SCP-36.6-JP-J

登録日:2020/07/23 Thu 16:53:09
更新日:2025/02/12 Wed 21:25:03
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-36.6-JP-Jとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は「不可視の悪魔」。
オブジェクトクラスは「Keter」。財団の総力を投じても、いまだに収容の可能性が見えていない特級の危険オブジェクトである。

概要

SCP-36.6-JP-Jは極めて感染力の強い謎の病気である。
その感染範囲は世界中に広まっていると想定されており、もはや財団をして、完全な収容は不可能と匙を投げている。

SCP-36.6-JP-Jの症状の特徴は、非常に高い潜伏能力。
なんと感染しても客観的に観測できる一切の症状が存在しない のだ。

熱は出ないし、炎症も起こらないし、ゾンビ化もしない。
しかし、感染者当人は強い倦怠感や腹痛を始めとした諸症状を訴えており、間違いなく感染していることは確か。
また、病原体を特定する試みは全て失敗しているため、血液検査などで感染者を発見することは不可能。
ただし、無理矢理絞り出したような咳は観測されている。その程度しか症状を伝える手段がないとは、悪辣な病気である。

ひょっとすると医者に対して症状を認知させない認識災害特性を備えている可能性すらあり、もはやその危険性は天井知らずである。

病原体を特定できていないので、当然治療法も存在せず、一定期間の休養を取るという対処療法にとどまっているのが実情である。

幸いなことに、SCP-36.6-JP-Jの致死率は極めて低く、キチンと休養を取りさえすれば予後は良好。
とはいえ、感染してしまうことにより業務に滞りが生じるだけでも経済的損失は極めて大きく、財団がその対処に手を焼いているのも理解できるだろう。

現在、財団は全国の企業及び教育機関を監視し、不在になった人物が存在した場合その人物の自宅に急行、一般的な検査を行ってSCP-36.6-JP-Jへの感染が確認された場合、クラスAバイオハザード対策済人間型オブジェクト収容室に強制収容すること、と定めている。
また、財団職員へのSCP-36.6-JP-Jの感染を強く警戒しており、プロトコル-WHG("Washing Hands and Gargling")の他、徹底的な除菌を行って感染対策を徹底している。
それでも感染が広まってしまった場合は、プロトコル"汚物消毒"を行って対処すること、と定められている。

発見に至った経緯

本オブジェクトは、とあるオブジェクトとの実験に投入される予定だったD-████が症状を訴えたことで発見された。
検査を行ったが、症状は確認されなかったので実験は続行される予定だったが、竹庵博士及びクアック博士が「これ未知のオブジェクトじゃね?」と指摘をしたことにより、実験は中止。
D-████はただちにクラスAバイオハザード対策済人間型オブジェクト収容室に放り込まれ、再度の検査が行われたが、ここで想定外のトラブルが発生。

竹庵博士とクアック博士までもがSCP-36.6-JP-Jに感染してしまったのだ!

もはや事態は一刻の猶予もない、と判断した財団はただちに全世界を徹底的に調査。その結果、多数のSCP-36.6-JP-J感染者を発見したため、その全てを収容……したはいいものの、いくら財団とはいえクラスAバイオハザード対策済人間型オブジェクト収容室の数には限りがある。

仕方ないので、O5はプロトコル"汚物消毒"を承認。これはSCP-36.6-JP-J感染者を 焼却処分する という極めて非人道的なプロトコルだったが、仕方のない判断だった。
財団は冷酷だが残酷ではない。無意味な殺戮は行わないが、世界を守るための少数の犠牲は許容される、と判断されたのだった。



D-████「あ、治りました」
竹庵博士「あ、治りました」
クアック博士「あ、治りました」


しかし、プロトコル"汚物消毒"の実行直前になって、感染者たちから一斉に症状が消え去るという謎の現象が観測された。
どうやら、今まで観測されていたものとはまた異なる未知の異常性が存在しているらしく、財団は追加調査を進めている。

















   *   *
 *   + ジョークオブジェクトです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *




番号見ればわかるよね。本オブジェクトは、ジョークオブジェクトである。

というか、ここまでの文章を読まれた方ならSCP-36.6-JP-Jの正体は容易に察することができるだろう。コイツの正体は不治の病 「仮病」 である。誰が読んだか「K病」
もちろん番号の36.6は平熱を表している。
本部は食中毒を財団の報告書風に仕立て上げたが、日本支部は同じことを仮病でやったのである。
まぁ「怠け癖は人類を滅ぼす慢性病」と思えば、確かにKeter指定も間違っちゃいないかもしれないが……。

なお、その辺は説明がないので、O5が本気で未知の病気と思ってプロトコル"汚物消毒"を承認したのか、サボリ魔たちにお灸をすえるつもりで脅したのかは不明である。

ちなみに博士の名前にも元ネタがある。「竹庵」は「藪医竹庵」という落語によく登場する藪医者の名前。
「クアック」は藪医者を意味する英単語"quack"からだと思われる。


追記・修正は仮病に負けずにお願いします。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-36.6-JP-J - 不可視の悪魔
by semiShigUre
http://scp-jp.wikidot.com/scp-36-6-jp-j

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最終更新:2025年02月12日 21:25