鎬紅葉

登録日:2014/07/25 Fri 06:25:15
更新日:2024/12/18 Wed 17:36:45
所要時間:約 6 分で読めます




(しのぎ)(くれ)()とは、板垣恵介の漫画作品バキシリーズに登場するキャラクターの一人。

CV:宮本充(TVアニメ第一作)、成田剣(TVアニメ第二作)

【概要】

イケメン・ガチムチの肉体・凄腕のお医者さんと、三拍子揃ったチートキャラ。スーパードクターKみたい。

弟は鎬昂昇

へヴィ級ボクサーの瞬発性・スプリンターの機動性・アマチュアレスラーの柔軟性・マラソンランナーの持久性を兼ね備えた
器用貧乏な完全なる肉体を有し、超肉体とも評される。
さらに医師という性質上、人体についての知識は格闘家の比ではなく、各種の急所攻撃の精密さは彼ならではのもの。
特に、打診を応用した必殺技、「打震」(加藤清澄によると中国拳法の北派に近いらしい)は彼の代名詞のひとつである。

また医師としても超一流であり、「カルテを見せて」と言われた医者が「君にそげん言われて断る医者はこの国にゃおらんよ」とまで言うほど。
初登場時には範馬勇次郎との試合で心停止に陥った愚地独歩をアッサリ蘇生させた。

さらに医師として数多くの生死に携わってきたことから、「生死の沙汰は日常茶飯事」という精神性の高さも持ち合わせており、
それは手術を修理と呼ぶなどの描写にもうまく表されている。

…と、こう書くと完全無欠の強キャラのようだが、格闘技そのものについては素人なため、
主たる攻撃技がテレフォン(モーションが大きく避け易い)になるのが弱点。
のちに戦った弟には健康優良児ヤロウ扱いされた。


【来歴】

初登場は古く、シリーズ第一章、それも序章の「地下闘技場編」からの最古参の一人で、同編では範馬刃牙の最後の対戦相手となった。

愚地独歩vs範馬勇次郎の試合のメーンとなる刃牙の試合の対戦相手として徳川光成公に招聘される。(ぶっちゃけ前座の試合のほうが盛り上がったのは内緒)
さらに試合前夜には、
  • サーカスに忍び込んで虎を暗殺
  • その死体を神心会の本部道場にこれ見よがしに投棄
    • 「虎殺し」の異名を誇る神心会会長・愚地独歩に対して「これぐらい朝飯前」の意
  • 範馬勇次郎にドアノブ越しの握力比べを挑んで圧倒
など、その強さを誇示してみせる。

当初はどのような人物であるか刃牙には伏せられており、初対面は上記の独歩の手術。
この時の刃牙は友人となった独歩が父に殺されるというショッキングな場面を見せられてガクガクブルブル青くなって震えており、
紅葉の再生の講義(レクチャー)を見せられて戦意喪失。「か…勝てっこない…!!!」とヘタれてしまう。

着々とウォーム・アップをこなす鎬紅葉に対し、意気の上がらない刃牙。
その控え室に現れたのは、「紅葉被害者の会」の面々だった。
実は紅葉の持つ医療技術や医者としての地位・名誉、そしてその超肉体までもが非道の人体実験の産物だった。
肉体のいずれかを欠損させた彼ら・彼女らは、これまで紅葉の為して来た悪行の数々を刃牙に説き、「えいッえいッオーッ」の叫び声で激励。
こうして、少年漫画ではお馴染みの、しかしバキではかなり珍しい勧善懲悪の展開に突入してゆく。


○破壊の講義(レクチャー)

派手なパフォーマンスを連発する紅葉に対し、発奮した刃牙は序盤から速攻を開始。
その後紅葉は(ヤブ呼ばわりされながらも)超肉体を活かした猛反撃を行うが、
パワーやスピードは優れていても格闘の技術は持っていないことから、攻撃のすべてがテレフォンすなわちモーションが大きく、どんな打撃か予見しやすく防ぎやすいものばかりであり、
「オレにとっちゃあんな攻撃、マッサージのようなもんさ」とほとんど効果がなかった。

ここから紅葉は本職の知識を活かした破壊の講義(レクチャー)を開始する。
  • 肩甲骨の裏側の肋骨(「折れたときイチバン厄介な骨」)を粉砕
  • 胃への打撃(下30度から手首を効かせる)
  • 肝臓は右肋骨下方向より60度
  • 脳の場合は攻撃目標をアゴにし、拳でなく掌の方で下30度からスピーディーに
  • 最後は必殺の打震でトドメ
これらの解説を、読者範馬勇次郎を意識して行い、最後は「男らしくここへ降りてこいッッッ」と挑発死亡フラグ、勇次郎もこれに乗るが……

