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サンドイッチ

登録日：2011/12/20 Tue 23:09:24
更新日：2025/03/11 Tue 10:12:01
所要時間：約 13 分で読めます



「サンドイッチ」とは、主にパンの間に具材を挟んだ料理。「サンドウィッチ」とも。
なお、ハンバーガーや、はたまたアイスクリームをビスケットで挟んだものもこう呼ばれるが、ここでは食パンに挟んだものを主に説明する。

●目次

■概要

現代の日本では、ミミの部分を切り落とした食パンで、ベーコンや野菜、ツナ、もしくはジャムや果物類を挟んだものが一般的。
そして具材の名前を冠し○○サンドと呼ぶことが多い。ちなみに○○サンドは和製英語。

現在の日本においてサンドイッチは、コンビニでも気軽に買える主食ないしお惣菜、はたまたデザートの定番である。
お弁当として、母親にねだった者も多いであろう。子供心には、米飯の弁当よりもシャープでかっこよく映るのだ。
そして、肉や野菜、ジャムなどを挟んだサンドイッチを詰め合わせ、いざ、食べる段になったら、寄り弁となり、箱の中はカオスな世界が展開されていることも……。
もちろんそのグチャグチャもまた美味しいけどね。

よくアニメで大食いキャラが出てくる食事を一気に食べるシーンが出てくるが、大抵サンドイッチ化している気がしてならない。


◆起源

イギリスのサンドイッチ伯爵とされる。
彼は書類仕事が忙しく食事の時間すら惜しむ程だった。
そこで、片手でも食べられるよう、パンに具材を挟んだものを考案した。

……という俗説がある。
と言ってもパンと具を組み合わせた食べ物など 起源がわかるわけがないほど誰でも思いつきうる ため
当時政治家として勢力的に活動していたサンドイッチ伯爵をネタにして
「おい知ってるか？この食い物はサンドイッチ伯爵が考えたらしいぞ」
「ああ伯爵は働き者だもんなあ」
というように 市民のジョーク として語られたのが有名になったというところらしい。

なおこのサンドイッチ伯爵、後年にスキャンダルとして醜聞を書き立てられる事件が起こり
そうすると「書類仕事が忙しくて」→「トランプ遊びに興じて」とジョークの内容すら変異していった。

というか、このエピソード自体が、「イギリスでは貴族でも手掴みで下品にものを食べている」という、イギリスの料理文化の程度の低さを皮肉ったものとされる。
あと初代食事フェイズと言われたり、言われなかったり……？

「sand(砂、無機物の意)とwitch(魔女、存在しないもの)以外はなんでも挟んで食べられるから」という説が偶に出るが、
これはパタリロ！に登場した説である。
そもそもsandwichという表記なので魔女はいない。
sandwichとは、wichが古英語の村という意味であり、地名らしい。

■主な具材

特にきっちり厳密に決められているわけではないが、ポピュラーな中身としては以下のようなものがある。

主食・お惣菜系

刻んだ茹で玉子をマヨネーズで和えたのが一般的。多分手にした時に一番嬉しい、存在していて欲しい具材筆頭。無かったらかなり寂しい。最近は外国人にも「しっとり感が病みつきになる」とかで人気を博しているらしい。
ピクルスを混ぜたり、マヨネーズに砂糖を入れたりしても美味い。
なお関西では玉子サンドと言えば玉子焼きを挟んだものが定番である。
ゆで玉子のスライスはボリューム感や断面の美しさが映える。
あるいは凝ってオムレツを挟んでも贅沢。しかし生卵はさすがに無い、と思う。こぼれちゃう。目玉焼きを挟むなら黄身までしっかり焼かないとやはり滴り落ちて大惨事になる可能性がある。

  • 生野菜
トマト、キュウリ、レタスなど。
野菜のみのサンドイッチは、次の一口をより美味しくするための舌休めに良いので、是非とも試してみてはどうだろう。
ただしバターかマヨネーズをたっぷり塗らないと、水分がパンに染み込んでビッショビショになっちゃうぞ。
ちなみにキュウリのサンドイッチは、かつてのイギリスではありふれたオヤツだったらしい。人によっては食わされ過ぎてうんざりするくらいに。

  • サラダ
ポテトサラダやカボチャサラダなど玉子サラダ同様になめらかな食感と優しい味が人気。
キャロットラペ、ごぼうサラダなどはシャキシャキした歯ごたえを味わえる。

スライスチーズが主だが、クリームチーズ、カッテージチーズなども。
野菜やハムなどと一緒に挟まれることが多い。温めればトローリ溶けてヨシ。

スライスハムが主。こちらも野菜や卵と一緒に挟まれることが多い。トリプルフェイスなあの人の得意料理でもある。
ちなみに日本では１、２枚だが、海外だと何枚も重ねて分厚くしたものを挟む場合も。分厚いものに慣れた外国人にとって日本のサンドイッチは物足りないらしい……。
生ハムを野菜やクリームチーズと一緒に挟むと、塩気がアクセントになって食欲が進む。

