旧主人公

登録日:2011/08/11 Thu 12:01:12
更新日:2025/10/16 Thu 19:00:51
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旧主人公とは、世代交代のあった作品・原作者・同制作会社など、何らかの繋がりによって同じ世界観を持つ作品に登場する、別作品の主人公。
同じ世界観でなくても、時空を超えて現れるルール無用のサプライズもある。
直接的な続編のみならず、いくつかの作品を跨いだ共演も含んで、“旧主人公”と呼称して本項目では解説する。

●目次

【概要】

オーソドックスな形だと、新主人公とは何らかの血縁関係にあることが大半。
兄弟よりは親子の割合が多く、または遠い親戚としてあくまで前作と同一世界観だと示唆するだけの死に設定であることも。
伝説的な英雄として崇められていたり、失踪していたり、前作以降の身の振り方は多岐に渡っている。


デザインや名前に若干の変化が加えられ、別人として所謂スターシステム的な参加も存在。
これらは設定的に本当に旧主人公の生まれ変わりであることもあり、前作の結末が悲劇的であれば、もし幸せを掴めると感慨もひとしおである。
ひみことかおんは本当に良かったね。

なお、新旧で性別が異なる場合でも、新主人公と恋愛関係に陥ることは殆どない。
せいぜい新主人公が「昔憧れてた」くらいである。


やはり一つの物語を駆け抜けただけあってその存在感は抜群であり、それは下手をすると新主人公の影を薄くさせるほどである。
逆に、せっかく出てきても新主人公の引き立て役にされ全くいいトコがなかったり、不当に貶められてしまうのも困りもの。
制作側のリスペクトが不足していると、単に新主人公を持ち上げる為のかませ犬やピエロとして利用される。

複数ヒロインがいるタイプの作品で続編を作られると、かつての主人公が誰とくっつくか確定してしまうことも少なくない。
当然だが、この点は選ばれなかった方のヒロインファンには納得しがたいものがあり、
特にPCゲームはそれほど人気も魅力もない女の子(勿論ファンもついているが)が続編だとメインヒロインという特権だけで正妻に収まっているケースは多く、
えらく不評を被ることになりかねない。
中には前作で大団円を迎えておきながら、あの後でヒロインと破局し別の相手と結婚していたりした主人公も存在し、
「あれはなんだったんだ……」という微妙な気持ちになる。


こういった現象も確かに存在する為、続編ないし同じ世界観の物語が始まると「出てこないで欲しい」と願うファンも決して少なくない。
そういう意味では賛否両論と言える。
新主人公を庇って石化したり、死亡してしまうこともあるのだから……。


こういったマイナス的な部分も多々あるので、確かに旧主人公の扱いは難しい。
新主人公との兼ね合い次第では、どちらかを立てればどちらかが立たなくなるということに陥りやすく、
そのさじ加減一つで作品が成功も失敗もするなんてことはザラである。
いわば“諸刃の剣”だが、それでもファンにとって新旧主人公両者の共演は一大イベントである。
図鑑所有者歴代ジョジョ歴戦の決闘者達など……いや、好きな作品の主人公が勢揃いしたイラストに、
ファンならほぼ間違いなく高揚感を感じるだろう。

因みに、旧主人公の他の作品への出演にはいくつかタイプがあり、分類することが可能である。



【共闘型】

最も肯定的に受け入れられる、伝統の共同戦線。
旧主人公が登場した瞬間、かつての主題歌BGMが流れたりすると最高に熱い。
特にラスボスに分身がいて“同時に倒さなければ滅ぼせない”というケースだと非常に効果的。
新旧主人公の同時変身は、いつの時代でも男の子たちの浪漫である。
アトリエシリーズ」でも伝統。大きな女の子たちも大好きなのである、多分。
もっとも、これは前述したとおり新主人公を完全に喰ってしまうことになりかねないので、細心の注意が必要なのも事実。

