世界征服部

登録日:2021/04/11 Sun 22:47:59
更新日:2025/01/29 Wed 00:30:39
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「『世界征服部』はその名前のとおり世界の征服を目論む部活動で…」

「まぁいきなり世界は無理でしょうからこの美咲輝学院を…」

「学院は大きすぎるのでまずは学食くらいの場所を
征服してみようということなのです」


世界征服部とは、『ティンクルセイバーシリーズ』に登場するイロモノ部活動である。


概要



「ずっと誰かに征服しつづけてもらうわけにもいきませんし」
「…なんのために征服するのかわからないですね」
「そのへんは普通の部活と一緒ですよ」

「『活動している』ということに意味があるのです」

秋篠夕霞が部長を勤める、美咲輝学院の征服を目論む部活動で、正義の味方部とは対を為す部活である。

設立理由、構成メンバー、行動目的全てが完全に不明という徹底とした秘密主義で成り立っているが、行動目的について夕霞は「征服という行為があること」を知らせることが重要だと述べている。

一部のメンバーは活動時はサポートシステムと呼ばれる戦闘衣装を装着し、征服活動を阻止する正義の味方部と日々対決している。
また、星徒会公認の正規の部活動であり、それに加え学院理事から絶対的な不干渉特権を与えられているため(よほど度が過ぎない限りは)星徒会や教師達には妨害できず、同じ部活動の正義の味方部にしか妨害できない。*1

現在では味方部と並び、美咲輝学院の2大イロモノ部活として認識されているが、NOVA11話の時点で味方部との戦闘では55戦中0勝55敗という全戦連敗状態で、これに対し征服部は星徒会に味方部との均衡化案を持ち出し、味方部に活動制限を設けるという処置に持ち込んだ。*2

なお、制圧方法は施設および店舗情報を書き換えることで征服完了とされ、征服後は商品の値上げ、施設の使用料付加される。征服部は征服後の店や施設を使う際はどうするんだろうか?
ちなみに征服場所のほとんどが飲食店であることに加え、他の部活動が活動中だろうがお構いなしにその部活が使っている施設の征服活動を行うため、星徒を中心とした利用者や経営者からしてみればいい迷惑であり、前者についてはNOVA1話では用心棒として雇った和麻から「部活以前に犯罪行為じゃないかと思うのですが…?」至極ご尤もな指摘をされ、ドラマCD『Maiden Star』では「食事するところがなくなる」と不満を募らせ、遂には「ホント迷惑な部活だよ」「傍迷惑極まりない部活」などとボロクソに批判され、これには流石の味方部から「いくらなんでもそこまで言わなくても…」と同情心を抱かれ、星徒会も少しでも征服部の印象を良くしようと「メイデンファイト」なるイベントを開催するという改善策を行っており、後者に至っては「(あんな迷惑な部活を野放し同然にしている)美咲輝は懐広いつーかおおざっぱとゆーか」と美咲輝学院の校風自体に難色を示し愚痴る星徒まで出てくる始末。


ただ、あくまで部活動なため、メンバー全員は(一部を除けば)ほとんどがどこぞの悪の組織並いい人揃いで、建前上では敵対している味方部との仲はそれなりに良好な模様。


メンバー

  • 秋篠夕霞
「いささか公平さに欠けはするが、この有利な状況での一戦を落としては部員の士気も落ちる」
声-根谷美智子
高等部2-黒。世界征服部の部長を勤める少女。星徒会の副会長でもある(後に会長となる)。
活動任務に失敗した部員を憤慨せずに慰めと激励を送り、敵である正義の味方部すら気にかける温厚で思いやりに満ちた人格者で、部活中は毅然とした悪の首領の様相を保っているが、部活以外では非常に物腰穏やかで謙虚な性格となる。
また、綾取りが得意という一面も。味方部の輝紗とは姉妹。

