オットー・スーウェン(Re:ゼロから始める異世界生活)

登録日:2020/09/28 (月) 00:00:49
更新日:2024/03/24 Sun 20:40:24
所要時間:約 10 分で読めます




※この項目は『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレを含みます。


「最後に『信じろ!』って言やぁいいんですよ!友達なんだから!!」




Re:ゼロから始める異世界生活』の登場人物。

CV.天﨑滉平

概要

灰色の髪をした行商人の青年。
3章にて、王都からメイザース領へ向かうための足を必要としたスバルたちに雇われる形で登場。
その後、紆余曲折を経てエミリア陣営の内政官となった。

行商人らしく計算高く現実主義的な性格だが、根はお人好し。
周囲から何かとよくからかわれてる天性のいじられキャラで、何かとオーバーリアクションをとる。
産後すぐに産湯で溺れかけたことを皮きりに、なにをしても結果がイマイチついてこない、自他ともに認める不幸属性。
挙句は公式Twitterでもオットーのことを取り上げる際にはハッシュタグに「#不運な子」とつけられてしまう始末。
アニメ2期の第2話ではセリフを途中でキャンセルされ、公式ラジオではこれを「オトキャン」と名付けられるなど、いじられキャラは公式でも確立されている。

行商人として腕を磨いてきたこともあり、頭の回転が速く、交渉ごとにも優れており、敏腕と称されるほど内政官としての能力は高い。
戦闘面に関しては、何かと物騒な世界観なこともあって護身術と地属性の攻撃魔法を習得しており、スバルはもちろん、王国のヒラ兵士くらいであれば軽くいなせる程度には強いが、いわゆる達人レベルには遠く及ばない。

それなりに大きな商人の家の出身で、兄と弟がいる。
その不幸体質ゆえか色恋沙汰に巻き込まれ、その結果地元領主の娘の恋愛スキャンダルを暴いてしまい、故郷を追われて現在に至っている。
夢は実家を越える大商人になることだが、能力の高さとは裏腹にそのお人好しすぎる性格と不幸属性も相まって、作中キャラからも作者からも「商人には向いていない」と言われてしまっている。


『言霊の加護』

オットーが生まれつき持っている能力。
発声器官を持つ生き物とならなんでも言葉を交わせる。
地竜や動物だけでなく、虫や魚からすら言葉を聞き、意思疎通をとることができる。
この能力のため、こと情報収集に関しては他の追随を許さない作中チートレベル。
ただし、あくまでも「他の生き物と意思疎通をとることができる能力」であり「他の生き物を操る能力」ではないので、オットーの言うことを聞いてくれるかどうかはオットーの交渉次第になる。
幼少期は、加護を使いこなすことができるようになるまではその弊害でありとあらゆる生き物の声が見境なく聞こえる難聴状態に置かれており、まともな幼少期を過ごすことができなかった。


【作中での活躍】

3章

初登場。
3章の直前、大量に仕入れた油が政争の影響で売り物にならなくなり、莫大な借金を作ってしまう。*1
この藁にも縋り付きたい商人人生最大のピンチにおいて、1〜3周目ではメイザース領への足を欲したスバルとレムに金で雇われ、メイザース領へ2人を送り届けることになる。

しかし、3周目ではその道中で白鯨と遭遇。
残ったレムを助けに行くとスバルが言い出したうえに(この時レムの存在はすでに白鯨に消されていたため、オットー目線だとスバルが発狂して戻れと言い出したように見えた)、加護により白鯨の声を聞いてしまったことにより発狂、スバルを竜車から突き落とす暴挙に出た。

最終ループでは魔女教から村人を避難させるため、メイザース領が金を出して足となる竜車をかき集めているという話を聞く。
しかし、誰よりも先に馳せ参じんと加護の力を使ってショートカットをしたことが災いし、大罪司教のペテルギウスと遭遇、捕虜となってしまう。
加護の力を全開放しても生き物の声が全く聞こえてこないという異常事態に絶望するが、スバルの率いる魔女教討伐隊に発見され、九死に一生を得た。
また、このことでスバルに対しては命の恩義を感じるようになる。

その後は再びスバルの足として活躍し、ペテルギウス討伐にも貢献する。

ちなみにもしもスバルに出会わなかった場合、借金を返すことができずに破産することになる。


4章


「友人を助けようとするってのは、そんなにおかしなことですかね?」

大活躍する。
どのくらい活躍するかというと、3章のレムに匹敵するくらい活躍する。
特に13巻では表紙を飾り、名前回をもらい、中身も相まってオットーのメイン回となっている。

