山崎邦正コソ泥裁判

登録日:2020/12/16 Wed 00:37:50
更新日:2024/04/24 Wed 20:54:29
所要時間:約 10 分で読めます






裁判長・中村喜伸プロデューサー「それでは、山崎邦正コソ泥裁判を始めたいと思います」





「山崎邦正コソ泥裁判」とは、日本テレビで放送されている人気バラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の人気企画「ガキの使い裁判」シリーズの1つである。



この企画ではガキ使メンバーやスタッフの日ごろの行いの浅ましさや理不尽さを裁判形式でどんどん立証していき、
最終的に判決と称して被告に凄まじい罰ゲームを科していくのが持ち味だが、
(判決の例としてこれがある)
今回明らかになったのは、山崎邦正の人間として、そして芸人としてあるまじきコソ泥っぷりであった
項目名で勘違いされるかもしれないが、何も邦正が実際に窃盗を働いたわけではないのでお間違いなきよう。やらかしっぷりはそれに匹敵するが。



放送日:2008年2月24日(前編)、3月2日(後編)





【冒頭】

項目先頭の喜伸プロデューサーの掛け声とともに、検事浜田、そして陪審員の松本遠藤田中が険しい顔で入廷する。
そして被告として入廷した邦正だが、不機嫌顔から顔芸を繰り広げるなど明らかに反省している様子は皆無であった。



松本「ふざけてる……」



【山崎邦正コソ泥伝説①「ルール無視事件」】

裁判長が何故アガっているのかはさておきそれは2008年2月に放送された「楳図かずおの500のコト」の収録で起きた事件。
この企画で行われるクイズに正解した者だけ(←ここ重要)が楳図かずお先生に会え、似顔絵付きサインをもらえるという企画で、それ以外の者は収録後であっても会いに行くことは許されない。
この収録では遠藤が優勝を果たし、似顔絵とサインをもらったのだが、事件はここで起こった




遠藤がサインを貰っている背後から、ルールを無視して邦正が忍び寄ってきたのである。
スタッフが収録を締めてもその場を離れず、そして……。



邦正「先生すみません、サインを……


なんと近づくだけでは飽き足らず、堂々とサインまで要求したのである!


優勝の権利をコソ泥された遠藤は証人として法廷に立ち、
「ホントに会っちゃダメなのに、どういうことでしょう?」と困惑と怒りをあらわにするが、邦正は「自分は楳図かずおの大ファンであり、ほかの人と思い入れが違う」「サインを貰うくらいいいじゃないか」「楳図先生は喜んでいた」と全く悪びれることなく自分の正当性を主張する。
無論ルールを破っていることが問題なので陪審員たちは猛反論。
松本が「(以前同じ企画でやった)IKKOの時は近寄りもしなかったじゃないですか!!」と指摘すると……。





「IKKOは……、近寄ってもしゃんがない……」
「しゃんがないってwww」







【山崎邦正コソ泥伝説②「イメチェン事件」】

それはとあるガキ使の収録前のことだった。
イメチェンを考えていた邦正だが、なかなかピンとくる服装が思いつけないでいた。
そこに現れたのが、ガキの使いNo1のおしゃれボーイであるディレクター「高橋」。
邦正は高橋Dの格好を見るや否や、舐めるように眺め倒し、怒涛の質問攻めをして高橋を困惑させる
やたら長い顎のイラストの田中が「高橋のファッションは着慣れてないから似合わないんじゃないか」と忠告するが、邦正は「参考にするだけ」と いってその場から去っていった。

そして1週間後、邦正はそれと全く一緒のコーディネートで登場
参考にするどころかコーディネートを丸々コソ泥という浅ましすぎる暴挙をかまされた高橋Dはその後二度とこの服を着れなくなったという


証人の田中が証拠として高橋の姿と靴以外全く同じ格好をした邦正の比較写真を出したところ陪審員から非難轟々。


松本「こんなもん絶対コソ泥やんけ!コソ泥にも程があるわ!」
松本「100歩譲ってガキの収録以外の時にね、着るならあれやけどこの収録に来るってことは高橋おるから!!」

