SCP-4773-2

登録日:2021/01/22 Fri 23:21:10
更新日:2021/02/25 Thu 18:02:55
所要時間:約 11 分で読めます




"やっちまった。それも手酷く。俺らはこの類の訓練なんざ受けてねえんだぞ。"


SCP-4773-2はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスは   。



概要

SCP-4773-2は合成毛皮と綿から成る茶色のクマのぬいぐるみであり、周期的に地上10-70cmを浮遊し、不規則に動く。
SCP-4773-2付近の物体、実体、表面は全体的に或いは部分的に知覚不可能になる。

このアノマリーに関連するイベントのために、このアノマリーには精神的な影響があると見られていたが、
後にそれは通常の振る舞いであると結論付けられた。……が『通常』でもなくねとそこも訂正されている。

なお、SCP-4773-2を取り囲む以下の状況はSCP-4773-2を説明する上で関係するかどうかは不明である。
個々人の判断に委ねられている。
  • 重量や形など。— 基準、通常の物理的特性
  • 動き (確認済)
  • 環境による変化 (詳細不明 (確認済))
  • 食品の撤去。
  • 職員の詳細不明の潜在意識下の衝動の誘発。
  • 職員による、不適切な食品廃棄物の投棄。投棄時点では完全に可食。(?)
    • 不明な結末。
    • 現時点で三(3)つのサンドイッチ、四(4)つの塩味のポテトチップスの袋、そして様々な雑多な菓子類。
  • 動き (未確認)
  • 精神影響*1
  • 難しい (確認済)
  • 適切な交         の不能
  • 職員は             出来な
  • 暗示の存在 (不明)(?)

試験

1996年4月10日、SCP-4773-2の視覚効果に関しての実験が提起され、1週間後に行われた。
この実験では、収容室に各辺25cmのタイルをつけて、それを監視カメラで撮影し見えない部分をメモすることで行われた。
この実験では、事前にこの収容室に職員は立ち入らないようにして影響が出ないようにしたうえで行われた。
赤いタイルはSCP-4773-2の位置に関するものである。

結局、データセットからはなにも有用な情報が得られないため5時間で実験は停止された。
以下、そのデータセットである。


画像出典:http://scp-wiki.wikidot.com/scp-4773 ,by MaliceAforethought and Henzoid,2021/01/22閲覧
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

試験は1996年4月18日に終了した。

更新

1996年4月23日、報告書が更新された。
SCP-4773-2は非異常性であると確認され、倉庫に移送された。
そして、SCP-4773-1がSCP-4773-2の近くで脱水状態で死んでいるのが見つかった。
SCP-4773-1の葬儀は4月30日に執り行われる予定であり、チャンバーを清掃中である。




















さあ、ここまで読んできて、正直ピンときてない人も多いんじゃないだろうか。
情報を改めて整理しよう。

まず、SCP-4773-2はクマのぬいぐるみである。本報告書はあくまでSCP-4773-2についての報告書である。
この時点であれって気付いただろうか。SCP-4773-2っていうのはSCP-4773というオブジェクトを構成する1要素でしかないはずだ。
例えばどこぞのピザが大好きなセム人男性はSCP-076-2とナンバリングされるが、
あれもSCP-076』を構成する要素として石棺(SCP-076-1)とピザが大好きなセム人男性アベル(SCP-076-2)が存在するとしたうえで、
その構成要素の一つがSCP-076-2と呼ばれているわけだ。

なのにSCP-4773の説明はない。SCP-4773-2については説明があったが。
そして最後の最後に唐突に登場したSCP-4773-1(脱水状態を起こして亡くなった何者か)。
さらにSCP-4773-2は異常性がありませんという唐突な結論。

そして途中に出てきたSCP-4773-2に関係するんだかしないんだかわからない情報リストと、
実験のタイムライン。

これらに関して、実はこのオブジェクトの報告書には冒頭にこんな文章が書かれている。

誤伝達部門より通達

この文書には一部存在していない情報があります。これは意図的なものではありません。

― エリ・フォークレイ、誤伝達部門主任

誤伝達部門とは、オブジェクトの性質上そのオブジェクトの異常性を伝えられない場合にそれを正しく伝える方法を考える部門。
今回で言うなら、ふわふわ浮いて周りを見えなくするけど異常性がないクマのぬいぐるみ……ではなく、
SCP-4773かSCP-4773-1が異常なんだけどその異常性を伝達不可能なケースに該当する。
よくよく報告書原文(下のリンクから見てね)を見てみると、そもそもアイテム番号のところはなんも書いてない*2し、
オブジェクトクラスも空欄だ。

誤伝達部門が出てくる場合、とりあえずSCP初心者はこう考えてほしい。
「ああ俺、今なぞなぞやってんだな」と。
正しい正体を「伝えられない」異常性なので、結果としてヒントをたっぷり与えられた上でのなぞなぞになるのである。

