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小アルカナ(タロットカード)

登録日:2020/11/22 Sun 22:16:23
更新日:2026/09/23 Wed 23:36:08
所要時間:約 9 分で読めます




小アルカナとは、タロットカードにおいて使用される56枚のカードのことである。

概要

一般人が「タロットカード」と言われて思い浮かべるのは大アルカナ22枚だろう。
アニヲタ的意味合いで使われるのも大アルカナのみが殆どで、小アルカナまで取り扱ったコンテンツはほぼ皆無に近い。
しかし、実のところタロット占いにおいては両方のアルカナともが重要な意味合いを持っている。
強いて言うなら、大アルカナは「抽象的で大雑把なニュアンス」、小アルカナは「日常的で現実的なニュアンス」を表していると解釈されやすい。

小アルカナは杖(ワンド)*1、剣(ソード)、聖杯(カップ)*2、護符(ペンタクル)*3の4つのスートそれぞれにACE(エース)及び2~10までの数字札(ピップカード)と小姓(ペイジ)、騎士(ナイト)、女王(クイーン)、王(キング)という4種の人物札(コートカード)の組み合わせで成り立っている。
お気づきのとおりトランプとほぼ同じ構成であり、何かしらの関係があるともされている。

56枚もの枚数があるのが初心者に敬遠されがちな理由だろうが、実際のところ読み取ることは大アルカナよりもかなり簡単。
各スートの大雑把な意味合いと、絵柄の表すところを理解すれば一つのストーリーになっていることがわかるだろう。
なお、人物札(コートカード)については概ね以下のような解釈がされやすい。

  • 小姓(ペイジ)…若さ、純粋さ。逆の意味合いで取れば未熟さ、幼さなど。
  • 騎士(ナイト)…最も活力にあふれた肉体的な最盛期を表す。積極的で行動力があるが、逆に言えば攻撃的で落ち着きがない。
  • 女王(クイーン)…女性的な包容力を表す。優しさや許し、慈愛などの意味合いがあるが、逆の意味では優柔不断でどっちつかず。
  • 王(キング)…権力の頂点を指す。厳格だったり自信家であったりするが、同時に人の話を聞かなかったり独善的な性質も持つ。

各小アルカナの解釈

比較的一般的だろう解釈を提示するが、これが正解というわけではない。
そもそも占いなので、「描かれていることからフィーリングで読み取る」方が重要とされることも多い。

ワンド

杖や棍棒を指すスート。
棒とは人間が動物から分かれて最初に手にした道具であり、最も原始的で動物的なエネルギー、活力を表す。
四大元素の「火」を司り、意志力・生命力・肉体的な健康などに関係すると解釈されやすい。

札名 ウェイト版の寓意画 正位置の解釈 逆位置の解釈
ACE 一本の杖を握った人間の手。 始まり、意思の強さ 暴走、自信過剰
2 2本の杖の間に立って遠くを見つめる人間。 計画、独立心 エゴイスト、孤立
3 3本の杖を背に荒野に立つ人物。 達成、到達 道半ば、思いだけが先行している
2の人物が立派な石造りの建物に居たのにこちらは荒野にいるので、「安定を捨て旅立った後」と解釈できる。
4 4本の杖の向こう側に立派な建物が見える。 到達、目標の成就 慢心、油断
5 5本の杖で争っている人間。 闘争、折れない心 無意味な争い、対立
6 各々が杖を持つ5人の従者を従え馬にまたがった人物。 主導権を握る、人の上に立つ 自惚れ、見た目だけの地位
7 高い位置に立って下から6本の杖で追い立てられる人物。 奮闘、地位を維持する 無駄な抵抗、意固地になっている
辛うじて地の利は得ているが、その表情は不安そのものであり、極めて危うい地位であることが読み取れる。
8 人物は描かれず、飛来する8本の杖だけが描かれている。 好転、チャンスの到来 変化についていけない、振り回される
9 城壁らしき場所で8本の杖で攻め立てられる人物。 不屈の闘志、諦めない 無駄な抵抗、意味のない戦い
7に似ているがこちらは立ち位置が多少盤石であり、人物の表情も不安げではあるが7よりは悲壮感がない。
10 10本の杖を抱えて歩く人物。 重すぎる荷、こだわりすぎ 押し付けられる、無意味な重責
ペイジ 身の丈ほどもある杖を持って荒野に立つ旅装の人物。 信念を持つ、真面目 自信がない、志がない
ナイト 杖を掲げて荒野に馳せる騎士。 向上心、情熱的 攻撃的、落ち着きがない
クイーン 右手に杖、左手に向日葵を持って玉座に座る女王。 包容力、天真爛漫 傲慢、感情的
キング 杖を持って玉座に座る王。 野心的、自信家 独善的、衝動的
4人の王のうち彼だけが横向きである。

