劉海王

登録日:2020/06/28 Sun 01:37:24
更新日:2025/03/17 Mon 10:45:45
所要時間:約 12 分で読めます






この洞穴を、今を遡ること40年・・・

一切の道具を用いることなく
己の拳足だけで掘り抜いた男がいた・・・

一晩でな 
おまえが海王へとどかぬのは無頼の人間性故ではない

技量こそが問題・・・
単におまえの技量が低いだけのこと



劉海王(りゅうかいおう)とは、バキシリーズ第一部『グラップラー刃牙』から登場するキャラクター。


●目次


概要

グラップラー刃牙の最大トーナメント編から登場し、バキの『中国大擂台賽編』において本格的に登場した。

「海王」の称号を持つ中国人の一人でもあり、同様に海王である烈海王の師匠。齢100歳を超える筋骨隆々の老爺。
そうした壮大なキャラ設定や強者として長年匂わせられていた存在感とは裏腹に、範馬一族の犠牲者としてのあまりにも悲惨な末路が語り草となっている。


人物

表情が読みづらく寡黙で不気味な雰囲気の人物だが、どこか余裕のある態度を常に見せる。
中国武術への自信が強く、大擂台賽への範馬勇次郎の参戦を聞いてもなお烈と共に中国武術の圧勝を確信していた。なおその後
プライドも強いようで、烈が自身の仇討ちの行動に出た際は恥を感じたことから激昂するという一面も見せた。
プライベートではバラ柄のシャツを着用していたりと、拳法家のイメージとは少し離れたファッションセンスも持っている模様。

海皇を除いた中国拳法家では最強と言える烈や最凶死刑囚に数えられるドリアンを育成するなど、天才的な人物の育成手腕にも優れていると言える。
むしろ設定の割には拳による活躍がなかったことを考えると、格闘家としての面よりも教育者としての面が強いキャラかもしれない。
拳技とは弱者のための存在という考えの元、勇次郎が訪ねてきた瓦割りの意義についてもしっかりとした見解を述べている。

マホメド・アライについても認識しており、マホメド・アライJr.に対して「大擂台祭が30年前に開催されていたら是非君の父上にも参加してほしかった」と評価していた。


実力

「拳神」「闘神」「中国の誇り」「武術界ナンバーワン」「あの人は特別」と称されるだけの人物であり、中国最強レベルの拳法家と言われている。

実際、劉海王が初登場したグラップラー刃牙22巻では、白林寺に在籍している者が劉海王を指して「あの人は特別」「武術界ナンバーワン」と、弟子である烈を差し置いて劉海王を評価しているため、郭海皇を除けばおそらく中国人武術家としては最強の人物だと思われる。

100歳の老人とは思えない血管の浮かぶ鋼鉄のような筋肉に包まれた鍛え込まれた身体を持ち、初対面のアライjr.に素直に「でけえ〜」と驚かれるほど背丈も高い。範馬勇次郎と比較しても頭二つ分以上大きいため2メートルは有に超えている模様。
この時点で既に人間離れした存在であるのに加え、その力で見事な完成度の打岩を作り上げている。

同じように「拳神」と称される愚地独歩でさえ、トーナメント編の時点で年齢による衰えを感じ、肉体のピークは今年が最後かと自己評価しているため、やはり100歳を超えこれだけの肉体を形成できている劉海王はやはり異常である。

他にも、石作りの水槽の端を拳で打ち込み、ある程度時間を置いてから波が生じ数十メートル先まで波立たせるという、物理法則を無視した摩訶不思議な芸当も見せている。これにより、烈が反対側から蹴ったことによって生じた波と撃ち合って水槽を破壊するという出鱈目な強さを見せた。

細かく見ると劉海王の背丈より巨大な扉を手を着いた状態から助走も無く押し込み、分厚い木材の封を壊しながら開くパワーもある。

自身が海王である上で、ドリアンが素手でトンネルを開通させた事実に驚いている烈に対し、海王となるには技量不足なのを指摘していることから、海王である劉本人もまた少なくとも素手で且つ一晩で岩山にトンネルを掘ることは可能であると思われる。

また、劉海王に勇次郎の印象を聞かれた烈が「勇次郎と海王が戦うのは近代兵器に素手で挑むようなもの」と評し、その上で「それならば中国武術の圧勝かと」と付け加え劉海王もそれに同意している。このことから烈も劉海王も近代兵器を相手取っても圧勝できる実力者であると言えよう。
(ただし周知ではあるが勇次郎の強さは生半可な近代兵器など比較にならないため、烈の見立ては完全に見当違いであったが・・・。)

