登録日:2020/08/16 Wed 23:50:00
更新日:2025/04/02 Wed 15:36:24
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「時に難しい選択がある。二つの驚異から一方を選ぶときだ。」
――老いたる者、ガドウィック
《選択/Opt》とは、
MTGの
青のインスタント。初出は『インベイジョン』。
登場時のレアリティはいずれもコモンであり、2025年現在はスタンダードにおける基本的な1マナドローカードとして定着している。
性能
Opt / 選択 (青)
インスタント
占術1を行う。(あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードをあなたのライブラリーの一番下に置いてもよい。)
カードを1枚引く。
効果はライブラリートップを見て、そのままにするかデッキボトムに送るか選んでからドローするというシンプルなもの。
そしてシンプルなカードにはシンプルゆえの利点が存在する。
①引くカードを選べること
これ以外にも1マナでドローできるカードは1マナのサイクリングなど多く存在するが、このカードは引く前に欲しいカードなら確保、いらないカードならデッキボトム送りにすることができる。
さらに以下の利点と兼ね備えるカードは貴重。
②インスタントであること
《思案/Ponder》《定業/Preordain》などのソーサリーと違い、このカードはインスタントタイミングで唱えることができる。
土地を立てて構えておき、相手が大振りなアクションをしたら《
対抗呪文/Counterspell》などで打ち消し、動かなかったら《選択》でドローを進めて手札を整える、というように相手の行動に合わせて動くことができる。
これは特に土地の数が少なく行動の取捨選択が必要な序盤で強みとなる。
③1マナのスペルであること
少ないマナで唱えることができるため、何らかの行動をとった後の余ったマナでドローを進めることができる。
また、
ストームや《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》、
《弧光の
フェニックス/Arclight Phoenix》などの、呪文を唱えることや唱えた回数を参照するような能力を使用する際には重宝する。
1マナドローとしてみるとより強力だったり使い分けができるカードは多く存在するが、このカードならではの役目もある。
同じ1マナインスタントのドローカードであり、実際に同時期のスタンダードで枠を争った《渦巻く知識/Brainstorm》と比較すると、
あちらはカード3枚にアクセスできる代わりにライブラリトップを2枚固定するため、ライブラリトップが常に新鮮な状態である事を求めるなら《選択》のほうが良い。
むろんシャッフル手段を用意すれば3枚にアクセスした上でライブラリ固定も解除できるので《渦巻く知識》のほうが強力であり、実際にエターナル環境では
フェッチランドで当たり前のようにシャッフルを行うので《渦まく知識》が優先される。
現在はスタンダードやパイオニア、モダンなどで基本的な1マナドローソースとして活躍している。
環境において
スタンダード(旧)
初めて登場したのは『インベイジョン』。『インベイジョン』自体が多色化推奨のセットだったため、必要なカードを引き込めるということで重宝された。
上述のように《渦巻く知識》と枠を争い【カウンターレベル】のようなリクルート=デッキシャッフルを扱うデッキでは《渦巻く知識》が使われた。
そうでないコントロールデッキ、例えば【ネザーゴー】ではしばしばこのカードが使われたようだ。
このカードの名前を冠したパーミッション、【オプトブルー】も存在した。
なお【オプトブルー】などの軽量ドロー呪文を大量に投入したデッキでは、このカードに加え《渦まく知識》と《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》の「W知識」も採用されており、青のドロー呪文が非常に安定していた。
この時期は再録されることなく『インベイジョン』のスタン落ちとともにスタンでの生涯を終え、以後長きにわたり再録はされなかった。
スタンダード(『イクサラン』以後)
そして17年という長い時を経て『イクサラン』で再録。
再録当初は1マナサイクリングの《検閲/Censor》や《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination》と競合していたため、【青白コントロール】で時折使われる程度だった。その後『ドミナリア』でも再録された。
その後『アモンケット』のスタン落ちとともに競合相手が大きく減少。
コントロールデッキや【イゼット・フェニックス】で採用された。
当初は『ドミナリア』のスタン落ちと共にスタン落ちするのでは?と思われていたが、『エルドレインの王権』での再録が発表され以後2年のスタンダードに留まることが確定した。
後述のモダンのようにスタンダードでの青のドローソース、特に1マナドローの調整に苦心していた節があったため、ようやく適切なパワーのカードが見つかったということだろう。
『エルドレインの王権』では『そのターン2枚目のドロー』によって誘発するカード群が存在していたためそれらと組み合わせた【セカンドドロー】が考案された。ナーセットという天敵が『灯争大戦』にいるのが難点。
その後の『基本セット2021』でも再録。《ショック/Shock》や《強迫/Duress》と並び名実共にスタンダードにおける基本的なカードになった。
復活後長らくスタンダードで登場し続けていたが『イニストラード:真夜中の狩り』でついにスタン落ち。入れ替わりにデッキボトムではなく墓地に送る《考慮/Consider》が登場した。アクセスのしやすさでは墓地の方が断然上なので上位互換と言える。
そしてその《考慮》がスタン落ちしてすぐに『ファウンデーションズ』で《選択》が再録。
同セットは基本セットの後継で5年間スタンダードで使用可能という特殊セットのため、再度スタンダードの基本的なカードとして落ち着くこととなった。
パイオニア
1マナドローソースがこれと《急かし/Quicken》ぐらいしか存在しないため、スタン同様に【イゼット・フェニックス】やコントロールデッキなどで重宝される。
モダン
『イクサラン』での再録によってモダンリーガルに。実はこのカードの再録はモダンプレイヤーにとっては僥倖ともいえるものでもあった。
というのもモダンでは《思案》、《定業》が早々と禁止されており、そして2017年1月20日に《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》が禁止されたことで、
《手練/Sleight of Hand》や《血清の幻視/Serum Visions》、《思考掃き/Thought Scour》ぐらいしか軽量ドローソースが残っていなかったのである。
【ストーム】では前述の2種に続きカードを探しつつ唱えた回数を稼げる要員として採用され、
【青白コントロール】などのコントロールデッキではインスタントである点が重宝され優先して採用されることもある。
奇跡を相手ターンに誘発できるのも利点。
余談
『インベイジョン』での収録当時は「占術」というキーワードが存在しなかったため注釈内の文章がそのまま書かれていたが、『マジック・オリジン』での「占術」の
キーワード化に合わせて現在の文章に変更された。
追記・修整は占術で下に送ったカードを引いてからお願いします。
- オプトは良いカードだよ -- 名無しさん (2020-08-20 10:35:27)
- ひょっとしてブレストってぶっ壊れ? -- 名無しさん (2020-08-21 20:10:54)
- なんやかんやで基本に定着できた良カード -- 名無しさん (2020-08-21 21:58:38)
- ブレストは汎用性も凄まじいからね 奇跡仕込み、デルバーの仕込み、ハンデス回避 -- 名無しさん (2021-05-21 01:37:26)
最終更新:2025年04月02日 15:36