Warp列車(Library Of Ruina)

登録日:2020/09/22 Tue 05:48:06
更新日:2025/04/25 Fri 03:47:35
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本日もWarpサービスをご利用いただき
誠にありがとうございます。


Warp列車とは、『Library Of Ruina』に登場する架空の乗り物である。


概要

運営・管理しているのは「Warp社」(通称:W社)。
舞台となる「都市」に君臨している「翼」と呼ばれる大企業の一角である。
ちなみに社名やロゴマークのみ前作『Lobotomy Corporation』でも職員の汎用台詞*1や背景イラストで登場していた。

「列車」という名の示す通り我々の世界でいう電車に近く、停留場同士を接続して運行している。
車内にはシートベルト付きの椅子が並んでおり、発車の際に乗客はシートベルトを着用することが求められる。
列車が動いている際には外への扉を開けないようにもアナウンスされるが、これは我々の世界の電車でも同じ。
開けるとしたら任務の遂行と部下を守るのを両方やらなくっちゃあならない時ぐらいなもんだ。
通常の客室とは別に一等客室も完備されているのだが、こちらに乗るにはかなりの金がかかる模様。
いわゆる富裕層向けの客室となっている。

さて、この列車最大の売りは発車してから次の停留場へ到着するまでの時間。
その所要時間たるや、なんと「10秒」。まさしくワープである。
実際に異空間を活用することでこの素早さを実現しているらしいが、詳細については伏せられている。

この速さについては作中の人々の間でも評判になっているが、それはそうだろう。
というかこの忙しい現代社会を生きる我々にとってみても垂涎の的になりうる乗り物である。

更に乗り物と言えば事故がつきものであるが、このWarp列車については10年間無事故であるという。
安全性についても完璧とは、何たる技術か。






……と、ここで終われば良かったのだが、それは起こってしまった。



『事故』

先述したようにWarp列車は通常、発車してから10秒で目的地に到着する。

だが作中において、1時間を過ぎたというのに目的地に到着しないという事態が起こる。
更に半日以上の時間が過ぎても事態は好転せず、10日もの時間が過ぎても列車はそのままだった。

普通なら乗客は餓死してしまってもおかしくないのだが、不思議なことに飢えることはなく喉が乾くこともない。
それどころか乗り合わせた医者曰く「あらゆる生理現象について何も異常がない」というのである。

実に不可解なことだが、列車に閉じ込められていることには変わりはない。
時間にして15日も過ぎると、乗客の中には絶望のあまり自殺を試みる者まで出始めてしまった。
だがこの自殺者、自分で自分の首をかっ切っても生きていた。
首が体を離れることがないばかりか、血液すらも体から離れることがなかったのである。

そしてこれを皮切りにして、列車内の状況は悪化の一途を辿っていく。
飢えもせず死ぬこともない代わりに、延々と閉鎖空間に閉じ込められるのである。そりゃそんな状況に置かれれば正気でいられる人間は少ない。
暇潰しの為に殺し合いをしたりするなど、正しく地獄絵図が展開された。

なお作中で最終的に確認できる経過時間は「724,284日」というとても現実味のない数字。年数にして約2,000年である。



まぁこんな事故を起こしてしまった以上、Warp社もただでは済まないだろう。
せめて二度と事故の起こらぬよう、対策をして頂きたいものである。



追記・修正は事故対策をしてからお願いします。











































俺はワープ列車のことが昔から本当に気になってたんだ。












たったの10秒で到着するのに
どうして上等な客室が必要かって。












あぁ、この列車が故障したって考えている
馬鹿どもがいるみたいだな。












壊れていない。
正常に作動している。












実は先述の『事故』は、事故などではない。

むしろ、その逆。

これがWarp列車の平常運行の姿なのである。



真実

まずWarp社の保持している本当の技術というのは、列車という素早い交通手段ではない。間違ってもいないらしいが。

Warp社の真の技術とは「現状復旧」
車内の席に乗客達が座った際、分子構造や遺伝子構造その他諸々必要な情報をスキャンして集めておく。
これによって先述したような自殺者が出るような事態が起こっても、ボタン一つ押すだけで全て元通りに戻すことが出来る。

この技術と他の「折れた翼」から特許を購入した「空間を裂く技術」、そしてT社というこれまた「翼」の技術を用いることでWarp列車が完成。
「異空間をどれだけ走っても外での時間が経過しない列車」を作り上げたのである。
つまり「10秒で到着する」というのは「外での時間」に換算した場合は間違っていない。
実態は何千年もの間延々と異空間を放浪した上で目的地に到達するのだ。

列車内においては基本的に先述のような地獄絵図が展開されることがほとんど。
だがそんなことになっていようとも、とりあえず肉塊でもいいので席に座っていれば全てがすぐに元通り。
記憶すらスキャン時に戻るため、「あら、ちょっと話してたらもう着いた!さすがWarp列車!」となるわけである