「オヤジ…すっこんでろ…」

主人公補正刃牙は復活。
「一撃で倒す」の言葉に全身を筋肉の鎧と化した防御体制(のちにマネされるが、筋肉の量が違いすぎるらしい)で応戦するが…

「ちェりあああッ」

使用する関節をすべて固定し、全体重を拳に乗せる必殺技、剛体術を水月にモロに食らい、宣言通りにたった一撃で完全敗北。

刃牙の一撃で胃を破られた紅葉は、試合後の医務室で地獄の苦しみにのた打ち回る。
紅葉がはじめて他人の痛みを知った瞬間だった。
そんな中、医務室に「被害者の会」のメンバーを連れて刃牙も登場。
あまりに凄惨な光景を見せつけられて被害者の会の面々も言葉を失い、紅葉への怒りさえ忘れて立ちすくむ。
その場での手術が必要になり、輸血のためAB型の血液を募られるが、声を上げたのは被害者女性の一人であった。

「わたし…ABです…」
「そのかわり…今度は……今度こそ…わたしたちを…役立ててください…


序章となる地下闘技場編でのラスボス的な立ち位置に加え、かつて戦った強敵の兄という美味しいポジション
独歩以外は不可能と思われていた虎殺しの実践、さらには余りにも有名なドアノブでの力比べ(かの地上最強の生物をかませ犬にする光栄に浴したのは彼だけである)を経て、
彼は刃牙を勇次郎と戦わせるに相応しい存在として成長させたのだった…この時までは


○最大トーナメント編

上記の活躍から、最大トーナメントにも当然続投。


「医者の仕事はどーしたッ
闘志の炎 未だ消えずッ!!
治すも壊すも思いのまま!!
鎬紅葉だ!!!」

トーナメントは一回戦の最終試合に登場。しかし、試合の相手は誰ぞあらん、実弟の鎬昂昇その人だった
だがこの対戦カードは運命のいたずらでもドラマチックでもなんでもなく、彼自身が徳川公に依頼したもの。

屈折した想いを抱く弟に対し、現在の彼我の差を「幼子と父親以上」と軽くいなす。
試合開始直後、昂昇の空手を受けるが、まるでダメージなし。

「わたし以外の誰かが…おまえを傷つけることなど絶対に我慢できんのだ」
「わたしだけがおまえを傷つけていい」

完全なヤンデレである。兄弟持ちの加藤清澄も「言うかね あーゆーことをハッキリ…」と呆れ顔。

その後、ニューバージョンの紐切りで一時的に視力を失うも、医者らしい試合中の手術で回復。
強烈なビンタで昂昇を幼児退行にまで追い詰めるが…

「他ではあんたに勝てなくともいい
だけどここまで譲っちまったら 俺は一生アンタに頭ァ下げ続けなきゃならねぇんだッ」

紅葉も顔面・頭部への打震も含めた猛攻を掛けるも、昂昇は全て受けきり、兄を追い詰める。
「兄貴の敵は俺が討つ」

ここにきて紅葉はついに弟を認めた。
「偉大な弟よ……あとは頼んだ……」

この勝負は一回戦屈指の名試合となったうえに(あとはほとんどかませ犬との試合だったなんて言わない)、
多少歪んだ兄弟の絆を見た刃牙の「なんだかァ…あの2人ィ…うらやましいなァ…」の言葉は
トーナメントのファイナルのフラグとなるなど、名勝負である。


…名勝負なのだが、この時点で刃牙と昂昇の成長フラグになるという役割を全て果たしてしまったため、
その後の扱いがだんだんヒドイことに…

その象徴が、最大トーナメントの中途で範馬勇次郎が乱入するシーン。
勝ち上がった九人全員との試合を要求する勇次郎に対し、似た立場の負け犬九人揃えて挑む。

だが、勇次郎の非人間的な強さを見て戦わずして戦意喪失。一応勇次郎には「アンタは別だ」と言われるが……
その後助太刀に現れた弟を見て、「もうおめェじゃ逆立ちしても勝てねェぜ」と言われてしまう。
このシーンも昂昇の成長を象徴する名場面なのであるが、この時点でキャラランクにはっきり差がつけられてしまった感がある。
その昂昇もシリーズ通して黒星が続き……

その後もステロイドユーザーのジャック・ハンマーに対し、ヤクが切れた状態でも力負けする、覚醒後の第一の被害者になる、と散々。

以降、出番は医師としてのそれに限られてしまう花山薫を主人公とするスピンオフ作品でも徳川公にパシられ、レジャー返上で花山の手術をさせられていた。
しかもそのせいで「神経をセメダインでくっつける」ファンキーなお医者さんの出番がなくなることに…

ただ、二度の敗戦を経て心境に変化があったらしく、真っ当な人格者になった。
皮肉にも便利キャラであるため弟よりも遥かに登場頻度に恵まれている。

バキシリーズは骨折、大量出血、内臓破裂などが日常茶飯事であり、刃傷沙汰や銃撃すら珍しくもないが、
だいたいこの男がいればどんなにボロボロになっても次に出て行く分には問題ないという、王大人みたいな扱いになっている。
(例:花山って勇次郎に足折られたんじゃなかったっけ → 紅葉先生がいるだろ 他)
そのせいか、闘士として再登場してスクラップにでもされたら色々と不便な為、医者オンリーでの登場なのでは?と邪推されることも。

最新作の『刃牙道』では、医者の仕事そっちのけでトレーニングを積んでいるらしいが…? 
またクローンの知識は無かったようで、徳川公は大金を積んで海外の学者を雇っている。




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最終更新:2024年12月18日 17:36