シルバーファング(ワンパンマン)

登録日:2021/02/13 Sat 21:32:45
更新日:2025/01/10 Fri 22:33:21
所要時間:約 5 分で読めます






そいつは元弟子でな ワシに任せてくれんか!


漫画『ワンパンマン』の登場人物。


●目次

【概要】

ヒーロー協会に所属するヒーローの一人。
最高戦力であるS級ヒーローの一人で、ヒーローランクはS級3位。

荒々しい武人のような姿の老人。
「シルバーファング」という名前はヒーロー協会から付けられたヒーロー名で、本名は「バング」

兄のボンブと共に「武術界の大御所」と呼ばれる高名な武術家で、山間部と思しき土地に住んでおり、ヒーロー活動の傍らそこで道場を開いている。
かつては100人もの弟子を抱えていたが、一番弟子だったガロウがトラブルを起こしたせいで門弟のほぼ全員が辞めてしまったため、現在の弟子はチャランコのみ。

彼もS級ヒーロー創設理由の一人で、普段は道場で弟子に修行を施しているためにB級ランクに位置していた。


【人物】

長年の人生経験によって成熟した人間性を持ち、サイタマの実力をちゃんと評価し、彼とジェノスに流水岩砕拳を伝授しようとした。
結局断られるも、以後はサイタマの数少ない知己として交流が続いており、フブキ組とのゲーム対決に呼ばれたことも。
その実力と人間性から、有象無象が目立つヒーロー協会でも本物の実力者と見られている。

しかし、年寄りで頭が固いと自嘲しアドバイスを受けてもやり方を変えられないあたり、頑固な面もある。
やり方を変えれるほど引き出しのあるS級の方が少ないけど

人情家である美徳は、時に身内に非情になりきれない弱みを生んでしまうこともあり、怪人協会編では結果的に怪人化したガロウを取り逃がした。

同じく熟練の武術家である兄ボンブがおり、兄弟仲は良好な模様。
なお、ボンブへの呼称は「お兄ちゃん」である。
「幼少期はそうだった」ではなく、渋い老人となった現在も尚お兄ちゃん呼びである


【戦闘能力】

「流水岩砕拳」という独自の拳法を極めた達人。
超能力などの特殊能力は使えないが、災害レベル「鬼」の怪人を瞬殺する程の実力者で、災害レベル「竜」の怪人の攻撃を受けても平然としている程の頑丈な体を持ち、肉弾戦では同じくS級の超合金クロビカリと双璧を成すとされる。

更に本気を出した際には加減が効かなくなる代わりに、災害レベル「竜」の怪人を複数体相手どって各個瞬殺していくほど。S級でも複数の災害レベル「竜」の怪人を(相性次第だが)同時に相手取る事が出来る者は一握りであり、S級3位の座に相応しい実力者である。

反面、格闘技が通用しない相手には分が悪く、サイズ差があり過ぎた場合は決定打に欠けてしまう。

◆技一覧

  • 流水岩砕拳(りゅうすいがんさいけん)
シルバーファングが使う独自に編み出した拳法。
流水の如き素早い動きで相手の攻撃を受け流したり翻弄し、激流の如き一撃で敵を仕留める防御寄りのバトルスタイル。
サイタマが巨大隕石を砕いた際は、この技を用いて隕石の破片を素手で弾いて防ぎきった。

災害レベル鬼程度ならこれで文字通り瞬殺してみせ、竜クラス相手でも互角以上に渡り合えるが、格闘技という制約故に不定形だったりサイズが違い過ぎる相手や、攻撃が届かない相手には防戦一方になりがち。
単なる遠距離攻撃程度なら流水岩砕拳と回避で難なく懐に入り込めるのだが、シルバーファングは格闘家に過ぎないので超能力の類で攻められると辛いところがある。

  • 流水陣(りゅうすいじん)
手の届く範囲の攻撃を弾いて受け流す防御技。

  • 牙挿指(がそうし)
鍛え上げた指先で相手の急所を的確に打ち抜く技。

  • 瞬身功(しゅんしんこう)
特別な歩法を用いて敵が予想できない位置に瞬時に移動する技。

  • 剛醒呼法(ごうせいこほう)
特殊な呼吸によって肉体の限界値を引き出す技。

  • 旋風流水轟気空烈拳(せんぷうりゅうすいごうきくうれつけん)
村田版第125話初登場。「流水岩砕拳(りゅうすいがんさいけん)」と兄ボンブの「旋風鉄斬拳(せんぷうてつざんけん)」を組み合わせた合体技。
二人が同時に強烈な拳を叩き込む『技の極地』と言われるほどのもので、二人の老体では一回使用するのが限度の大技。
格闘技の範疇を大きく飛び出る代物で、デカブツにこそ有効な点は武術家としては変則的。ムカデ長老の怪獣サイズの巨躯を衝撃が巡り引き裂いた。
近くにいるだけで衝撃が伝導した瓦礫が砂と化し、人体に当たればくまなく巡る衝撃で全身の骨が粉々になる。
災害レベル竜が相手とはいえ無防備な“溜め”が必要で、発動にはジェノスのサポートを要するなど常道からは外れていると思しき描写が多い。開発経緯が気になるところ。