  • カツ
ゴージャスな豚カツやチキンカツ、安価なハムカツまで。
ソースがパンに染みてグッド。
カツじゃないけどコロッケも美味しい。
白身魚のフィッシュカツ(フィッシュフライ)、海老カツといった魚介類のカツもグッド。こちらはタルタルソースと一緒に。
刻んだキャベツを入れるのも忘れずに。

  • BLT
B（ベーコン）L（レタス）T（トマト）サンド。
B（ブロッコリー）L（レモン）T（ターキー）サンドではない。
B（ビヤーキー）L（ロイガー）T（ツァトグァ）サンドでも当然ない。
ベーコンの脂身と塩味、レタスのしゃっきりした瑞々しさ、トマトの酸味と甘味が絶妙なコラボ。
だが、良いベーコンを使うときには、辛子のみのパンでベーコンのみをたっぷりと挟んでみよう。
ベーコン好きならば失神確実。BLTじゃない？気にするな！
パンはトーストしていたらなお良し。

  • 魚介類やその加工品
ツナ缶のマヨネーズあえは定番。おにぎりにも使いまわしが効く。刻んだタマネギを混ぜることも。キュウリを入れればさっぱりしてオツ。
クリームチーズと特に相性抜群なスモークサーモンも良し。
サバはトルコ料理では定番の具で、鉄板で焼いたものを使う。
あとオイルサーディンも美味しい。

  • フルーツ
！？と思われるかも知れないが、おかずにフルーツを入れるのは割りとあること。
特にアボカドは単体でも肉や野菜と組み合わせても美味しく、専門店でも人気の具。
普通のフルーツでも甘味と塩気の組み合わせは人を選ぶがよく合うのも確か。
例えばリンゴは豚肉ともツナとも相性がいい。
大物歌手のおふくろの味であるエルヴィスサンドはバナナ&ベーコン&ピーナッツバターの組み合わせ。

デザート系

  • ジャム
ジャーから掬って塗るだけ。お手軽。酸味と甘味を楽しませてくれる。イチゴやブルーベリー、マーマレードなど。
もし梅ジャムを入手したら、是非サンドしてみよう。
しかし、ほかのサンドと弁当箱の中で混ざる事があるので、嫌なら小分けするか、一緒に入れるなら個別にラップで包もう。

  • PB&J
PB（ピーナッツバター）&（と）J（ジェリー）のサンドイッチ。
ジェリーとは果肉の入っていないジャムのことで、ぶどう味が一般的だが、お好きなジャムでもOK。
アメリカ、カナダなど北米のキッズに大人気のおやつ。
日本人の感覚では甘すぎるのでは？と思うかもしれないが海外のピーナッツバターは甘みがないものが主流で、PB&Jに使うのはもっぱらそっち。
ピーナッツバターの塩気とジェリーの甘味のコントラストがベリーグッド。思う存分塗ったくれ！カロリー？知らんな！！

そのままでも湯煎しても良し。ヌテラならその手間も要らずお手軽。
ピーナッツバターと混ぜても美味い。

  • 餡子
小豆餡や白餡、ウグイス餡など。餡パンよろしくパンに合う。バターをお供にしたら小倉トーストみたいにいただける。
餡子×生クリームとの組み合わせもグー。

  • フルーツ
イチゴ、黄桃、パイナップル、キウイフルーツなどのフルーツと、生クリームもしくはカスタードクリームを挟む。
これは他と盛り合わせず、単品でおやつやデザートにいただきたい。フルーツパーラーの名物メニューであることも。
また最近では色鮮やかで美しい断面が「萌え断」と呼ばれ、専門店が続々できるほど人気。
『SO2』では絶対に作れないチサトの好物である……。


■主な調理法

◆クローズドサンド

最も一般的なサンドイッチ。パンはそのままにして具を挟んだもの。
基本的には2枚のパンで具を挟むスタイルで、3枚のパンで挟んで具を2層にしたものをダブルデッカー・サンドイッチ、4枚のパンで挟んで具を3層にしたものをトリプルデッカー・サンドイッチと呼ぶ。

パンが具材の水分を吸ってしまうのを防ぐために、バター、マーガリン、マヨネーズ、マスタードなど油分を塗ることもある。

◆ホットサンド

サンドイッチを専用の器具で焼いたもの。焼きサンドとも。
ぜひとも溶けるチーズを挟みたい。
フランス料理の定番朝食であるクロックムッシュ・クロックマダムや、キューバンサンド*1もこれ。
ものによっては手掴みで食うのは難しく、ナイフとフォークで優雅にいただく。