最強死刑囚の一人として暴れていたシコルスキーもガイアが拳銃を使用した際に怯んでいたため、烈の言葉を信じるならば劉海王(というより海王は全員)は少なくともシコルスキーよりは格上な模様。

勇次郎戦では目を狙った急所攻撃を行うなど、相手の器官の破壊も躊躇しない攻撃スタイルを見せた。

僅かな描写ながらも耐久力には目を見張るものがあり、後述する勇次郎に顔面の皮を剥がされ、血管や神経が剥き出しの顔面をコンクリートの地面に叩きつけられたにもかかわらず自力で立ち上がると言うタフさを見せた。
そして既に瀕死の重症ながらも後ろ向きという不利な状態から蹴りを放つ俊敏な動きを見せた。この時勇次郎が後ろに退けぞり回避したため、劉海王の蹴りは勇次郎の服を破く程度に済まされてしまったが、勇次郎が相手の攻撃を躱すこと自体が地味に快挙である。
すぐ後の郭海皇との試合で勇次郎が郭のパンチを躱した際に、刃牙に「何逃げてんだよ」と苦言を吐かれており、更に後の宮本武蔵との戦いでも武蔵の剣術を回避し、勇次郎自身が「いつ以来だ、身を躱すのは」と回避を選択させたことに冷や汗を流している。

格闘家としても一定の知識があるようで、中国拳法家でありながらもアライ猪狩状態について知っていた。
勇次郎の評判についても認識していた…が、中国拳法への自信もあって烈と共に勝てると思いこんでいる。

勇次郎に敗れ重傷は負ったものの、結果的には生存しているためやはり尋常ではない生命力を持っているのは疑いようがない。

このようにとにかく化け物ジジイ…なのだが、地下格闘士のレベルで見た場合はどれ程の強さの人物だったのかは現在までかなり議論となっている。

何しろ戦った相手がシリーズの頂点である勇次郎であるため、敗れたにしてもその敗北は強さ議論において具体的な参考材料にはならないのだ。
今後何らかの形で再登場して戦闘をするか、外伝作品で掘り下げられれば少しは強さを測れるかもしれないが…。

このように具体的な強さの描写はないが、それでも烈の師匠であることや100歳を超えるという化け物っぷりから烈クラスに強いという見解は多い。
勇次郎相手なら基本誰でも瞬殺されるのは不思議でも何でもないので、あまりにも相手が悪すぎたというべきか。

一方で「読者が想像しているほどの強さではないのではないか?」と、実力を疑問視する声も多い。

まず、烈よりも劣る打岩の完成度や烈の破壊した釣鐘を見た際の台詞から、強いとしても烈よりは劣るとする読者もいる。
打岩に関しては、烈どころか海王候補である張洋王の打岩と比べても勝っているか怪しい部分がある。

ただし、打岩に関しては美的センスなども完成度に加わってきそうなので、純粋に強さを測る指標として見るには微妙ではあるが。
更に言えば、打岩作成にどれだけの時間を費やせるか、いつ頃作ったかも影響するだろう。劉海王は大勢門下生がいるため、程度円形にした段階で打ち止めして指導に戻った可能性は高い。
勇次郎に対して放った「上達の実感」と言う台詞からも、とりあえず素手で岩を壊せることが確認出来れば十分ではあるし、烈のように綺麗な球体にする必要性があるのかも疑問。劉海王もそれくらい出来たがやらなかったとしても不思議では無い。
要するに、門下生が大勢いて時間の少ないであろう劉海王と、基本一人で自由に行動できている烈では打岩に費やせる時間が違うのは確かだろう。

ダメ押しに、他でも無いあの勇次郎が無機物を破壊する修行法に何の価値があるのかと全否定しており、
最新シリーズである「刃牙らへん」では、鎬昂昇が独歩の十八番である針金切りを「実戦とは別物」と断言しているため、打岩をいくら綺麗に仕上げようが実戦での戦闘力には直接結びつかないものと思われる。
少なくとも烈が真球の打岩を作り上げた2年後の時点で、同郷の白林寺の者からは劉海王が実力ナンバーワンと評されている。

劉との試合後に仇を取ろうとした烈への勇次郎の反応を見るに、少なくともこの時の勇次郎の捕食センサー的には烈>劉ではあったようだ(ただし既に敗北した劉海王と後に自分から戦いを挑んできた烈とでは対応が違うのは至極当然ではるが)。

