登録日:2021/07/28 Wed 23:09:10
更新日:2025/01/17 Fri 21:30:56
所要時間:約 15 分で読めます
「Prototype2」は、海外のゲーム制作会社Radical Entertainmentが開発、Activisionが販売したアクションゲームである。
前作「
Prototype」については項目があるのでそちらへ。
開発 |
Radical Entertainment |
販売 |
Activision |
プレイ人数 |
1人 |
ESRBレーティング |
M(17歳以上対象) |
プラットフォーム |
Xbox360,PS3,PC |
◎概要
多彩な特殊能力を駆使して敵を蹴散らしていくオープンワールドアクションゲーム。
舞台は前作と同じくニューヨークだが、マンハッタン島の外まで広がった。マップは大きく3つのエリアに分けられており、それぞれ異なる環境での戦いが楽しめる。
能力に関しても、魅せ技体術が多彩だった前作に比べてウイルスを駆使した罠や下僕の召喚、対装甲兵器用の派手なフィニッシュムーブなど使いでのある特殊能力が増え、戦闘の爽快感が大きく増した。
前作に引き続きグロ描写がきつく、公式ローカライズは行われていないためプレイするにあたってのハードルはやはり高め。
◎ストーリー
前作のBlacklightウイルスのアウトブレイクから一年後、一度は汚染が沈静化したはずのニューヨークは再び混沌の渦中にあった。
遠征中の海兵隊員ジェームズ・ヘラーはニューヨークの家族から「一帯が隔離された」と連絡を受け急ぎ帰国したが、そこに家族の姿はなく…
復讐を誓い、ウイルステロを実行したとされる男「アレックス・マーサー」を追うヘラー。しかしニューヨークをこの世の地獄たらしめていたのはアレックスだけではなかった。
◎キャラクター
- ・James Heller
- 主人公。ニューヨーク在住の海兵隊員であり、階級は軍曹。
- 遠征で不在の間にニューヨークでのアウトブレイクが発生し、妻は感染者に襲われ死亡、娘は行方不明となり、アウトブレイクの主犯とされたアレックス・マーサーに復讐するためニューヨークの汚染区域でのパトロールに志願した。
- 念願叶いアレックスに遭遇して挑みかかるも当然手も足も出ずウイルスに感染させられて特殊能力を獲得、アレックスに説得されBlackwatchを相手に死闘を繰り広げることに。
- ぶっちゃけ元のままでも(思い切り手加減されたとはいえ)生身でアレックスと戦って生存し、アレックス並のパルクールを披露し、ゴリラみたいな感染体をナイフ一本で殺すなど化け物じみた戦闘力を持っていたが、それに加えてウイルスとの相性も良いらしく他の感染者や前作序盤のアレックスと比べても異常な力を発揮する。
- 唯一の欠点としてものすごく不器用であり、吸収能力によって操作法を習得したはずの乗り物やパソコンの扱いに難儀したり、擬態はできても演技は雑な様がよく描かれる。
- ・Amaya Heller
- ジェームズ・ヘラーの娘。記録上は行方不明であり、死亡が確認されていない。
- まだ子供だが、父親が凄まじい力を見せたためその遺伝子情報を求めて複数の組織に所在を追われることになる。
- ・Alex Mercer
- 前作の主人公。前作でニューヨークを消滅の危機から救い汚染を沈静化させた後、しばらくのあいだ世界を巡りニューヨークへ戻ってきた。
- ニューヨークを実験場にしているBlackwatchとGENTEKを叩き潰すため、ヘラーにウイルスを与えて協力を求める。
-
一年間世界を巡って多くの人々を見てきた結果「人類は守るに値しない」と判断しており、終盤アレックス自身が語ったところでは今回の行動目的はBlackwatchやGENTEKの打倒ではなく
「人類をより進化した存在に置き換えること」であるらしい。
自身の手駒である変異者をBlackwatchとGENTEKに潜入させて「Whitelightウイルス」を汚染させ、これを散布する計画を進めているが、ヘラーの娘アマヤにも興味を持っている。
ちなみに、ニューヨークへ戻った後にウイルスを
モワッとバラ撒き二度目のアウトブレイクを引き起こして現在の状況を作り出したことが判明しており、
ヘラーの復讐対象はアレックスで間違っていない。
- ・Anton Koenig
- GENTEK職員でウイルス学博士。
- ウイルスに侵されたヘラーを最初に調査した科学者で、実験中にBlackwatchがヘラーを殺そうとした時は反対してヘラーを生かそうとしたり、ヘラーがTendrill barageを使った時にはめっちゃ興奮してたりするマッドサイエンティスト。
- 当初はヘラーに協力的だが…?
