登録日:2022/01/04 Tue 19:53:36
更新日:2025/02/27 Thu 04:56:41
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名だたるプロレスラー達に聞いてみた。
「プロレスとは何なのか?」
『プロレスは、チェスのようなものだ。』byブルーザー・ブロディ
『
プロレスは、人生の春夏秋冬を見せていくもんだ。』by
橋本真也
『
プロレスとは、ゴールの無いマラソンだ。』by
武藤敬司
『
わかりません。答えが分からないからプロレスをやり続けるんです』by
小橋健太
プロレスとは「キング・オブ・スポーツ」にして、
最強の格闘技である。
他の格闘技のようにリング上でチョロチョロ逃げ回り
相手の攻撃を避け続けながら好機を窺うような
無様な真似などしない。
鍛えに鍛え抜いた己が身から打撃、投げ技、関節技……
ありとあらゆる技と術を繰り出し
真正面から受け止め合い
受けて受けて受けて受けきって
最後にこれを跳ね退け勝利をもぎ取る。
プロレスとは真の強者だけに許された
最強で最凶な最高峰の
格闘技の王者である。
『一番スゲェのはプロレスなんだよ!』
by 中邑真輔
プロレス(正式名称:プロフェッショナル・レスリング)とは、観客を楽しませる事を目的として行われる、格闘技形式のエンターテイメントである。
『格闘技という言葉を使うときに純粋に「格闘技」と言ったら見物人がいない世界のことを言うんだよね。つまり、やる人たちだけの世界というのを「格闘技」という。』
『もしそこに一人でも見物人が存在したら、これは“プロレス”になる』byターザン山本(週刊プロレス 元編集長)
『“バトル・エンターテイメント”です‼︎』
『「リアルを超えたファンタジー」ってヤツじゃないんですか⁉︎』by「ターキージャンキー」主人公 滝念五郎
概要
※一応、この項は現在のプロレスファンならば“暗黙の了解”として弁えている内容であるが、現在でも濁されたり否定される場合もあることには留意されたい。
プロレスにおいて、選手は予め決められた「ギミック」(キャラ設定)を演じ、「アングル」(ストーリー)に沿って組まれた試合を「ブック」と呼ばれる台本に則って展開する。
……すなわち、始めから勝敗が決まった状態で行われる格闘技である。
出来レースの比喩表現として「プロレス」という言葉が使われることもあるほど。(※八百長と同義として扱われることもあるが、厳密には別物である。かつても、事情をよく知らない、考えない人間が同様の発言をしてプロレスファンから叩かれたケースもある。)
名前の通りレスリングを基本としているが、条件付きで打撃技も、更には試合形式によっては凶器の使用すらも認められている。
ルール上勝敗は決まるものの、あくまで「ショー」なので勝敗は必ずしも選手の評価に繋がらず、観客を楽しませた選手こそが素晴らしいとされる、というのも特徴。
極端な話「白けた空気で100勝した選手よりも、観客を盛り上げて100敗した選手の方が人気・評価が高くなる」という特異な格闘技でもある。
……その特異性ゆえに
「プロレスって格闘技なのか?」と思うのは誰もが通る道で、また「プロレスwww」とボクシングや総合格闘技などの一部ファンに煽られるのも多くのプロレスファンが経験する試練。
しかし、スポーツを観戦していてこんな経験は無いだろうか?
「応援している選手(チーム)が勝ったのはいいけど、試合自体はクッソつまんなかった!」
「名勝負を毎回見られたらなー」
普通のスポーツや格闘技が真剣勝負である以上、それはどうしても避けられない。
もちろん真剣勝負であるからこそ生まれる名勝負・名シーンもあるが、それを毎回観たいと思うのもまた人情というもの。
だからこそ、プロレスには台本がある。
アニメや漫画、映画にも全て制作者の手によって動かされる予定調和、台本があると分かっていても登場するキャラクター達を応援したり、感情移入してしまうだろう。
それと同じく、応援している選手には名勝負を演じ、勝利を勝ち取ってほしい。
そんな観衆の期待と願望を100%満たし、時にあきらめず立ち上がる勇気と、明日を生きる“元気”をくれる格闘技、それがプロレスなのだ。
もし、何か嫌な事や辛い事がある時、疲れた時こそぜひ、プロレスを観て欲しい。時には心を熱くさせ、時に笑わせて和ませ、時に胸の奥から湧き上がるような感動を見せる。それらを見せる「プロレス」という名の「非日常」という娯楽を味わえば、そんな事も忘れてくれるはずだから。
『僕らはリングの上から勇気づけることしか出来ないんです。』
『でもたとえ60分の間だけでも、地震のことを忘れて貰えたら、プロとして本当に本望です』by小橋健太
(※阪神淡路大震災発生2日後に大阪で行われた大会の試合後のコメントより。)
『
今、苦しんでる人が水が必要だったりよぉ、電気が必要だったり食い物が欲しかったりよぉ、そんなことは分かってるからみんなでやってんだよ。みんなでやってんだよ。』
『
東北でよぉ、苦しんでるヤツらの中によぉ、いっぱいプロレスファンいるんだよ。』
『
そいつらの心助けるの水じゃねぇんだよ。食いもんじゃねぇんだよ。“プロレス”なんだよ!』by
鈴木みのる
(※
東日本大地震発生後のノアの大会での杉浦貴選手に対しての発言より)
『プロレスについて考えるのは、喜びである。』byターザン山本
歴史
歴史的には紀元前8世紀頃にイタリア半島の北半分で栄えていたエトルリア文明で盛んに行われていた。
エトルリア人は高度な技術を持つ非常に勤勉な民族で、当時の地中海世界で人口当たりの生産力は最高と推測される程の繁栄を築いていたが、祝祭日には
貴族や富裕層が抱える選手がぶつかるプロレスで男女揃って盛り上がっていた。
元々レスリングは戦場で敵を生け捕る為の技術なのだが、エトルリア人の其れは音楽やダンスを組み合わせた高度なショーに進化しており、ギリシャ本土や南イタリアのギリシャ系植民都市の人間からは非実戦的と呆れられていた。
元々エトルリア人は若い女子の体育を奨励する伝統が有り、プロレスはカップルや若夫婦のデートの定番であったのみならず、自分達でブックを組み立ててプロレス式の夫婦試合を行う事も日常茶飯事だった。
ギリシャ系やラテン系の人間にエトルリアの女はエロいと評されているが、肌も露にして夫や恋人とプロレスをするデート姿を慣れない人間が見たら驚くのも無理はない。
エトルリアのプロレス文化は
ローマへの併呑と、ローマ人がプロレスより南部イタリアの剣闘士試合を好んだ事により廃れていったが、剣闘士の入場演出や選手を貴族や富裕層が抱える文化は剣闘士競技に継承されていった。
また、純粋な娯楽と言う訳ではないが、同時代からペレポネソス戦争時代のギリシャのスパルタ人の
結婚式も「ブックに沿った格闘ショー」と言う点ではエトルリア人のプロレス文化と共通点が有る。
スパルタ人の結婚は花嫁側の親の承諾を得る前提ではあるが、
男は力で女をモノにしろというルールが有り、結婚式のクライマックスは花婿VS花嫁の格闘試合だった。
スパルタ人もエトルリア人同様に若い女子の体育を奨励する伝統が有り、結婚式で無様な敗北をした花嫁は軽蔑され、逆に強烈な技に耐えて奮戦した花嫁は生涯に渡って周囲から敬意を表された。
最終的に花婿が花嫁を倒して
子作りするという結末は決まっているのだが、花嫁側が無様に負けるのも拙いので、花嫁側の奮戦場面を演出し、「強い女が更に強い男に倒される」ショーが組み立てられていた。
スパルタがローマに併合され、自治都市の一つになった後は、ショーと化した女子プロレスが存続し、エトルリア文明のプロレス文化が衰退していたイタリア本土からの観光客も観戦していた。
全裸で闘う美女レスラーに挑戦した元老院議員の記録も残っている。
ルール
各団体ごとに独自のルールが設けられている場合もあるが、ここには一応一般的とされるルールを記す。
《勝敗の決定方法》
●ピンフォール
相手の両肩をマットに押し付けた状態でレフェリーが3カウント数える。
相手の両肩がマットについていれば、上に覆いかぶさらなくても単に手を置いたり足で踏んだり、果てはM字開脚で跨ったりしてもカウントされるほか、「24時間ルール(WWEの呼称)」、すなわち時・場所問わず裁定さえ下されたならば試合と見なすルールを採用しているタイトルについてはより単純に「3カウントの間相手の上に乗り、その間相手を『無力化』したと判断された場合」と某文化系プロレス団体の解釈を採用する形で定義されていることも多い。
後述するが、だからって王者が脚立ごと転倒した際に下敷きになったから、その脚立がチャンピオンになるはどうなんだ。
ただしカウント中に相手の肩がマットから離れれば無効となる。変形スープレックス等、技の形によっては両肩付いてない場合もあるがその辺は流される。
終盤に大技を食らってピンフォールを取られた選手が、3カウント寸前、いわゆるカウント2.9で起き上がる粘りを見せる場面は最も熱く盛り上がる場面と言えよう。
しかし、中には試合が始まって間も無いのに一気に丸め込んで秒殺決着という場面もあるが、それだけあっという間に丸め込むフォールを取る技術が優れていると言えるのである。
●ノックアウト
ダウンした状態でレフェリーが10カウント数える間に立ち上がれない場合は敗北。
カウント中に立ち上がって試合続行可能と見なされれば無効で、両者立ち上がれない場合は両者ノックアウトで引き分け。
●リングアウト
リングの外に出た状態でレフェリーが10カウント数える間にリング内に戻らないと敗北。(20カウントのところも多く、新日本やスターダムなどの現在の大手団体はほとんど20カウント方式を採用。)
リングに戻ればカウントはリセットされるため、場外乱闘中に一旦リングに戻ってカウントを止め、また乱闘に戻るという場面もよく見られる。
また、激しい場外乱闘の末にヘロヘロになってしまった選手が、「20カウントが迫っている!このままではリングアウト負けか⁉︎」という状況で、なんとかギリギリ、カウント19でリングに戻るのもよくあるシーンで、見る方をハラハラさせてくれる。
平成以降は完全決着が好まれるようになったので滅多に見られなくなったが、昭和期までは大物同士の対決では殆どの試合が場外乱闘からのリングアウトで終わることが多く、つまりは両方のレスラーの“商品価値”を下げないための方法としてよく用いられていた(現在の「一瞬の丸めこみでほとんど得意技のやり取りをせずに決着」に近い)。
ちなみに、野外イベントやお祭りとかの中の催しとして行われるプロレスの試合の際には選手が場外に行って試合中なのに近くの売店や屋台で飲食してたりお買い物したりする事もある。
また、中にはこのリングアウトルールを撤廃し、さらにリング外であってもピンフォールが取れる「エニウェアフォール」というルール方式もある。
このエニウェア方式で有名なのが後述のDDTプロレスリングで行われている「路上プロレス」もこのルールを取っており、こちらでもこのシーンが起こりがちだったりする。
●ギブアップ/タップアウト
前者は口頭で、後者は相手の体やマットを叩く事で降参の意思を伝える。
ちなみに
蝶野正洋とかがよく口にする「Ask him!」とは、
「ギブアップするかこいつ(相手)に訊いてみろやぁ!」とレフェリーに要求するムーブの一環であり、クリス・ジェリコやオカダ・カズチカなども言っていたりする。
特に口頭でのギブアップ宣言は選手にとって屈辱的なものとして扱われ、フォーカスされることがしばしばある(ギブアップ宣言のみを決着方法とするアイ・クイット・マッチが有名。関節技でのギブアップを求めるか、反則負け裁定なし=何をしても反則と見なされないとなるノーDQルール導入などそれ以外のギブアップを言わせる手段を設けるかは場合によって違う)。
●レフェリーストップ
関節技など攻撃を受けている選手が、これ以上攻撃を受けると骨折などの重傷を負ってしまうと判断した場合にレフェリーは試合を終わらせる事ができる。
別名、不透明決着の代名詞。その場合勝者は技を仕掛けていた方。なお、万が一不測の事態で負傷してしまった時も「
ドクターストップ」として同様の対応となる。
チョークスリーパー系の場合はかけられている側の選手が気絶している場合もあるため、レフェリーが選手の片手を持ち上げて放すという行為を行い、その手が3回落ちたら気絶と判断し試合を止める。
2回とも力なく手を落とした選手が、3回目でいきなり息を吹き返すのはもはや様式美で、これを発明すると共に定着させたのは
ハルク・ホーガン。
●セコンドからのタオル投入
ボクシングと同様のルール。
これを機に仲間割れストーリーが始まったり、再び同じようなシチュエーションになったときタオル投入を躊躇したりするという展開もたまにある。
●反則行為
後述する一般的な反則行為を5カウント以内に止めない場合、その行為を行った側の選手の負けとするのが基本ルールだが、その他にもルール上使用が許可されていない凶器による攻撃、禁止されている部位(首や目、金的など)への攻撃、試合の権利を持たないセコンドなどの介入、レフェリーへの過剰な暴行などで試合の収拾がつかなくなったと判断されると、カウントを待たずに即時に反則裁定が取られることもある。
殆ど有名無実化しているが(後述)、本来は拳を握っての打撃やロープを用いた攻撃(ロープを使って
首を絞めるなど)も禁止技である。
『タイガーマスク』のOPで流れる「悪党どもにパンチをお見舞いしてやれ」といった趣旨のフレーズも原則は反則であるが、例えばベビーフェイス側でもヒールの傍若無人ぶりに堪忍袋の緒が切れたことを示すバロメータとして、反則スレスレの技で悪党に制裁を加えるといった観客を沸かせるシチュエーションにも活用できる。
現代では明確にグーパンチが必殺技のレスラーすら存在し(
トレーナーちゃん仮面エル・デスペラードなど)、実際には明らかに悪質でなければ問題なしとしているレフェリーも珍しくない。
この辺りが代表的なルール。
そして何より、プロレスをプロレスたらしめている要素は「
試合の裁定は、たった1人のレフェリーに全権一任されている」という点である。
その絶対君主ぶりたるや
NPB審判団以上。レフェリー1人で複数人の審判団よりも絶対君主なのだ。
例えば「○○の状態でレフェリーが○カウント数える」というルールは、裏を返せばレフェリーがよそ見や気絶などで見ていなければ無効になるという事。
だから、例え観客が反則を目撃したり、あるいは全国放送でその模様が放映されたりして反則が誰の目にも明らかであろうとも、それを「反則だ!」と指摘できるのはレフェリーだけなのだ。
だったら他のスポーツみたいにレフェリーの複数制や、VR制度とかみたいなの入れないの?とか言われるけど………。
特にタッグ戦などでは
- パートナーがレフェリーの注意を引きつけている間に、リング内の選手が反則行為をする。場合によっては場外に控えていたセコンドが乱入することも。
- 交戦権を持った選手がフォールされた際、負けを防ぐためにパートナーがレフェリーの足を引っ張ったりなどして、カウントを妨害する。
といったシチュエーションがよく見られる。
…HOUSE OF TOUTUREのメンバー(項目がある選手で言えば
SHO)のように「悪役としてのキャラ付け」としてシングルでもやる人々もいる。こっそりレンチで殴るとか。
また、プロレスには「拳を使った打撃」「ロープを用いた攻撃」「相手がロープを手にしているのに攻撃(ロープブレイク無視)」は明確に禁止されているが、同時に「反則行為は5カウント以内に止めなければならない」というルールもあるため、裏を返せばレフェリーから5カウントを取られる前に一旦攻撃を中断した後でなら、これらの攻撃を延々と繰り返すことも可能。
これが禁止されているはずのパンチが多用される理由であり、かの
アントニオ猪木も拳での打撃攻撃である「ナックルパート」も得意技の一つにしていた程である。
また一見明らかに反則である攻撃でも、コーナーに押し込んで(=ロープブレイク判定)の継続的な打撃(
小橋建太らのマシンガンチョップなど)、
天龍源一郎のグーパンチ連打、タイガー・ジェット・シンのコブラクローによる首絞め(表向きは厳密には頸動脈を絞めるため反則ではないという建前であった)などといった、その選手のシグネイチャームーブなり試合を構成する上で重要な技の場合は反則カウントを一切取られることが無かったりと、基準は割とアバウトだったりする。
そしてコメディ路線の試合では喰らってた方がやり返すとカウントを取り始め「さっきカウントしてなかっただろ」とレフェリーに喰ってかかって笑いが起こり、レフェリーとやり合ってる間に後ろから近づかれて丸め込まれるのがお約束の一つ。
そしてプロレスルールに頻出する「カウント」というワードも要注意。
「5カウント=5秒」というわけではなく、あくまでレフェリーが5つ数えたらという意味で、10カウント数えるのに2分くらいかかってもいいし、何だったらハナから数えない場合さえある。カウントとは?
