ルイス・セラ

登録日:2022/06/18 Sat 21:10:51
更新日:2025/03/14 Fri 21:52:55
所要時間:約 6 分で読めます





一つ大事なことを聞かせてくれ

たばこあるか?



ルイス・セラとは、『バイオハザード4』の登場人物。


概要

レオンがアシュリー捜索のために訪れた寒村で遭遇したスペイン人男性。サドラーサラザールメンデスと同じく英語を話せるが、彼はなまりがある。
自称「ただのハンサムなプー」とのことだが、実際は『4』の重要人物の一人。実は元ロス・イルミナドス教団の一員で、サドラーに雇われてプラーガの研究を行っていた科学者である。
その天才的な頭脳と観察眼から、かつてはサドラーも信頼を置いていた。ルイスの方は知的好奇心に負けてプラーガ研究に着手したので忠誠心は皆無だったのだが*1

他タイトルで例えるならマーカスバーキン、アレクシア、カーラアレックス等々のポジションのキャラだが、ルイスはマッドサイエンティストと呼ぶには程遠い、小粋な皮肉ジョークを飛ばす飄々とした性格の持ち主で、本編では『プラーガの研究を行った』とあるだけで『プラーガを使って人体実験を行った』とは明言されていない。
実際、発明品も、
  • 「寄生したプラーガが卵の段階であれば除去できる薬」*2
  • 「寄生して孵化したプラーガの成長を抑制する薬」
  • 「寄生して孵化したプラーガを特殊な放射線で殺す装置」
  • 「プラーガ絶対殺す銃『P.R.L.412』」「おまえがこれ使って戦えよ」は禁句。
と、プラーガに対抗するものばかりであり、プラーガを脅威と見なしていることがわかる。*3

プラーガの研究を行う前はマドリッドで警官をしていたらしい。辞めた理由は本人曰く「憎まれ役にはもう飽きた」「正義の味方なんて割に合わない」かららしいが、レオンを「警官にしちゃドロ臭くない」と評していることや、エイダのレポートに「警察組織を信頼していない」とあることから、汚職を目の当たりにしたとか、何か職場でトラブルがあったのかもしれない。
ちなみに、エイダからは「人間性……経歴からにじみ出る「熱意」に好感を抱いた」とわりと高評価だったりする。


活躍

本編開始前、プラーガの研究を進めると同時に、教団の暗部についても調査をしていたルイスは、その危険性から大学時代の友人に救援要請のメールを送った*4
このメールを偶然H.C.F.が傍受し、彼らが正体を明かすとルイスは「自分は教団やプラーガになんら未練はない。ただ安全圏へ逃げ、平穏な生活に戻りたい」と身柄の保護を願う。
H.C.F.は見返りとして、「支配種プラーガのサンプル」を要求。それを飲んだルイスは見事サドラーからサンプルを奪取し、教団からの逃亡を謀った。
ルイスの死んだ祖父は村の猟師であり、村長ですら知り得ない独自のルートを知っていた。H.C.Fのエージェントであるエイダと接触するまで、そこにサンプルを隠したのである。

しかし本編、何故か捕まってしまったルイスは手足を縛られテープで口を塞がれた状態でクローゼットに閉じ込められてしまう*5
一度レオンによって解放されるが、その直後メンデスによってまとめてねじ伏せられてしまった。

レオン共々捕まってしまったが、処刑しに来たガナード*6の攻撃を逆に利用して縄を切ることに成功。今度こそ自由の身となり再び逃走する。
その後、村のとある小屋でレオンと再会。アシュリーにとんでもないセクハラ発言*7をかましつつ、レオンと共にガナードの大群相手に籠城戦を挑んだ。

ガナードが撤退した後、ルイスは「忘れ物(=サンプル)を取ってくる」と告げて再び別行動を取る。直後エイダと会っており、後は彼女にサンプルを渡せばルイスは逃走成功となるはずだった。
だが、レオンとアシュリーがプラーガに寄生されていると薄々感づいていたルイスは、良心の呵責から二人を見捨てることができず、プラーガの成長を抑制する薬を渡すためにサラザールの城へ潜り込む。
途中、ガナードから逃げてる間にその薬をどこかに落とすというポカをやらかしたが、なんとかレオンに薬を渡すことに成功した。

だが、それはルイスの命と引き替えとなった。サンプル回収のために城へ来ていたサドラーが、背後から触手でルイスの胸部を貫いたのである。
致命傷を負ったルイスは、自分がサドラーに雇われた研究員であることを明かし、レオンにサドラーが持っていったサンプルの奪還を託して息を引き取った。
ちなみにサドラーは「サンプルさえ取り返せば用はない」と述べ、プラーガの成長を抑制する薬の方はスルーした。本当に詰めの甘いじいさんである。