しかし邦正はこれにも「これはなにがアカンのですか?」と全く悪びれることはない。

松本「だって気持ち悪いでしょ!おんなじ格好の人間二人もいたら!」「ましてや相手は一応タレントですからね!こっちが引くしかないんですから!」
浜田「別の収録で着るならともかく、なんで高橋のいる前でこれを着るのか」と陪審員から次々指摘されるが、
邦正は「自分は高橋が好きで、人間として尊敬しているからついマネしたくなった」とよくわからない弁明をする始末。年下のスタッフに憧れる芸人って……。

「いやでも、人を好きになるのはね…」
「さっきから何を言うてんの?そういう問題じゃないでしょ?」

「ただ、高橋は山崎のことが好きなのかなぁ?」

「聞いたことないけど、そりゃ好きでしょ!いろいろ言うてきますから!!」

「え、どういうことですか?」


「……打ち合わせとか」

「そりゃ皆にやねん!」


尚、ファッションだけでなく匂いまで真似しようと高橋に何の香水を使っているかも問い詰めたものの、それはただの柔軟剤であったことも付け加えておく(邦正はそれを知らなかったようである)。





【山崎邦正コソ泥伝説③芸人失格事件】

上記2つの件は、人間としてはクズだが芸人としては笑えるネタになったものである。
しかしここから邦正の芸人としてのプライドを捨て去る恐るべき事実が次々とあらわになっていく。



2007年末、ガキ使スタッフの藤原に「来年厄年の邦正に、厄落としのための1発ギャグをやってもらう」とあまりにも雑すぎるフリに窮地に立たされた邦正。
そんな時、邦正の脳裏にあるギャグがよぎる。
それは、当時日本では知らぬ人はいないとも言われた小島よしおのギャグ「そんなの関係ねぇ!」
そしてついにその時、邦正は芸人の一線を越えてしまう……!」





「……関係ないから~♪関係ないから~♪」


小島よしおの「そんなの関係ねぇ!」とあまりにも酷似したネタで爆笑をとったのである!



証拠のVTRが流れた後、証人として呼ばれたのはもちろん小島よしお。
普段ネタをやるときの音楽が流れているにもかかわらず、険しい顔をして終始無言で登場しており、邦正に対して本気で怒りを覚えているのがうかがえた。



そして小島はVTRを見て「正直、戦慄が走りました」と驚いたことを伝えると同時に、
「4月5月までは「そんなの関係ねぇ!」で引っ張るつもりだったのに、アイツのネタのせいで慌てて作ったネタも鳴かず飛ばずになった」 と実際に被害を受けたことを切実に訴える。



そのネタを実際に披露することになったのだが……。



「ラスタラスタ~♪ラスタラスタピィ~ア~♪ピィアピィア~♪ラスタラスタピィア……」



「お前のせいだぁ!!!」





ネタの完成度の低さは本人の問題としてパクられたのは周知の事実。
陪審員から弁明を求められるも、邦正は謎の黙秘をした後、
「僕の中でパクったという認識はございません!ただ……、似てるなぁっていう……」



あまりにもお粗末な言い訳に当然陪審員や証人が納得できるわけがなく、
「似てたらだって外すじゃないですか!」と小島が割とキレ気味に問い詰めるが、
「似てたら絶対に外すんか!?」「この巷に何万個もギャグが氾濫しているから似ることもある!」と決して非を認めようとしない。


そこで松本が「ほかにギャグで似ている例はあるのか?」と聞いてみたところ、
「あの、ガチョ~ンてあるでしょ、ガチョ~ンっていうのと、僕の……
「お前のやったらアカンやんけ!!それもパクってるやん!!」