余りに露骨だとそれが抗争の火種になったり、レフェリーがノックアウトされたりする事態もありえるほか、ひどいと後述するように相手だけ早く数えさせるために公然とレフェリーを買収したなんて展開すら起きるので、理由もなくそこまで酷いのは滅多に無いが、初心者が勘違いしがちな点なので注意しよう。
カウントが遅い事で有名だった故ジョー樋口レフェリーは、実際には1秒で1カウントしていた(=他の人が速かった)というのも有名なお話。
この他、買収されたレフェリーが偏ったジャッジを下す、対立する勢力のうち一方の選手がレフェリーを務め自軍に有利なレフェリングを行わせるなどといった場合もある。
なお、前述のジョー樋口を始め、数々のメイン級の重要な試合を裁いてファンからも名を知られた名レフェリーも多くおり、新日本プロレスに於いてはマネージャーとして海外経験を生かし外国人レスラーの招聘にも力を発揮したタイガー服部、赤い靴が特徴的で息子である海野翔太が新日本のプロレスラーとしても活躍しているレッドシューズ海野、全日本プロレスではアナウンスされると観客が「キョーへー!」の大コールが起きる和田京平、ノア所属の大技で思わず仰け反りフォールに入ると文字通り飛んでくる西永秀一などが有名。
特殊なケースでは、チャンピオンベルトを賭けた王座戦では【反則で勝敗が決まった場合は王座を移動させない】というルールを用いている団体が多く、昭和期ではヒールのチャンピオンが試合で劣勢になった際、このルールを利用してあえて反則行為を犯して敗北しベルトを死守する、といった光景が多く見られた。
これによって挑戦者である大物レスラーは「試合に負けて勝負に勝った」ことになり、相手のブランドに傷を付けずにベルトを守るという、一種のWin-Winの構図ができあがっていたとされている。
現在のプロレスでは90年代後半の“NWOジャパン”の流行以降に見られるようになった例として、団体内でしのぎを削る“ユニット”間での激しい抗争中などでは、大舞台での完全決着に向けてボルテージを高める狙いで、通常の興行内ではあえて不透明決着を徹底させるといったケースも存在する。
このように、ルールや勝敗の結果すらもストーリーの流れの中に飲み込み、観客と共に大きなうねりを作り出していくのがプロレスの醍醐味のひとつとも言えよう。
試合形式
基本的には1対1で上記のルールを元に行われるシングルマッチを中心に行われるが、他にも
●タッグマッチ…複数対複数での試合形式。団体戦みたいなもので、同ユニット内の選手同士の絆やチームワークを示す試合とも言え、数多くの名タッグが生まれたのも事実。
「基本的に」リング内で戦えるのは一人のみでその他の選手はリングサイドにて待機。
各サイドのポールに結ばれたロープを握った状態でタッチをすることで試合権が移って交代する。
ピンフォールを奪えるのは試合権を持つ選手だけであり、試合権の無い選手がフォールをしてもされても無効となる。
なお「タッグ」と言うと2対2のイメージが強いが、プロレスでは3対3でも10対10でも全部タッグマッチと称される。
単に「タッグマッチ」と呼ぶ場合は2対2を指すことが多いが、それ以上だと全選手数で「6人タッグ」とか「20人タッグ」とか命名される。
あと
メキシコ系の団体の場合は「リング外に落ちればタッチ成立」となっているので、
「相手を落として追い打ちでリング外にダイブ→待機していた2人がリングに入り攻防開始」というスピーディな展開もよくある話。
普通にタッチすることもあるのでこの辺はその場のノリ。
また、タッチしなくてもいい上に複数人同時にリングに上がってもいい「
トルネード」方式なんてのもあり、複数人による後述のバトルロイヤルのような乱戦模様となる。
…いろいろ書いてきたが、タッグマッチ一番のキモはマッスル・ドッキングやクロスボンバーみたいな合体技なのは本物のプロレスだって同じ。実際にはノリや流れに応じて2人ともリングに入っていいことにされるのがむしろ基本的な流れである。
●ハンディキャップマッチ…1対2や2対3など人数が等しくない試合形式。
少数側選手の実力を強調したり、体制側が反体制側選手への懲罰として行ったりする場合もある。
●トリプルスレットマッチ…1対1対1。いわゆる三つ巴の状態での試合。
最初に勝利条件を満たした者が勝利するのが基本だが、最後まで生き残った者が勝利というサドンデス形式で行われた例もある。
勿論2v2v2の6人タッグ3WAYや、1vs1vs1vs1(2人1組での方式もあり)の4WAY、それ以上の人数のもあって複雑な奴もあるが、最近では王座ベルトや、その王座への挑戦権をかけた戦いで、挑戦者が複数人いる場合にこのマッチ方式を取る事も珍しくない。
特に王座ベルトをかけた試合の場合は別にチャンピオンではない相手をピンフォールしても王座獲得という事もあるため、チャンピオンも挑戦者も互いにフォールを取るか取られまいか必死となる(フォールに入ったところで第三の選手となるチャンピオンが蹴り飛ばすなど)、目まぐるしい攻防が繰り広げられる事になる。
●デスマッチ…ハードコアとも言う過激な試合形式。
一例を挙げると、
凶器(刃物や鈍器など)の使用OK(公認凶器と呼ばれる)だったり、金網で覆ったリングの中で戦ったり、リングにガラス片や画鋲、時には“レゴブロック”をまき散らしたり、サソリなどを放ったり、傷口に塩やレモン汁などを塗りつけたり、電流だったり、爆破だったり……そういった過激な試合形式を一まとめにこう呼ぶ。
その凶器も一筋縄ではなく、単に「なんでもok」の時こそあるあるネタを選ぶ選手も多いが、例えば後述する飯伏幸太は「公認凶器だから問題ないはずだ」として
花火を自分とこの社長に向けたなど凶器自体が非常に特殊・それによる過激な攻撃が放たれるケースも珍しくない。
プロレスラーが血まみれになったり、怪我をするのも日常茶飯事で、好き嫌いの好みが分かれる試合形式だが、そんな非日常に魅入られるプロレスラーや、ファンも少なくない。
これを一般的に広めたのが
7度も引退して、復帰してきたご存じ大仁田厚氏であろう。
それまで凶器を用いての戦いは
邪道という意見も多かった中で大仁田は敢えてその声を受け止め自ら「邪道」という異名を背負って壮絶なデスマッチを展開。それまでデスマッチは受け入れて来なかった新日本プロレスなどの大手団体にも外敵として参戦し、有刺鉄線電流爆破マッチを行わせたりした。
その行動や壮絶な試合の姿勢も、次第に支持されていき今やデスマッチもプロレスのスタイルの一つとして認知されている。
●バトルロイヤル…3名以上で同時に戦って最後に生き残った選手の勝ち残り戦。
最初から参加選手全員がリングに上がる形式の他、一定時間ごとに選手が次々に入場してくる形式のものも存在する。
ルールも通常ルール以外に、トップロープを超えてリングから落下したら失格だったり、金網と併用してリング外に脱出すれば勝ち、勝った選手から退場していき最後に残った選手が負け…など様々なルール・形式がある。
この形式で一番有名なのがWWEの毎年恒例の年間イベントである「ロイヤルランブル」であろう。
時間差で入場してくる選手の入場順は伏せられており、大物やサプライズ枠の選手が登場した際には大歓声が上がる。この興奮は
ソシャゲのガチャなどで超レア物を引いた時と似ているかもしれない。
また、コフィ・キングストンが「トップロープを超えて落ちた際に両足がリングの下に着いたら失格」、というルールを逆手に「逆立ちする」、「リングサイドの選手やセコンドにしがみつく」、「実況席や観客席に待避する」、「床に物を置いてその上に片足を乗せる」など多彩な復帰劇を披露し続けたりと名物シーンも多い。
また多くの選手を抱えている他の大手の団体でも、規模の大きな大会でのダーク・マッチ(前座試合)や、ベルト王座への挑戦権をかけた試合としてバトルロイヤル戦が行われたりするケースもある。
全日本プロレスでは年始の最初の興行の恒例イベントとして「新春バトルロイヤル」を開催しており、メイン級のレスラー達が一同に集まり参加。勝者には賞金が貰えるものが行われている。
こうした正月などの季節がらみの華やかさとお祭り気分を盛り上げるのにバトルロイヤル戦はうってつけだと言えよう。
ちなみに映画『
バトル・ロワイアル』に登場する架空の法律「BR法」も、元はプロレスラー出身の国会議員の発案という設定である。
あっちの二次創作だと単なるデスゲームとして進める人が大半だからあまり知られてない気がするけど。
などなど……この他各団体に更に様々な試合形式があるので、興味のある方は調べてみて欲しい。
もちろん、これからも選手達のアイディア次第では新しいルールや試合形式のプロレスが行われる事もあるかもしれない。まさにプロレスのリングはプロレスの新たな表現を追求する実験場でもある。
漫画やアニメとかのバトルものの作品でも格闘で戦うものや、武器、超能力、ロボットなど様々であるように、無数に近いルール、試合形式があるからこそ、プロレスの世界は多様かつ、奥深い世界なのである。
リング
プロレスにて使用されるリングは約5.5m四方のマット(床板)の四隅に鉄製ポールを立て、それぞれをワイヤーや麻製のロープ3本で囲ったモノが世界標準となっている。
黎明期においては一回の興行でボクシングなども同時に催されていたが、それぞれが全く別の道を歩む過程で独自色を強めていった。
具体的には、ボクシングで用いられるリングロープは現在では4本になっているが、プロレスの場合タッグマッチ等でリングへの出入りやリングの隙間を用いた技が多いため、現代においても3本のままとなっている。
日本のリングロープはワイヤーをゴムで覆ったものが使われているため、勢いよく振られるなどした際に姿勢が悪いいと肋骨などを折ってしまう恐れもあるという。
“なんでロープに振ると素直に返ってくるのか”とツッコミを受けることもあるが、
会社の方針です実は“返ってくるのも技術”なのだ。
またマットに叩きつけられる技が多いことからある程度のクッション性が求められるため、リング裏にスプリングを配置し衝撃を吸収する構造になっている。
プロレスの進歩・波及に伴い各国・団体ごとに多種多様なリングを持つようになっていて、実は国際規格は無い。
例えば日本においては、男子選手が一辺が約6.0~6.4m、女子では一辺5.5mのモノが主に使用されていたり、かつて存在した米プロレス団体
WCWでは選手達の身体を大きく見せるために小さめのリングを用いたりするなど、リング1つとっても様々である。
中には「世界一硬い」と評されるWWEや、逆に柔らかすぎて殆どトランポリンのようなリングを使っているインディー団体のようなケースも。
多分一番柔らかいのは西口。
そのため、他団体に参戦した選手は
まずその団体のリングの違いに合わせていく必要性があるため、他団体のリングの上でも自分の戦法を繰り広げられる相当な技術も必要なのである。
また、リングの下には
凶器が隠されて仕込んでいたりする。
「
水曜日のダウンタウン」で「プロレスラー100人が選ぶ痛かった凶器ランキング」でも1位にランクインしたパイプ椅子、4位の長机とかは会場にも違和感なくあるものだが、チェーンとか有刺鉄線バットとか明らかに違和感あるだろってものがあったり。
まさに危険なものしか入っていない
四次元ポケット状態と言えよう。
選手
プロレスを行う選手の事を専ら『
プロレスラー』あるいは単に『レスラー』と呼ぶ。
例外的にWWEは他団体との差別化(と、WWEは自らの興行をレスリングで無いと認めている)のためか『スーパースター』と呼んでいるので、2011年に所属選手のCMパンクが『俺は世界最高の
レスラーだ』と自称した際はちょっとした騒動になったほど。
この他、
メキシコのルチャでは男性選手を『ルチャドール』、女性選手を『ルチャドーラ』と呼ぶ。
他のプロスポーツ選手同様、団体に雇用されている社員というよりは団体に所属している個人事業主に近い。
複数団体に所属する選手や、他団体に移籍しても同じリングネームを使い続ける人が多いのはこのため。
それもあってか末期
WCW所属の選手達のように、自分というブランドを守るために負けるブックを固辞する選手が出てくることも。
また団体数の増加によって、敢えて団体に所属せずフリーランスで活動する選手も存在しており、ここにも格のある大物選手や人気選手がいたりする。
プロレスの特性上、試合におけるリアクションや各々のキャラクター性に合わせた行動など、ある程度の演技力も求められる。
体格
外見的な特徴としては、大きな筋肉の上に脂肪の乗ったいわゆるガチムチ体型が多いことが挙げられる。
これは脂肪の鎧で衝撃を吸収し、身体を守るため。
例えばボクサーのように脂肪の無い身体だと投げ技によるダメージが骨や内臓に響いたり、身体中アザだらけになって必要以上に生々しくなってしまうからだ。
飯伏幸太などレスラーとしては比較的細身の選手もいるが、それでも一般人などに比べれば当然かなり分厚い身体をしている。
また、多少は公称よりも盛られていることがあるとはいえ、世代が進むごとにヘビー級でも小型化の流れが進行しており、ヘビーとJrの垣根が無くなってきているとも。
衣装
かつてはレスリングシューズとショートタイツ(海パンみたいなやつ)、女子はワンピース水着やレオタードといったシンプルなものばかりだったが、時代が進むにつれて衣装も様々な進化を遂げ、一口には語れない面白さがある。
全般的な特徴は、他の競技ほど厳密な規則が無いため自由度が高い事。
試合の進行に支障が無いなら仮面にツノが生えていようが、ヒラヒラがついていようがオールオッケー。
まずは人の個性を表すのは見た目から。各人自分のギミックに合わせ様々な衣装を纏っているので、見比べたり面白デザインに注目したりするのもまた楽しい。
ショートタイツ
いわゆるビキニ型のタイツ。最も古くから存在しており、プロレスラーと聞いて大抵思い浮かべるであろう衣装。
アントニオ猪木と言えば黒のショートタイツ、
ジャイアント馬場と言えば赤のショートタイツ、というイメージがある人も多いのでは?
現在でも様々なカラーリングや模様を施されながら、ベテランから若手まで幅広く使われている。
ロングタイツ
膝下や足首まで覆うタイプのタイツ。レギンス?
力道山が使用するなどその歴史は古い。
サポーターやシューズと一体化しているようなデザインもあるほか、単純に布面積が広いのでド派手な模様を入れやすい。
ショルダータイツ
アマレスで着用されるアレと同一。やはりというかアマレス出身者が着用するケースが多い。
その他巨漢レスラーが上半身を締めて身体への負担を軽減するために着用するケースもある。
肩紐が片側だけのものや、ロング丈のもの、WWEのビッグショーがほんの一時期着用したショートタイツ丈というか
スク水スタイルのものも存在する。
ショートスパッツ、ハーフタイツ
ボクサーパンツに近い形状の短いタイツ。総合格闘技やキックボクシングとかで主流のスタイルなので、使用者は総合出身者が多い。
トランクス
他のタイツに比べると裾が広く履き心地はゆったり。
こちらも総合出身者に着用者が多く、
ブロック・レスナーは総合格闘技転向前はショートタイツだったが、総合格闘技から復帰後はトランクスタイプを着用している。
全身タイツ
上下とも身体のほぼ全面を覆ってしまうタイプ。
いわゆるマスクマンがミステリアスさを演出するために用いるケースが多く、素顔の選手で全身タイツというのは珍しい。
単純に布面積が広く様々な模様を施す事ができるため、ド派手なコスチュームの選手が多い。
珍しい例として、WWEに在籍するMVPというレスラーは、全身に犯罪を示唆するような不道徳なタトゥーが彫られていて放送倫理的にOUTなため、下は半ズボン丈・上は長袖という『半全身タイツ』とでもいうべき風体である。
道着
空手や柔道で用いられるものと同一。やはりそれら武道の経験者が多く用いる。また、選手にどこか日本的、東洋風の雰囲気を出すためにも用いる事もある。
パンタロン
裾が広がったロング丈ズボン。膝や脛のサポーターを隠せるので
橋本真也やTAJIRIなど、蹴り技が得意な選手に着用者が多い。
また、袴に似た雰囲気になり、道着と同じくこちらも東洋風の雰囲気を出せるため前述のTAJIRI他、ザ・グレート・カブキや新崎人生など、東洋モチーフの選手にも着用者が多い。
マスク
顔を隠す為のマスク。頭部を全面覆い尽くす様な形が有名だが、ハヤブサのように頭部だけ空いているものや、口元だけ空いているものなど形は様々。
プロレスの試合に出る事を禁じられていたアマレス選手が試合に出る為に顔を隠したのが始まりとされ、以降も正体を隠すための覆面として用いられる事が多いが、中には初めから正体がバレバレなケースも。お前平田だろ!!