最初から信頼全開で協力し合う場合だと、大概新主人公が後輩や目下に立ち、体育会系的な先輩後輩のような関係になる。
クロスボーン・ガンダムシリーズ」はキンケドゥトビアフォント→アッシュが順々に共闘を続けており、作品シリーズ全体のコンセプトに近い。
Zガンダム』におけるアムロ・レイ、『鋼鉄神ジーグ』における司馬宙もこのパターンの代表格。
『ジョジョの奇妙な冒険』第3、4部のジョセフ・ジョースター、第4、6部の空条承太郎もこの部類に入るがこの二人は支援型としての側面も大きい。
宇宙刑事シャリバン』におけるギャバンは、ゲスト出演しても蒸着せずに助言と生身アクションのみの活躍を続けていたが、最終話のみ上記の「同時に倒さなければ~」タイプのラスボスを倒すために蒸着し、シャリバンと共闘した。
「THE IDOLM@STER」シリーズでは『シンデレラガールズ』での模索を経て『ミリオンライブ』以降は765ASとミリオン初出メンバーは同じ事務所の先輩後輩であるだけでほぼ対等と扱われる形で定着しており、アイドルものジャンルとしてはわかりやすい「先輩・後輩主人公の共闘」と言えるだろう。このパターンは後に『SideM』への秋月涼追加実装*1や、『Via-Live』が後で876プロ持ちの候補生の最終試験だったと明かされて以降の公式公報漫画(元祖876トリオはもちろん、夢子や蒼一も登場したことがあるなど『ディアリースターズ』の続きの要素も強め。舞もセリフで言及されるだけであれば名前が登場したただ、内容は原則的にショートコント)など、アイマスブランドでは「旧作メンバー」はほぼこの扱いで固定となっている。



【対立・ライバル型】

誤解や方針の違い、或いは別の集団に属する成り行きから、避けられない戦いへ発展するパターン。
前者の場合、ファン的には夢の対戦カードでもあるが、同時に悪夢といっても過言ではない。
実際、あるヒーロー番組では「戦っちゃヤダよー」と泣きだした子供もいたらしい。
新主人公は旧主人公との差別化の為に正反対の性格に設定されていることも多く、それが対立に拍車をかける結果を生み出す。
まれに無理のある理由で戦わされることもあるが、近年の作品ではさすがにどちらか片方がアホみたいに間違っていることは少なく、基本的に人の数だけ考え方があるので「どちらも間違ってない」という落とし所にもっていく。
まあ、演出的にそうなっていても、客観的に分析すれば片方の主人公がどう見てもおかしいということもあるが。
なお、大抵は後々に和解し共闘型へと変化するが、中には最後まで険悪で争う姿勢を崩さなかった者たちも存在。
また新主人公が旧主人公の敵対組織に所属していた場合は、まずこの対立型からストーリーが進んでいく。
組織抗争の面が深くなると裏切りフラグも立ちやすく、結局どちらかの組織(元所属組織)は壊滅しがち。

機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』の主人公ユージは、続編世界の『カタナ』では一度連邦軍を辞めてから復帰した経緯が描かれ、カタナの主人公イットウと対立する組織の兵として登場・交戦。更に強化人間手術を施されてしまうも…と堕落・対立・共闘(救済)、エピローグでは客演型という、旧主人公ポジションの様々なセオリーが詰め込まれた役割を担っている。
『SEED DESTINY』のキラ・ヤマトも少し近いとも言われる。

また、平和な意味合いでの夢の対決というパターンでは『魔法少女リリカルなのはVivid』のヴィヴィオVSなのはの対戦や、なのはvsティアナのスターライトブレイカー*2対決(最初から「実戦形式での訓練」を前提とする対立。要するに単なるチーム分け)が挙げられる。