ここまで苦しい弁明で逃げ続ける邦正。だが、このギャグに関してなんともう一人被害者がいることが判明。
新たに入廷してきた証人、それはエンタの神様において独特なリズムネタで人気となった吉本の芸人アクセルホッパーこと永井佑一郎



彼曰く、2007年に新しく作ったネタのリズムが、邦正の「関係ないから」に酷似しているという。
この言葉通りだと邦正は2人の芸人からネタをコソ泥したことになるが、芸人としては到底考えられない所業にさしもの陪審員も信じられず、
松本も「そこまで山崎は腐ってないと思うよ!!」と邦正を擁護する。



しかし、関係ないからの誕生の2か月前にとられたCS放送のVTRに証拠は写っていた。
舞台に上がった永井の第一声。それは……。


オ・カ・マ・の・リ・ズ・ム・で


問題ないから~♪何も問題ないから~♪



ひねりも何もない、関係ないからと全く同じリズムのネタがそこにはあった。
邦正は2つのネタからコソ泥をしていたのである!!


大爆笑するメンバーを尻目に永井本人は「関係ないから」の本放送は見ておらず、ブログのファンからのコメントで盗まれていることを初めて知ったという。
更に後日ライブ後に飲み会に行った後、居酒屋の隣の席で「関係ないから」が飲みコールに使われる現場に居合わせ、自分のネタが完全に飲み込まれてしまったことを悟ったらしい



この惨状に先ほどまで邦正を庇っていた松本も、
「これに関しては僕からも謝るしかないわ。完全にパクっている」「ここまで腐っているとは……」 と動揺を隠しきれなかった。



これに対し邦正は謎の重鎮な演技をしながら永井のネタを「知っていました!」と堂々と暴露。
同時に小島のネタも常々いいなぁと思っていたことを白状したが、それらのネタを「融合しただけ」と弁明にさえなっていない言い訳を繰り広げた。

更に「僕一人だけがいい思いをしようと思っていない」「一緒にやりたかった、コラボしたかった」と苦しい弁明を続けるが、浜田の計らいで実際に三人のコラボギャグが実現することになった。
その時のスタジオの空気は……、ここで書くのは伏せておく。
締めに松本が放った「オンエアしません!」という言葉から察してほしい。





【山崎邦正コソ泥伝説③芸人失格事件その2】

ここから週をまたいで後編。
浜田が邦正が今までやってきたしょうもないネタをフリップにまとめて持ってきた中、そこから 「顔面パクパク」「土井たか子」に注目。
浜田が「これらのギャグはすべて自分で考えたのか」と確認したところ邦正はさも当たり前のように「はい」と答えるが、
ここで浜田はこのギャグに関してもう1人被害者がいると裁判長に進言。


そこに現れたのは、ギャグの神様ことFUJIWARAの原西孝幸であった。
何かを悟って苦笑する邦正を無視して原西もギャグをパクられたと主張。
更に、今まではまだニュアンスや言葉尻を真似しただけのものだったが、自分は完全に丸々パクられたというのだ!



邦正は1999年に土井たか子の物まねで少し受けてから度々これを持ちネタとして使っていたのだが、その1年前に当時FUJIWARAがレギュラーで出演していた大阪ローカルの番組で全く同じネタをやっていたことがVTRで判明。
一語一句同じネタだが、邦正は「偶然ってあるんですねぇ」「僕はあの番組見てないから知らない」とシラを切り通す。
だが原西はプライベートで邦正の前でやったことがあると暴露。加えて1998年当時で土井たか子自体が古いネタであるためチョイスが被るわけがないと主張した。

そして体調不良を訴えて退廷しようとする邦正を引き留めつつ、パクられたギャグがもう1つあると主張。
それが先ほどの「顔面パクパク」であり、 これも丸パクリ、それもお蔵入りになったことをいいことに邦正の持ちネタにされたのだという。
更に、ギャグをパクったことがばれないように東京に進出しようとした原西を「今はその時期じゃない」「俺、そういうの一番分かるから」「その時が来たら教えるから」と必死に引き留めていたことも暴露
「そういうの一番分かるからって、お前そういうの一番分からんやん」