3章ののち、表向きの理由はロズワールとの商談と3章の時の報酬の交渉のため、内心ではそれに加えてスバルに命を助けてもらった恩を返すためにスバル達と聖域へ同行する。
その中でスバルを友人として考え始めると同時に、スバルを「どこにでもいる普通の人間」と考えを改める。

3周目のループではガーフィールに監禁されたスバルを救い出すために奔走し、状況に翻弄され、多くの人間に裏切られたスバルの心の救いになるも、その後獣化して追ってきたガーフィールの一撃からスバルを庇い、命を落とす。
このシーンは3章の3周目でスバルを突き落としたシーンとの対比になっている。
自分を庇ってオットーが死亡したことはスバルにとって大きな心の傷として残り、それ以降のループでオットーの手を借りることを躊躇うきっかけとなってしまった。

そして迎えた最終ループ、ロズワールが入念に作り出したほぼ詰みの状況に独り絶望するスバルの前に現れ、スバルを殴り付けて言い放つ。


「友達の前で、カッコつけるのなんかやめちまえよ、ナツキ・スバル」


「何をどうしたらいいのかわかんなくて、頭の中しっちゃかめっちゃかなんでしょう?」

「手を差し伸べなきゃいけないところばっかりで、自分じゃ腕も頭も力も足りなくて、バタバタバタバタと時間だけが過ぎるのに必死になってるんでしょう?」

「ナツキさんはちっぽけな、どこにでもいる人間ですよ。なのに、分不相応を望みすぎる」


惚れた女の前で格好つけるのは結構ですよ。それは必要な見栄だと思いますので、尊重しましょう。」


自分を好いてくれる女の子に格好をつける、これも許しましょう。好いてくれた相手のために、格好をつけるのも大事なことです。許しましょう」


「でもですね、そこまでですよ」

「足りないの、わかってんでしょう?届かないの、知ってんでしょう?好きな子に格好、つけたいんでしょう?好きでいてくれる子に、誇れる自分でいたいんでしょう?」

「なら、その子たちに、その人たちに見えない部分を補うためにぐらい、誰かの手を借りたらいいじゃないですか。──例えば、友達とか」


しかし、そこまで言われてもまだスバルはオットーに頼ることを躊躇った。
「死に戻り」を説明せずには今の状況を信じてもらうための根拠を何も出せない。
3章のループの中で根拠を出せなかったがためにクルシュ達から「狂人の妄言」と断じられた記憶がスバルには色濃く残っており、そのことがスバルを躊躇わせた。
しかし、オットーはその躊躇いを一蹴する。

「だから……それを!格好つけんなって言ってんでしょうが!!」

「信用してもらえる証拠がないとか、信頼される根拠がないとか、順序立てた説明ができないとか、そういうややこしいことうだうだと考えてる暇があるなら、
頭の中身を全部吐き出してぶちまけた方が、蹲ってるよりよっぽど建設的ってもんでしょうが!」

「ごちゃごちゃを全部話す!そして、最後に『信じろ!』って言やぁいいんですよ!友達なんだから!!」


その言葉には何の根拠も、理屈も、説得力も無かった。
しかし、スバルの背中を押すのに充分な何かがあった。

そうしてスバルが語った内容とは「白鯨と同格の『三大魔獣』多兎の狩り場に閉じ込められており、脱出するには『試練』を突破できるか微妙なエミリアに頼るしかなく、結界に引っかからない人たちだけでも離脱させるのは分からず屋のガーフィールに邪魔され、なんとか屋敷に帰ったら屋敷の主人のロズワールの命令で凄腕の殺し屋である1章ラスボスの『腸狩り』エルザと2章ラスボスの『魔獣使い』メイリィが同時に襲撃してくる」というもの。
この内容には啖呵を切ったオットーも絶句。
「聞かなかったことにして逃げ出したい」「どれだけ日頃の行いが悪いとそんなことになるのか」と言い放った。
そりゃあこの内容ではスバルが説明するのを躊躇うのも無理はないってものである。