-
ヘラーに協力して時間を稼ぎつつ、裏でヘラーを殺す方法を探していたらしい。
やがて裏切りがバレるとヘラーにBlackwatchをけしかけて基地に引きこもり、追い詰められると攻撃ヘリで逃げる…と見せかけて応戦、いらんことをしてヘリにマシントラブルを引き起こし、同乗しているパイロットもろとも墜落させられるとようやく正体を現し、アレックスの配下で「Evolved(進化者)」の一人であることが判明する。
- ・Luis Guerra
- ヘラーがアウトブレイク以前から世話になっていた教会の神父。ハンサムなプーではない。
- Blackwatchの非道な仕打ちを知った市民たちと抵抗運動を組織し、囚われた市民の救出や情報工作を行っていたがBlackwatchの弾圧によって仲間が全滅し目立った活動を止めていた。
- ヘラーが戻ってきてからは彼を戦力として活動を再開、アレックスが何かを企んでいる可能性は危惧しつつも「奴がBlackwatchと戦うなら乗るまで」と共闘を始める。
- 家族を失ったヘラーを精神的に支え、情報収集や作戦立案といったヘラーに足りない部分を補う重要な役割を担う。
-
神父になる前の職業は不明だが、市民の抵抗運動を主導したり「たくさん入れ墨を消した」と話すなど、只者ではなかった模様。
ヘラーとアレックスが敵対すると間もなく感染者の一群を差し向けられて殺害されてしまった。
- ・Athena
- ゲラ神父に協力しているレジスタンスの一人。腕利きのハッカーで、Blackwatchの情報を収集している。
-
その正体はアレックスの妹のデイナ・マーサー。前作の後もニューヨークに残っていたが、二度目のアウトブレイクの発生後ニューヨーク市民の抵抗運動に協力していた。
神父に情報を流し続けたが、彼が死亡した後はヘラーに直接協力するようになる。
なお、本作ではグラフィックの進化によって前作と別人のように美人になった。
- ・Douglas Rooks
- Blackwatchの指揮官。階級は大佐。
- 非常に冷酷な人物で、感染状況の制御と統制維持を最優先しており、それらを達成するためであれば支配地域の住民への被害は度外視する、徹底した実利主義を貫いている。前作における「Blackwatchの理念」に忠実な人間とも言える。
-
冷酷非情な軍人である一方で家族を大切にしている面が描かれており、ニューヨークでの任務が長引いて家族に会えないことに不満を漏らしていた。Blackwatchの活動内容を考えると同情はできないところだが。
終盤、娘との再会を望むヘラーの心情を理解し行動を起こす。
- ・ラトラー4-3
- ミッション「A STRANGER AMONG US」に登場するBlackwatchの歩兵部隊。コールサインの「ラトラー」はガラガラヘビのこと。
- 擬態して任務に同行することになるが、用が済んだら皆殺しにもできる。
-
- ・隊長
- Blackwatch兵にしては至ってまともで、問題発言の多いスターンズに釘を刺したり、真面目に指揮をしたりとなかなかの好人物。
- ・スターンズ
- おしゃべりな兵士。任務中はだいたい喋りっぱなしな上にGENTEK幹部を「白衣を着たデブ猫」と呼ぶなど、かなり口が悪い。
- そして「感染者の女でも頭に袋かぶせたらイケそう」とか言う上級者でもある。それを聞いた隊長は「お前どうやって入隊時の精神鑑定をパスしたんだ」とドン引きしていた。
- ・コットンマウス6
- レッドゾーンのサイドミッション「GENTEK SUPPORT 14-A」に登場するBlackwatchの歩兵部隊。
- ラトラー4-3と同じく擬態して同行する必要がある。
-
- ・隊長
- ・隊員
- 隊長がラトラー4-3と同一かは不明だが、雰囲気は似ている。
- 「Blackwatchでなければどんな生活をしていたか」という会話を始めるが、両者とも「とっくに死んでるか、犯罪者になってただろう」と意見が一致している。
- ・スターンズ
- まさかの再登場。同名の別人の可能性もあるが、声と口調は同じである。
- 相変わらずしょうもないゾンビ映画ネタを話している。
◎用語類
- ・NYZ
- 今作におけるニューヨークの呼び名。前作でウイルス汚染が沈静化した後、再び始まったアウトブレイクによってニューヨークは「New York Zero」と呼ばれるようになった。本来各エリアをつないでいる橋は全て爆破され、エリア間の移動はBlackwatchのヘリコプターのみで行われている。
- ゲーム開始時点でニューヨーク全域がBlackwatchの支配下に置かれており、大きく3つのエリアに分けられる。
- GreenZone