ソード

鍛えられた剣は、杖よりもより高度で発達した道具であり、人間の知恵や技術を表す。
四大元素では「風」を司っている。
知能を高めた人間は、自ら争いの渦中に飛び込んでいくことも増えるため、争いを表すカードが多い。

札名 ウェイト版の寓意画 正位置の解釈 逆位置の解釈
ACE 1振りの剣を持った手。 勝利、精神力 衝突、やりすぎな批判
2 目隠しをして両手に1振りずつ剣を持った人物。 バランス、理性 無感情、行動が遅い
目を隠すのは「感情を抑える」、剣をバランスよく持つのは「均衡」を表すとされる。
3 心臓に3本の剣が刺さっている。 悲しみ、悲劇 心の内に隠した悲しみ、癒されない悲しみ
4 4振りの剣と共に眠る人物。 動き出すべき時ではない、力の温存 動かなすぎ、機を逸している
5 剣を持った勝者が描かれているが、敗者となった人物は自らの剣も投げ捨て、いかにも「アンタの勝ちでいいよ」と言わんばかりの投げやりな様子である。 不本意な勝利、卑怯な戦い 無意味な争い、長引く戦い
勝ったことは間違いないが、その勝ち方がひどく不本意なことを表している。
6 剣を船首に乗せて漕ぎ出す船。 退却、再起を図る 流される、目的のない旅路
「新しい場所への旅立ち」なのは事実だが、どちらかというと明確な目的もなく「ここではないどこかに行きたい」という程度の思いから旅立つような様子が強い。
7 剣を盗み取る狡猾な人物。 狡猾、駆け引き 詐欺、人を陥れる
その勝ち方は褒められたものではないが、勝ちは勝ち、ということであろうか。
8 目隠しをされて8振りの剣と共に拘束された人物。 状況が見えない、身動きが取れない 状況が見えてくる、解決策が見えてくる
9 剣を背に眠れぬ人物。 不安、孤独 不安の解消、心の安定
10 10本もの剣を突き立てられて地に倒れ伏した人間。 悲しみのどん底、絶望 あとは浮き上がるだけ、好転
他のスートの10は概ね人生の成功を描いているのにこれだけやたらと悲劇的。しかし地平線の向こうには夜明けの兆しもあり、決して絶望ばかりではないとも解釈できる。
ペイジ 両手で剣を掲げ持って草原に立つ人物。 論理的、冷静 行動が遅い、冷淡
ナイト 剣を振りかざして駆け抜ける騎士。 行動が早い、決断力に優れる 冷酷、短気
クイーン 剣を持ち、厳しい表情で玉座に座る女王。 合理的、意志が強い 閉鎖的、頭が固い
キング 剣を持ち、玉座に座る王。 厳格、現実主義 非情、高圧的


カップ

満たされた杯が描かれ、四大元素の「水」を司る。
喜びや悲しみなどの感情全般及び生命力の調和を示す一方で、それらが混沌と溢れる恋愛との関係も深い。
「聖杯」という名称が示すように、主に儀礼的な意味での人生の節目をも表す。