だが、地下格闘士のレベルでも戦えようが戦えまいが、海王のレベルでは上位の人物である可能性は疑いようがないだろう。

勇次郎の対戦相手として劉海王が選ばれているのも重要であろう。この時点で既に勇次郎は「地上最強の生物」として中国にも名が知られている。そんな相手に半端な実力者を立ち合わせても意味が無いため、中国最強の拳士を当てがわせるのが妥当であろう。このことから少なくとも中国人たちの中では、劉海王は中国人武術家の中で最強と思われていた可能性は高い。

後に孫海王と試合する烈海王の紹介において「今や中国ナンバーワン」と言われている。以前から言われていたなら「今や」とつける必要性が薄いため、劉海王が破れ療養中の身であったことから烈の立場が繰り上がったとも取れる。
また上記の、郭海皇を差し置いて烈をナンバーワンと称されていることから郭海皇の実力は中国人の間ではカウントされていなかった模様。
郭海皇は「生きていることが奇跡」「本当に戦えるのか」とアナウンサーや観客に言われており、実際に相対したサムワン海王も(本人が若手であり未熟とはいえ)郭海皇を単なる老人と舐めていたため、中国武術界には現在の郭海皇の実力は烈や劉海王など一部の者を除いてあまり浸透していなかったようだ。


作中の活躍

グラップラー刃牙

最大トーナメントVSマウント斗羽の試合が始まる際、白林寺で100歳の誕生日を祝われている様子が描かれた。
100歳という年齢であるにもかかわらず、まだ半分生きたくらいと振り返る不気味さを見せていた*1
烈がどこかに去った報告を受けると、200坦(約1.8トン)の叩き壊された釣鐘を確認すると、その破壊力に感心していた。


バキ

最凶死刑囚編

ドリアンが海王であることに気が付いた際の烈の回想にて登場。
巨大な水槽を叩くことで波紋を作り出させて拳法の威力を測る試験を実施していたが、幽閉されていたという若かりし頃の烈が脱走・乱入して水槽の水で波を作りだしたのに対し、同様に波を作って対抗して水槽を破壊した。
「自分は粗暴だから海王の称号を貰えないのか」と腹を立てて抗議する烈に対し、烈の幽閉場所を経由しながら寺の最深部へ案内。

案内した先はかつてのドリアン海王が脱走の際に作った大穴であり、それを見せながら「烈は人間性が問題ではなく技量が低いから海王に届かない」と諭した。
ドリアンが死刑囚になった事は知っていたようだが、烈に問い詰められた際には「死する予定……………………というべきか」と抽象的な表現を使って詳細を語らなかった。

後に武術省の雑な仕事で海王のレベルが大きく下がっている事が判明しているので、実際はこの時点で烈が海王になれた可能性は高い。
ただし、精神的に未熟なまま海王になることを防いでいるのでかなりのファインプレーとなっている。
劉は海王のレベルの低下を知ってあえてこの行動を取ったのか、それとも海王のレベル低下を知らずに取った行動なのかは不明。後の烈との会話を見るに後者の可能性が高いか。


中国大擂台賽編

キャラクターとしてついに本格登場したのはこのシリーズから。そして終わりの時でもある。

柳龍光戦で浴びた毒の影響で瀕死の状態だった刃牙を連れてきた烈と対面。
刃牙が烈に勝利した人物であることは知っていたが、刃牙の状況が状況だけに擂台出場を提案する烈へ疑問を示した。
しかし、刃牙の対戦相手として海王候補である張洋王を呼び出して戦わせることにして、張が手も足も出なかったことで出場を認めた。

刃牙と張の試合が終わると、烈や刃牙と共に食卓を囲んで大擂台賽に関する会話を交わすことになる。
烈の説明によって刃牙は劉が海王であることを認識したが、体調不良を理由に出場を渋る彼に対して勇次郎の出場を告げた。
勇次郎の出場を歓迎していた劉は、烈に対して勇次郎の印象を尋ねると「彼の参戦は栄えある我が中国武術史未曽有悠の一大事件」「大国の近代兵器による武力に対して拳法家が素手のみを武器に対抗すること」との批評を聞く。
批評を聞くと結果は見えていると大笑いをしだし、烈と共に中国武術の圧勝を確信した。えぇ…。

勝利の予感に溺れる劉の元に修行僧が訪れると、劉と同じかませ犬になる予定のマホメド・アライJr.が登場。
アライJrの実力を試そうと、刺客の拳法家を用意してアライ猪狩状態で挑ませて楽しんでいたが、アライJrは難なく圧勝した。