しかし、そんな内容であってもオットーはスバルを信じ、勝算度外視でスバルを助けることを決めた。


「友達の、ためですからねぇ!!」

その後、スバルがエミリアのメンタルをケアする時間を稼ぐためにガーフィールと対峙する。
力の差は歴然だったが、ガーフィールはこれまで修行のために森を散々荒らしており、森の動物や虫、精霊達から憎悪されていた。
オットーはそれを利用して加護により彼らの協力を取り付け、搦め手による多くの罠と魔法を仕掛け、ガーフィールを散々翻弄する。
さらにはラムの協力まで取り付け、ガーフィールを満身創痍になるまで消耗させることに成功。
スバルがガーフィールを倒して仲間に引き入れることに大きく貢献した。

ガーフィールを仲間に引き入れた後はスバル、ガーフィールと共に屋敷に向かい、メイリィ率いる魔獣の群れへの対応にあたる。
メイリィの切り札の一つである「影獅子」ギルティラウと対峙し、油を浴びせて火をつけることによりギルティラウを撃破することに成功したが、その代償に屋敷は燃えてしまった。

しかし、これによってスバルは4章を突破することに成功。
そのままの勢いと流れでオットーは内政官としてエミリア陣営に加わることとなる。


5章

アナスタシア陣営や商人との交渉役としてスバル達とともにプリステラに赴く。
その際にプリステラに「叡知の書」の残骸を持ち込んだことで魔女教大罪司教がプリステラを襲撃するきっかけの一つを作ってしまった。

大罪司教襲撃時にはハインケルに人質に取られたフェルトを救い出し、その場に釘付けにされていたラインハルトを解放したことで大罪司教攻略の一助となる。
その後は自身も都市部をうろついていた暴食の大罪司教ライ・バテンカイトスと遭遇し、フェルトやベアトリスとともに交戦。
1人の少女の想いを嘲弄し馬鹿にするライを仕留めることを誓う。
結果、ベアトリスの魔法とフェルトのミーティアによってライを退けることに成功するが、ライと入れ替わる形で現れた新たな大罪司教ルイ・アルネブの攻撃からベアトリスを庇ったことで重傷を負い、6章の間は療養を余儀なくされることとなる。

ちなみに作者曰く、オットーがプレアデス監視塔に同行できなかったことで6章の難易度が跳ね上がったとのこと。


【関連人物】

本作の主人公で親友。
オットーは、「死に戻り」の力によって分不相応なほどに周りからの期待が積み上がる傾向にあるスバルを、「どこにでもいる普通の人間」と等身大に評価している数少ない人間でもある。
スバルを前から引っぱるのがエミリア、後ろから後押しするのがレムだとすれば、横に並んで同じ目線で共に歩くのがオットー(とベアトリス)と言ったところ。
スバルからは「一度頭を下げたら二度と上がらなそう」と思われるほど感謝されていると同時に、「いつまでも互いに対等の関係でいたい」とも思われている。

本作のメインヒロイン。
彼女との関わりは当初はあまり強いものではなかったが、陣営の内政官に就任したことで彼女の教師としての任も受け持つようになる。
付き合いが長くなるにつれて彼女の人の良さに(自覚ありで)絆されており、忠誠とまではいかないまでも、彼女のために力になりたいと思っている。
作者によると、たとえエミリア陣営に入らなかったとしても、王選ではエミリアを支持していただろうとのこと。

  • フルフー
オットーの地竜。
元々はオットーの実家にいた地竜で、オットーとは10年来の付き合い。
ただし、オットーに忠誠を誓ってはいるものの、その関係はあくまでも主従の間柄なので友達というわけではないようである。

  • ガーフィール・ティンゼル
4章での激しい戦闘と和解を経て陣営の武官ポジションへと収まった弟分。
スバルと合わせてよく3人でつるむことが多く、しばしば三馬鹿呼ばわりされている。
ガーフィールからはオットー兄ィと呼ばれており、いじられることも多いが、なんだかんだでスバルと同じくらい慕われている。


【余談】

  • アニメ1期の時にはそこそこ出番があったにもかかわらず公式サイトに個別のキャラ紹介が用意されていなかった。
  • Twitterによれば、作者はオットーの設定資料を紛失したらしい。
  • 2020年9月よりリリースされたリゼロ公式スマホゲーム『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』(リゼロス)の星3 (最高レア)キャラにオットーはいない。

やっぱりオットーはオットーである。



追記・修正は1日10オットーまで。お兄さんとの約束だぞ!

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最終更新:2024年03月24日 20:40

*1 本来なら厳冬の影響で油の値段が高騰した隣国のグステコで売り捌けば大儲けできるはずだったが、政争で国境が封鎖されてしまった。