なぞなぞを解いてみよう

ではなぞなぞを解いてみよう。なおある程度は推論が含まれることは許容願いたい。

まずはじめにオブジェクトについての情報を整理しよう。

  • SCP-4773-1 - ラストで脱水状態を起こして亡くなってた
  • SCP-4773-2 - ふわふわ浮いて周りを見えなくするけど非異常性と結論付けられたぬいぐるみ

SCP-4773-1の説明は本オブジェクトの報告書内でまったく存在していない。
説明が存在しない場合、とりあえず仮定するべき異常性は何か?……そう、反ミームである。

反ミーム性、すなわち「それについての情報の拡散を阻止する」ものである。
SCP-055(丸くないやつ)やSCP-2943-JP(クラムボン)のように何かしらいるのがわかるケースもあるが、
酷いと収容チャンバー#3942みたいに一切の直接言及を許さないものすらある。

SCP-4773-1は生前は一切の直接言及を許さず、死後も死体としてのみしか言及をさせない程度には
強い反ミーム性があったと考えれば、SCP-4773-1が更新までの間全く言及されないとしても理由がつく。
そして、SCP-4773は「SCP-4773-1とSCP-4773-2の組み合わせ」なので、SCP-4773-1について言及できない以上
SCP-4773というアイテム番号が呼ばれることもなく、オブジェクトクラスだって分類されていたとしても言及されるはずもない。

次に関係するんだかしないんだかよくわからない情報群。
この中で気になるのは、「食品が撤去されるイベント」や「職員がその時点で可食の食べ物をチャンバー内に廃棄する」ことといった
食べ物に関係する異常性と、精神影響の部分である。
職員たちはチャンバー内でまだ食える食べ物を廃棄するのであるが……反ミーム性をSCP-4773-1に仮定している以上は、
SCP-3942と同じく、「SCP-4773-1に職員たちが食べ物を与えている」と捉えるべきであろう。
そして精神影響だが……これもSCP-4773-2にない異常性である以上はSCP-4773-1がそのような精神影響を与える特性を有するのであろう。
その内容は「かわいそう」。何がかわいそうなのか?

それから、試験のタイムライン画像をもう一度見てほしい。


画像出典:http://scp-wiki.wikidot.com/scp-4773 ,by MaliceAforethought and Henzoid,2021/01/22閲覧
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

最初に「監視カメラで撮影した映像」と言われて、多くの人はどう考えただろうか。
監視カメラといえば基本は天井にある。だから、床にタイルを敷き詰めて、上からSCP-4773-2(とSCP-4773-1)を撮影したと考えるだろうか。
実際本家のディスカッションでも「上から撮影した映像だと思ってた」というコメントが見られる。

……しかし、この時点で財団はSCP-4773-2の異常性として「地上から浮いている」ことを挙げていた。
浮遊するオブジェクトの異常性を確認する実験をやるなら天井ではなく壁から撮影するんじゃないかな
だからこのタイルを敷き詰めて、というのも床ではなくカメラが設置されている方と逆側の壁である。
で、この実験の目的はなんだったか。
「SCP-4773-2の視覚効果に関する実験」、すなわちSCP-4773-2の周りが見えなくなるという異常性に関しての実験だった。
しかし、見えない範囲がむしろSCP-4773-2と接触触れていないケースが2例も存在する。
これも、単純に「対岸のタイルが見えないのはSCP-4773-1が映っている部分だから」と考えるのが自然であろう。

財団がSCP-4773-2は非異常性だと考えたのはなぜか。
浮いている?違う違う、SCP-2478みたいに、それを持っているSCP-4773-1を視認できないから浮いているように見えるんだ。
周りが見えない?そこにSCP-4773-1がいるだけだ。
精神影響?かわいそう?職員たちがそこで食べ物を廃棄する?そこにいたのは反ミーム性を持つ人間だったのではないか?
それもぬいぐるみと一緒にいるからには子供であるというのが自然な認識である。
(実際、見えない範囲がせいぜい150cm程度の長さしかない。10歳くらいの子供の身長である。)
要は職員たちはチャンバー内に入ればSCP-4773-1を認識できたのであろう。
認識したならば当然、閉所に閉じ込められ栄養失調を起こした子供に持っていたサンドイッチやポテトチップスを与えるのは当然だ。
しかしSCP-4773-1を認識できるのはあくまでチャンバー内を目視で確認したときだけだったんだろう。
それ以外の場所ではSCP-055がごとく生物か非生物かさえ覚えておけないんだろう。
そして、SCP-4773-2はぬいぐるみ=非生物であるため、食事を与える必要はない。
だから生物系オブジェクトには普通制定されるような毎日食事を与える特別収容プロトコルなど当然組まれるはずはない。
数日に一度くらいしか点検されないのであれば、子供はお腹をすかせ、喉が渇き、脱水症を起こすか飢餓で死ぬ。




SCP-4773-2 -        and a stuffed bear(       とクマのぬいぐるみ)




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最終更新:2021年02月25日 18:02
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