえ、完全に中学生レベルっスね。忌憚のない意見っス。

藤森社長

地元の海産物などを一手に仕切る大会社の若社長。
気が弱く自分に自信が持てなかったのだが、自分と正反対のウミの豪胆なプロレスを観戦して一目惚れし、デートを申し込む。
二代目のボンボン的な風体に反して性根の真っすぐな善人。




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