  • 浅凪九郎
「──まさに、大道芸は────人のいる所でこそ」
声-置鮎龍太郎
高等部2-紫。世界征服部の副部長を勤める青年で、世界征服部の中では最年長。極星名は「桃幻」。
紳士的な立ち振舞いから副部長ながら腰が低く、征服部の部員たちからもほぼ対等な立場で敬意ではなく親しみを持って強く慕われている。

  • 八草重遊
「ここからは…僕の仕事だからな」
声-甲斐田ゆき
高等部2-蒼。世界征服部の策士で、秋篠夕霞を心酔する中性的な風貌をした青年。極星名は「紫閃」。星徒会会計も勤める。
極星衆のリーダー格だが、目的成就のためには手段を選ばない考えから部員達からの人望は薄いが、直属の部下である八草重隊の少女達には慕われている。趣味は料理で、調理師になることが将来の夢

  • 御堂あき
「…ごめん、ボクが…できないとかじゃなくて────ボクたちが…!できるかだったね!」
声-半場友恵
高等部2-翠。世界征服部のエンジニアで、サポートシステムシリーズを制作している少女でボクっ娘。極星名は「白煌」で、部活動では自身もVSS「」を着用して活動する。冴とは親友同士で、共に行動している。星徒会会計補佐も勤める。
ロボット研究部に掛け持ちで在籍しており、SSシリーズの開発や待機も科学部部室で行われている。

  • 鴇神冴
「………当ては……しませんから……」
声-雪野五月(現・ゆきのさつき)
高等部2-黄。親友のあきと行動を共にするドイツ人と日本人の祖母を持つクォーターの少女。極星名は「黒帝」で、部活動ではVSS「」を着用して活動する。星徒会書記も勤める。
魔法ともいうべき他の部員とは一線を画した不思議な力を持っている。

  • 司木橙也
「─はっ、そんな格好つけたものかよ…!それより今は…あんたの本気を見せてくれよ!」
声-間島淳司
高等部1-白。革ジャンにジーパンを着込んだヤンキー風の青年で、極星衆の中では最年少。極星名は「朱砂」。
自身のパワーへの自負からか当初はSSを「弱気な物」だと吐き捨てるなどSSの重要性を軽視していたが、久遠との出会いと敗北を機にその考えを改め、以降はPSS「」を身に纏う(後に「鉄・改」に改良)。

  • 天羽翔子
「極星としてのはーちゃん…『銀星姫』にも会いたいんやわ♪」
声-松岡由貴
高等部2-白。ひろりから極星を継いだ関西弁少女。極星名は「桜流」で、世界征服部ではVSS「」を着用して活動する。星徒会の役員も勤めており、NOVA11話で星大祭の実行委員長を任されている。
同学年で味方部のはやなとは幼馴染で、新体操部のかつての同輩にして良きライバルでもあるが、ある事件を機に彼女とは長らく疎遠となっていた。


部隊

  • 極星衆
極星のみで構成された精鋭部隊。
初登場当初は遊(紫閃)、あき(白煌)、冴(黒帝)、橙也(朱砂)の4人組だったが、5話から翔子(桜流)が掛け持ち入部したことにより5人組となった。

  • 八草重隊
重政由里恵、八丈みま、草香千尋の3名からなる諜報部隊。
基本的に諜報専門の部員であるため、表立っての直接戦闘緒などには参加しない。

  • 浅凪隊
新井祐之介、松田七月男を筆頭とする部隊。
当初は祐之介と七月男のどアホコンビのみだったが、後に部員を30人余に増やすことに成功した模様。

  • レッドショルダー隊
名前の通り、腕に赤の腕章を着けた部隊。
…が、実力は浅凪隊とあまり大差ない。


サポートシステム

極星衆が着用する、あきが制作した正義の味方部のアクティブドレスと対となる戦闘衣装。

性能面は味方部のアクティブドレス(以下AD)とほぼ同等と思われるが、防御性のみを重点に置いたADと異なり本機は運動能力や極光の応用能力を補助する機構が組み込まれている。
こちらもAD同様、普通に着替えて装着し、普段はあきが所属するロボット研究部の部室である科学部部室の収納棚に納められている。