一部の例外的な覆面レスラーと、そもそも入場パフォーマンスのために素顔の選手が覆面で入ってくる場合を除けば、選手の名義はあくまで「マスクをつけた状態」が主にして素と見なされるのが大原則。そのため
故意に相手のマスクを剝がす・
わざとマスクを脱ぐのは実際のプロレスでも反則中の反則かつノーマナーと見なされるし、マスクマンは少なくとも客の前でマスクを脱ぐことは…「興行上
素顔の選手に戻る」ときのみである。
例として
獣神サンダー・ライガーは中の人が山田恵一であることを示唆…というか9割がた認める発言をすることは多いが、それでもカメラの前や会場でマスクを脱ぐことは絶対にない(TV番組の企画で「山田の状態で登場し、出演者に招待を当てさせるクイズ」として脱いだことはあるが、この時も視聴者からはわからないアングルで出演した)。しかもそういった発言をするようになったのは多分に選手としては引退したからという理由も無視できず、現役時に口にすることはあまりなかった。
逆に身元が隠れていると見なされれば割とマスクのデザインや選手としての扱いは自由で、マスクマンに変身した経緯そのものは明かしているBUSHIや「布を巻いただけ」に近いDOUKIのような場合も興行上は顔と身元の隠れた覆面レスラーとして扱われる。
なんなら完全に素顔だけどそのへんの扱いは覆面レスラーに準ずるグレート-O-カーンのようなケースまで存在する。
これの派生形としてフェイスペイント(ペイントレスラー)形式も存在する。例えば…というか事実上の始祖はザ・グレート・カブキとされ、彼の弟子としてのグレート・ムタで大きく盛り上がったと解説するのが一般的。
こちらは性質上「素顔があらわになる」ことが減る代わりに汗で流れてしまうリスクもあるほか、当然ある程度以上にペイントができる肌状態じゃないとできない。実際にムタも(中の人たる武藤としての)加齢期・引退直前はマスクに変更して出場することが増えていた。
カッコいいからあれでいいのだ。
その他の装飾品
上記の他、選手のキャラクターを立たせるために様々な装飾品が施される場合も多いが、多くの場合は入場後に取り払われる。
マントや帽子の類がそれに当たる。
中にはフルアーマーヨシヒコのように
バズーカやら
ピコハンやら満載でリングに上がったところ、全てレフェリーに引っぺがされた例もある。汚いさすがヨシヒコ汚い。
90年代前半まではタイツの柄を派手にする位のもので、上記までのテンプレが守られていたのだが、
蝶野正洋が悪役転向すると共にマルティナ夫人のデザインしたスタイリッシュなコスチュームを纏い人気を博したのに伴い、以降の世代のレスラー達も単純に“格好いい”と言えるコスチュームを纏うようになったという分析も。
プロレス用語
ブック/アングル/ギミック
どれもプロレス特有の用語で、それぞれ
ブック→「各試合毎の台本・脚本」
アングル→「抗争など長期間に渡る選手同士の絡みやストーリーライン全般」
ギミック→「キャラ設定」
を指す単語。
「ブック」は各試合毎の台本で、その存在は基本的に隠されているが団体・選手・ファンの間で「存在しているけど、していない事にしてある」のが実情。
いわゆる暗黙の了解というやつ。
その存在こそ今となっては公然の秘密となっているが、実際試合のどこからどこまでが台本なのかは明言されたためしが無く、90年代
WWEの裏側を追ったドキュメンタリー『ビヨンド・ザ・マット』では「アドリブ7:台本3」と言っていたが、他団体も同じとは限らない。
中には勝敗しか定められていないものから、会場内のギミックを使う都合上事細かに決められている場合もある
らしい。
実際問題団体によっては年間200試合近くやるので、毎度毎度演劇のようなガチガチの台本を作るのは無理がある。
また、レスラーによっても差があるようで、例えば
リック・フレアーは自伝やインタビューの中でランディ・サベージについて、最初から最後まで綿密に取り決めて稽古を求めてくる
から面倒くさいタイプと評している。
むしろ大半がアドリブなのに、そこに格闘技としての面白みを感じさせる事ができる、という点がプロレスの凄みとも言えるだろう。
アメリカでは昔からその存在が知られているため、割と荒唐無稽でむちゃくちゃなブックも多い一方、関係者らが長らくその存在を否定し続けていた日本では「真剣勝負」「れっきとした格闘技」として扱われてきた。
このため新日本プロレスの元レフェリーだったミスター高橋による暴露本によってブックの存在が明るみに出た時には「やらせ」「茶番」などの批判が噴出する事態となってしまった。
ブックの内容は試合展開が細かく示された物から勝ち負けのみしか決められていない物まで団体や興行、試合によって様々だが、・
「不測のアクシデントでもない限りこれを破る事はあり得ないし、あってはならない」という不文律が存在する。
しかしブック破り事件自体は古今東西で幾度となく起きているが、それらはあくまで試合中の事故やハプニングをフォローする為に選手やスタッフ個人の独断によって止む無く行われる事(非常に極端な例だと、試合開始直後に本当にドクターストップをかけないといけなくなるような事故が発生した場合など)が殆どな一方で、
モントリオール事件のように「会社側が、しかも一選手を陥れる為にブックを破った」という事件もある。
いろいろ言われるが、映画やドラマに脚本がある事"そのもの"を批判する者が(多分)いないのと一緒で、お前らの嫁がお前らに惚れないのと一緒なので、その辺を割り切って観られない人はそもそも向いてないかもしれない。
「アングル」は抗争や共闘、友情、恋愛、結婚、離婚などなど……選手・団体間のストーリーラインの事。
変身ヒーローに喩えるなら、ブックは変身してからの台本で、アングルはストーリー全体のドラマを指す。
『
ウルトラマン』で言うと「ウルトラマンが
バルタン星人と戦い、
スペシウム光線で撃破する」や「隊長の正体はジャグラスジャグラーだった!」がブックなら、「核開発で故郷を失った
バルタン星人が地球侵略を思い立つ」や「どう考えてもガイさんには無理なのでヘビクラとして潜入捜査をしていたに過ぎない」事がアングルだ。
つまりあの時は「一時的にヘビクラ隊長という名義の覆面レスラーになっていた」
基本的には
抗争開始
→各地を転戦しながら様々なストーリーを展開
→大きな大会で決着
→大会の決着を受けて新アングルスタートもしくはアングル継続
の繰り返しで進んでいく。時に勝ち抜けトーナメント戦や、ポイント制の総当たりリーグ戦も行われる事もあり、そこでの優勝者が王座に挑戦する、というアングルも起きる。
テレビ放送やネット配信、録画という概念が無かった時代はあまり重視されなかったが、WWEがケーブルテレビによる全国放送という大革命を起こしてからは、
NHK大河ドラマかと思うような大々的なストーリーを展開し、全米を席巻した。
「ギミック」は、前述の通りレスラーそれぞれのキャラ設定のこと。
楽しいアニメや、お笑い芸人にも個性的なキャラが多いように、プロレスもまたレスラーの魅力が興行の成功を左右する。
キャラ付けの仕方は様々で、国内では特に
獣神サンダーライガーが分かりやすい例だが、そこまで露骨なキャラ設定でなくとも、単純に総合格闘技や、キックボクシング・空手とかの
打撃格闘技系出身→打撃技多め、アマレス・柔道出身→投げ技・関節技の名手のような経歴からキャラが決まる場合や、テキサス出身→カウボーイスタイルのような出身からキャラ付けされる事も多い。
先程のウルトラマンとバルタン星人の例で言うなら、「光の国からやってきた正義の超人」とか「故郷が滅亡し、移住先を求めて地球にやってきた宇宙忍者」など各々の設定がギミックにあたる。
もちろん、お笑い芸人と同じく
そのギミック、キャラ付けが客ウケが悪いならキャラ変、ギミックを変える必要もある。
あの
ロック様も当初は
品行方正なトロピカル衣装を着る好青年キャラだったが、当然
ダサくて売れなかった。
今のNOAHで活躍中の小澤大嗣こと、OZAWAもヒールターンと共に
対戦相手の秘密を暴露する暴露系ヒールキャラになってから大ブレイクしている。
プロレスラーもやはりお笑い芸人と同様、『客ウケ』が大切なのだ。
ベビーフェイス/ヒール
要は「ヒーロー」と「ヴィラン」、「善玉」「悪玉」のこと。
1920年代のアメリカで、興行を盛り上げるため勧善懲悪的な試合を組み始めたことから生まれた概念で、分かりやすさ重視のアメリカンプロレスでは特に強調される。
ベビーフェイス
正義の味方として傍若無人なヒールをぶちのめす、みんなのヒーロー。単に「ベビー」とも。
団体の顔とも言えるレスラーが多く、元々はヒールだったが、ベビーフェイスを越える人気を得たためベビーフェイス化する事もある。
ヒールからベビーになる事を「フェイスターン」「ベビーターン」と呼ぶ。
ただ、人気があるからと言ってフェイスターンすれば良いという訳ではなく、ベビーになったことで個性が薄まってしまって人気が落ちる事も多いため、安易なフェイスターンは褒められない事が多い。
また、元々ベビーフェイスであっても没個性だったり、実力がまだ伴っていないのであれば逆に
客からブーイングが飛ばされるケースもあり、最近ではロス・インゴにヒールターン前の
内藤哲也や、互いにトップ団体に所属する新世代のベビーフェイスレスラーである海野翔太と清宮海斗などが挙げられる。
ロス・インゴ自体実は区分が難しいチームではあるのだが。
キャリアの全部または殆どをベビーフェイスとして過ごしたレスラーの事は「スーパーベビー」と呼ばれる。団体内での選手の世代も変わりゆく中で常に善玉、同じキャラで客に飽きられずキャリアを通す事は容易ではないのだ。
80年代までは典型的正義の味方といったキャラクターも多かったが、90年代以降はヒール系のキャラクターでありながらルールにも組織にも縛られないアウトローな
ダークヒーロー、
ストーン・コールド・スティーブ・オースチンや
ザ・ロックといったレスラーが人気を博し、彼らのフォロワーも多く誕生した。
日常はルールや組織の上下関係などの縛りだらけだからこそ、「自由奔放で上にもモノを言う」彼らにファン達は憧れたのだ。
逆に、あの手この手で悪事を働くヒールに比べ最終的にヒールを倒せばベビーフェイスとも言えるため、勝ちパターンさえ確立してしまえば、多少プロレスの技術が拙くともなれてしまう役割だとも言える。
この辺りは日本のアニメや特撮、時代劇辺りをイメージしてもらえばわかりやすいと思うが(特に昭和期の)敵は毎回個性的なキャラクターが登場し多種多様な作戦で悪事を働くが、ヒーロー側は
毎度同じ方法で成敗する。というのと同じアレである。
無論、ここに来るようなオタク諸兄には言うまでもないが、様式美とマンネリは紙一重。だが毎度同じような流れだからこそ
「いよっ!待ってました!」というカタルシスや、いかにその展開に持っていくかという緊張感も生まれるため、何も悪い意味だけではない。
ヒール
あの手この手で悪事を働いて観客のヘイトを集めるのがお仕事。
凶器攻撃や試合への介入、多人数でのリンチといった反則行為を平然と行い、相手選手だけでなく時には観客にも攻撃する(さすがに技は(某ゲイレスラーのリップロック以外)かけられないので、主に罵詈雑言(口撃)を浴びせるが、あまりの人気に「彼に襲われた」こそ会場での最大の思い出と見なされるタイガー・ジェット・シンのサーベル攻撃などないわけではない)など、その悪行は多岐にわたる。
中には
所属団体の社長も務めるレスラーにも仕打ちを加えたりする事もあり、
棚橋社長や高木三四郎社長なんかは割と悲惨な目にあったことが何回もある。会社の1番の上司である社長をボコボコに出来る仕事なんて世界中他には無い。羨ましい。
高木さんに関しては正直あれで選挙に出ようと思った当人にも問題があることにはなっているが
ここで再び昔ながらの勧善懲悪もので喩えよう。
作品にも依るだろうが、基本的には「悪党が悪さをする→正義の味方がそれを知る→悪事の最中に正義参上!→手に汗握る攻防の末、正義の味方が悪党を成敗!」というのがこの手の作品の基本形である。
即ち、悪があるからこそ正義があり、悪が強ければ強いほど、正義の強さが際立つという構造になっているという、まさに
“プロレス”という物語を盛り上げる“必要悪”なのである。
故にヒールには「あらゆる手段で観客のヘイトを集め、説得力のある攻撃でベビーを痛めつけつつ、これまた説得力のある受身とやられっぷりでベビーの強さを演出する」「時にはベビーを倒して今後の展開を不穏なものにする」という
非常に高度な技術とプロレスの優れたセンスが求められる。
このため比較的ヒールにはテクニシャンが多く、コアなファンや同業者から尊敬される人物や引退後に後進の育成に力を入れる人物が多い。
力道山のライバルでもあり反則の噛みつき攻撃を得意としていたフレッド・ブラッシーも引退後は数々の外国人ヒール系のレスラー達のマネージャーとしても活動しており、
スタン・ハンセンや
ハルク・ホーガンといったレスラー達にリング上で自分をどう魅力的に見せるべきか、ブラッシーのアドバイスを受けてトップスターへと導いたのである。
また、嫌われ者を演じて観客をヒートさせ、会場中から沸きあがる
ブーイングを一身に受けるという役回りだからなのか、ヒールには人格者が多いとも言われており、多くのヒールレスラーが椅子攻撃をする時に観客から奪うがその際「ちょっとお借りします」の一言があるという多数の証言や、新日本プロレスの高橋裕二郎はファンが自身のTシャツを着ていれば「
うれしい。ありがとうございます。」と感謝を述べ、
試合中に大きな地震が発生した時も「大丈夫!大丈夫!」と観客を落ち着かせたりというエピソードがある程。
警察から感謝状をもらったうえ、それで助けた相手のお礼を断る代わりに無償で招待したグレート-O-カーンのケースなど最たるものだろう。
当該の興行での行動が適切だったかはともかく。
当然、ギャップで余計にそう感じる部分もあるだろうが、そもそも台本や相手の特性、試合の流れに観客の反応その他諸々あらゆる情報から試合をコントロールする立場上、エゴが強すぎる人物には向かないのも事実である。
え?じゃあベビーは逆にエゴイストだらけなのかって?ノーコメントで。
こうした実情が知られるようになったこともあり、近年では芸能人(坂上忍・
クロちゃん・梅沢富美男等)のキャラや悪役全般を表す表現として、プロレスと無関係な場面でも使用されるようになった。
なお、時に一部の心無いファンがヒールレスラーに向けて
ゴミを投げつけたり中には
誹謗中傷などの法にも触れかねない犯罪行為を取ったりする者もいる。
確かに彼らのやる行いの中にも時に理不尽だと思う事や、不愉快な気分になるものもあり、彼らを恨む気持ちも分からなくも無い。
しかし、ヒールである彼らもまた、
悪役を演じる役者達と同じくプロレスに対して真摯な態度で向き合っている訳だし、前述の通り彼らもリングの外、
一般の社会では善人である。根からの悪人などいない。(もちろん、ヒールとしてのイメージを守るためになかなかそうしたプライベートとかの一面を晒さない人も多いのだが)