最も汚染の少ないエリアで、GENTEKの研究者などは殆どがここにいる。Blackwatchによる統制は厳しいが、見かけ上普通の町並みが広がっている。
しかし一度地下に潜れば感染体が群れをなしており、汚染と無縁というわけではない。
- YellowZone
汚染状況が中程度のエリアで、感染者は多いが居住者も多く残っている。主に難民キャンプやスラム街となっており住民の暮らしぶりは悪く、Blackwatchによる住民への統制も非常に厳しい。
BlackwatchとGENTEKによる実験の場としてよく使われる。
- RedZone
マンハッタン島。ウイルス汚染が最も激しいエリアで、非感染者は僅か。建造物の多くもウイルスの作り出した謎の生体組織に覆われて崩壊しかけており、無数の感染者とウイルス由来の怪物が跋扈する地獄と化している。
- ・Blackwatch
- 前作では「非道に手を染める覚悟を持ったエリート集団」といった風情だったが、本作では「ニューヨークを占領し、人体実験に手を貸す外道の集団」といった描かれ方をしている。
- Blackwatchの主任務はGENTEK職員の警護や実験体の確保・実験の補助などであり、治安維持はそこに含まれていない。
- 日常的に損耗が出るためか補充人員に犯罪者等も混ざっており兵士たちの質の低下が著しく、任務中に趣味で動画撮影をしたり面白半分に一般人に危害を加えるなど素行の悪さが目立つ。
- ただし、戦闘に関してだけは非常に優れており、悍ましい特殊感染者やヘラーにも(基本的には)臆さず冷静に連携を組んで立ち向かい、レッドゾーンにおける主力を担っている。
- 実験にしか興味がないGENTEKの研究員たちに対して不満を持つ者も多い模様。
- ・GENTEK
- マンハッタンに本社ビルを置くバイオテクノロジー企業。
- 前作では創設者のマクマレンの方針もあってかまだマトモな企業に見えていたが、今作ではBlackwatchと並んで悪い方向に振り切れてマッドサイエンティストの巣窟と化しており、
- 市街地に生物兵器を放って被害データを採取したり、民間人を大量に拉致して人体実験に供するなど、完全に道を外れた行いをしている。
- ・Evolved(進化者)
- アレックスの手でウイルスを植え付けられ、理性を保ったまま高い戦闘能力を得た人間たち。
- 多くは両手を刃にした形態で戦うが、一部特殊な形態・能力を持つ者も存在する。そしてヘラーに能力を奪われる。
- その殆どがアレックスを崇拝している忠実な配下であり、計画遂行のための駒である。前作におけるエリザベス・グリーンと感染体のような集合意識による統御が行われているかは不明ながら、後述のWhitelightの件から見て全てがアレックスの支配下にあっても不思議ではないところ。
- ・Whitelightウイルス
- GENTEKが新たに開発したウイルス兵器。新規のウイルスなのか、Redlight、Blacklightの延長線上のものかは不明。
- 改変が難しかったRedlight、Blacklightに比べて改造しやすく、望んだ効果を簡単に付け足すことが可能かつ自ら変化することがないとのこと。赤い霧状で散布され、見た目は前作のBloodtoxガスに似ている。
- 作中ではBlacklightウイルスに対する治療薬として使用される予定で、GENTEKはこのウイルスを大量に製造してニューヨーク各地にばら撒く計画を立てていた。
- しかしアレックスの手下によって全てのWhitelightが汚染されており、この汚染Whitelightに曝露した者はEvolvedになるか、ゾンビ化するか、死ぬかのいずれかの道を辿り、かつ「Evolvedとして生き残った者はアレックスの支配下に置かれる」とされていた。
- 汚染されていることが判明してからは全て焼却処分することが決定された。
◎能力強化
前作からシステムが大幅に変わり、経験値によるレベルアップとポイント振りで基礎能力を高め、サイドミッションや収集物の回収によって各種スキルを解放していく方式になっている。
演出面では「ヘラーが喰らった対象から能力を吸収する」という面が強調されており、ミッションや街に出現する特定の対象(怪物や人間)を吸収することで徐々に能力が充実していく。
今作では空中ダッシュや滑空は標準装備なので解説を省略する。
▽変身能力
おなじみの変身能力。操作系の刷新で強攻撃と弱攻撃はボタン入力の「タメ」で使い分けるようになり、2つのボタンにそれぞれ能力を割り当て、組み合わせて戦えるようになった。
前作ではBlade一強だったが各能力間の格差が見直され、それぞれ長所と短所がはっきりしており状況に応じた使い分けが重要になっている。
