登録日:2025/10/14 Tue 22:31:46
更新日:2025/10/14 Tue 22:48:15NEW!
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暗黒剣フラヴナグニルは来たるべき時に備え静かに力を蓄えていた。
すべては、自らの主を復活させるために。
解説
暗黒剣 フラヴナグニル C 無色 (2) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー 3000 |
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、表向きにし、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない) |
各ターンに一度、自分の超化獣クリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にはならない。 |
ゴッド・オブ・アビス以降のパックではかなり珍しいの無色クリーチャー。
マスターズ・レガシーなるこのクリーチャーで初めて実装された
種族を持ち、これは下述する派生カードが登場するまで長らく
単独種族だった。
能力はG・ストライクに加え、
一撃奪取に代表される特定のクリーチャーに対するコスト軽減を持ち、フラヴナグニルの場合は
王道篇より登場した超化獣に対応している。
味方クリーチャー1体をタップする事で起動する超化獣のギミック「ハイパーモード」と相性が良く、超化獣のサポートカードとしてデザインされている。
コスト軽減で超化獣の早出しに貢献すると共に、フラヴナグニル自身がタップしてハイパーモードの起動役にもなれるため、早い内に超化獣の真価を発揮できる。
無色なので様々な色のデッキに入り得るというメリットもあり、超化獣の初動を担うカードとしての活躍が期待されていた
……のだが、実際のところ超化獣は前シリーズの
アビス・レボリューションのような種族で固めるようなテーマではない事、更には超化獣のギミック自体が
王道篇2弾で打ち切られてしまった事から、残念ながら環境で活躍するには至っていない。
超化獣自体は王道篇2弾以降も細々とではあるが新規収録されているので、今後のカードプールに期待であろうか。
派生カード
黒喜剣 エルナグニル R 光文明 (2) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー/フュージョナー 2000 |
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から呪文またはNEOクリーチャーを1枚表向きにし、手札に加えてもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。 |
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超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
このクリーチャーが離れる時、カードがこれの下にあれば、かわりに下にあるカードをすべて墓地に置く。 |
元は光単色だった《
喜像エル》を貫く暗黒剣の一振り。
cipで呪文かNEOクリーチャーのいずれかを山札の上2枚からサーチでき、
超魂Xの能力では、このクリーチャーが別のカードの下にあれば進化元全てを身代わりにした除去耐性を付与する。
G-NEO進化の耐性に近いものだが、こちらは
バウンスやマナ送り、
超次元送りによる除去であっても進化元は必ず墓地へ送られるという相違点がある。
黒怒剣 アゲナグニル UC 火文明 (2) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー/フュージョナー 2000 |
このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、カードを1枚引く。 |
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超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
このクリーチャーが離れる時、カードがこれの下にあれば、かわりに下にあるカードをすべて墓地に置く。 |
《怒像アゲ》を貫く暗黒剣の一振り。
cipで手札交換を行い、超魂Xの除去耐性と併せて初動を担いながら優れた進化元としても機能してくれる。
黒哀剣 シンナグニル UC 自然文明 (3) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー/フュージョナー 2000 |
このクリーチャーが出た時、コスト4以下のエレメントを1つ選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。 |
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超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
このクリーチャーが離れる時、カードがこれの下にあれば、かわりに下にあるカードをすべて墓地に置く。 |
《
哀像シン》を貫く暗黒剣の一振り。
cipでコスト4以下のエレメントをマナゾーンに除去できる。
このマナ送りの対象は自他を問わないため、相手に使って単純な除去としても使える他、自身のエレメントをマナゾーンに送って疑似的な
マナブーストも可能である。
黒楽剣 フミナグニル UC 水文明 (2) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー/フュージョナー 2000 |
ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない) |
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超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
このクリーチャーが離れる時、カードがこれの下にあれば、かわりに下にあるカードをすべて墓地に置く。 |
元は水単色だった《楽像フミ》を貫く暗黒剣の一振り。
サイクルの中では唯一cipを持たず、ジャストダイバーを有するのみだが、超魂Xの能力と併せて進化先に強力な耐性をもたらしてくれる。
黒怖剣 ゼナグニル UC 闇文明 (3) |
クリーチャー:マスターズ・レガシー/フュージョナー 3000 |
このクリーチャーが出た時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。 |