更に言えば、一等客室に乗った乗客達は地獄を体験することすらない。
詳細な描写はないが、数千年ほどの時間を「眠って」過ごすことで地獄を回避している。
背景イラストだと、どうもコールドスリープに似たカプセル状の装置のようだ。
またここには気前よくお金を払った富者以外にも、1級以上のフィクサーや調律者などもチケット購入時などに誘導されて乗せられる。
地獄絵図化した際に対処しきれないような「厄介な客」になるので隔離のためらしい。

そして乗客だったものを席に座らせたり、何らかの不測の事態に対応するために「整理要員」と呼ばれる職員達が存在している。
基本は半ば清掃員のような仕事だが、時には狂暴化した乗客に襲われるなど死亡に繋がることもそれなりにある危険な仕事のようだ。
ちなみに乗客同士がくっついている場合だと、無理矢理引き剥がして別々に配置する必要がある模様。

またT社の技術により運行中に費やされた時間を蓄積しており、後でそれを販売しているらしい。
作中で「時間が消えて割当量が満たせない」という話が出ているため、おそらくそれがT社の技術を使うための条件と思われる。
こういう事情のため、貨物専用列車にすることは絶対に不可能である。
なお2000年もの時間経過が技術的にどうしようもないものなのか事情故の文字通りの「時間稼ぎ」でわざと遠回りしているのかは不明である。



接待:Warp列車整理要員

さてそんなWarp列車だが、意図しない『事故』自体は本当に起こっていた。
  • 車内時間発車数時間後に図書館へ向かった「奥歯事務所」の方々
  • 車内時間2000年後に図書館へ向かった「愛の町」の住人
  • ゼホンとエレナの2名
  • 一等席の乗客全員
これらの人間が車内から消失してしまったのだ。
一般人ならともかく、一等席に乗るようなVIPが消えたことが分かれば大問題となる。

事態把握のため整理要員達は「感情の変化で記憶を行う特殊なカメラ」の映像を確認。
それによると一等席の乗客はゼホン……正体は「都市悪夢」に認定されている「人形師」であった彼によって「人形」に改造されていた。
その後、「図書館」の招待状によって消失したようである。
このことからローズ/セン/レスティのネームド整理要員と彼らの部下であるモブ整理要員達は上からの命令*2で「図書館」へ訪れることとなる。


接待の舞台は2つ。構成は
  • 1舞台目:モブ整理要員×4
  • 2舞台目:ローズ/セン/レスティ/モブ整理要員×1
    • ローズのみ速度持ちで速度ダイス2個。残りは1個。
「都市悪夢」の2段目の右端ルートで相手にすることになるが、左端ルートと並ぶ「都市悪夢」2段目の鬼門な接待。
幸い招待に必要な「人形の本」は大量にゲットしやすいのでリトライは容易。

大まかな特徴は以下の通り。

  • 充電
この接待で初登場となる要素。最大で10まで持てる。これ単体では特に効果は無い。
充電を獲得するバトルページと、充電を消費して性能が強化されるバトルページを用いる。
充電が貯まってくると後述する強力なバトルページを使用するため、長期戦になるほど脅威となる。

  • 高めのステータス
モブ整理要員の時点でHP94/混乱抵抗値52と、一つ前の人形(HP60~74/混乱抵抗値30弱)と比べてかなり増加している。
また耐性面でも貫通がダメージ弱点(1.5)/斬撃が混乱に対して抵抗(0.5)/残りは普通(1.0)と目立った弱点も無い。
その他、全員が「攻撃的中時、10%の確率で相手に10ダメージを与える」パッシブ「次元切断」を持っている。
上手くマッチ勝利していかないと運次第ではゴリゴリ削られていく。

  • マッチ勝利困難なバトルページ
特に問題となるのが、モブ含めて全員が持っているバトルページ「過充電」。

過充電 コスト3 使用時 充電10を得て次の幕に行動不能状態になる
貫通 5-13
斬撃 4-12
貫通 5-11
反撃(防御) 2-6

次のターンに行動不能となる弱点こそあるものの、上振れればその時点のコスト3バトルページでもマッチ勝利1回取れるかどうかという出目の暴力。
そして充電をフルに獲得するので、行動不能が解除されると以下のような強力なバトルページが飛んでくる。

専用ページ ローズ/セン/レスティ コスト2 使用時 (充電×9.9)%の確率で成功。充電をすべて消耗
成功:このページのすべてのダイス威力+8
失敗:自分に20ダメージ。
空間切断
貫通 2-4 マッチ勝利 ページを2枚引く
斬撃 3-6 このページで充電を10消耗すれば威力+2