その気持ちを共感・理解したいなら絵本「
パパのしごとはわるものです」シリーズや、ドラマ「
極悪女王」を見るといい。
もちろん、そんな彼らも応援し、愛するファンも少なからずいる。だからこそ、ゴミを投げつけたり、誹謗中傷を行うのは
立派なマナー違反なので、その憎しみはブーイングだけに留めておく。それが正しいプロレスファンのあり方であり、ブーイングこそが彼らにとっての声援なのである。
もしブーイングで堪えられない程の
怒りを覚えて、それをコントロールできないであるなら、落ち着くまでプロレス観戦は控えた方がいい。
リング、プロレスの世界に於いての悪事は「プロレスのリングの上」で決着を付ける。
その時こそ、憎しみを
ヒールに挑むレスラー達が代わりに代弁して、必ず晴らしてくれる時もあるのだから。
ヒールの種類
ベビーと違ってヒールはいくつかの類型に分けることができる。
★外国人
世界中のプロレス団体で登場する定番ポジション。
日本のプロレスの基礎を築いた
力道山率いる日本プロレスにおいても、強大なアメリカ人レスラーを(表向きは、だがギミック上で国籍をアメリカ以外のところにしているレスラーも多かった。)日本人である
力道山がぶちのめして行く姿に観客は熱狂した。
その頃で特に有名なのが「
白覆面の魔王」
ザ・デストロイヤー氏。足4の字固めを武器に力道山ら日本人レスラー勢と激しい流血戦を繰り広げ、後に和田アキ子とバラエティー番組で共演しお茶の間の人気者となった。
その性質故にキャラ付けはそのときの世界情勢に左右されやすい。特に顕著なのが団体の運営上層部に保守系の共和党支持者が多い
WWEにおける外国人レスラーで
●イラン出身でアラブ系レスラーの先駆けとなったアイアン・シーク
●ソ連が嫌で亡命してきたのにソ連人役をやらされたユーゴスラビア人レスラー、ニコライ・ボルコフ
●みんな大好き。嫌味な英国紳士ウィリアム・リーガル師匠
●アメリカのアフガニスタン侵攻にフランスが反対したため結成されたフランス系カナダ人ユニット
ラ・レジスタンス
などなど……
極めつけにWWEに入団が決定したKENSO(鈴木健三)は「
ヒロヒト」のリングネームでデビューする予定だったというエピソードがある。かつての
大戦から根付く反日感情や、日米貿易摩擦によるジャパンバッシングが強かった時期もあってか日系ヒールレスラーも多いのも事実であり、「ヒロヒト」はやり過ぎだとして、大抵は外国人が思い浮かぶ
ステレオタイプで
名前とかに忍者・サムライ、あるいは顔に歌舞伎で見る隈取りが施されていたり、道着とかを着ているパターンが多い。
時には後述の外敵と組み合わせたパターンで、全日本プロレスで活躍していたテリーゴディとスティーブウイリアムスの殺人魚雷コンビがアメリカに参戦した際は日本マット界からの刺客、という事からか、
なぜか彼らに黒い道着を着て入場させた。
もちろん、1950〜70年代頃には
元ナチス・ドイツ出身というギミックを持つヒールレスラーも存在し、殺人博士の異名を持つロバート・ハンス・ヘルマンや、鉄の爪で知られるフリッツ・フォン・エリックなどが有名。彼らもまだ大戦の記憶が新しかった時代に於いて分かりやすいヒールとして活躍していたのである。
ただし近年はコンプライアンス的な観点からか、露骨な外国人ヒールは減少傾向にある。
また交通の発達やインターネットの普及により、外国・外国人が身近な存在となり、誰もが世界中のプロレス団体の試合を観戦したり各国のレスラーの情報を集めたりすることができるようになったため、「未知の外国人選手」というポジションが昔より確立しづらくなったのも影響しているだろう。
現在のプロレス界でこのケースに近く当てはまるものと言えば外国人を中心とした新日本プロレスのヒールユニットの「BULLET CLUB(現BC WAR DOGS)」が有名だろう。
しかし、考えの違いや仲間に対する不満などから、内部分裂・対立や追放も度々起きていたり、同じユニット内にいくつか方向性の異なるユニットが結成されていたりと複雑な状況となっている。
一方で知名度が高いからこそ移籍先では外国人ヒールに転身するケースも出てきており、例えばオカダ・カズチカはAEW移籍に伴い「ヒールやってみたら?」「いいですね!興味あったんですよ」のノリであっさりとそれまでの「素行は悪い(というギミック・アングル)だが間違いなくベビーフェイス」を放棄。Fuckサイン、手下、ついでに交流戦であっさり棚橋社長を手にかけるまたか。などあちらでは悪行の限りを尽くしている。
むしろ以前のオカダを知っているほうが楽しめるかもしれない。そういう意味では良いヒールではある
因みに、かつて三大タイトルと呼ばれたNWA、WWWF(-WWF-WWE)、AWAの“世界王者”も実はこのカテゴリーで、長期に渡ってベルトを保持した選手程に実はベビーの正統派以上にヒールの悪漢、曲者の率が高かったりする。
……というのも、かつての世界王者は現在のように一つの団体のトップでは済まずに同テリトリー或いは同盟内の各地ローカル(かつての日本もその一つ)の有力選手挑戦を世界中を移動しながら毎日のようにこなさなければならなかったからで、結果的に“地元のヒーロー”が挑戦する相手→“世界チャンピオンであっても地元にとっては悪役……の構図になることが多かった為。
このためにリック・フレアーあたりが代表格として語られるが、かつての世界王者は反則や不透明決着、引き分けを駆使して相手を引き立てつつも絶対にベルトを渡さない仕事を基本的に徹底していたのだ。
こうした流れはプロレス興行が興行と同時かそれ以上にTVの視聴率やPPV売上を重要視すると共に廃れていったが、フレアーは世界王者としての実績と実力を活かして、今度はヒールの立場ながら仲間と共にシングルからタッグのタイトルを独占してやりたいほうだいする新しいヒール像を生み出してみせた。
このときにフレアーが生み出したユニット“フォー・ホースメン”の方法論は後述の“N.W.O”以降のトップ選手による悪役チームも踏襲している所である。
★外敵
上は外国、こちらは団体。他団体から挑戦してくる選手が演じる役どころ。
日本においては往時の新日vs全日対抗戦や新日とUWFインターナショナルなどあったが、こちらは【団体対抗戦】となるためこの例には当てはまらない。
あくまでも「他団体に参戦」というのが前提であり、本来ならベビーフェイスであるが、他団体の方ではヒール側のユニットに所属してヒールとなっていたりするパターンもある。
このケースに近いもので有名な例としては、国際プロレス崩壊後、その残党を中心に結成されて新日本プロレスに参戦してきた
はぐれ国際軍団が有名で、メンバーにはいい人過ぎるが故に「
こんばんわ」と発言しファンの苦笑を誘ったラッシャー木村や、後に「気合いだー!」でお馴染みとなる浜口京子の父親、アニマル浜口がいた。
だが、当時の新日本のファン達から相当な嫌われっぷりであり、特にラッシャー木村は
一部の心の無いファンが彼の自宅に行って愛犬に向けて毎日石を投げたことにより、受け続けたストレスで愛犬が死んでしまった程で、抗争相手を務めていた
猪木自身が非常識なファンに注意を呼びかける自体までとなった。
ラッシャー木村氏は後に全日本プロレスにて
馬場と「ファミリー軍団」を組み、個性的なマイクパフォーマンスで支持されていくのだが、そんな彼にも相当なアンチによる過激なヘイト、誹謗中傷を受けていた悲しい時代があったと思うとヒールの大変さが伺える。
また、WWEの躍進以前のアメリカでは全米のプロレス団体がそれぞれテリトリーを持っており、その他のスポーツ同様地域密着的要素が強かったため、その傾向が強かった。
変則型としては「
ライバル団体から移籍してきた選手」というケースもある。
実際は正式に移籍してきているが、ストーリー上は他団体からの殴りこみという設定で登場し、その団体やファンの悪口を言うなどしてヘイトを稼ぐなどする。
近いケースとして有名なのが崩壊した
WJプロレスから古巣の新日本へと出戻りしてきた
佐々木健介と健介がいない間に奮闘していた中での出戻りに猛反発した
永田裕志の抗争だろう。
有名な
「いいんだね、殺っちゃって」という名言が飛びだし遺恨となり、2004年の1.4東京ドームで
両者が大流血するまでの凄惨な試合までに至った。
ただ、必ずしも「外敵=ヒール」
というわけではなく、外敵側の格が大きすぎると他団体に登場してもベビー扱いという場合もあり、特に複数の団体間の交流が当たり前となった現在に於いては珍しくなかったりする。
例:WWEの新人番組NXTにて歓迎された
獣神サンダーライガーや、アメリカ修行の際ヒールと思って入場したのに余りの大歓声に素でビビッていた
小橋健太など。
★エゴイスト
自分の実力や実績、容姿、出自などを鼻にかけて尊大に振舞うタイプ。要するに最初期中の最初期のテリーマンみたいなやつである。
歴史としてもかなり古く戦後すぐの頃活躍したゴージャス・ジョージなどは「田舎者を馬鹿にするド派手で厭味なシティボーイ」として、数多のレスラーに大きな影響を与えた。
分かりやすいキャラクター性ゆえか更に細分化できるほど種類が多く
●シティボーイ系…ゴージャス・ジョージ、
リック・フレアー
●
イケメン/
チャラ男系…
ショーン・マイケルズ、ジョン・モリソン
●成金系…ミリオンダラーマン(テッド・デビアス)、ジョン・ブラッドショー・レイフィールド
●実力/実績自慢系…
カート・アングル、
ザ・ロック、
オカダ・カズチカ
●出自自慢系…
トリプルH(没落
貴族キャラのポール=レヴェック時代)、
ランディ・オートンやアルベルト・デル・リオといった二世・三世レスラー
などなど。
★おバカ/へタレ
「コミカルヒール」とも呼ばれる観客を笑わせるポジションのヒール。
エゴイストヒールに近いが、その言動や行動が頓珍漢だったり子供っぽかったりするため笑いものにされ、尊大な態度を見せてはベビーにシバキ倒されさらに笑われる。時には同じヒールからまでも笑いものにされる。
といっても、笑いをとりつつ試合をコントロールする性質上、技術が伴わないと務まらない役回りでもあるため、高い技量を求められる難しいポジションでもある。
★狂人
「狂乱系」、「サイコヒール」とも言われる危険人物キャラ。
有名なのは往年のアブドーラ・ザ・ブッチャーや、そのブッチャーともタッグを組んだザ・シークやタイガー・ジェット・シンら、近年では生真面目な中堅レスラーから入場曲だけで悲鳴が上がるレベルにまで転身した
飯塚高史などが当てはまる。
反則行為や残虐な技を平然と行って
ヤバイ笑みを見せたり、逆に無表情を貫く事で非人間的な怖さを演出したりする。
後述のモンスター系とも相性が良く、大柄だったり筋肉質な人物が多い。
ベビーターンすると無個性になりがちだが、元々感情の無い殺人マシーンだったのに、他の選手との交流しているうちに人間性を獲得していったケインという例も実在する。
(なお、結局かなぐり捨てる模様)
★モンスター
飛びぬけて身長が高い巨人や200キロに届こうかという巨漢レスラー。名前に「ジャイアント」や「ビッグ」が付きやすい。
デカイ!コワイ!強い!という見た目からも分かりやすいシンプルさゆえ、観客の印象にも残りやすいのが売り。
その体格から来る身体的な負担が大きく短命なレスラーも多いが、モンスター系のレジェンドである
アンドレ・ザ・ジャイアントや、アメリカで
悪魔と恐れられていた
ジャイアント馬場のように長く活躍した人物もいる。
ごく一部を除いて動きが鈍重な選手が多く、ベビーフェイスのスピーディーな攻撃に翻弄されるという、まるで五条大橋での義経と弁慶の邂逅を思わせるような展開となる場合が多い。ジェフ・コブのように例外自体は出てきているが。
一方、その体格を生かした説得力抜群の戦法で一発KOという展開が多いからこそ、という側面もある。
性質上ヒールといい難いレスラーでもこのギミック自体は取り入れられるケースまで存在し、現役だと辻陽太などはある程度意識している節がある。
★怪奇系
オカルティックな力を駆使するファンタジックなポジション。上2つと属性を兼ねている場合も。
やれブードゥーがどうとか闇の力がどうとかいったギミックが盛りに盛られ、神出鬼没だったり攻撃が効かなかったりと人間離れした戦闘力を持つレスラーが多い。
……まあ言うまでもなく陳腐化しやすく、台本の存在が認められているアメリカでさえ長く活動した選手は少ない。
しかしながら
地獄の墓堀人おじさんのような例も存在するため、決して
ネタキャラ枠ではない。
★反逆者
団体のフロントやトップレスラーへ反旗を翻すアウトロー。
これを機にベビーがヒールターンしたり、ヒールユニットが分裂したりするストーリーが定番。
90年代前半までは上記までのテンプレ的な悪役パターンが守られており、ヒールはあくまでもヒールという扱いが殆どだったのだが、新日本プロレスにて蝶野がヒールターン→一匹狼のアウトローキャラを経て、曲者のヒロ斎藤と若手の注目株の
天山広吉を引き入れて“狼群団”を結成して独自の人気を得ているのを見て、WCWにてホーガンとエリック・ビショフの発案により外敵ポジの
ケビン・ナッシュ、
スコット・ホールを引き入形で“N.W.O”が誕生。
社会現象となる程の人気を得る中で悪役でも最も人気の高い選手、ユニットというのが定番化することになり、こうしたカッコいいヒールとして時に
スタイリッシュ系と呼ばれる事もあり、ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を立ち上げて大ブレイクした
内藤哲也や、相手選手の入場時の襲撃や過激な言動を取るものの、強い新日本プロレスへの愛を語ったりと
ヤンデレにも近い感じを持つゲイブ・キッドなど、現在のプロレス界に於いては珍しくないものとなった。
ゲイブは一応先述のBCWARDOGSメンバーなんだが…
因みに、このN.W.O”人気に対抗する形でWWFにて誕生したのが前述のストンコやロック様なのだが、彼等はベビーの立場でもヒールの立場でも“両方の属性を兼ねたスーパースター”であり、以降はこれが定番となっている。
塩/しょっぱい
「
しょっぱい試合ですみません!」
「つまらない」という意味で、つまらない試合を「
塩試合」と呼ぶこともある。
元は相撲用語で、弱い力士は土俵に撒いた
塩が身体に付く事から来ている。
前述のように、プロレスにおいては勝ち負けそのものよりも「盛り上がり」が重視されるため、必ずしも「しょっぱい=弱い」とは限らない。創作物かつ厳密にはプロレスではないが、強いか弱いかなら圧倒的に強かったにもかかわらず「ソルトマン」「それだけ経験豊富なのに塩試合しかできねーのかテメー」扱いを受けたジャスティスマン(『キン肉マン新章』)が好例。
この人は設定上ファイトスタイルを変えることができないため、最終的にあっさり戦線離脱するブックを書かれた
近年ではさらに転じて、素っ気ない対応を「塩対応」と呼ぶなど、格闘技以外の業界にも広まっている。
!?