スポーツジャンルでは、野球漫画ドカベンシリーズが『大甲子園』において複数の過去作主人公チームを山田の明訓と戦わせ、後の『ドリームトーナメント編』でも山田のいるチームと歴代主人公たちが次々に対戦(その上、試合の結果は大方の読者の予想通り山田側の全勝)という、ちょっと他に類を見ないコンセプトが有名。
出版社も異なる『一球さん』などの連載開始時点で『大甲子園』の構想があったかは不透明だが、少なくとも『ダントツ』の連載には当初からその意図があったと思われる*3
さすがにこれは明訓以外の作品をないがしろにしている面も否定できなかったのか(もっとも高校野球のルールを考えれば、どこかの高校が全勝する展開にするしかないのも事実)、ドカベン名義でも『プロ野球編』以降は再度水島オールスターズ形式を取っている。
ただ、景浦の交遊録メインでも話が成立する『あぶさん』と違い*4、実在選手の扱いでいろいろ困ったらしき面も…

サッカー漫画での代表例は、高校サッカー題材の『シュート!』シリーズだろうか。続編の第二部『蒼きめぐり逢い』では前作主人公達の中学時代が描かれ*5、当時のライバルが第四部『新たなる伝説』で主人公化。インターハイでは第三部の主人公チーム*6と第四部主人公チームがダブル主人公化し、その二校による全国決勝が行われた。
元祖主人公の掛川高校はさておき、しのぎを削った全国の強豪達が、第四部では新主人公チームの箔付けに利用されてしまった感は多少あるものの、作風が丁寧なので極端なかませ犬化に遭ってはいない(……皆無とも言いにくいが)。



【支援型】

同じ土俵に立つことはないが、指導役や後方支援に徹して新主人公を全力で手助けするタイプ。
既に精神的に大きな成長を遂げているだけあって余裕があり、新主人公の「先駆者」として的確な助言をしたり、陰ながら危機を何度も救ったりも。
中には当時の精神年齢のままハチャメチャなことをしでかす者もいるが、いざという時には歴戦の風格を見せつけるのが常。
スポーツ系では比較的リアルな形で指導者につけやすく、『名門!第三野球部』の檜あすなろは、数年後設定の『上を向いて歩こう』で高校教師として野球部監督になり、主人公・上杉輪の恩師にあたる。
恋愛系の少女漫画なら、新主人公をかつての自分と重ねて温かく見守るお姉さんだったりする。
バトルものでは何らかの事情で戦う力を失っているケースが多いが、力を取り戻し戦線に復帰すると、やはり桁違いの強さを発揮して無双状態へ。
また戦わない場合は新主人公が旧主人公の装備などを使う、という展開もある。
『MGS2』のソリッド・スネークや、『グレンダイザー』における兜甲児がこのパターン。
宇宙刑事シャイダー』の終盤では、終盤でフーマの侵略が活発になった際に「宇宙のどこかで戦っている」という扱いでギャバンとシャリバンが説明とバンクフィルムのみで客演したという例があった。
ニンジャスレイヤー』では第4部より主人公がフジキド・ケンジからマスラダ・カイに交代し、
フジキドは諸国を放浪しつつ新たな「ニンジャスレイヤー」となったマスラダを正しい道へ導くべく暗躍している。その過程で対立もしているが。


【堕落型】

新主人公が頑張っている半面、その裏で肝心の先代がどんどん落ちぶれている有様。
普通の主人公が次回作でこうなると最初は批判されがちだが、主人公時代には描けなかった弱点や悲哀を描くことで、よりキャラクターに深みが出る場合もある。
ひどいのになるとラスボス化したりする。中には前作の時から作者がそこまでストーリーを計算していたというケースも。
それならまだ箔がついたり同情を誘えたりもできるが、子供騙しの猿芝居に引っかかって会ったこともない新主人公へ勝手に敵意を募らせたり、邪悪な意思にいいように操られたり、あまつさえ旧ヒロインが健在なのに別の女性と肉体関係を持ったりすると、本当に情けなさ過ぎて涙が出てくる。
特に『grand theft autoⅣTlaD』のジョニー・クレビッツはヤク中に堕ちてしまった(彼の率いていたバイカーギャングはクスリが禁止だった)上、新主人公・トレバーのイカれ具合をプレイヤーに見せつけるため登場から1分22秒で蹴り殺され、ついでに仲間も皆殺しにされ、組織も壊滅させられるというあんまりな結末を迎えている。(組織の壊滅は元から弱っていたという理由もあるが)