そして大擂台祭当日。劉は選手紹介でトップバッターとして堂々と登場。弟子の烈やドリアンもその場にはいた。

トーナメントの一回戦の対戦相手は、なんとゲストとして参加した勇次郎だった。
劉の名声を知りながらも勇次郎の評判を認識していない観客は犠牲者は勇次郎だと確信する中、主催者側から勇次郎に擂台に立つ資格を試す瓦割りの試験が課せられる。
難なく瓦を全て粉砕して有資格者だと認めさせる勇次郎だったが、無抵抗な物体を破壊するという瓦割りへの疑問を劉にぶつける。


拳技とは
弱者の為にこそ存在するものなれば
かつては破壊不可能だった物体を
ある日突然打ち壊せる
何者も傷付けることなく得られる上達の実感
進化の途上という条件付きならば
あながち無意味とも思えぬが


服を脱いで戦闘体制を整える劉は上述のような理論で勇次郎の質問に反論するが、勇次郎は目を光らせて「で?」と一蹴。


教えてやるよ
丹念に積み上げた上達の実感だった百年余りが

取るにも足らぬ錯覚の歴史だったことを!!!


劉の人生の全否定をすることを明言した勇次郎は劉に歩み寄り、互いに迎え入れる形で戦闘開始。
先制攻撃に出たのは劉であり、目をむいて呼吸を整えながら鶏口拳によって勇次郎の目を狙うという凶悪な攻撃に出る。
勇次郎の顔面に指が迫る中、自らの顔面に何かが突き刺さる音が上がる。

勇次郎の右手が、劉の顔の皮膚と頭蓋骨の間に突っ込まれているというショッキングな光景が作られていたのだ。

「動くな。えれェことになるぜ」

そう忠告された劉は冷汗を流しながら刺された手を抜こうとする*2が、勇次郎からは呆れられながら身体をぶん投げられ、そのまま地面に叩きつけられる。
「100年も使ったんだ。とっかえてやんな。」

そう伝えて勇次郎は、武術省の人間達に何かを手渡した。

それは投げ出された勢いで剥がされた劉の顔面の皮膚だった。

あまりにも無惨すぎる結末に多くの観客が絶句する中で、
劉のもとに医療班に駆け付けた事で勝負ありと判断した勇次郎が退場しようとする中、弟子の烈が怒りと共に勇次郎に宣戦布告。

それを聞いて勇次郎と観客が盛り上がる中、顔面を出血防止のタオルで押さえた劉が立ち上がった事で全員一気に静まり返る。
烈に近づきながら彼の肩を強い力で握り潰しながら何かブツブツと呟いており、烈はその様子に呆然。


わたしを…………

侮辱する気かァッッ


実力差を刻まれつつもなお武闘家の誇りと海王の覇気を示し、怒りの咆哮を叫びながら血まみれのタオルを勇次郎に投げつけ、
勇次郎が反射的にタオルを掴んだと同時に渾身のキックを勇次郎に放った。
しかし、間一髪で避けられたようで勇次郎の服を破るだけの結果に終わり、「ズッルい爺ィだぜ」と皮肉られ顔面にハイキックを叩き込まれる。

皮膚の無い顔面に攻撃を叩き込まれたことで劉の身体は崩れていき、仰向けに倒れると勇次郎がキックの際に投げ捨てたタオルが顔に被さってその顔を隠した。
もうそれ以降は完全に劉は動作を見せることはなく、勝負ありの判定を下されて完全敗北に終わったのだった。

敗北後の様子は描かれていないが、後に烈に対して「手術には時間を費やすが命に別状はない」という劉らしき怪我人の情報が伝えられている。
站椿による鍛錬を行って孫海王との試合に備えていた烈だったが、内心では劉から站椿を学んだ過去を振り返っていた。
皮膚を剥がされた状態で勇次郎のキックを浴びても命には特に問題ないというのは、なかなか凄い生命力ではある…。


不遇なその後


郭海皇は勇次郎との試合で自身の経歴を振り返っているが、その内容は肉体の筋肉を進化させ続けている劉の在り方とは真逆であった。
劉は郭の経歴を知っている可能性は高いので、あえてかつての郭の路線を継続するスタイルを取ったのではないかという考察もあるが…。

ただし、郭海皇が理を掴むために肉体を鍛えることを辞めたことに関しては、辞める必要があったのか疑問である。筋骨隆々に鍛え上げ、「力みなくして闘争のカタルシスはあり得ない」と断言する勇次郎がシャオリーを体得していたため、理を掴むために体を鍛えなくなった意味は薄いと言える。後に烈海王もシャオリーを会得しているため尚更である(ひょっとすると勇次郎相手に披露する機会が無かっただけで劉海王もシャオリーをある程度体得済みだったとしても不思議は無い)。