ストロングスタイル/王道プロレス
ストロングスタイルとは「
カール・ゴッチのようなレスリング技術による攻防と
力道山のケンカスタイルの融合」とされ、猪木が設立した新日本プロレスに今でも受け継がれている。
黒いショートタイツに膝のサポーターやレガース無しの衣装はストロングスタイルの象徴とされていて、新日の新人選手(通称「
ヤングライオン」と呼ばれる)皆この格好からそのキャリアをスタートする。
王道プロレスは「リング内での精神的、肉体的な勝負や受けの美学に拘ったプロレスの試合形式、および試合に臨む態度そのもの(本家Wikiから転載)」と、やや観念的な部分が強い。
もう少し詳しく言うと「リングアウトや反則行為による決着の否定」「絞め技は痛め技で、決め技はド派手で危険な投げ技や打撃技」「とにかく技を受けて受けて受けきる忍耐力と肉体」といった信条を特徴とする。
全日本プロレスが標榜した「明るく、楽しく、激しいプロレス」というのも、「激しい技の応酬と明快な決着でお客さんを楽しませる」という、王道プロレスを端的に言い表したものであり、その究極系が90年代に
全日本プロレス四天王らが繰り広げた通称「
四天王プロレス」とされる。
なお、前者に関しては「小細工抜き」「力技」「強引」等の比喩表現として、プロレスファン以外の人も浸透している。
しかし、どちらとも「これが答えである」という明確なものがなく曖昧なものであり、さらに様々な団体が乱立し各々の団体のスタイルも多様化していき、提唱していた両者が既に亡くなってしまった現在に於いては
どの団体がストロングスタイル(王道プロレス)を引き継いで実践しているか、明確に示す事が難しい。
事実、2024年現在新日本プロレスの社長を務めている棚橋弘至氏も「
ストロングスタイルという言葉には苦しめられました」と発言し、棚橋氏が雑誌の企画で猪木と対談した時に「
ストロングスタイルとは何なのか?」と聞いたところ、
「ストロングスタイルっていうのは誰かが言い出したことでね。オレにはわからねえな」
と答えたという。
恐らく「
ストロングスタイルという言葉に縛られ過ぎるな」とも解釈できるだろうが、この辺はアニヲタ的に例えれば『
ガンダムシリーズ』で「
ニュータイプとは何か?」、「
ガンダムらしさって何?」という議論と似ているかもしれない。
バンプ
受身のこと。「bump」=「衝突」
プロレスでは技を受けた衝撃を和らげ身を守る所作のみならず、派手に受け切ることで技の威力を分かりやすく観客に伝えるムーブを内包しており、レスラーの基本にして最も重要なテクニックとされる。
高所からの転落や危険技の受け身などを指して「ハードバンプ」と呼び、受身に定評のある選手のそれは試合の見どころのひとつともなり、受け身がうまい=粘りがあるということで
何度も食らっても立ち上がる事からゾンビと称される事もある。
大技を何度も食らっても諦めず最後まで立ち上がるレスラー達の姿は、我々に諦めず立ち上がる勇気をくれる胸熱なシーンと言えよう。
ガチンコ
本来は試合中に台本を無視して他の格闘技のような真剣勝負を行う事を指す。通称、「喧嘩マッチ」とも。
「セメント」とも言われ、プロレス的な見せ技には向かず純粋に相手を痛めつけてしまうような技は「セメント技」と呼ばれる。
基本的にこの手の物は総合格闘技へ移行してしまっているので、プロレスで起こるときは「ガチンコ
風」というのが基本。
しかし、本当に起きてしまった場合は裁判沙汰や、信頼問題、最悪
選手の生命すら危ない事態になりうるレベルであり、その寸前にまで行ってしまった2001年の東京ドーム大会の
橋本真也vs
長州力で
藤波辰爾が
試合を急遽中止させた、通称「ドラゴンストップ」を掛けたのも頷ける。
「
我々は殺し合いをしているんじゃない!」
転じて、プロレスとは無関係な話題でも「真剣(勝負)」「本気」「マジ」といった意味で使われ、また「ガチで」と省略して使われることが多い。
英語では「シュート」と呼ばれ、逆に台本に徹することは「ワーク」。
ジョブ/ジョバー
簡単に言うと「台本に則って負け役を演じること」と言わば「やられ役」
しかしやられ役と侮る無かれ。
相手の良さを引き出しつつ観客を満足させるためには、非常に高い技術とプロレス脳が求められるため、勝ち星は少ないのにキャリアはベテランとは即ち、団体から全幅の信頼を置かれた真の職人とも言えるのだ。
分かりやすい例を挙げれば、碌な勝ち星も無くひたすら笑われ役をこなしながらも、スター選手ですら出入りの激しいWWEで14年間も現役を続けた
FUNAKI(船木勝一)、最弱であることを逆にアイデンティティとしていたドラゲーのこのまま市川(元・ストーカー市川)、その市川と東西の横綱と称された元K-DOJOのDJニラ、勝ち負けを超越して
劇場という言われ方をしていた元ノアの井上雅央などがいる。
ちなみに、前述で登場したにわのまこと氏の漫画「ターキージャンキー」の主人公、滝念五郎はかなりの実力者でありながらも「エンターテイメント」としてのプロレスを貫くためにあえて“ピエロ”、ジョバーを演じているという設定である。
ジュース
流血のこと。血糊を使うこともあれば、剃刀等で額などを傷つけるケースもある。
近年ではコンプライアンスが厳しくなってきたため、デスマッチ以外の試合では滅多に流血するような事態が起きづらくなってきたが、ザ・デストロイヤーや、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シンがいた頃の昔のプロレスでは流血する事は珍しく無く、前述の健介vs永田のケースを始めとする遺恨マッチでもこうした流血試合となるケースも多い。
ちなみに不慮の事故で流血した場合は「生ジュース」と呼ばれる。おいしそう。
●・(テン)● (※●には日付が入る)
プロレス界での日付の呼び方。
例としては新日本プロレスが1月4日に開催される年始のビッグイベントの東京ドーム大会を1.4(イッテンヨン)と呼ぶ。
前述の1995年に新日とUWFインターナショナルの対抗戦が行われた10月9日は10.9(ジュッテンキュウ)としても知られている。
これは1976年8月26日に開催された「プロレス夢のオールスター戦」がきっかけとされており、当時交流がなかった新日本と全日本、そして3つ目の団体として奮闘していた国際プロレスが日本武道館に集結する夢の大会の日付を知らしめるために、8.26(ハッテンニーロク)という呼び方が作られ、以降も様々な団体のビッグイベントの大会のプロモーションにこのような呼び方が使われている。
今日の日付とかを●・(テン)●と呼ぶ人はプロレス好きを示す合言葉でもあろう。
メジャー/インディー
音楽業界の用語としても使われるアレと同じ。
全国巡業をしたり両国国技館や東京ドームといった大きな会場で大会を開いたり出来る大きな団体を「メジャー団体」、特定の地域に根ざし、大会はもっぱら市営体育館のような場所で行う小さな団体を「インディー」と呼ぶ。
日本では一時期は新日・全日・ノアの3団体をメジャーと呼んでいたが、ドラゲーの成長やDDTのノア買収によってよくわからない状況になっている。
とりあえずは伝統でこの3団体がメジャー、ドラゲーとDDTと大日本辺りを「準メジャー」、他をインディという扱いにされている場合が多い。近年力をつけてきたGLEATはメジャーにもインディーにも属さない「ベンチャー」を称している。
特に規模の小さい団体は「どインディー」や「草の根インディー」と呼ばれる。
時には
東日本大震災のチャリティーイベントとして始まった「
ALL TOGETHER」などといった複数のメジャーとインディー団体が合同で大規模な興行を行う事もあり、普段は見られない各団体の選手による絡みが見られるなど、まさにプロレス界の
クロスオーバー物と言うべきだろう。
女子プロレス
名前の通り女性選手によるプロレス興業のこと。略して「女子プロ」とも呼ばれる。
歴史は古く、先述したオモシロじゃない起源説を別としてもアメリカでは1930年代末頃、日本では男子より早い1948年頃に始まったとされている。
初期から近年に至るまで、世界的には男子による試合の添え物程度の扱いを受けていた時期が長く、互いの下着を奪い合う「ガーターマッチ」のようなお色気路線のキャットファイトをさせられる事が多かった。
これは業界最大団体のWWEとて例外ではなく、お色気路線の試合で無くとも、女子の試合は興業の前半やビッグマッチとビッグマッチの間に差し込まれ、半ば観客の箸休めや休憩時間扱いされる事もよくあった。
一方、日本では
力道山が「プロレスはオンナにできるものではない」との圧力をかけて一時的に断絶するが、程なくして復活。
1955年に蔵前国技館で行われた「全日本女子プロレスリング王座決定トーナメント」の成功を契機に、70年代後半から90年代にかけて多数の女子プロレス団体が乱立し、お色気路線に頼らない本物のプロレスで隆盛を極めた。
その結果、未だキャットファイトの域を出ない他の地域をぶっちぎって、異常進化とも言える発展を遂げる事となる。
ビューティー・ペアやクラッシュギャルズのように、
試合前にはアイドルよろしく持ち歌を披露し、レコードデビューして大ヒットを記録した者もいる。
男子顔負けの危険技や苛烈な攻防は世界中のプロレスファンを唸らせ、今では「Joshipro」という単語を世界中のプヲタが口にするとまで言われている。
ちなみに、女子プロレスラーと聞くと神取忍やアジャ・コングのような容姿を想像する人も多いのではなかろうか?
ああいったタイプの選手がトップを張るのは日本くらいで、他の地域では見た目も美しい選手が1番人気になりがち。
現在では男子と同じく格闘技ブームによる低迷や全女といった全盛期を支えた各団体の消滅などのさまざまな要因から、かつての栄光からはほど遠い小さなシーンになってしまったが、逆に今ではWWEが女子選手の試合に力を入れ始め、強さと美しさを兼ね備えた女子選手による本物のプロレスで人気を博している。
かつては「ディーバ」と呼ばれ持て囃されてきた女性選手が、今では「見てくれだけのヘタクソ」のようなニュアンスで用いられるなど、隔世の感を感じずにはいられない。
また、日本でも2011年に団体を旗揚げした「スターダム」が新日本プロレスと同じブシロードグループ傘下に入ったため、各メディアへの露出や新日本プロレス側とのタイアップ・合同興行を行ったりと再びその人気を再燃させようとしている。
学生プロレス
大学のプロレスサークル・同好会によって行われるプロレス。
学園祭等で試合を行うなどするのが主な活動。部室に入り浸ってプロレス動画を観るだけでは活動とは言いません。
専門の教育や訓練を受けていない選手によって行われるため、一般のプロレスファンからは「技術が拙い」「身体ができあがっていない」「試合がつまらない」「お遊び」といった批判を受けやすく、露骨に見下すファンも多かった。
しかしながら
棚橋弘至や
真壁刀義のように、学生プロレス出身にも関わらずメジャー団体で人気を博したレスラーも増えてきており、以前に比べれば否定的な声は小さくなってきている。
彼らの他学生プロレス出身者として著名なのは、華麗な空中殺法と悲劇的なキャリアから伝説となったハヤブサ、「姐さん」ことMEN'sテイオーに「男色殺法」で知られる
男色ディーノなど。
プロレスラー以外ではレイザーラモンHG・RGの両名やユリオカ超特Q、TBSラジオのプロデューサー橋本吉史などがいる。
2000年代以降はただでさえ少子化で生徒数が減少しているところに、プロレス人気の低迷もあって大学単位での活動が難しく、地方単位で大学間交流を活発に行いなんとか活動しているのが現状のようだ。
ちなみに、学生プロレスラーのリングネームは実在のプロレスラーをもじったものや
下ネタが多い。
上記の人物達でいくと
【現在】 |
【学プロ時代】 |
【元ネタ】 |
ハヤブサ |
肥後ずいき |
熊本県に伝わる伝統的ディルドー |
MEN'Sテイオー |
テリー・ファック |
テリー・ファンク |
男色ディーノ |
男色ディーノ |
男爵ディーノ |
レイザーラモンRG |
チン先真性 |
新崎人生 |
※そもそも「レイザーラモン」自体、WWEのプロレスラー「スコット・ホール」の昔のリングネームから来ている。
……うん、そういうところだと思う。特にそのギミックのままプロ入りしたディーノ先生。
文脈
ブックやアングル、時には現実の出来事や背景までも巨視感的に捉えた物事の筋道。
個々の試合の出来以上にこれを重視するファンも多いが、ある程度の知識と情報処理能力が要る。
マーク/スマート
前者はプロレスを台本の存在しない真実の闘いとして楽しむファンを指し、後者は台本の存在を了解したうえで楽しむファンのこと。
どちらが正しいとか優れているとかでは無く、個々の楽しみ方の問題なので互いに尊重しよう。
『
ガンダム』を
ロボットものとして、あるいは人間ドラマとして、はたまたキャラクターコンテンツとして楽しむのか。
さぁどれが1番正しいでしょうか?なんて言おうものならどうなるか火を見るよりも明らかなはず、といえば伝わるだろうか。
ケーフェイ
プロレス興業を行うに当たり守らねばならないタブーや暗黙の了解。
例えばアニメの作品内やイベント、ライブ等で仲の良いやりとりをする
声優同士が実は仲が悪くて、裏では互いに罵りあっている。といった噂を聞いたらどう思うだろうか。
尊い展開も和気藹々としたやり取りも、全て空虚な嘘っぱちに見えてしまって素直に楽しめなくなる人が多いのでは無かろうか。
これを防ぐためにプロレスラーには、公私の隔てなくキャラクターを演じる事が求められる事が多く、ベビーフェイスの選手がスキャンダルを起こして人気が下がったり、役割を下されたりするようなケースも実在している。
もっとも、それをネタにヒールターンという最終手段が残されている分、いくらかマシとも言えるし、意外と近年のヒールではわざと素を明かしている人もいる。
本人SNSの半分以上が飼い犬のこたろうくんの話の石森太二レベルはさすがにまだまだ稀だが。巡業先のスイーツ情報ばっかり載せてるディック東郷とかいうレスラーもいる。
フィニッシュホールド/フィニッシャー
要は
必殺技。
コレを喰らったらおしまいだという説得力と、その選手だけのオリジナリティーが求められる。
ただ同じ技を別の名前で使っている選手も多いが、後述の理由にあるにせよ、それだけ目標としている先輩や名レスラーへのリスペクトや継承といったものも感じさせる。
また、かつてはある選手を象徴するフィッシュホールドであったが、時代が進むとフィッシュホールドでは無くなる事もよくある。
別々の選手が同じ技での違いを見比べてみたり、その技にどんなレスラーを彷彿とさせたかもまたプロレスファンの一つの楽しみだろう。
スタン・ハンセンの「ウエスタンラリアット」のような抜群の説得力を持った技もあれば、ザ・ロックの「ピープルズ・エルボー」のように、格闘技的には全く意味も威力も無い技もあるが、大事なのは「コレが
必殺技ですよ」という認識を観客に持たせる事である。
実際、ピープルズエルボー初披露からしばらくはファンや批評家は冷笑的に捉えていたが、彼がスターダムへと上り詰めるに従い「スポーツエンターテイメント界一シビれる技」へと昇華されていった。
一方で説得力重視の技も手放しに喜べない部分がある。
説得力があるとは即ち「普通に喰らったらマズい技」でもあり、技の高度化・高威力化が進むにつれて、まともに受け身も取れない技が横行、それによって選手生命どころか人としての命さえ縮めてしまった例も決して少なくない。
故に「見た目のインパクトは抜群だが、受け身が取り易い(怪我をさせにくい)技」とそれを実現する技術が求められ、そうでない技は受け手を選ぶという問題を抱えている。
それによって結果的に技の「格」が上がるという側面もあるが、それでも危険技には変わりなく、おいそれと繰り出せない状況に変わりは無く、なかなか全く新規の新しいオリジナルの技を生み出しにくい状況であると言えよう。
シグネイチャームーブ
試合中に繰り出されるその選手特有の動きや技。
フィニッシュにはならないが選手の個性を演出する重要な要素であり、ただの繋ぎ技や痛め技にとどまらない人気を持つ。
特に
ハルク・ホーガンはムーブが多彩であり、それをネタにしたアントーニオ本多が「
ラジオ体操第一」に合わせてホーガンのムーブを繰り出す「
ハルク・ホーガン体操第一」なんてものもある。
各国のプロレス事情
アメリカ
プロレスの本場らしく非常に盛んで、興行規模世界一のプロレス団体
WWEを筆頭に「インパクト・レスリング」「ROH」やデスマッチ団体「CZW」が有名。最近元WWEのレスラーを中心としたAEWが結成され勢力を伸ばしている。
アメリカンプロレスの特徴と言えば、分かりやすく派手な大技やパンチ・キックの応酬や、演出過剰なブックに荒唐無稽なギミックとアングル。
しかしこれはあくまでWWE台頭以降の特徴であり、それ以前は各州毎に団体が存在し互いの縄張りを守りながら、伝統的でストイックな興行をしていた。故・
ジャイアント馬場氏はその時代にアメリカ遠征を経験した事もあり、往年のアメリカンプロレスのスタイルを日本にも根付かせようと尽力した。
とは言え、世界最大のプロレス業界だけあって大会規模も演出も他の追随を許さず、ド派手な興行は単純に見ていて痛快であり、まさにエンターテイメント大国であるアメリカを象徴すると言っても過言ではないだろう。
《主な団体》
World
Wrestling
Enterteinment
アメリカ最大にして世界最大のプロレス団体。
ニューヨークをテリトリーにする一団体に過ぎなかったが、稀代の辣腕経営者ビンセント・ケネディ・マクマホンJrが祖父の代から続く団体を世界一の団体へと押し上げた。
莫大な資金を背景にしたド派手な興行や、やりすぎ感すら感じさせるドラマが売りではあるが、ビンスの娘婿
トリプルHが現場を任されて以降は、正統派な試合展開も増えている。