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超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
このクリーチャーが離れる時、カードがこれの下にあれば、かわりに下にあるカードをすべて墓地に置く。 |
元は闇単色だった《
凶怖覇王 ブラックXENARCH》を貫く暗黒剣の一振り。
cipで相手の手札1枚をランダムに
ハンデスでき、相手のリソースを削りつつ進化へと繋げられる。
なぜ夜の四天王と共にゼナークが選ばれたかについては、下述する背景ストーリーで明かされている。
関連カード
黒キ感情ガ宿ル月ノ五剣 UC 火文明 (4) |
呪文 |
S・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ実行してもよい) |
D・D・D[火(1)](自分のクリーチャーが攻撃する時、このカードを[火(1)]支払って自分の手札から実行してもよい) |
相手のコスト4以下のクリーチャーを1体選び、破壊する。 |
効果自体はコスト4以下の相手クリーチャー1体を対象にした単純な除去だが、S・トリガーに加えてD・D・Dも有しており、味方クリーチャーの攻撃時に火文明のマナ1を支払う事でも発動できる。
受け札としても攻勢を掛ける際にも活躍する便利な1枚である。
背景ストーリー
暗黒剣の目的はジャシンの身体の獲得とジャシンを超化獣にすることにあったのだが、肉体を失い霊体となったジャシンが超化獣の力を意のままに操るようになったのは想定外であった。
しかし本来の計画に支障はなく、月の裏側へ戻った暗黒剣はバラバラになったジャシンの肉体を傍らにして、自らの主を復活させるべく力を蓄え始める。
しばらくして、暗黒剣の存在を聞きつけた《
死神覇王 ブラックXENARCH》が月へ襲来するが、既に暗黒剣は姿を消していた。
この時の様子を暗黒剣は目の当たりにしており、ゼナークに秘められた
ある感情を見抜きながらも、ジャシンの肉体を伴って地上へと降りて行った。
再び超獣世界に降り立つと、ジャシンの心臓を貫いてに配下である夜の四天王も切り裂き、それぞれにジャシンの身体の一部を埋め込んで、
- ジャシンの眼によって禍々しい眼光と純粋な喜びに目覚めた《喜びの夜 エルボロム・ハッピー》
- ジャシンの爪によって消えない業火と純粋な怒りに目覚めた《怒りの夜 アゲブロム・バイオレンス》
- ジャシンの尾によって大自然の混沌と純粋な哀しみに目覚めた《哀しみの夜 シンベロム・カタルシス》
- ジャシンの脳によって才能の特異点と純粋な楽しみに目覚めた《楽しみの夜 フミビロム・パラダイス》
として4体を強化させた。
ただ配下に力を与えただけに思われたこの行為だが、本当の目的は別のところにあった。
やがてジャシンを筆頭にした超獣世界の勢力との戦いを経て、夜の四天王の感情は極限まで高まり絶頂を迎える。
その瞬間、4体にそれぞれ埋め込まれたジャシンの肉片が
身体を突き破り、その身を彫像と化しながら巨大な魔方陣が形成された。
これこそが暗黒剣の狙いであり、夜の四天王を供物として《
悪魔神バロム》に由来する伝説の儀式「魔誕」を再び引き起こそうとしていたのだ。
最後に暗黒剣がジャシンの心臓を魔方陣に捧げた事で準備は整い、喜怒哀楽の極まりきった感情を元にジャシンの肉体が依代となり、《
悪魔世界ワルドバロム》が魔誕した。
規格外の力で超獣世界を蹂躙するワルドバロムだったが、肉体の元の持ち主であるジャシンが近付いた瞬間、なんと魂が弾き飛ばされてしまう。
こうして肉体から弾き出されたワルドバロムの魂を暗黒剣が回収すると、人知れず何処かへ消え去った。
王道W
ワルドバロムの魂を失ったジャシンの肉体は独りでに変貌を遂げ、魂亡き異形《
堕チシ八叉ノ蛇神》として暴走を開始した。
激化する深淵と魔誕の軍勢による戦いに加え、謎の勢力
スチーム・ナイトと
テクノ・サムライまでもが参戦して混迷を極める中でも、暗黒剣は姿を消したままであった。
ここに来て暗黒剣の正体と目的がようやく判明する。
その正体とは
月に満ちた闇のマナが剣の形となったものであり、最終計画として
ワルドバロムの魔誕の更に先を見据えてたようで、ヴリドガルドの誕生も想定内だった模様。
この頃には夜の四天王に仕えていた四体の神官達も
キマイラとして合成し、異形の怪物《
ギガジグアプ》へと変貌させている。
長らく行方を晦ましていたが、再起動したCOMPLEXがスチーム・ナイトの《ARC REALITY COMPLEX》として復活を果たした頃、ついに動き出した。
実は予め自らの身体を五分割しており、その内四つを彫像と化した四天王の内部、そしてもう一つをゼナークの体内へと密かに潜ませていた。
先のゼナークによる月面襲来時、暗黒剣は夜の四天王にも欠けていた最後の感情「怖れ」を抱く彼に目を付け、真なる魔誕の贄として自らの一部を埋め込んでいたのだ。
それぞれから五種のマナを得た五振りの暗黒剣は、ワルドバロム魔誕の時と同じく夜の四天王とゼナークの身体を突き破り、外へ飛び出していった。
光喜、炎怒、哀樹、楽識、そして凶怖。
五つの黒き感情とマナを束ね、暗黒剣は再び一振りの剣に戻り、三種の神器のひとつ「剣」が完成する。
そして残る「勾玉」と「鏡」の神器を捧げし時、暗黒剣の最終目的たる真の死神、ヴリドガルド完全体が生まれ出でようとしていた…
余談
- クリーチャー名のモチーフは、《フラヴナ》が古ノルド語においてカラスを意味する『Hrafna』、《グニル》が北欧神話の主神オーディンが所持する槍のグングニルと推測されている。
暗黒剣は名前の通り槍ではなく剣なのだが、漆黒の羽や柄頭等のカラスを思わせる見た目をしている事から、北欧においてカラスと縁の深いオーディンの持つ武器がモチーフに選ばれたのだろう。
- 背景ストーリーでの詳細がまだ未解明だった王道篇当時は、バロムに関連した夜の四天王を従えている点や剣そのものがクリーチャーという特徴から、バロムの前身であるバロストが剣豪として所持していた剣が正体ではないかと考察する声もあった。
- 背景ストーリーにおける「三種の神器」なる用語はDM25-RP3が初出であり、残る「勾玉」「鏡」も含めた謎は王道W最終弾へ持ち越しとなっている。
三種の神器関連で言えば、過去には暗黒剣と同じ剣モチーフかつヴリドガルドとの関連性が示唆されているオリジンの《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》がおり、鏡に関しても同じくオリジンの《呪烏竜 ACE-Curase/繁栄の鏡》が存在するが…?
追記・修正は秘められた感情を見抜いてからお願いします。
- 漫画だとサバトの隣にいるカラスがこの剣に変形してるしそっちも厄ネタなんだろうか -- 名無しさん (2025-10-14 22:48:15)
最終更新:2025年10月14日 22:48