◆オープンサンド

1枚のパンの上に具材をのせたもの。
具材がドカッとのっているのが特徴で、ナイフとフォークで切り分けて食べる。『天空の城ラピュタ』のあの目玉焼きトーストも広い目で見たらこれ。
ライ麦パンが用いられることが多いが、スライスしたバゲットや食パンを用いることもある。

◆ロールサンド

耳を切った食パンに具材をのせ、ラップでくるくる巻いたもの。
形が崩れたり具が落ちたりしにくくなるため、お弁当やホームパーティー、小さな子供用に作られることが多い。

◆ブーケサンド

耳を切った食パンで具を手巻き寿司のように三角に巻いたもの。
その名の通り花束のような見た目が特徴。ハムやサーモンを巻いて薔薇っぽくしたり、外側にワックスペーパーやリボンを巻けばより花束らしくなる。

◆ポケットサンド

厚い食パンを2つに切って、切れ目を入れて具を詰めたもの。ピタパンのようなものだろうか。
パンと具を馴染ませてから切る手間が省けるため、忙しい時や弁当に向いている。具がこぼれる心配がないので子供用にも。
食パンは軽くトーストしておくと破れにくくなる。

◆スモルゴストータ

スウェーデンのおもてなし料理。一言で言うなら「デコレーションケーキ風おかずサンドイッチ」。名前もそのままスモルゴス＝サンドイッチ、トータ＝ケーキの組み合わせ。
サンドイッチを何層にも重ねて表面にクリーム(マヨネーズとサワークリームを混ぜたもの、クリームチーズなど)を塗り、野菜やハーブ、シーフードなどで飾り付けたもの。

◆ブレッドパコラ

インドの屋台料理。パコラとは揚げ物のこと。一言で言うなら「ポテトサンドイッチの天ぷら」。
食パンでポテトマサラ(ポテトのスパイス和え)を挟み、三角に切ってヒヨコ豆粉を溶いた衣をまとわせ揚げたもの。
スパイシーで美味しいが、炭水化物を炭水化物で挟んで油で揚げた食べ物なので食べ過ぎには注意しよう。
そのまま食べるのが一般的だが、小さく切ってソースをかける食べ方もある。

◆フランセジーニャ

ポルトガルの第二都市ポルトのB級グルメ。「フランス人の女の子」という意味で、もとはクロックムッシュをポルトガル人向けにアレンジしたもの。
お皿にパンをのせてステーキ、ハム、ソーセージなどの複数の肉類のほか、目玉焼き、チーズなどを挟み、さらにチーズをのせてオーブンで焼き、トマトとビールを煮詰めたソースをかけたもの。周囲にフライドポテトが盛り付けられていることが多い。
見るからにボリューミー、だが美味い。
ポルトでは毎年美味いフランセジーニャランキングが発表されたり、店ごとにソースのこだわりがあったりと、日本のラーメンのような位置付けにある。
とりあえず本場フランスギャルがどう思うのか気になるところである。

◆パン二枚と肉

きたのいた″いなるしょうく″んさまがはつめいしたとてもかっきてきなりょうり。ウリナラマンセー！

◆トーストサンドイッチ

トーストしたパン“で”挟むサンドイッチ……ではなくトーストしたパン“を”挟むサンドイッチ。元は病人食だとか。余計悪化しそうなんだけど……。*2
とんでもない発想だが、イギリスを代表するサンドイッチだけはあってバターと塩胡椒が意外と良いアクセントとなっており、想像よりは美味しいらしい。

◆肉を肉で挟んだサンドウィッチ

ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場するアカデミーの教師であるキハダ先生が、尊敬する同僚・ミモザに日頃の感謝を込めて作ったもの。果たしてそのお味は……？

なお、同作では「サンドイッチ」ではなく「サンドウィッチ」の呼び方と表記が用いられている。そして、キーポケモンと出逢う場面にも関わってくるなど、地味に重要な役割も果たす。
また、キハダ先生だけでなく主人公もピクニックをしてサンドウィッチを作り、可愛い手持ちポケモンとシェアして様々な能力にバフをかけることができる。レシピは100種類以上もある。キミだけのオリジナルサンドも作れるぞ！
問題は作っても何故か大抵最後には爆発するし、上に載せるはずだったパンはどこかへ飛んで行方不明になること。


■主なサンドイッチ店

  • サブウェイ
アメリカに本社を置くチェーン店。
サブマリンサンドイッチを主力商品としている。
日本進出時はサンドイッチと言えば耳を落とした食パンを使うクローズドサンドか、ハンバーガーを「あれはサンドイッチだ」と言い張るぐらいでありサブマリンサンドは珍しかった。
サブマリンの展開によって、クローズド以外のサンドイッチも日本で定着するようになったと言われている。
なおその日本支社は2024年から外食大手・ワタミに買収された。