なお、世界でも非常に珍しくブックの存在を事実上公言している団体で、それ故か「Pro-Wrestling」という単語を使わず「Sports Entertainment」、「プロレスラー」ではなく「Super Star」など独自の用語を多用するのも特徴。
なお、他団体との交流に関してはかつて70〜80年代頃には新日本プロレスと業務提携をしていたりしていたが、近年は団体や選手のブランド価値を高めるためか、他団体との人的交流などはほとんど見られていなかった。
しかし、2024年頃のWWEの体制の変化以降は、他団体との交流も見られ始めており、日本ではプロレスリング・ノアに中邑真輔や、221cmの大巨人、オモスが参戦していたりなどする。
World
Championship
Wrestling /
Extreme
Championship
Wrestling
どちらもかつて存在し、現在ではWWEに吸収合併されたプロレス団体。
WCWは、かのCNN創設者にして億万長者のテッド・ターナーをオーナーに持つ金満団体で、その豊富な資金を湯水の如く使いまくり、一時WWEを破産寸前まで追い詰めたが、フロント全員プロレス素人というポンコツっぷりにより次第に凋落。最後は二束三文の金額でWWEに買収された。詳しくは項目で。
ECWはフィラデルフィアを拠点としたプロレス団体。名プロデューサー、ポール・ヘイマンの手腕により全米中の濃い目のオタクから絶大な支持を獲得し、上記2団体に次ぐ第3の団体として君臨した。が、やっぱりこちらも経営がポンコツで、WCWを買収する
ついでのようにWWEに買収された。
National
Wrestling
Alliance。かつてはアメリカのプロレス団体と言えばNWAとAWAとWWWFという時代があり、特にNWAは新日本プロレスや全日本プロレスなどの日本のプロレス団体も連盟に加盟していたため、オールドファンならば一度はその名を聞いた事があるだろう。
特に「鉄人」ルー・テーズや、「美獣」ハーリー・レイス、
猪木と「帝王コンビ」を組んだ「ニューヨークの帝王」ボブ・バックランドなど、日本のプロレス界でも活躍した名選手を多く輩出した。
前述のとおり、世界王者が加盟団体のある各テリトリーを回るスタイルでおなじみなのだが、WWF(WWWFから改称)の勢いに押されて衰退がはじまり、NWAベルトはWCWの持ち物になったりとよくわからないことになったりしていたが、結果として今は連盟ではなく小さなプロモート団体といったところ。
American
Wrestling
Association。バーン・ガニアが立ち上げた団体。かの
ハルク・ホーガンや
リック・フレアーなどのちの名レスラーはここで地盤を築いたと言っても過言ではない。全米随一の団体まであと一歩だったのだが、ホーガンがギャラの問題で離脱したのを契機に、ガニアのビジネスセンスの古さが露呈、選手の離脱が相次ぎ、1991年に活動が停止。現在、映像の権利はWWEが所有している。
WCW/ECW亡き後、アメリカ第2の団体に躍り出た団体。
全米統一を果たしたWWEから解雇されたり脱退した選手たち、旧
WCW/ECWの中でWWEに所属しなかった選手を中心として人気を博したが、オリジナルのスターが少なすぎたり色々あったりで、今ではだいぶ小さな団体となっている。
一時期「インパクト・レスリング」に名称変更・定着していたが、2024年に再びTNAに名を改めている。
All
Elite
Wrestling
創設は2019年5月という、世界的に見てもかなり若い団体。かつて新日本のトップに君臨していたケニー・オメガやROHを中心に活動していたヤング・バックスら中心になって行われたイベントが旗揚げきっかけの一つ。
往時のインパクト・レスリングのように元WWE所属のレスラーを中心に結成されたため、そちらからのファンが多い。旗揚げ早々コロナ禍真っ只中にあってしまうのだが、着実に力をつけていき、現在はROHを買収するなど名実ともに全米第2位の団体に成長している。
他団体とは滅多に交流しないWWEと違って他団体との交流には積極的で、特にケニー・オメガのかつての古巣でもある新日本やDDTなど、日本のプロレス団体との交流などが盛ん。特に女子プロでは里歩、志田光らが王者に輝いている他、新日本から
オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ、柴田勝頼がAEWへと移籍している。
Ring of Honor
アメリカインディー団体の雄。所属選手が後にWWEのトップに上りつめたり、日本の団体との交流が盛んだったりと何かと目立つ団体でもある。NOAHや新日本との親交があったことから分かるように、アメプロよりかは日本に近いスタイル。2018年ごろから経営が厳しくなっていき、2020年のコロナ禍以降は興行数が激減。その後はAEWの傘下団体になっている。
アメリカでは珍しいルチャ団体。
Conbat Zone Wrestling
アメリカのFMW、あるいは大日本プロレス。選手全員頭が大仁田厚みたいなデスマッチ団体。
「デスマッチ・ジーザス」の異名を持つネクロブッチャーを始めとしたイカレポンチの巣窟だが、今でも元気に血まみれになっているあたり、プロレス団体としての実力は本物。
「GAME CHANGER WRESTLING」
一言で表せば「アメリカ版FMW」のようなインディー団体であり、ハードコア・デスマッチ・ジュニアヘビー級などなんでもあり。日本では山下りな、伊藤麻希らがレギュラー参戦している。
このほか、MLW、West Coast Pro、DEFY、PRESTIGEなど各地に独自形成されたプロモーションが存在するため、一見ポッと出…と思われた選手がその地域の実力者なんてことも多い。
メキシコのプロレスは「ルチャリブレ(自由な戦い)」と呼ばれ、覆面レスラー達が派手な空中殺法を繰り広げるのが最大の特徴……と思われているが、本質は複雑な関節技(ジャベ)の応酬。
相手にしがみついてグルングルン回ったらいつの間にか変形の卍固めになっていた…という派手さと複雑さを兼ね備えた技もあるが、基本的には地味。
垂直落下系の技が禁止されているのもそれに拍車をかけている傾向。
他の特徴としては体重分けがやたらと細かい、マスクマンが多い、遺伝子的な物なのかむっちり体型が多い、家族そろってルチャドールなんかも特徴。
他の地域と比べても独自色が強く、レスラーの事を「ルチャドール(女性は「ルチャドーラ」)」、ベビーフェイスを「テクニコ(女性は「テクニカ」)」ヒールを「ルード(女性は「ルーダ」)」と呼ぶ、三番勝負が多い、タッグは6人や8人制が多い、他国のプロレスとは逆の動き(左側でかけるのが普通の技を右側でかけるなど)をする……など、非常に個性的なプロレスシーンとなっている。
覆面レスラー(いわゆるマスクマン)の覆面は神聖なものとされ、マスクを剥がされたら引退するというのが不文律となっているのも大きな特徴で、マスクを賭ける=引退をかけた試合は「マスカラ・コントラ・マスカラ」と呼ばれる。
引退まではせずともマスクを剥がされた時点で本名や出身地などが公表され、以後もマスクをつけての試合は認められないなど、大きなペナルティを受けることとなる。
このため、マスクを賭けた試合は深い遺恨への決着試合として用いられ、その他のビッグマッチを差し置いてメインマッチとなる事が多い。
それだけルチャのレスラー達は覆面を大事にしており、その象徴と言えるのが「白銀の聖者」等の異名でメキシコでは広く知られた伝説のルチャドール「エル・サント」で、人前では決して覆面を脱がずそれは死後、埋葬の際にまで覆面を着けたままと徹底したものであった。
この他にも互いの髪をかけた試合は「カベジェラ・コントラ・カベジェラ」と呼ばれ、それらのように何かを賭けて闘う試合をまとめて「コントラマッチ」と呼ぶ。
日本からは獣神サンダーライガーを始め
メキシコ修行に行くレスラーが多く、
メキシコ仕込の空中殺法やハイスピードな闘いで「ジャパニーズルチャ」と呼ばれる独自のスタイルを確立した。
《主な団体》
Consejo
Mundial de
Lucha
Libre
前身も含めれば1931年設立という、世界的に見てもトップクラスに古い団体。
2000年代末からは日本との交流も盛んで、日本人が王者に輝いたことが複数回あったり、提携関係を結んでいる新日本プロレスとは毎年2月頃にCMLL所属レスラーが新日本プロレス側に参戦するシリーズ「FANTASTICA MANIA」が開催されたりと知名度も増しており、特に「FANTASTICA MANIA」のシリーズ内では普段なら組まないであろう善玉のテクニコと悪玉のルードのレスラーが同じチームを組んで試合をする『
レレボス・インクレイブレス(信じられない試合)』マッチがたびたび組まれる事もあったり、普段はマスクマンではない新日本プロレス側の選手が別名義のマスクマンとして参戦したりと特別感ある内容となっている。
なお、新日本の内藤哲也がリーダーであるユニット、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」は元々CMLL内にあったユニット「ロス・インゴベルナブレス」を持ち込んだもので、かつての
WCWのユニット、NWOを元にしたNWOジャパンに同じものだと言えるが、現在本家「ロス・インゴ」は「「ロス・ヌエボス・インゴベルナブレス」」と「ラ・ファクシオン・インゴベルナブレ」に分裂解散状態となっている。
Asistencia Asesoría y Administración
元CMLLのブッカーだったアントニオ・ペーニャが1992年に設立した団体。
後にアメリカで大活躍するレイ・ミステリオやシコシスを擁し、CMLLを追い抜くほどの人気団体となった。
Universal
Wrestling
Association
メキシコでは専らLLI(Lucha Libre Internaciónal)と呼ばれている。
メキシコ屈指の団体だったが、1995年に所属選手の殆どがAAAに移籍するという大事件が起こった挙句、97年には団体代表が
誘拐されて、その身代金を支払うために常設会場を売り払うという前代未聞の大事件により消滅することとなった。
そのまま歴史の闇へ忘れ去られていく運命かと思われたが、なんと2018年に復活。しかも会長は
アントニオ猪木の右腕にして
WWE殿堂者・新間寿氏が就くという事で大きなニュースとなった。
その他にも小さな団体が中南米には点在しており、色物系団体ならバラエティ番組で見た人も多いのでは?
日本
前の2つと並ぶ三大プロレス名産地の1つ。
長らく「プロレスはれっきとした真剣勝負」という姿勢を貫いてきた経緯もあって、世界的に見ても競技性が強く、高い技術や硬派な試合展開などから評価が高い。
元々はアメリカからもたらされたプロレスを自己流にアレンジするその姿は、さすが変態国家・
魔改造国家としての面目躍如といったところ(?)。
60年代から「英雄」
力道山、その門下の
BA砲などによるプロレスが盛んで、その両者が立ち上げた団体によるテレビ中継はゴールデンタイムの時間枠で放送され
プロ野球に並ぶ視聴率を獲得。
まさに国民的スポーツと言えるくらいに評価が高かった。
しかし、1990年代以降は新団体の乱立や、中継番組の減少あるいは深夜降格、総合格闘技の台頭などで人気が低迷。
しかし、その後WWEに影響されたハッスルの台頭、新団体の更なる設立や女性ファンの獲得、試合映像のインターネット配信やSNSなどのプロモーションなどで一定の巻き返しを図り現在に至る。
選手面では90年代初頭にメジャーからインディー各団体のジュニアヘビー(いわゆる軽量級選手)によるハイスピードでテクニカルな技の応酬や、
闘魂三銃士・
全日本プロレス四天王による過激でハイレベルな試合展開は世界中のファンを魅了し、数え切れないレスラーに影響を与えた。
それゆえインターネットが普及する以前から世界中のマニアや業界人の間で人気が高く、海外へ遠征に行った日本人レスラーが海外での自身の知名度に驚いたり、それどころか遠征に行ってないレスラーすら知られていたりとその手のエピソードは枚挙に暇が無い。
また、だれが言い出したか日本帰りのレスラーは出世する、なんてジンクスもある。
この他、「延髄切り」や「フジワラアームバー」といった技名や、「道場」という言葉もそのままの意味で普及しており、WWEなどで活躍した解説者タズのようなプロレスオタクな人物が実況をすると
「エンズイギィリィ!」「ミッチノックドゥラァァイバァァ!!(みちのくドライバー)」)といったワードが飛び出す。
どこか
マッポーめいたアトモスフィアを感じるのはきっと気のせい!アバーッ!
他の特徴としては日本プロレスの立役者となった
力道山が相撲出身だったため、日本のプロレス用語には相撲用語が多い事や、他国では添え物扱いだった女子プロレスが男子と遜色ない試合をする事も挙げられる。
ちなみに2023年末に
日本プロレスリング連盟という日本国内のプロレス団体が加盟する業界団体が設立されている。
これまでも
日本プロレス協会や
グローバル・レスリング連盟といった業界団体は存在していたものの、前者は「日本プロレス」崩壊、後者は会長だった
三沢光晴氏の死去により活動は終了してしまっていたが、2020年に新型コロナウィルス対策による興行自粛を受けて各団体が政府に休業補償などの要望書を提出した事や、当時衆議院議員だった
馳浩氏がコミッション設立を要請したことをきっかけに設立した。
設立当初、事務局を設置する新日本プロレスを始めとする9団体6企業が加入しスタートするが、結成以降も加盟団体を広く受け入れるとともに、多様なプロレス文化形成を目指しており、各団体間の交流がさらに活発化する事は間違いないだろう。
《主な団体》
略称はNJPW、新日。
日本初のプロレス団体「日本プロレス」を追い出された
アントニオ猪木によって結成され、現在では日本一の団体となった日本プロレス界の盟主。
設立の経緯から民放キー局の
テレビ朝日が主要株主となっており、同団体の試合を中継する「ワールドプロレスリング」は放送開始50年を超す長寿番組で、同じテレビ朝日系の長寿番組で言えば
あの「徹子の部屋」よりも古い。
幾多の時間帯変更で現在は深夜30分枠に移った(もっと言えば現在メイン格扱いなのはBSのゴールデンタイム1時間枠で放映の「同・リターンズ」)ものの、今なお地上波で唯一放送されるプロレス番組として親しまれている。
ライバル団体の全日本プロレスと切磋琢磨しながら80年代~90年代に隆盛を極めたが、折からの総合格闘技ブームや元レフェリーのミスター高橋による暴露本による逆風のせいで一時は苦境に立たされた。その後みんな大好きブシロードが筆頭株主となって以降徐々に人気を取り戻していった。
冬の時代を支えたエース・
棚橋弘至、スイーツ大好き・
真壁刀義、アニヲタ的には声優の
三森すずこ氏との婚約が話題となったレインメーカー・
オカダ・カズチカ、女児誘拐を未然に防いだとして一躍時の人になったドミネーター・
グレート-O-カーンなど。
プロレスファンでなくてもバラエティ番組などで一度はその名を耳にした事があるであろう選手の多くが名を連ねており、またアメリカにも新日本の現地法人「NJPW of America」とロサンゼルス道場が設立されており外国人選手層も厚くなってきている。
略称はAJPW、全日。
内部のゴタゴタから日本プロレスを脱退した故・
ジャイアント馬場によって設立された。
馬場氏が持つコネクションを生かして海外のスター選手を次々招聘。「
明るく、楽しく、そして激しく」を標榜した興行で新日本との熾烈な争いを繰り広げていく。
90年代になると
全日本プロレス四天王を中心とした苛烈な試合展開で人気を博すが、
2000年代にプロレス人気の凋落と内部のゴタゴタもあって、徐々に新日には水をあけられていく。
現在では新日と随分差がついてしまったが、階級のボーダーレス化が進むプロレス界では珍しい大型選手が多数在籍し、エースの宮原健斗や出身地であるミヤギテレビの「OH!#バンデス」でグルメリポーターを務め人気が急上昇した斉藤ブラザーズをはじめ、ジェイク・リー、青柳優馬、ライジングHAYATO、安齊勇馬ら新世代の台頭もあり今でも日本第2位の団体として活動している。
略称はノア。
「ノアだけはガチ」でおなじみのプロレス団体。
元
全日本プロレス四天王三沢光晴が設立し、全日本由来のハードな試合でファンの支持を獲得。
硬派なスタンスから「他団体は台本ありきだが、ノアだけは違う」といったファンを生み出していったが、
かえってそれが排他的な雰囲気を醸成してしまい、そこに主要選手の高齢化や脱退、試合内容のマンネリ化、
更に三沢が試合中の事故で亡くなってしまう事件がトドメとなって、その勢いは完全に削がれてしまった……。
その後は
小橋健太の引退、会社に不満をもった
秋山準らの全日本移籍、黒い交際、鈴木軍の侵略など様々な逆境に苛まれるも、新体制発足後は清宮海斗、拳王らの台頭とSNSを活用した積極的広報活動により徐々に勢いを取り戻しはじめ、コロナ禍には無観客興行を開催。ドローンを用いた撮影や金網マッチなどが話題に。
現在はサイバーエージェント傘下のサイバーファイトの1ブランドで、DDTとは実質兄弟団体となっている(ただしDDTとは基本的にCF集合のお祭りイベント以外では交流は薄い方向)。
2001年に新日本プロレスを退団した
橋本真也が『ZERO-ONE』として設立した団体。ノアや全日本プロレスなど他のメジャー団体とも積極的な交流戦を行い、橋本と因縁浅からぬ
小川直也とのタッグ『OH』砲の登場。2004年には総合格闘技
PRIDEを運営するドリームステージエンターテイメントと協力し
ハッスルを立ち上げプロレスの認知度向上に貢献した。
しかし様々な要因が重なり一度解散。翌年には橋本と一部のスタッフを除いたメンバーで再出発。ZERO1-MAXに名称を変更し、ZERO-ONENo.2だった
大谷晋二郎が代表に就任した(しかし橋本と不仲ではなく同年7月に橋本が病で40歳の生涯を終えた際には心から死を悼み、ファンとの合同葬にも参列した)その後2009年に現在の名称に変更。