波動 コスト3 使用時 充電3を消耗し、このページのすべてのダイス威力+3
回避 2-5 マッチ敗北 自分の次のダイスの威力+2
打撃 5-17 的中 次の幕 束縛2 付与

「波動」はタダでさえ防ぎづらいダイス構成な上に、打撃ダイスの最大値が非常に高い。
そこに充電消費とマッチ敗北で威力を上乗せしてくるためマトモな対処は不可。
ネームド専用バトルページである「空間切断」に至っては、「過充電」から撃たれた場合99%の確率で10-12/13-16という出目の暴力が飛んでくる。

ポイントはとにかく「過充電」でできた隙を叩くこと。
先述したとおりステータスが高くて固いので、欲張らずに一人一人を集中して攻撃することが重要。
マッチ勝利すること自体が困難なため、マッチは基本的に弱いバトルページでタゲを分散させる目的でする程度にとどめておいたほうが良い。
「空間切断」や「波動」に関しても同一。勝てないマッチをするぐらいなら無視して一方攻撃を狙ったほうがマシである。

またローズ/セン/レスティのコアページはそれぞれの本からしか出ない。
確率を上げるために感情レベルを上げようとすると長期戦になるため、「空間切断」や「波動」を叩き込まれる確率が上がる。
安定して攻略できないうちは、だれか一人だけ感情レベル上げを狙う程度に収めておいたほうが無難だろう。



余談

過去に一度身分を偽った「特色」フィクサー*3が一般客室に乗ってしまったことがあるらしい。
結果、特色フィクサーに約2000年間精神修行された一般乗客が整理要員を薙ぎ倒し、R社に要請がかかる事態*4となったとか。

その他、王・騎士・貴族など階級分けされた王国が出来上がっていたこともあるらしい。
「町」ができるくらいなど序の口だとも語られている。


次回作『Limbus Company』では囚人達に「W社整理要員」として整理要員の人格が実装されている。
中には「過充電」や「次元切断」などお馴染みのバトルページがスキルになっている人格も。
今の所人格として実装されているのはファウスト/ドンキホーテ/ムルソー/ホンル/良秀/イサン/ウーティス。
イラスト内では他の囚人の姿も見られるが、実装されるかは不明。

人格ストーリーでも『Library Of Ruina』と同じ様な実務内容が描かれているが、表向きの「夢のようなワープ技術」に憧れて入社し、実態を知って曇るというパターンは珍しくもないようだ。
まあレスティのようになんやかんやで慣れる職員も居るようだが……それでも単に労働環境のブラックぶりは如何ともしがたい様子。
そして仕事が嫌になっても退職を願い出たら口封じ。都市では良くあることである。

また整理要員は列車と同じ「空間を裂く特異点技術」を扱う事も出来るようだが、それもミスって事故る事はあるようで……



その後

愛の町」の項目でも少し触れているように、図書館に行かなかった乗客達は通常通り「現状復旧」により復活。
また走行中のWarp列車から「図書館」へと移動した面々はその後何らかの形で現世へと帰還している。

「人形師」に人形にされた乗客は置いとくとしても、「奥歯事務所」の3人については真相を覚えているまま正気で帰還、『Limbus』にも再登場したわけだが……
残念ながら彼らはあれをWarp列車の平常運行とは認識しておらず、「Warp列車にもたまにはそういう事があるんだな」ぐらいの軽い考えである模様。
ついでに元々そこまで著名でもないフィクサーだった彼らだが、「図書館」から帰還した際にその仕事すら失っているため社会的信用も特に無い。
どこかに訴え出たとて大した効力はないだろう。あと仕事が無くなったせいでそもそもそんな暇も無さそう

Warp列車は今日も運行している。



…とはいえ、さすがに一等席の金持ちが全員消失した件については誤魔化しきれなかった様子。
一等席の売り上げが下がったために一般席の客をかき集めようとしているらしい事が『Limbus Company』で言及されている。
しかも今度はまた違う『事件』が発生。そのせいもあって倒産の噂が流れる程度には経営が悪化しているとか。















上が言うならしょうがない。整理要員と一緒に追記・修正する。


もしこれ立て逃げすればどうなるんだ……。


項目削除だ。


うはぁぇええん!!!



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  • 「バグじゃなくて仕様です」の最低値
  • Limbus Company
  • Lobotomy Corporation
最終更新:2025年04月25日 03:47

*1 「休暇をもらったら W社のツアー旅行に行くんだ!」

*2 逆らえば退社処理。処理とついているあたりからどうなるかはご察しである。

*3 作中最強格の戦闘能力を持つフィクサーに与えられる称号。あの「赤い霧」も特色の称号持ちの一人である。

*4 余談だがこの特色フィクサーの正体は「黒い沈黙」ではないかという推測が建てられている。作中にて「黒い沈黙」は実際にWarp列車に乗車したことがある。