身体能力の優劣を重視していたサムワン海王について、未熟とはいえその考え方自体は勇次郎も認めていたため、どちらかといえば郭海皇よりは劉海王の在り方の方が勇次郎の思想に近い(実際、劉海王に対して勇次郎が否定したのは無機物を壊す修練方の是非についてのみなため、鍛え上げた劉海王の肉体をまるっきり否定していたわけではない)。

加えて郭海皇自身は武について「弱者が強者との戦いから生き延びるためのもの」としているため、鍛え上げた肉体のタフさから勇次郎と相対して生き延びれた劉海王は武術家として十分成功していたと言えよう。
当然ながら戦闘スタイルとは千差万別であるため、郭海皇は理を掴みたかったがために肉体の強化を止めるという方向を取っただけであり、劉海王のあり方も正解の一つであろう。

大擂台賽編以降は登場することはなく、現状シリーズからフェードアウトした状態に。
烈は大擂台賽編以降は以前から弟子だったかのように郭と関係を深めるようになり、郭も烈を愛弟子と扱うようになったため、烈の師匠ポジションが薄らいでしまった。
一度だけピクル編における烈の回想で出たことはあるのだが、それもほんの一瞬である。

後に烈は宮本武蔵によって殺害されるのだが、それを受けての劉の様子が描かれるなんてことはなかった。そもそも死んだことを知っているのだろうか。
ドリアンも精神崩壊後に白林寺に戻ったようだが、作中ではドリアンの前に姿を見せることもなかった。

メタな視点で見ると、年齢的にも立場的にも郭が上位互換になってしまったことが出番の消失の原因だと見られる。
作品的には郭の方が後付けのキャラなのだが、それ故に作者からすれば郭を思い付いた以上は劉を活躍させる必要がなくなったのかもしれない。
しかも郭はシリーズ屈指の人気キャラとなったため、読者からの人気的な意味でも劉を出す理由が薄くなったのも悲しいと言うべきか…。

劉海王にとって救いなのは、上記の通り生存はしている模様なため、再登場の機会が全く無いわけでは無いこと。
失った顔の皮膚についても剥がされた皮が残っているため元に戻る可能性は高い。
ドリアンの爆破攻撃をモロに顔面に受けズタズタにされた独歩が普通に快復している上に、バキ世界にはあの天才医師、鎬紅葉の存在もある。生きている限り復活は十分あり得るだろう。
(というか、皮膚剥がし、コンクリート床への叩きつけ、ハイキックと、不機嫌だった勇次郎の顔面への攻撃を幾度も喰らいなお死なずに済んでいるのは改めて異常である。100年も鍛え上げた劉海王の努力は無駄では無かったと言えよう。)

余談

  • 弟子でありながら決別したドリアンとは大擂台賽で再会している形なのだが、明らかに様子がおかしい彼に対する反応を見せる場面はなかった。

  • 勇次郎に行った血まみれの布を投げつけて行う奇襲攻撃は、弟子であるドリアンが烈との戦闘で同様の手段を行っていたりする。
    白林寺出身者はこの攻撃が好きなのだろうか。

  • 劉の剥がされた顔の面皮の描写は少年誌の作品としては相当過激であり、シリーズ屈指のグロ描写として今なお話題に上がりやすい。
    『バキ』は前作以上にグロテスクな描写が強化されていくことになった作品だが、劉の敗北描写はその路線を極めた結果の産物と言える。
    ちなみに、この描写はアニメ版でも無事(?)再現されている。(流石にOA時はモザイクがかかったが)

  • 烈の仇討ちを侮辱しているとして拒否して勇次郎への不意打ちを挑んだ劉だが、結果として烈が勇次郎に虐められる可能性を止めたということにもなる。
    劉からすればそんな意図は全く考えていなかっただろうが、師匠が弟子に対して残した最後の成果かもしれない。




わたしの項目を…………全消しする気かァッッ
(※追記修正は勇次郎に拳技の理論を唱えてからお願いします)

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最終更新:2025年03月17日 10:45

*1 後の大擂台賽が100年に一度の大会だと判明したため、この発言は大擂台賽に2回出ることを見込んでいたのではないかという考察がある

*2 アニメ版では身体が痙攣を起こしている描写が追加されており、原作よりも悲惨さと不気味さの描写が強化されている