大谷のプロレスに対する熱い想いと人情に厚い人柄がふんだんに盛り込まれ、全国各地を回ってプロレスを通していじめ撲滅を訴えるチャリティー活動などにも積極的に行い、
アメトークでその模様が取り上げられた事もある。
2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大により興行が打ちにくくなったことや旗揚げ20年興行メインイベントにおいて、長年団体を引っ張ってきた大谷が試合中のアクシデントで頚髄を損傷しリハビリ生活を余儀なくされた事もあって、メジャー3団体に比べ大きく水を開けられてしまってはいるものの、亡き橋本の座右の銘でもある『破壊なくして創造なし!』の精神と現役復帰を目指し怪我に立ち向かう大谷の熱い心はファンや団体を問わずレスラー達の指針となっている。現在は経営の悪化からか栃木を拠点とする「栃木プロレス」、田中将斗らベテラン選手を中心とした「REAL ZERO1」に事実上分裂している。
日本最大のデスマッチ団体で、定番の有刺鉄線だけでなく、
画鋲・ガラス・サボテン・サソリ・ワニまで用いるという独創的な興行で人気を博した。
一番の売りは蛍光灯でオブジェを作って壮大に破壊する「蛍光灯デスマッチ」。
しかし、LEDライトが主流化、さらに蛍光灯は環境的な理由による事情で
2027年末に製造禁止となるため「蛍光灯デスマッチ」は存続の危機となっておいる。そこで大日本プロレスではファンに対して
使用済みの蛍光灯の提供を呼びかけている。もし使用済みの蛍光灯があるという人は、少しでもこの形式の試合を長く見たいならぜひ送ってほしい。
こうして書くとイロモノに見えるが、試合そのものは硬派。
また凶器抜きで真面目なプロレスを行う「ストロングBJW」という部門もあり、関本大介,岡林裕二らはメジャー団体でも活躍。デスマッチと正統派プロレスの2つの路線を看板にしている。
ちなみに、猪木と馬場と同じ元「日本プロレス」出身で創設者のグレート小鹿は80を超えてなお現役。最近でも
有刺鉄線電流爆破デスマッチに出場したりと元気である。
大日本プロレスと双璧をなすデスマッチ団体。
元々は金村キンタロー率いるアパッチプロレス軍として活動していたが、金村が大日本で起こした強制わいせつ騒動の余波で解散→残ったメンバーの内、佐々木貴らが中心となって再編成された経緯を持つ
所属選手の葛西純は、デスマッチのカリスマの異名を持つ。
日本初のローカル団体として、
岩手県盛岡市にて設立されたプロレス団体。
ジャパニーズ・ルチャの第一人者ザ・グレート・サスケが設立した団体だけあって、日本を代表するルチャ系団体でもある。
一時拠点を
宮城県仙台市に移していたが、現在は再び盛岡に拠点を戻している。知名度に反してちゃんと地元に根付いた活動を行っている。
年末に後楽園ホールで開催される
何が起きてるかはわかるが何をしているかはわからない『
宇宙大戦争』はカオスの一言。
前述のみちのくプロレスを退団したジャパニーズ・ルチャの顔役スペル・デルフィンが
大阪府にて設立した団体。
設立者が設立者だけにルチャ要素の強いスピーディーな展開と、大阪らしさを前面に打ち出したコミカルな試合で老若男女に親しまれた。
常設会場が閉鎖されたため一時は存続を危ぶまれたが、その後は巡業形式からプロレスプロモーションという形で活動を再開。
2022年にかつての所属選手の一人で元三冠ヘビー級王者の
ゼウスに経営権を譲られる形で団体として再興。タイガースマスク)やブラックバファローらありし日の大阪プロレスで活動していたメンバーも集まり新たな船出をスタートさせた。
選手名でお察しのように関西ネタを強く組み込んだマスク(=ギミック)やリングネームを使用する選手が非常に多いのも特徴。この路線だと他にもタコヤキーダー、ビリーケン・キッド、えべっさんなどが在籍する。
略称はDG、ドラゲー。
ジャパニーズ・ルチャの象徴ウルティモ・ドラゴンが設立したプロレスラー育成学校「闘龍門」を前身として、
兵庫県神戸市に設立された団体。
所属選手の多くが身長160~170cm/体重70~80kg台と他団体に比しても小柄な事や、アメリカンプロレスのようにギミックやマイクパフォーマンスを重視する姿勢など独自色が強い。
イケメン選手の在籍、軽量級選手による華麗な空中殺法や目まぐるしいユニット抗争などから、根強い人気を誇る。
DDTはプロレス技の
DDTにかけて「Dramatic Dream Team」と略となっている。
「文化系プロレス」「小さなWWE」と呼ばれるエンタメ第一の興行スタイルで「西の大阪、東のDDT」と言われたり言われなかったり。
リングを飛び出しての「路上プロレス」「キャンプ場プロレス」、試合中・試合後関係なく王座への挑戦が認められる「いつでもどこでも挑戦権」
脚立がベルトを巻いたこともあるどころか
アイアンマンヘビーメタル級王座のベルト自身ががベルトを巻いた事があるどこでも王座戦「アイアンマンヘビーメタル級王座」、
演劇的な要素を多く含んだ「マッスル」
……などなど変わった試合・興行が多い。先述のようにどこでも王座戦ルールに関しては現状基本的に最初にやったWWEのルールよりもここのアイアンマン王座戦のルールを踏襲するケースが基本、屋外プロレスや「DDT EXTREME王座」における選手による特殊ルール持ち寄り制度のネタとしての定着など、他団体への影響も強い。
所属選手もゲイレスラーの
男色ディーノ率いるフェロモンズや煽りPVならぬ「煽りパワーポイント」で有名な
マッスル坂井スーパーササダンゴマシン、創作昔話ごんぎつねでお馴染み、俳優・渡辺哲の息子のアントーニオ本多、さらには
「ダッチワイフ(人形)」のヨシヒコや透明人間など、
ネタ要素が多すぎるきらいもあるが、新日の人気レスラーになった飯伏幸太やケニー・オメガ、後にAEWとの二団体所属になり2024年には新日本プロレスのG1 CLIMAXに初参戦した竹下幸之介など、選手の実力そのものは本物。
ともかく、因縁とか抗争とか他団体にありがちなギスギスした雰囲気もあまり無いので、気軽な気持ちで見れる明るさが魅力と言えよう。
ノアの所にも書いたが、現在はノアと兄弟ブランドとなっており、2021年以降はさいたまスーパーアリーナにてサイバーファイトに属する団体全てが参加する「CYBER FIGHT FESTIVAL」が恒例行事になりつつある。
従来のプロレスにおける「受けの美学」を否定し、打撃や関節技を中心とした派手さの無い「本物の格闘技」を追求したスタイルで玄人に人気を博し、一時代を築いた。ファンならば「UWFのテーマ」が印象的なはず。
佐山聡を中心とした第1次政権、
前田日明を中心とした第2次政権を経て多くの実力派レスラーを輩出したものの、他団体への挑発的な態度、経営面では常に苦境に立たされており内部のイザコザも絶えず、良くも悪くも話題性に事欠かない団体であった。
UWFそのものはいくつかの団体に分裂して消滅。その分裂した団体も現在は「パンクラス」を除いて全て消滅したものの、後述のスターダムに於いてUWFルールでの試合が行われたりなど、「Uの遺伝子」は現代における総合格闘技の時代を築く礎となり生き続けている。
リングスなどで活躍した田村潔司らが中心になって設立された新興団体。運営はリデットエンターテイメント。
独自のルールを設けた現代のUWF「LIDET UWF」、#STRONG_HEARTS、BULK ORCHESTRAなどのユニット抗争が中心の「G PROWRESTLING」、プロレスラーによる本格的総合格闘技「GLEAT MMA」と大会ごとに特色の違う3つのカラーを打ち出している。
設立当初から他団体との交流・対抗戦を積極的に行っており、旗揚げ戦には一切接点のなかった新日の
SHOが参戦して大きな話題になった。
筑前りょう太が設立した九州に根付いたローカル団体。だが侮るなかれ、この団体はれっきとしてNPO団体であり、ショッピングモールやお祭り、老人ホームなどで無料興行を行っていたりもする。NPOという基盤もあってか、小さなインディ団体としては珍しく、レスラーがプロレス1本で食えているらしいのでグッズを買って応援しよう。近年はTAJIRIが所属した影響で海外での知名度が高まりつつあり、2024年7月には前述の日本プロレスリング連盟にも加盟した。
プロレス…プロレス?
キャッチコピーが「お笑い格闘集団」なことから察せられるがプロレスという名前の茶番劇、またの名を漫才。
長州小力などがプロレスワザも一応仕掛けながら色々やっている団体です。
なおリアルプロレスラーとの絡みも少なくなく、西口の興行に
鈴木みのるや曙、高山善廣が参戦した他、元メンバーのハチミツ二郎(東京ダイナマイト)は大仁田厚と電流爆破デスマッチを行ったり、ばってん多摩川(現:ばってん×ぶらぶら)は後に九州プロレスに入団しリアルプロレスラーに転身した。
設立は2011年と歴史としては浅いが、WWEに移籍する事になる宝城カイリや紫雷イオらを輩出。
プロレスの一線を超えた暴行事件を発端として一時期他団体との関係が悪化・苦境に立たされたものの、2019年から新日本と同じブシロード傘下に入ると一気に人気が加熱。メディアへの露出も一気に増える事となり、近年では『行列の出来る相談所』(日本テレビ)の企画で番組レギュラーのフワちゃんをプロレスデビューさせたり、新日本との合同興行を行ったり、IWGP女子王座を設立させたり、なんとそれまで女子プロどころか、プロレスそのものさえ扱っていないであろう女児向けの雑誌である「ぷっちぐみ」にて漫画が連載したりと、現在女子プロレス人気を再燃化させる中心的存在として牽引している。
ただしジュリアの移籍に伴うトラブルなど良くも悪くもスキャンダラスな面は健在であり、2023年にはそれまでの露出過多を起因としたメチャクチャな巡業スタイルや選手の負傷欠場、PPVやSNSでの対応などへの批判が多く集まるようになり、牛久で行われた大会の時間変更トラブルを機に一気に爆発。それに伴い社長交代など、新体制に移行。
これまで慎重的だった他団体との交流も積極的に行うようになり、2024年3月には新日本プロレスと同様にAEWとの交流も開始されたりと新たな戦略を見せている。
スターダムに遅れること2013年にDDTの高木三四郎と元NEO女子プロレスの甲田哲也氏が中心となり設立された女子プロ団体。NOAH、DDTと同じく現在はサイバーファイト傘下の一ブランドである。
当初は中心になるはずだった選手が諸事情により旗揚げを待たずに退団。デビュー前の練習生によるマットプロレスやアイドルのライブを融合した小規模なイベントを行うなど、どん底からのスタートだったが、旗揚げ戦以降は生え抜き選手たちの成長と共にプロレス団体として頭角を表し、旗揚げ9年目の2022年には単独で両国国技館大会を成功させ、近年はアメリカでも単独興行を行い現地ファンを熱狂させた。
旗揚げ段階で有名な選手・経験者が皆無だったためか、それまでの女子プロで必要不可欠と言われた「情念」が薄く、ヒールユニットが存在しないなど団体内の抗争自体は比較的穏やかであり、マットプロレスをベースとしたレスリング重きを置いたファイトスタイルが主な特徴。また頭から落とすタイプの技も微少。
元所属の
ウナギ・サヤカ曰く「他の女子プロレス団体と東京女子プロレスは全く違うジャンル」と言われるほど異色の存在。
DDT系列らしいイロモノ的な一面も覗かせ、全体的にゆるふわで明るい雰囲気を持つ。芸能活動を兼任している選手が多く、モデル、役者、アイドル、元お笑い芸人、アイマスのキャラクターとバリエーションが様々。近年では現役アイドルのSKE48・荒井優希がデビューしたことでも注目を浴びた。そのため偏見の目や、大御所の女子レスラーから意見を出されることもあるが、エースの山下実優や伊藤麻希、坂崎ユカらは海外団体に招聘される程人気が高い。
一方で、「自主独立路線」として他団体との交流はほとんどなく事実上の鎖国体制を貫いている。しかし、最近では緩和の傾向にあり海外団体(AEW、EVEなど)から有望選手を招聘するなど交流に力を入れており、積極的に他団体との交流を行っているスターダムとの交流も機が熟した時には互いに交流の扉が開く可能性もあると両団体のトップが含みを持たせているので、将来的にあり得るかもしれないだろう。
みちのくプロレスと共に東北地方を代表する、宮城県仙台市を中心に活動している女子プロレス団体で、通称「仙女」の愛称でも知られる。
「女子プロレス界の横綱」の愛称で知られる里村明衣子が、みちのくプロレスの新崎人生からみちのくプロレス女子部門の立ち上げを要請した事がきっかけで、新崎が代表を辞任して里村が代表になった現在でも、地域密着型女子プロレス団体としてピンクリボン活動、エイズ撲滅運動、学校講演、イベントに積極的に取り組み地元密着で地域の活動に根付いている。
他団体からの移籍やフリーの選手を確保といった方法を取らず、選手を一から育てあげており、また所属選手同士の対戦は基本的に行わず他団体やフリーの選手と戦わせる方式を取っていたりと独自色が強い。
元々スターダムの創設者でもあった、ロッシー小川氏が2024年2月に「選手の引き抜き行為を行なっていた」としてスターダムを解雇されてしまった後、約2ヶ月後に旗揚げした女子プロレス団体。
スターダムを退団した林下詩美、ジュリア(後にWWEへと移籍した)、MIRAI、桜井まい改め桜井麻衣、弓月改めビクトリア弓月らや、全日本女子プロレスにも参戦したベテラン選手の高橋奈七永といったロッシー小川氏とも縁が深い人物がメンバーにつき、さらにActwres girl'Zからの退団が発表された元アドバイザーの風香、元所属選手の青野未来、澄川菜摘、松井珠紗、皇希、後藤智香、CHIAKIも加わった。
ちなみに団体の由来は、ロッシー小川がファンである、あいみょんの楽曲『マリーゴールド』に由来しており、「マリーゴールドはしばしば太陽の力強い強さと結びつき、人の内面に宿る力、強さ、光を表す」という意味が込められているそうだが、マリーゴールドの花言葉には「嫉妬」「絶望」「孤独」という意味もあるため、それを考えると意味深でもある……。
かつてのロッシー小川時代のスターダムと同じく、基本的に他団体との交流に慎重な「鎖国体制」を取っていたり、スターダムの前にロッシー小川が率いていたアルシオンでもとっていた選手・スタッフの背番号でのトレードマーク方式など、ロッシー小川氏が過去に行なっていたスタイルを受け継ぐようなものが多い。
かつて存在していた女子プロレス団体「GAEA JAPAN」を主戦場にしていた尾崎魔弓率いるヒールユニットが、「GAEA」消滅後に団体化したという珍しい経歴を持つ女子プロレス団体。
そのため正規軍自体が凶器攻撃、セコンドの介入も行うヒールユニットの「正危軍」となっている。
正危軍メンバーは普段はヒールで活動していないレスラーも所属しており、スターダム所属でベビーフェイス寄りのユニット「COSMIC ANGELS」のメンバーの安納サオリも、OZアカデミーでは黒いコスチュームを纏い、凶器のムチを振るう、ダーティーな姿を見せている。
2024年現在、メンバー同士の確執で安納含むメンバーが脱退、正危軍は尾崎1人という状況になってしまった。
今後の展開がどうなるか気になるところだ。
ちなみに団体所属レスラーは2024年現在、尾崎魔弓、加藤園子、AKIKOの3名しかおらず、参戦しているレスラーの大半はフリーランス、他団体所属。
元レスラーで正危軍専属のレフェリーのMIOこと、紫雷美央もアイスリボン所属(2024年末に退団予定)で、レスラーとしては引退しているが、アイスリボンの方でたまに復帰して試合していたりする。
カナダ
地理的な事情からアメリカの影響が強く、カナダ出身のレスラーは非常に多い。
名伯楽スチュ・ハートが設立したプロレス道場「ハート・ダンジョン」出身者のハイレベルなレスリング技術を持つレスラーたちが有名。
《主な団体》
Stampede Wrestling
戦後ニューヨークで活躍し、数多くの名選手を育てた名伯楽スチュ・ハートが設立したプロレス団体。
1984年にWWE(当時はWWF)に買収されて以降は復活したり消滅したりを繰り返しているが、その名前は世界中のプロレスファンの胸に刻み付けられている。
Atlantic
Grand
Prix
Wresting
知名度は低いが、現在の代表はかつての経営者の息子にして、WWEの名ヒール・ユニット「
ラ・レジスタンス」のメンバーレネ・デュプリ。
「キャッチ・アズ・キャン」という古くから伝わるレスリング技術を駆使したレスラーが多い。
プロレスというより通常のレスリング(アマレス)に近い。見た目は地味だが、人体構造の理にかなった痛め技が多く、玄人好みな攻防からファンも多い。
イギリス出身のレスラーで日本で有名なのは前述のウィリアム・リーガル師匠、怖いことでおなじみデイブ・フィンレー、延髄切りで1回転する安定感のあるテクニシャントニー・セント・クレア―、往年のプロレスファンを熱狂させたダイナマイト・キッドとデイビーボーイ・スミスによるタッグチーム「ブリティッシュ・ブルドッグス」、最近では高度な関節技テクで持つザック・セイバーJr.などがいる。
このほか、ドイツやスイスなどヨーロッパ各国にプロレス団体が存在し、一つ一つの団体は決して大きくないながらも、非常に盛んに行われている。
また、ウガンダにあるプロレス団体がSNSを中心に話題となり、ついにはGLEATの選手が武者修行に赴いている。
プロレス技
ここまで散々語ってきたように、プロレスとは「格闘技」であると同時に「エンターテイメント」である。
なので普通の格闘技と違って相手の攻撃を防ぎつつ、相手を確実にしとめる技でノックアウトするといったものではなく、とにかく見栄えが良くて相手にも観客にも分かりやすく、かつ安全な技が求められるのだ。
打撃技は相手の胸板や太股といった筋肉が集中する場所に当て、関節技も決して致命的な角度まではかけず、互いに身体の破壊では無く、あくまでも「ショー」に徹する事が求められる。
どんな相手でも一瞬に折ってみせる!