  • クイズノス・サブ
ファストカジュアル形式のチェーン店。
パンをオーブンでこんがりとグリルしてから具を挟むのが特徴。

  • 神戸サンド屋
手作りサンドウィッチ専門店。
その日に仕入れた新鮮な素材だけを使用し、独自ブレンドの秘伝ソースを使用するというこだわりよう。

  • グルメ杵屋
ホットサンドが売りの専門店。

  • まい泉
本業はトンカツ屋だが、自慢のヒレカツを挟んだサンドイッチが人気。

  • インターリュード
株式会社「リラィアブル」が運営している。

  • マクドナルド
世間ではハンバーガーチェーン店として認識されているが、日本マクドナルドはサンドイッチと呼称しているらしい。
というかハンバーガーもサンドイッチの一種ではある。
ちなみに秋ぐらいに出す期間限定商品の「グラタンコロッケバーガー」は、構成するものほぼ全てが小麦でできている。

  • アール・オブ・サンドウィッチ
サンドイッチ伯爵の直系の子孫が創業したチェーン店。
かつて先祖が食べていたというサンドイッチを再現したローストビーフのホットサンドが人気。


■創作におけるサンドイッチ

『Wii』や『トリプルデラックス』などの一部の作品では、回復アイテムとして登場。海外では、『スーパーデラックス』にてたこ焼きから、『64』にておにぎりから差し替えられる形で登場したことがある。
アニメ『星のカービィ』では、透けて見えるほどに薄く切られたパンで透けて見えるほどに薄く切られたハムを挟んだ超極薄サンドイッチが登場している。重ねても透けて見えるほど薄い。もはや芸術。人に食わせる物としては最低だけど
精進料理に代わるワドルディの食事として採用されることとなったが、飢えたワドルディにクーデターを起こされることになった。「食い物のうらみは恐ろしい」とはよく言ったものだ……。
『カービィのグルメフェス』では、バトルロイヤルのステージの1つとして登場。「Kirby」のロゴが描かれたトレーの上にBLTサンドイッチの高台とベーコン・レタス・チーズのサンドイッチの斜面がある。

同作に登場するプリキュアのキュアスパイシーが使う技「ピリッtoサンドプレス」及び「ピリッtoヘヴィーサンドプレス」が、食パンのようなエネルギー体を生み出して相手をサンドイッチ状に挟み込むというもの。
変身者の芙羽ここねもサンドイッチ好きであり、誕生日も後述のサンドイッチの日のうち1つである3月13日である。

前述の通り、ピクニックにてサンドウィッチ作りができる。

  • ルーベン（リロ・アンド・スティッチシリーズ）
ジャンバによって創られたエイリアンの1体。同作の主人公のスティッチと同等のパワーを持っているが、臆病で怠け者な性格をしており、好物であるサンドイッチを作ることにしかやる気を出さない。
名前の由来も「ルーベンサンドイッチ」。


■余談

トランプ遊びのエピソードはちょっと眉唾だが、実際、片手で食べられるサンドイッチは麻雀などでも重宝される。
雀荘で注文したら、「お、こいつ通だな」とか思われる……かも。
但し、牌と間違って食べて、緑一色を野菜サンドでゴマかさないように。
麻雀を嗜まない人も、携帯をいじる邪魔にならなくて良いかもしれない。
某カードゲームで食事フェイズするならこっちよりおにぎりのほうがいいかも。

ちなみにパンで具材を挟み込む様から転じて、人の腹と背中に宣伝用の看板を取り付け、街中に佇んだり、歩いたりして広告宣伝をする人を「サンドウィッチマン」と呼ぶ。
挟むこと自体を「サンドイッチする」という動詞として使うほど、サンドイッチはメジャーである。
なお英語でも「sandwich」を「sand.」と略すことはあるが、日本のように「サンドする」「○○サンド」の意味で使うことはない。

3月13日と11月3日が「サンドイッチの日」になっている。前者は「3」で1をサンドしており「サンド1」となること、後者はサンドイッチの生みの親とされているサンドイッチ伯爵の誕生日であることと語呂合わせでいい(11)サン(3)ドと読めることに由来している。


是非、サンドイッチ片手に追記、修正してください。

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最終更新：2025年03月11日 10:12

*1 キューバンブレッドという細長いバケットにローストポーク、ハム、チーズ、ピクルスなどを挟んで焼いたフロリダ名物。パンの表面がバターでカリっと焼けているのが特徴。

*2 病人が栄養を補うためではなく、食欲を促すための食事であるということを注釈しておく