…上記の通り、ルイスはプラーガの研究を行っていた。つまり『4』においては、サドラーに次ぐ元凶と言っても過言ではない。プラーガによって多くの犠牲者が出ている以上、彼のこの結末は「なるべくしてなった」という見方もできる。
だが同時に、彼の研究成果無しにレオンの勝利は有り得なかった。プレイヤー的にもみんなのトラウマ、リヘナラドールの攻略法を教えてくれただけでも感謝してもしきれないだろう。
レオンに「この仇は必ず取る」と決意させているあたり、ルイスは彼にそうさせるだけの善人だったと言える。

RE:4では


参るぞサンチョ・パンサ! ドゥルシネア姫をお救いするのだ!

フルネームはルイス・セラ・ナバロ
フルリメイク版であるRE:4では彼の経歴や嗜好がより深く掘り下げられ、元はアンブレラの研究員の一人であった事*8と読書を好み、特に子供の頃から愛読していた知る人も多い名作ドン・キホーテを好んでいる設定となった。
その為か作中でもドン・キホーテの一節を度々ジョークや景気付けとして用いている。
喫煙者と愛銃がレッド9なのは相変わらず。手癖なのか手持ち無沙汰になるとジッポのようなライターをガンプレイの如く手の中でクルクルと回すスタイリッシュな一面も見せてくれる。
なお、リメイク前に彼が自身に使用したプラーガ除去手段は特殊な薬品だったが、本作ではプラーガの除去がやや遅れており外科手術で物理的に取り除いたという設定になっている。

衣装もリデザインされ、オリジナル版ではベストだったのが、本作では赤茶色のジャケットがデフォルトになった(レオンやアシュリーと異なり、ストーリー中に紛失する事はない)。
条件を満たせばベスト姿も別コスチュームとして選択出来る。

出身も明確にされ前半のステージであった村の生まれとなり、父親は不明で母親は彼を産んで程無く他界、その後は村の外れで猟師だった祖父と暮らしていた事、そして幼い頃から高い知性、鋭い観察眼と好奇心、旺盛な行動力を祖父から見込まれており「こんな境遇でも無ければ学者にでもなれただろうに」と、貧しい生活をさせている事への後悔の念と共に評されたりしていた。

その祖父が謎の狂い病に掛かったに噛まれて死んだ後、生家でもある小屋ごと火葬し村を出たルイスはほぼ独力で大学へと入り、猛勉強の末に上位の成績で無事卒業。
そこまで努力した根底には、病に冒された祖父が日に日に弱っていくの為す術も無く見ているしか出来なかった、己の無力感があった。
その優秀な成績に目を付けたアンブレラのスカウトを受けかなりの高待遇で迎えられたが、数年で退職。
念の為に自分の痕跡を徹底的に消して行方をくらましており、その周到さはラクーン事件の後、それまでの在職者からOBに至るまであらゆるアンブレラ関係者の調査を行っていた警察と政府機関がどれだけ手を尽くしても身柄を確保出来ず、唯一掴む事の出来た情報は大学の学生名簿のみという有様であった程。

その後は生まれ故郷の村へ戻って来た所にロス・イルミナドス教団の接触を受け、研究者としてプラーガへの好奇心から加わる事を決めたものの次第にプラーガの危険性とサドラーの野望、その為の実験があまりに非道極まるものになっていくに連れて良心の呵責に苛まれ離反を企て、
研究は続けつつも密かに外部とコンタクトを取り続けていたところにエイダの組織が応じ、プラーガのサンプルを封じた巨大琥珀、その中でも極めて特別な個体が封じられた欠片「アンバー」を手土産に助ける事を約束されるもそれが露見してしまい、どうにかアンバーその物は隠せたものの自身は捕らえられ、集落の一軒家に監禁されていたところにレオンがやって来て出会う事になる…のはオリジナル版とほぼ同じ。

RE:4では出番が増やされており、例の籠城戦の他に城の地下からの脱出時にレオンの元へ抑制剤を持って現れ、その後の道中からエルヒガンテ兄弟との対決ではまさかの共闘という展開に。
苦戦すると一旦何処かへ行ってしまうが、少ししてからダイナマイトの束を持って帰ってきてあまつさえ鎧エルヒガンテの背に飛び乗り、それを据え付けるというレオンに負けず劣らずのアグレッシブさで突破の糸口を作るという事までする。
当初はルイスの態度とハニガンから送られてきた資料でレオンから猜疑心を抱かれていたが、エルヒガンテとの闘いを経てそれは次第に解消されていった。

そして無事に地下からの脱出を果たした歓びも束の間、クラウザーからナイフで背中を刺され致命傷を負ってしまう。
持っていたアンバーも奪い返されレオンもクラウザーとの対決の末にあわや殺されかけるが、寸での所で銃でクラウザーのナイフを撃って弾き飛ばし、窮地を救った。
そして自分の最後を悟ったルイスはプラーガを除去できる装置がある自分の研究室の鍵と、アシュリーの分の抑制剤を渡し必ず彼女を救えとレオンに告げ

……どう思う? アミーゴ。人は変われるよな?