ハルク・ホーガンや
スタン・ハンセンが若手時代に看板選手を怪我させてしまったことで干されてしまったり、WWE等で活躍したカナダ人レスラー
ブレット・ハートが「相手に怪我をさせた事がないこと」を自身の誇りとしていた事からも、プロレスの特殊性がわかるだろう。
プロレス技の多くは、専門の訓練を受けたプロだからこそ耐えられる技、受け身一つで誇張でも何でもなく生死が別れる技が多いので、面白半分で技をかけたりかけられたりしていると冗談抜きで
死ぬ。
「受身の天才」と言われながら、普遍的な投げ技である「
バックドロップ」を受け損ない、リングでその命を散らした
三沢光晴の死を忘れてはならない。
そうした事もあってかWWEの中継番組では
「Don't try it!(真似するなよ!)」として、所属レスラーらの負傷のシーンが流れるCMを流していたりするほどである。
元がレスリングなのでレスリング由来の技も多いが、時代が進むにつれて世界中の様々な格闘技を吸収し、実質総合格闘技のようになっている。
ここに列挙するのは余りにも項目が冗長になってしまうため、詳しくは
プロレス技
のタグで検索していただきたい。
比喩としての「プロレス」
前述の通り、「台本を元に行われる真剣勝負」という特性から『ガチに見せかけたやらせ』というような場面で「○○○はプロレス」というような比喩に使われる事がある。
当人同士が仕掛けずとも、宣伝のために企業側やメディアがライバル関係があるように演出するケースもあるので、乗っかりすぎには要注意。
お父さんとお母さんがソレをしている事を「
プロレスごっこ」だと思っていたキッズの諸君、
トラウマに負けずに強く生きて欲しい。
ファン
近年ではプロレスファンの事を「
プヲタ」、特に女性ファンの事を婦女子に掛けて「
プ女子」と呼称する事が多い。
プロレスという特殊な格闘技のファン故か、他競技のファンに比べて
オタクっぽいイメージを持たれたやすく、特にプロレス人気が低迷した00年代以降はその傾向が強い。
代わりに台頭してきた総合格闘技ファンに押され「プロレスwww」と煽られ、女性からは白眼視され、うっかり飲み会で熱弁しようものなら「そういう人」というレッテルを貼られ…………
まるで昔のアニメオタクのような扱いを受ける人も少なくない。
しかしながら現在では、新日本プロレスが女性や子供を中心とした新規ファンを獲得した事で、いくらかその偏見は軽減されている。
ともかく、一度でも興味を示したら、ぜひとも会場に見に行く事をオススメしよう。(ネット配信とかでもプロレスは見られるが、やはり会場で生の迫力を味わって欲しい……)
入場曲
さて、プロレスと言えば忘れてはいけないのが選手の入場曲である。
日本においてではあるがビリー・グラハムというプロレスラーが入場時に曲を流す演出を行ったのが最初とされている。
その後にミル・マスカラスの入場に曲を流す演出を行って本格的に定着、以降は他のプロレスラーの入場時にも曲が使われるようになったとされている。
一言で入場曲と言ってもなんでこの曲なの?と思われそうなネタ枠から雰囲気もマッチしてるガチ枠と多様であり、
さらに言えば使われる曲も選手の為だけに作られた実質的なオリジナル、原曲をアレンジしたものなどバリエーション豊富である。
例えば、
アントニオ猪木の入場曲として有名な「炎のファイター」は元々はモハメド・アリのドキュメンタリー映画で使われた曲が基になっており、異種格闘技戦での健闘をアリに称えられてプレゼントされたのをアレンジしたのが始まりだったり、
今日では乱闘シーンのテーマとして有名な
スタン・ハンセンの入場曲「サンライズ」も、元々はスペクトラムというユニットの同名の曲が原曲であったりと、
曲が使われるようになったきっかけやチョイスされた理由等も選手ごとにバラバラなのだ。
そして曲や選手によっては曲のリズムに合わせて名前をコールする(例:
ジャンボ鶴田の入場曲Jのリズムに合わせて「鶴田、オー!」や
三沢光晴の入場曲スパルタンXのリズムに合わせて「みっさっわ!みっさっわ!」等)のも楽しみ方の一つで、ファンによっては入場曲込みでプロレスという人もいるようだ。
また、入場曲以外にもプロレスを象徴するテーマ曲や前述の「UWFのテーマ」のような各団体を象徴するテーマ曲も存在している。
有名なのを挙げれば日本テレビのスポーツ中継曲として知られる「スポーツ行進曲」(ジャイアント馬場の「王者の魂」以前の入場曲としても使っていた)や、元々1984年のロサンゼルスオリンピックのテーマソングだった「オリンピア」が全日本プロレスの年末の恒例のシリーズ「世界最強タッグ決定リーグ戦」のテーマ曲として知られており、「オリンピア」を耳にすると1年の終わりを感じるファンもいる程だとか。夏季のオリンピックの曲なのに……
…選手のテーマ曲、という意味では『行け!タイガーマスク』や『ズダダン!キン肉マン』、後者については現在使用されている『キン肉マン英雄』がこれらのアニメのファンからどういう立ち位置だと見なされているかを思い出してもらえばすぐに飲み込めるだろう。
プロレス中継での実況
プロレスを盛り上げる要素として忘れてはいけないのが「プロレス中継の実況」を挙げる人もいるではないだろうか。
いわばアニメや映画などで言えばナレーターと言えよう。
大抵他のスポーツ中継とかも担当していたりする人も多いが、プロレスの非日常的な世界観を視聴者に伝えるため、独特な表現をする人も多く、それも印象に残るものばかりである。
往年のファンにお馴染みなのが新日本プロレスの中継番組「ワールドプロレスリング」の実況を担当していた古舘伊知郎氏。
「掟破りの逆サソリ」「名勝負数え唄」「人間山脈」「風車の理論」「エリート・雑草逆転劇」などの独特な表現は「過激実況」と呼ばれ80年代の新日本プロレスの黄金期を支えた。
古舘降板後は辻よしなり氏が担当。こちらも多くの名文句を残し、
小島聡の「
コジマカッター」(後に「コジコジカッター」で現在も定着)、
越中詩郎を
「戦う白袴」「ド演歌ファイター」「ダイヤモンドより堅い尻」と称したりなど、全てを紹介しきれない位程だ。
また日本テレビの「全日本プロレス中継」での福澤朗氏の実況もまた印象的で、
「ジャストミート!!」は彼を代表する名物セリフとなった。
最近の方では、フリーランスで活躍し主にDRAGON GATE、プロレスリング・ノアを担当する市川勝也氏は、元々ロックバンド・SLIDEのボーカリストとして活動した経歴もあってか絶叫するような実況が特徴。
特に選手の裏切りなどの信じられないシーンが起きた際には「何ぁー故だぁぁ‼︎」「ウッソだろぉ⁉︎」などとオーバー気味にリアクションしており、「市川氏が実況担当の時にはもしかして何か波乱とかが起きるのかも?」と視聴者も期待せざるを得ない。
また同じくフリーランスのアナウンサーである村田晴郎氏も真面目かつ説得力あるトーンで実況するため、DDTプロレスリングや、みちのくプロレスでのシュールな内容の試合の際にはさらにそのシュールさを一層引き立たせている。
プロレスを題材にした作品
娯楽スポーツとしての歴史は深いことから作品数は多いものの、ブックやアングルといった「裏」まで描かれた作品は殆ど存在しない。
そのためプロレスを題材にした作品の殆どは、ド派手な総合格闘技的な作品になりがちなのが実情。
これはそういった裏があると明言している団体が事実上WWEしか無い事や、プロレスという「夢」を壊すまいとするクリエイター・ファン双方の想いが強い事による。
プロレスの真実を描けばプロレスファンから非難され、プロレスの夢だけを描けばリアリティは無くなる。もう、どないせいと……?
『キン肉マン』シリーズや『プラレス三四郎』が人気を得たのも、現実離れした
ファンタジー要素が強ければリアリティに拘る必要があまり無い、というのが理由の一つかも知れない。
プロレスそのものを題材としたもの
●ジャイアント台風(漫画)
●タイガーマスクシリーズ(漫画、アニメ)
●プロレススーパースター列伝(漫画)
●1・2の三四郎(漫画、映画)
●リッキー台風(漫画)
●プロレス・スターウォーズ(漫画)
●世界でいちばん強くなりたい!(漫画、アニメ)
●ロリクラ☆ほーるど!(漫画)
●アグネス仮面(漫画)←反則にも礼儀あり等、微妙に裏側も取り入れた珍しい作品。
●THE MOMOTAROH(漫画)
●ターキージャンキー(漫画)←前述のアグネス仮面同様、ブック、アングルをテーマにした珍しい作品。
●ウルティモ・スーパースター(漫画)
●Ladyリンクス(漫画)
●劇画 プロレス地獄変(漫画)
●
パパはわるものチャンピオン(絵本、映画、漫画)
●お父さんのバックドロップ(小説、映画)
●マッチメイク(推理小説)
●
レスラー(映画)
●ガチ☆ボーイ(映画)
●家出レスラー(映画)
●豆腐プロレス(TVドラマ)
●俺の家の話(TVドラマ)
●
極悪女王(ネット配信ドラマ)
●ここが噂のエル・パラシオ(漫画、ドラマ)
●
けものみち(漫画、アニメ)
●
ももプロZ(漫画)
●
ど~んとドラゴン・キッドくん(漫画)
●
レッスルエンジェルス(
ゲーム)
●
ロックアップ 我等あかつきプロレス団(漫画)
●ファイヤープロレスリングシリーズ(
ゲーム)
●エキサイティングプロレスシリーズ(
ゲーム)
●マッスルボマー(
ゲーム)
●ファイヤースープレックス(
ゲーム)
●最狂超プロレスファン烈伝(漫画)
プロレスを下敷きとしたバトル作品
プロレスが題材となる話がある別の題材の作品
プロレスに縁深いキャラクター
※なお、格闘ゲームにおけるプロレス使い設定のキャラはあまりに多すぎるので割愛
プロレスラーのキャラクター
プロレスラーそのものではないが、プロレスラーをモチーフとしたキャラクター
プロレスファンまたはプロレス技を使うキャラクター
この項目を追記すればどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。
踏み出せばその追記が道となり、その修正が道となる。
迷わずやれよ。やればわかるさ。
- 今まで記事なかったんだな。 -- 名無しさん (2022-01-04 20:30:27)
- WWEの夜中に放送している30分番組はプロレス観ていなくてもおもしろいから物語性が強いのだろうね。ブックがあるからといって、技自体は荒っぽいものが多いから選手の腕前は本物だろうし -- 名無しさん (2022-01-04 20:34:23)
- 個人的にはイギリスのプロレスに興味がわく -- 名無しさん (2022-01-04 20:35:28)
- アニメのウマ娘たちがプロレスに縁が深いってどういう意味? -- 名無しさん (2022-01-04 21:42:18)
- 一応、台本の全くない団体も存在してはいたという話がある(女子団体)。 国内でブック丸出しなのは西口プロレスだな(プヲタ芸人がやってる学生プロレス的なアレだし当然) -- 名無しさん (2022-01-04 22:51:46)
- 脚立でも取れるアイアンマンヘビーメタル級王座調べてみたらムチャクチャで死ぬほど笑った -- 名無しさん (2022-01-04 23:16:21)
- 散々「ブックに文句を言うな」と言ってるくせに、プロレスを題材にした作品の所で「もう、どないせいと……」とさも「リアリティがないのは駄目!」みたいな言動してるのは矛盾では? -- 名無しさん (2022-01-04 23:23:35)
- 正直あんま興味なかったが、ヨシヒコ知って以降は見る目変わったわ。 -- 名無しさん (2022-01-04 23:26:11)
- ↑5テイオーやダスカがトレーナーにプロレス技掛けてたからじゃない -- 名無しさん (2022-01-05 00:38:57)
- ホントこういう記事が何故なかったのか -- 名無しさん (2022-01-05 00:48:39)
- ↑そのうち空手とか他の格闘技の記事もできそう。 -- 名無しさん (2022-01-05 01:42:10)
- 問題は空手をここまでの熱量を持って書ける人がいるかどうかだ。 -- 名無しさん (2022-01-05 11:08:31)
- 別項目になるかもしれんが凶器についてもまとめてほしい。 -- 名無しさん (2022-01-05 11:21:56)
- 素晴らしい。フィーリングで楽しむ競技なんで下手に説明しようとするとあやふやになる部分をいい感じで割りきってよく纏められてると思う。 -- 名無しさん (2022-01-05 12:23:48)
- 作成者はアントニオ猪木のファンと見た -- 名無しさん (2022-01-05 13:50:42)
- TRPGに関するネットスラングで『口プロレス』というのもある。意味は(たぶん)「言いくるめて判定をうやむやにする -- 名無しさん (2022-01-05 23:05:01)
- レフェリーも技に巻き込まれたりするから体格いい人多いよね。 -- 名無しさん (2022-01-06 10:17:20)
- >元気に血まみれになっている 元気…元気とは一体…うごごご -- 名無しさん (2022-01-06 10:56:51)
- ↑3口プロレスは意味はそのまま舌戦だよ。うやむやじゃなくて自分の意見を押し通そうとする行為。 -- 名無しさん (2022-01-06 12:35:53)
- バラエティ番組の展開とか人気投票の結果とか「××は痛い目見ないと府に落ちない!」「一位は○○じゃないのありえない!」みたいに自分が望む通りじゃないと怒り狂う視聴者やファンが多いから、ブックが必要とされるのもわかる(公式に暴言クレームつけるのはアレだけど) -- 名無しさん (2022-01-07 07:16:26)
- 現在の業界No.1は新日で良いとして、No.2はドラゲーで間違いないと思う。ドラゲーがNo.2だと評価する声も多いし、ノアは自称No.2だけど客足が入ってるとは言いがたいし。 -- 名無しさん (2022-01-07 13:13:11)
- ↑4 見ればわかるよ 本当に元気に血まみれになってるから -- 名無しさん (2022-01-07 16:15:52)
- プロレスラーの入場曲について書くのはどうだろ? -- 名無しさん (2022-01-07 22:26:18)
- 建てたくてもここまでプロレスそのものの歴史に詳しくないからおいそれと建てられないわ…建てお疲れ様です -- 名無しさん (2022-01-07 22:45:31)
- キン肉マンのサタンが「億稼げるレスラー」と言われ、ジャスティスマンが「完塩」って言われている理由がよく分かった。 -- 名無しさん (2022-01-09 18:53:58)
- 以前プロレスファンの知人が「プロレスは格闘技じゃない、『格闘演劇』だ」と言っていたが言い得て妙だなと思う -- 名無しさん (2022-01-13 19:14:27)
- たまたま見かけたページだけど、プロレス好きなんだな、ってすごく伝わるページだった。他の関連ページも見てみる。 -- 名無しさん (2022-02-24 21:50:29)
- アイアンマンヘビー級は海外流出時が一番面白いまである。アメリカインディーレスラー(たまに超メジャー選手も混じる)によるあの手この手のプロレス知恵比べは一見の価値あり。 -- 名無しさん (2023-03-09 12:12:14)
- 「台本ありきだから毎回面白い試合が見れるんだ」ってのは理屈として分かるけど、プロレスでチャンピオンベルト巻いても誰かが作ったチャンピオンなんだなぁ・・・って考えるとちょっと寂しくなるな -- 名無しさん (2023-03-23 15:44:07)
- 試合中にアクシデントがあった場合に格闘技はそこで終わるがプロレスはフェイクだからこそ続くって言ったレスラーがいた。 -- 名無しさん (2023-03-26 12:53:50)
- ↑↑それはスポーツとして見てるからであって、じゃあドラマや映画、漫画やアニメの展開なんて誰かが作ったものだけど、だからといって価値がないわけじゃないのと同じ -- 名無しさん (2023-06-18 01:13:44)
- ゴジラ映画とかが「怪獣プロレス」と表現されることには言及してもいいのかな -- 名無しさん (2023-10-05 22:36:22)
- 練習中にでる死傷者のほうが多いというのがね -- 名無しさん (2023-11-08 23:43:10)
- 元プロレスラーという経歴を持つ声優相羽あいな -- 名無しさん (2024-11-29 17:03:04)
- そういう興行形態を否定する気はないけれど、なんで"プロ"レス(リング)なんて名乗ったんや?っていう気持ちはある。「ショーレスリング」とかじゃダメやったんか?格闘技としてのレスリング選手を差し置いて「プロフェッショナル」と付けるのは失礼ではなかったのだろうか。 -- 名無しさん (2024-12-16 11:49:13)
- ↑5 そういうのを巻くのに相応しい人物と認められてる証だしな(一時期のIWGPからは目を逸らしつつ) -- 名無しさん (2024-12-21 17:20:58)
- レスラーキャラの項に頑丈人間スパルタカスのアドニオン諸本がいないがマイナーすぎるか…・ -- 名無しさん (2024-12-26 08:41:03)
- ↑フィギュアスケートの金メダリストが競技生活引退後にプロフィギュアスケートに転向するのと同じ理論や。 -- 名無しさん (2025-01-20 00:25:08)
最終更新:2025年02月27日 04:56