  • 旋風流水交牙竜殺拳(せんぷうりゅうすいこうがりゅうさつけん)
村田版で登場。上記同様、兄ボンブとの合体技。原作での「連携奥義・交牙竜殺拳」にあたる。
二人で相手を向かい合わせで挟み、両側から「流水岩砕拳」と「旋風鉄斬拳」の超連撃を叩き込む。
数十人の達人から一斉攻撃を受けているかのような怒濤の連打で相手の反撃を許さず滅殺する。
原作版では技名は出ていないが同様の二人による怒涛の連撃でジェノスと交戦中のガロウを圧倒*1
その後、怪人協会のアジトで育ちすぎたポチに対して「連携奥義・交牙竜殺拳」として使用するも、倒すには至らず。
村田版でも原作同様ジェノスと交戦中のガロウに叩き込み、育ちすぎたポチに対しても使用した。
なお攻撃を受けたガロウはこの技を学習し、本来であれば二人係りの技を一人で使えるようになる。(暴走状態だが怪人化後は上記の轟気空烈拳まで披露した)
更に村田版ではサイコスを失って墜落してきた怪人王オロチの残骸を瀕死まで追い込んだ。

  • 爆心開放拳(ばくしんかいほうけん)
かつてバングの使用していた技(流派)。
その名の通り、拳のインパクトに合わせ心臓が爆発的な脈動を起こし、瞬間的に肉体の限界値を超える超破壊型の邪拳。
才能に溺れていたバングが自身の生き方を変えるために封印した代物だが、破門にしたガロウに盗み見されており、怪人となった彼に習得されてしまっていた。

【来歴】

◆過去

若い頃のバングは「血の風」と呼ばれる手の付けられない暴れ者で、この頃の風貌はまるでガロウそっくりだった。
「自分が楽しく夢中になれるから強くなる」という理屈で、強者を見つけては見境なしに闘いを挑み、病院送りにしていた。
しかし、兄ボンブに敗れた事で改心したバングは、それまで使用していた爆心開放拳(ばくしんかいほうけん)を封印。
長年に亘る修行の末、究極の守りの拳であるの流水岩砕拳(りゅうすいがんさいけん)を編み出した。

◆巨大隕石落下事件編

巨大隕石落下事件で初登場。
隕石に向けてフルパワーの焼却砲を打ち込んだジェノスに「気のせいか隕石が勢いを落としているように見える。」と期待させるような発言をした直後に「あ、気のせいじゃった」と緊迫感のない受け答えをして「クソジジイ」呼ばわりされた。
この事件で隕石を破壊し事件を解決したサイタマを「自分が出会った誰よりも強い」と認め、以後親しく付き合うようになる。

◆暗黒盗賊団ダークマター編

予言者シババワが遺した最期の予言についてヒーロー協会職員シッチの招集を受ける。
暗黒盗賊団ダークマターの侵攻の際は、ぷりぷりプリズナーアトミック侍金属バットと共に幹部であるメルザルガルドと交戦。
彼らと協力してメルザルガルドと戦うが、隙を突かれ災害レベル竜のメルザルガルドの攻撃の直撃を受ける。
しかし服が破れただけで「肩こりが取れた」とほとんど意に介さず、メルザルガルドの復活パターンから核の位置を見抜いてあっさり撃破した。

◆怪人協会編

元弟子だったガロウが「ヒーロー狩り」を始めたことに責任を感じ、唯一の弟子だったチャランコを破門にした上でガロウ討伐に名乗り上げた。
ガロウ戦では兄のボンブと共にガロウを追い詰めるも、謎の組織怪人協会の邪魔が入り後一歩の処でガロウを連れ去られてしまう。
ガロウを取り逃がした事でヒーロー協会から「元弟子であるガロウに情けをかけワザと逃がしたのでは?」と疑われ、怪人協会討伐作戦から外されるも、キング経由で怪人協会の情報を得た事で独自に怪人協会討伐作戦に参加した。

怪人協会編後は、高齢とガロウが怪人化した原因の一つが「道場の宣伝の為にヒーロー活動をしたことでガロウを煽った」と感じ、
自身は現場を降りて道場で後進の育成に励むと将棋で対局中のアトミック侍に語った。

村田版にて、バング自身はヒーローを引退するが、いずれ二代目シルバーファングを紹介する事をヒーロー協会の幹部であるシッチに明かした。

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最終更新:2025年01月10日 22:33

*1 ただしこの時の技は後の本来の技より威力は低かったらしい