と、レオンから火を付けてもらった最後の一服を味わいながら、静かに息を引き取った。
その言葉にレオンもライターを持たせた手を握り返し「立派だったよ。ドン・キホーテ」と、彼への敬意を表すと共にその遺志を継ぎ、RE:4での仇となったクラウザーに「この借りは高くつくぞ」とその無念を晴らすべく、地上へと急ぐのであった。

後に孤島の監禁部屋からアシュリーを助け出して再会した際にはその死を悲しまれたり、プラーガの除去装置を使ってレオンとアシュリーがガナード化から間一髪で逃れる事が出来た時には、アシュリーからも「今、私達が無事なのはルイスのお陰なのね」と感謝を述べられており、オリジナル版よりもその最期には救いがもたらされている。

セパレートウェイズでも勿論登場。
本編以上に旧作から出番が増加しており、レオン編では見られなかった一面も多々見られ、こちらの方がキャラとして印象に残りやすい人も多いのではないだろうか。
但し、ゲーム中でエイダと共闘するのは意外にも古城の1チャプターのみ。

マーセナリーズでは念願のプレイアブルキャラとして操作可能に。
装備は「レッド9」と「SR M1903」と閃光手榴弾、ショートナイフ、予備のハンドガンとライフルの弾、救急スプレー2個。
バレットラッシュは地面にダイナマイトを設置して周囲の敵を巻き込むもので、起爆は銃撃で即座に爆破するので積極的に撃って発動させよう。
体力はレオンたちより低く、武器は威力こそ高いがショットガンを持っておらず複数の敵に接近されると対処が厳しいので扱いが難しい上級者向けの性能をしている。


余談

籠城戦にてルイスを数回銃撃すると、彼に見限られてレオンが射殺されゲームオーバーになる……のだが、なんと鶏の卵をぶつけても同じ結果になる。そんな理由で人を殺しちゃいけないよ…。
RE:4においてはそもそも照準を合わせられない*9ようになっている他、爆発に巻き込んでも文句を言うだけで撃ち殺してきたりはしない。卵をぶつけると特別なセリフあり(これは他のキャラクターも概ね共通)。

有名な空耳はダメじゃん!履歴書触っちゃった(Damn it! The eggs have hatched.)*10
なお、RE:4では彼が同行しているときにレオンが死亡すると¡No me jodas!(ノ メ ホダス)と独り言ちるが、これはマイルドに意訳すれば「ふざけんなよ!」とか「マジかよ!?」といったニュアンスの言葉。
日本語にするとそうでもないようだが、英訳すると「Don't fxxk with me!」となり、極めて強い侮蔑や苛立ちを含んだ言葉であることがわかる。

時系列が4の1年後にあたる作品にも(ある意味では)彼と似たような人物が登場していた。





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最終更新:2025年03月14日 21:52

*1 そもそもサドラーは「プラーガを使って世界を征服する」という目的をルイスに伏せていた。

*2 しかも薬の効果がある限り、プラーガの寄生を防ぐこともできるという優れもの。教団関係者であるルイスがプラーガを宿していないのは、この薬で既に除去しているため。

*3 れっきとした生物兵器であるため、万が一のことを考えて寄生された者の殺傷まで含めた対応策を用意しておくことは当然といえば当然ではあるのだが

*4 ちなみにこの友人は既に死亡している。理由は不明。

*5 これに関しては本当に理由が不明。それだけ逃げ回られると厄介ということだろうか。

*6 「キモーい、あなた…」の空耳で有名だが、実際は「俺がおまえを殺してやる」的なニュアンスの発言。

*7 字幕では「大統領の娘にしちゃあオッパイがでかいな」だが、実際は「大統領の娘は胸にミサイルを装備しているのか」。

*8 欧州支部の研究部門で表向きの事業だった一般的な製薬の部門に関わっていたらしいが、肝煎りで迎えられた人物が胃薬や美容品を作らされる訳が無いとは、ハニガンの弁。

*9 貫通性能に優れたパニッシャーを使用して銃撃した際、クリーチャー越しに居たルイスに命中する事はある

*10 「もう(プラーガの卵が)ふ化しちまったか」の意味。