札名 ウェイト版の寓意画 正位置の解釈 逆位置の解釈
ACE 水が溢れ出す杯を持った手。 愛情で満たされる、満足 愛情に振り回される、気持ちが定まらない
2 互いに杯を酌み交わすカップル。 恋愛の成就、対等な関係 絶交、破談
3 楽し気に踊りながら杯を酌み交わす3人の人物。 友情、調和 甘えた関係、堕落
4 杯を差し出されているのに、それを手に取ろうともしない物憂げな人物。 現状への不満足、閉塞感 仕方なく動き出す、新しいものに手を伸ばす
5 喪服を纏った人物と倒れた3つの杯、そしてその後ろに立ったままの杯。 落胆、期待外れ 希望は残されている、別のものを得る
倒れた杯は人物の前にあり、杯が倒れたことを嘆いている人物は自分の後ろにまだ無事な杯があることに気づいていないのだろう。
6 幼い無垢な子供たちの楽しげな様子。 家族愛、郷愁 過去に囚われている、甘え
7 空に浮かぶ杯の中に欲望が満たされる様。 幻想、虚栄心 夢から覚める、現実への回帰
8 8つの杯に背を向けて旅立つ人物。 現状に満足しない、新たな自分を求める 現状への満足、今あるものを良しとする
9 9つの杯を背に堂々と佇む人物。 思わぬ成功、幸運 傲慢になる、堅実な道を選ばず楽な道に流される
10 虹の中に浮かび上がる杯を見て喜ぶ人々。 幸福、満たされた関係 集団内のトラブル、不満
9までの個人的な喜びを超えて全ての人々が分かち合う喜びを表現している。
ペイジ 杯から顔を出した魚と目を合わせる道化師のような人物。 独創的、ユニーク 思い込みが激しい、夢想的
ナイト 杯を持って川辺を進む騎士。 優しさ、人徳 優柔不断、周囲に流される
クイーン 瀬に設えられた玉座に座り、豪奢な杯を持つ女王。 愛情、母性 現実離れしている、依存心が強い
キング 水上に設えられた玉座に座り、杯を手にした王。 優しい、マイペース 自我がない、愛情の押し売り


ペンタクル

護符や硬貨の他に紋章や皿を表すともされ、実のところ何なのかが曖昧なスート*4である。
四大元素では「土」を司る。
円盤に描き込まれた模様は五芒星なことが多く、これは人間の頭と両手両足を模式化したものだと捉えられている。
人間の生活に根ざした経済的な営み、特に「物質的な利益・財産」に最も関係の深いスート。

札名 ウェイト版の寓意画 正位置の解釈 逆位置の解釈
ACE ペンタクルを持った手。 バランス感覚、豊かさ 物質主義、強欲
2 2つのペンタクルでお手玉をする道化師。 コミュニケーション能力の高さ、協調 その場しのぎ、いい加減
3 教会らしき場所で3つのペンタクルを見上げる夫婦。 ある程度の成功、堅実な成長 惰性、停滞
4 ペンタクルをしっかりと抱え込んだ身なりの良い人物。 成功、維持 所有欲、拝金主義
5 ペンタクルの描かれたステンドグラスを背に追われる貧しそうな人物。 失敗、財産を失う 成功への兆し、希望が見える
6 天秤をもって取引を行う人物。 公正な取引、平等 不平等な取引、正当な報酬を受け取れない
7 鉱山らしき場所で掘り起こしたペンタクルを前に考え込む人物。 不満足な成果、限界を感じる 惰性からの脱却、新たな成功
努力して一応の成果は得られたものの、それが思っていたものとはだいぶ違っていたのだろうという感情が窺える。
8 自らの手でペンタクルを作り上げる職人。 努力が実を結ぶ、大器晩成 惰性、マンネリ
9 豊かな農園を背に微笑む人物。 周囲からの支援、出世 周囲から富を吸い上げる、強引な成功
10 豊かそうな老人が描かれているが、子や孫と思しき人物は建物の外にいて老人に寄り添うのは犬だけである。 成功、繁栄 家庭の不和、自分だけの成功
物質的な豊かさはあるだろうが、果たして心は満たされているのだろうか…?
ペイジ ペンタクルを捧げ持ちながら草原に佇む人物。 堅実、地道 動きが遅い、成果主義
ナイト ペンタクルを持ち、遠くを見る騎士。 実務能力に優れる、安定 拝金主義、損得勘定で判断する
クイーン 庭園に設えた玉座でペンタクルを抱く女王。 管理、安定 心が狭い、細かい
キング 右手に笏を持ち、左手でペンタクルを撫でる王。 莫大な富、成功 即物的、支配欲



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最終更新:2026年09月23日 23:36

*1 棍棒とする説もある。

*2 聖遺物のアレのことではなく、冠婚葬祭等の儀式で使われる儀礼用の杯全般を指す。

*3 硬貨(コイン)とする説もある。

*4 主として「利益・財産」を表すため、伝統的には硬貨(コイン)らしいが、20世紀以降は護符(ペンタクル)とする解釈が主流になっている。