種類は個人能力・特性に合わせて設計された実戦配備機「ヴァリアブルサポートシステム」、固有機能・装備をオミットした汎用性重視の試作機「プロトサポートシステム」の2種類に分類される。
また、ヴァリアブルサポートシステムには着用部員に合わせた固有装備・トリックツールが付属する。

スーツの名前には漢字一文字が使われている。

AD同様、スーツの全体的なデザインはファイブスター物語の登場人物が着用する戦闘衣装を基にしている。


主な活動

  • ACTIVITY-1
4月11日、喫茶室「Q.J」の征服活動を開始するが、作業が上手く完了できず同じ頃に活動を開始した正義の味方部により活動を阻止される。

  • ACTIVITY-3
4月28日の制服活動で味方部に極星であるさつきが入部していたことを機に、30日にて極星衆を出撃させる。
戦局は人数に勝る極星衆が優位だったが、その途中で介入してきた赤いコートの女性の出現により撤退を余儀なくされる。

  • ACTIVITY-5~ACTIVITY-10
5月16日、新体操部の翔子を勧誘した矢先、味方部のさつきから果たし合いを申し込まれ、これを受諾。
武道館にてさつきとの決闘を展開。あきも稜から味方部の入部体験として勝負を挑まれるが、敗北する。
一方、翔子は途中でさつきと入れ替わる形で介入してきたかつての新体操部の同輩であるはやなと極光を発生させながらの互角の戦いを展開するが、決着には至らなかった。

  • ACTIVITY-11~ACTIVITY-13
5月24日、食堂「青龍」にて浅凪隊と八草重隊との合同で征服活動を開始。その最中に稜が現場に到達、彼女と戦闘になり、一時は敗北寸前に追い込まれるが、冴が介入したことにより形勢逆転、念願の勝利を収める。
一方、彼らの援護に向かっていた九郎と遊は途中で稜の援護に向かっていたはやなとさつきに偶然遭遇し彼女達の足止めに専念し、勝利に貢献した。

  • ACTIVITY-14~ACTIVITY-16
5月25日、食堂街「ムーンライン」の征服活動を開始。活動の最中、突如現れた歌音の強襲に遭うが橙也が迎撃に向かい彼女を打ち倒すが、後で介入してきたはやなと戦闘に敗れる。
そして、迎撃に向かった冴は極光を解放し、はやなと壮絶な極光のぶつけ合いを展開するが、健闘空しく旗を落とされ敗北を喫する。


余談

  • 部室の所在について
秘密主義という体制上、征服部の部室はどこにあるのかは作中では説明されていない。
しかし、13話で征服部部員たちが星徒会室「天励庭」を後にしている場面が存在し、読者からは「征服部は天励庭を拠点にしているのでは?」という憶測が挙げられたが、後に藤枝氏により「征服部の部室は天励庭にあります。どこにあるのかはさておき…」と解説された。拠点は突き止めたが、やっぱり場所は秘密だったか…。

  • 星徒会との関係
上記に記述されている通り、征服部の内5人が星徒会の役員としての側面を持っている。
何で星徒会に征服部の面々がいんだよ!?」とか思った人も多いかもしれないが、そもそも極星はその所有者が所属する部活の代表者という立場であるため、彼らが星徒会にいても何ら不思議なことでもない。
ただ、その内の1人は星徒会が征服部に干渉することが気に入らないそうだが…。


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最終更新:2025年01月29日 00:30

*1 本来は危険な部活動は認可しないという星徒会による制定があったが、特例として認められたのもその特権によるもの

*2 勿論、征服部が勝利しすぎるようなことがあればこちらにも適用される。