この事実に傍聴席は騒然。
邦正からは「謝罪すれば罪は軽くなるのか」実質全ての罪を認める発言まで飛び出したが、
浜田から「有罪になったらこのギャグは封印だ」と告知されごね始める。



そこで小島に新しくギャグを考えればいいと指摘されるも「出てこんもんはしょうがないやろが!!」と謎の逆切れをしたり、
実際に新ギャグを披露しようとして更に永井のネタをパクろうとしたところで審議は無事(?)終了した。



「悪い癖なんですよ~」







【判決】

メンバーは一度退廷した後、各々が険しい顔をして再び入廷。
そして松本が、判決を粛々と読み上げていく。


「えー、被告人山崎のコソ泥ぶりは目に余るものがあり、
多くの人に迷惑をかけた被害は、我々の予想をはるかに超えていました。
よって、弁明の余地なしとみなし……判決は!」



「蝶野ビンタの刑に処します!!」



「ええ!嘘!?ちょっと!!?」



邦正の悲鳴と同時に現れたのは、かつて絶対に笑ってはいけない病院にて邦正にトラウマを植え付け、
そしてこの先2020年まで毎年邦正の天敵となる男、プロレスラー・蝶野正洋

「蝶野さん嫌やねん…ちょっとマジで嫌や!」

かつての暴挙を思い出し戦慄する邦正はどうにかしてビンタから逃れようと、
「年末のビンタを食らって3か月入院した」「病院の担当医が蝶野さんに怒った」と誰がどう見てもわかる嘘や、「今食らったら病院がなくなるかもしれない」という意味不明な屁理屈をペラペラと並べ、
しまいには「浜田さんが受けるなら俺もやる!」「遠藤!ホンマ怒るぞ!ホンマキレるぞ!!」と叫びながら大暴れする始末。
メンバー全員に取り押さえられいったん落ち着いたものの、全く同じ下りを繰り返してようやく観念。

ちなみにこの最中、「ちょっと取り乱してもうて…」とここでもダチョウ倶楽部・上島竜兵のフレーズを丸々パクり松本から指摘される場面もあった。
しかし執行される直前の「怖いんや……」「プロレスラーにシバかれるほどの悪いことしましたか?」は邦正オリジナルのネタとしては珍しく「面白い」と太鼓判を貰っている。

最後に「遠藤!お前恨んだるからな!!一生恨んだるからな!!」と何故か遠藤に捨て台詞を吐いたのち、無事にビンタ執行


遠藤「何で俺や!何で俺やねん!」


強烈なビンタにさすがの邦正も懲りたのか、パクったギャグをすべて封印しろという浜田の言葉に力なく「はい……」と呟いたところで裁判は閉廷した。



【余談】

  • 裁判シリーズは今までメンバーが被告の場合は公開収録、スタッフが被告の場合は非公開収録となっていたが、邦正の回で公開収録は最後となり後はすべて未公開収録となった。この回は最後の公開収録としてちょっとした貴重な瞬間でもある。

  • この回で邦正が苦し紛れに言った「浜田が蝶野ビンタを受ける図」と言うシチュエーションは後年の「笑ってはいけない名探偵」にて邦正を一度喜ばせて落とす為のドッキリと言う形で半ば実現する事となった。

  • この回から9年前には『山崎邦正 スケールが小さい裁判』が放送されており、この回でも「題名を『山崎 かわいい裁判』にしてくれと懇願した」「キツい企画を回避するため『骨折した』等とバレバレの嘘をついた」等と山崎のスケールの小ささを暴露され、挙げ句には雨上がり決死隊の宮迫から「自分のギャグをパクられた」との証言まで飛び出し、どうやらこの時期から邦正のパクリ癖があったようである。


追記・修正は蝶野ビンタの刑を受けた人がお願いします。

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最終更新:2024年04月24日 20:54