サイドミッションをこなすことでそれぞれ強化され、強化するごとに少しずつ見た目が変わっていくという芸の細かさが光る。
- ・Claws Power
- 両手を鋭利な爪に変化させ、素早い連撃を繰り出す。装甲車両には通じない。
- Groundspikeはなくなったが、タメ攻撃の飛び掛かりで射程を補えるようになった。
- 他の技の隙が大きくなったのもあって、後半でも十分使う余地がある。
- ・Tendrill Power
- 前作にはない、ヘラーのオリジナル能力。敵に触手を纏わりつかせる攻撃を繰り出し、装甲車両にも有効で苦手が少ない。
- 通常攻撃で敵を拘束する効果があり、耐久力の高い敵を足止めできる。
- タメ攻撃は高威力の範囲攻撃で、どちらも非常に便利。
- ・Hammerfist Power
- 両手を重い拳に変化させ、衝撃力に特化した攻撃を行う。
- 攻撃速度は遅くなるが衝撃波で範囲攻撃でき、戦車にも有効。
- タメ攻撃で地面から棘を突出させる効果が追加され、より攻撃的になった。そして前作のGroundspikeよりさらにタケノコっぽくなった。
- ・Whipfist Power
- 右腕を伸縮する鞭に変化させ、長射程攻撃に特化させる。前作と違いLongshotgrabが標準装備。
- 通常攻撃が横薙ぎになっており範囲攻撃しやすくなったが、攻撃中の隙が大きく詰め寄られると辛いところ。
- ・Blade Power
- 右腕を巨大な刃に変化させる。前作の最強能力だが今作では装甲車両に通じなくなり、使い所を考える必要がある。
- 攻撃力は下がったものの攻撃範囲が拡がり、雑魚掃除に便利な能力になった。
- ・Shield Power
- 両腕を巨大な盾に変形させる。発動中は全方位からの攻撃を防御するが、前作と違い全く移動できない。
- また、敵の攻撃に合わせてタイミングよく発動するとカウンター攻撃が発動するが、このカウンターを使いこなせるかが終盤の攻略難度に大きく影響する。
▽その他の能力
- ・Diveroll
- 緊急回避。前作と違い、大きく飛び跳ねるようになった。
- ・Dodge
- 敵の攻撃に合わせてボタン入力することで、敵の頭上を飛び越えて瞬時に背後を取れる。
- 標準装備だが、対感染者戦で非常に有効。
- ・Devastator
- 今作で登場する必殺技はTendrill barageのみ。アレックスのものと比べて”ひじき感”は薄め。
- またHPは消費せず、新たに追加された「Massゲージ」を消費して発動する形に改められた。
- ・Pack leader
- Massゲージを消費し、複数体のBlawlerを呼び出して使役する。
- 呼び出せば勝手に暴れてくれるほか、特定の標的を襲わせることも可能。
- フレンドリーファイアがなく、吸収目標にトドメを刺さないようにするなどの配慮もあり使う上でストレスが少ない。
- ・Biobomb
- 人間やゾンビにウイルスを植え付け、爆発させる。ひじきボム。
- 隠密行動時にはそこらへんの人間に仕掛けて時限爆弾にでき、掴んだ相手に仕掛ければ投げつけた先で爆発する。
- 最大強化するととんでもない威力になり、大型の敵でも数発で沈む。
◎余談
- 前作で(主に見た目が)好評だったArmored formが無いが、有料DLCでそれっぽいプレイヤースキンが存在しそれっぽい気分を味わえる。他にアレックスのスキンや、野戦服を着た「Infantry Heller」、ゾンビっぽい「Infected Heller」などのスキンがある。
ただし当然ながら海外籍のアカウントが必要なので、DLCの導入そのものに手間がかかる。
- 2015年に、リマスター版となる「Prototype Biohazerd bundle」が発売されている。プラットフォームはXboxone,PS4,PC。
内容は本作と前作「Prototype」、およびDLCをまとめて、画質やフレームレートの改善などを施したものとなっている。
追記修正は、BLACKNET端末を台パンしながらお願いします。
- まだ続編出せそうだったが開発スタジオ閉鎖しちゃったからなぁ・・・ -- 名無しさん (2021-07-29 00:40:51)
- ArmoredformやMusclemassが無いとか惜しいところもあるけど、改良点も多くて前作と同じくらい楽しい続編。シナリオは良くも悪くも洋ゲーらしい展開。 -- 名無しさん (2021-07-29 08:56:15)
- 画像見れば一目瞭然だけどヘラーは黒人 -- 名無しさん (2021-07-29 16:07:39)
最終更新:2025年01月17日 21:30