SCP-4455

登録日:2020/11/22 Sun 07:15:51
更新日:2024/12/22 Sun 03:53:01
所要時間:約 5 分で読めます





つまり、起承転を素っ飛ばしていきなり結にするやつってこと。何が言いたいって?要するに収容違反したんだ。


SCP-4455とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」において登録されたオブジェクトの一つ。
オブジェクトクラスは「Keter」。
項目名は『要するに...』。


説明

SCP-4455は男性の人型オブジェクトである。見た目は白いラテックススーツにオートバイ用の白いヘルメットを身につけている。
身体には、"The Streamliner"という文が刻み付けられ、これが本名だと推測されている。


発見

全てのきっかけはSCP-4455-Ωという、悪の組織の親玉の様な異常性をもつ異常実体を、とある機動部隊が追い詰めたときに起こった。突如としてSCP-4455がその場に居合わせていたと推測される。

この際に異常実体が複数現れたことにより、財団の上層部は、機動部隊オメガ-12(“アキレウスの踵”)を送り込むことに。やはり現実改変者級の相手には、彼らを送り込むことが安定のご様子。


オメガ-12が送り込まれ硬直状態に陥った中、エージェント・ラフェリエールがSCP-4455-Ωに攻撃するも、赤子の手を捻るかのように無効化されてしまう。そんな時にそれは起こった
その時の音声ログが以下の文である。


SCP-4455-Ω: 無駄だ!何者にも私を止められぬ、新たにどんな不愉快な奴が来ようともな!!何者にもと私は言った、これは文字通りの意味なのだ!さて、独白に戻ろう。私はこの世の塵やゴミを超越し、そして私は…私は…ああ、私は何を言おうとしたのだ?

SCP-4455がSCP-4455-Ωを無力化する

なんとSCP-4455、SCP-4455-Ωをものとも言わせずに瞬殺したのだ。

その後に機動部隊オメガ-12がSCP-4455を収容しようと試みたものの、見事に翻弄され続けた。


その後の調査も記載しよう。


試行#2:
2019/1/20、SCP-4455がシカゴで銀行強盗を阻止した後に "アキレウスの踵" が派遣される。"アキレウスの踵" が幾らかの武装をして奇跡力を使用する準備をし、銀行の四方八方を取り囲む。

SCP-4455が逃走する。



試行#7:
2019/9/11、SCP-4455が (シカゴの) マギー・デイリー公園で木から猫を救出したことが報告された後に、"アキレウスの踵" が派遣される。ヘリコプターがSCP-4455にスポットライトを当て、その動向を追跡しようと試みる。SRAグレネードを携帯した "アキレウスの踵" が公園を完全に取り囲む。
ヘリコプターもまた、SRAマインを投下する準備ができている。"アキレウスの踵" の幾人かのエージェントが、SCP-4455を取り抑えるために公園に突入する。

SCP-4455が逃走する。



試行#18:
"アキレウスの踵" と共同で作業するSCP-4455研究チームが、2020/3/01にSCP-4455-Ωの再来を企画し、SCP-4455-Ωの "秘密の隠れ家" を装ったコンクリートバンカーにSCP-4455をおびき出す。
SCP-4455がバンカーに入った後に、唯一の出口である厚さ1 mの鋼製扉を裏側からボルトで固定する。監視システムは、バンカー内にSCP-4455を成功裏に収容したことを示している。バンカーの全ての部屋に隠されたSRAが、SCP-4455の能力を抑制する試みで活性化される。

SCP-4455が逃走する。




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なんかおかしくない?


どの記録も内容がないじゃないか。一体オメガ-12とSCP-4455はどんなに熾烈な戦いを繰り広げたのか、それについての記録がすっぽり抜けている。疑問を持った方がほとんどだと思う。

だがこのオブジェクトにおいて、内容が存在しないということが非常に重要なのだ。

ここから先は、SCP-4455の真の能力について詳しく掲載している。それでもOKという方のみ進んでほしい。











ネタバレ

SCP-4455の異常性は、自身の活躍を含めた物語とも言うべき活動の記録そのものを、大幅に要約・短縮してしまう能力である。

敢えてメタタイトルを使って説明すれば、


SCP-4455

要するに...(In Short…)


と、前置きをすっ飛ばして結論、結果だけを引き起こす能力なのだ。
もしもまだイメージが掴めない人がいたならば、


という感じで理解してほしい。或いはそれに近いモノだと認識してくれれば良い。


つまり、コイツが逃げようとした時点で、


となる。こんな何やっても勝ち目のないオブジェクトを、どうやって捕まえろと?


しかしそこは財団に所属する機動部隊、そんじょそこらの有象無象とは訳が違う。この異常性を逆手に取った作戦を仕掛けることに。

逆転の発想、そして収容へ........



試行#29: 2024/3/12、"アキレウスの踵" がSCP-4455の基地 (試行#28の直後に発見された) に派遣される。前夜にSCP-4455が建物へ入ったことが観測された後に、"アキレウスの踵" が午前2:00に建物に入る。以下はログの抜粋である。

アルファ隊長: 俺は前方のドアに入っている!エージェント・ベータとシータは俺と共にいて、デルタはすぐ後ろに続いている。

エージェント・ベータ: 私はアルファ隊長に続いている。

エージェント・シータ: 俺も。

エージェント・ガンマ: 俺は西側の窓から入っているぞ!

エージェント・イプシロン: 俺は東側の窓から入っている。

(略)

アルファ隊長: 俺はドアを開けている!

エージェント・ガンマ: 俺は隊長がドアを開けるのを見る準備ができている!

エージェント・エータ: 私は未だ窓を観察している!

エージェント・イプシロン: 俺はじっとしている!

エージェント・ゼータ: 俺も!

アルファ隊長: ドアが開かれている、ドアが開かれた、俺はSCP-4455を視認する —

エージェント・ガンマ: 俺もだ!

アルファ隊長: — そして俺は麻酔銃を撃とうとしている!俺はSCP-4455へ麻酔銃を撃った!

エージェント・ガンマ: 俺は用意したSRAグレネードを投げた!

エージェント・ベータ: 私も!

アルファ隊長: SCP-4455が行動不能になる!!

エージェント・エータ: 全員が歓声を上げている!


抵抗や戦闘などの"物語"を要約して、強制的に結末を起こす?
ならばその"物語"を要約させなければよい

内容を要約など出来ないほど複雑に、ギチギチに詰め込めばいい。自分たちがどんな作戦の中で、どんな行動をして、どのように追い詰めて捕縛したのかを、1から10まで全て声に出して、割り込む余地すら与えずに書き連ねれば、SCP-4455の異常性は無効となり得たのである。


この結果、SCP-4455は見事に収納され、これ程鮮やかな作戦を思いつき、実行した部隊は財団上層部から勲章等が与えられた。
まぁ実は冒頭のSCP-4455-Ωが既にこの作戦やってたんだけど


後に考案された収容プロトコルは以下のとおり、


  • SCP-4455は気密性かつ密着性に優れた鋳型の、密閉された収容室に収容しろ
  • 水や食物、空気はチューブを通して与えろ
  • 耳に直に聞かせるように、常にオーディオブックを掛け続けろ

ちなみにオーディオブックとは、本の朗読を録音したもののことである。
ともかく優秀な財団の研究者によってプロトコルは確立された。これで一安心である。


めでたしめでたし。


追記・修正よろしくお願いします。



























とでも言うと思ったか。

コイツの異常性は自身の活動を要約し、結果だけを生み出すこと。ならばそれを応用すれば、如何に収容されようとも、


補遺2026/4/18:
SCP-4455が収容違反しました。


ご覧の有り様だよッ!


言わずもがな、機動部隊オメガ-12の役目はこれだけではない。数多くの異常現象や異常実体に立ち向かうことが彼らの任務なのだから。
そんな機動部隊オメガ-12の明日はどっちだ。

追記・修正は要約しないでください。


SCP-4455 - In Short…
by DarkStuff
http://www.scp-wiki.net/scp-4455
http://ja.scp-wiki.net/scp-4455(翻訳)

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最終更新:2024年12月22日 03:53