メガゾーン23・PARTⅢ』の矢作省吾が分かりやすい堕落……と言うより「堕とされた」型か。
前作で悩みを抱え、『SEED DESTINY』でそれを引きずり、明確にトリプル主人公扱いになった『FREEDOM』でとうとうストレスから"爆発"してしまったキラ・ヤマトがかなりこの例に当てはまる。
また『ガンダムΖΖ』のカミーユもどちらかというと支援型ではあるが、少し近いとも言われる。
中には『R-TYPE TACTICSⅡ』のように、旧主人公との戦いを通じて現主人公の行く末を暗示させるパターンも。


【略奪型】

旧主人公を新主人公の踏み台にする堕落型の逆で、旧主人公が新主人公を完全に喰ってしまい、作品のメインを張ってしまう所謂“主役の降格”である。
意図的に交代させるか、また一応新主人公は中心であるものの、ドラマの濃さが段違いで視聴者的に主軸がすっかり入れ替わってしまう現象を指し示す。
理由としては製作側の異常な愛情の賜物であったり、新主人公が非常に動かし辛くてやむを得ない処置である場合。いずれにせよファンからは批判されることが多い。
このタイプの主人公が高評価されるのは、オールスター系の作品で過去の主人公を引き立てるために活躍するパターンや、実は悪役で旧主人公に倒されることが運命付けられているパターンなど。

ドラゴンボール』は孫悟空が主人公の座を息子の孫悟飯に譲って世代交代をしたが、悟空の存在感や印象があまりにも強すぎた為実質的な主人公として復帰した*7…と言うか、一般的にはずっと孫悟空が無二の主人公という認識であろう。主人公交代に失敗したと言うべきか。
同種のパターンは『ケンガンアシュラ』でも起こっており、主人公・王馬が最後のバトルの影響で死亡したはずだったのが、続編が暫く進むと「実は生きていた」とピンピンして登場。やむにやまれずの展開と言うより、当初から新主人公(達)の人気次第で復活させる当て馬的な算段だったのではと見られている。
HUNTER×HUNTER』のゴン=フリークスキメラアント編終盤の影響で重体に陥っての回復後も念能力を失い、単行本での人物紹介からも主人公の肩書きを失った…どころか、メインキャラ格からも脱落したと判断せざるを得ない実態がリアルタイム的にず~~~っと続いている。本項ではレアケースな作者の問題。主人公がいた作品から、不在化した作品の代表とも言える。
アークザラッドⅡ』の後半でエルクより主人公として目立つアークはかなりこのパターンに当てはまるが、両方ともバランスよく出番があるからか高評価されている。
これまた『SEED DESTINY』が話題に挙げられることが多いが、あちらは厳密には前作主人公(キラ・ヤマト)より、前作ライバル(アスラン)が新主人公を喰っている形の方が近いためやや特殊例。




【客演型】

必然性はなく、いわば単純なファンサービス。もしくは設定上居なければならないから出しただけのもの。
アパートの隣室から聞こえてくる声が内容や言葉遣いから判断するに恐らく旧主人公と旧ヒロインであったり、
よーく見ると“ウォーリーを探せ”の如く背景にいたりする。
直接的な接触はなくても、テレビで新主人公の姿を見て「俺も昔はああだったなぁ」と感慨深げに評価する時も。

爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』のアニメ版最終回で星馬豪がまさにその発言をしている他、原作では一文字兄弟との新旧主人公対決を制している。
アニメ『遊戯王GX』では前作主人公の武藤遊戯が初回導入部で登場。再登場したラストデュエルのクライマックスは闇遊戯が務めた。特に後者は、年次を重ねるごとシリアスに傾斜したGXの印象を〆のデュエル1つで大きく変えた名客演と言って良いだろう。
リリカルなのはシリーズ高町恭也のように世界線が違うタイプも割り振り的にはこれになる。なお『VividS』ではこういう形ですら旧シーズン主人公3人が登場しない
劇場版マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』における、イサム・アルヴァ・ダイソン
同小説版における熱気バサラマクシミリアン・ジーナスミリア・ファリーナ・ジーナスなども該当するか。
なお、熱気バサラは最前線に出してしまうと「もうあいつだけでいいんじゃないかな」レベルで歌で解決してしまうため出せなかったとのこと*8
変わったところでは『パワプロクンポケット14』だと、「おそらく『12』の主人公」な人物が登場したり、レッド『9』の主人公でもあることを肯定するようなイベントがあったりしたものの、『無印』~『13』までの過去作主人公はあくまで「いることを暗示する」にとどめる、の慣例に沿ったため、過去作の主人公であると明言されることはない*9。ストーリーとしては共闘型の基本パターンだが扱いは客演型という珍しいケースであった。
幻星神ジャスティライザー』でも、前作ヒーローのうち4人がおまけ程度に登場した例があった。

Grand Theft Auto IIIシリーズ(発売順に『3』『VC』『SA』『LCS』『VCS』)は同一の世界線上の物語*10で、
過去作の主人公が客演していたり、逆に後の作品で主人公になる人物がモブとして先行登場したりする。
例えば『SA』にモブとして登場するクロードは『3』の主人公だったし、『VC』のオープニングでいきなり死んでしまうヴィクター・ヴァンスはそれより前の時間軸を描いた『VCS』で主人公に抜擢されていたり。
主人公に限らず、サルバトーレ・レオーネやカタリーナといった重要人物も他作品で客演している。

女神転生シリーズでは、『ペルソナ』『ペルソナ2』にて『真・女神転生if...』の女主人公デフォルトと同名の「たまきちゃん」が登場し、基本無縁の世界観でのチョイ役ながら同キャラ、或いは並行世界の同人物とみなす風潮が広まり、俺のたまきと違うとか言われながらも大きな反響につながった。
真・女神転生Ⅲ』主人公の人修羅は後続作品の隠しボス・DLCボスとして名物化しつつあり、作を追うごと脚本が凝ってきている。その初陣を飾った『アバチュ』では「コマンドRPG最強最悪のボス」という呼び声も高い。
他の旧主人公達もじわじわ客演(大人の事情による代役)やDLCでの登場機会を得て、暗示型に留まらない存在感を持ち始めている。

やや毛色が異なるが、同時代の歴史ものを複数手がけた作者の場合、歴史の流れの中で客演しやすい。特に戦国時代は膨大な作品数の割に、三天下人や信玄の周辺に題材が集中しがちなので…。
史実通りに旧主人公が落命する場合も、旧作ファンに配慮し(或いは作者の贔屓が残り気味で)キャラクターを崩壊させないような雰囲気の窺える扱い方は少なくない。
実際にNHK大河ドラマでは「(過去作で主役だったので)ある程度はそちらのファンを想定して扱う」らしき人物がいることはちょいちょい見られるし、『青天を衝け』(本来の主人公は渋沢栄一、時代背景として大政奉還なども扱う)では本編とは別枠で、時代背景や「徳川幕府の歴史として知っておかないと話が追えなくなる話」の解説を行う先生役として徳川家康(とお付きらしき黒子)が登場する、と、まさに「時系列上は『前の時代の主役』たる人物が客演する」要素があった。
タブレット端末も普通に使えるんすね大権現様。 


【誕生型】

続編が前作の過去話、かつ新旧主人公が親子だった場合のケース。
ストーリーの最後に子供の誕生もしくはそれを匂わせる描写が存在し、子供の名前を決める。といったシーンが多数。
『スーパードクターK/DoctorK』においては、主人公KAZUYAのクローン黒須一也が作中後半に誕生。KAZUYA死後になる続編『K2』では一也がダブル主人公の片方を務めるが、旧主人公KAZUYAが遺した足跡・伝説も多数描かれ、KAZUYA側から見ても理想的な誕生型&暗示型の複合が印象的。
映画ならスターウォーズシリーズ辺りが有名か。



【オマケ型】

【客演型】とはまた違うファンサービス。
ゲームで見られる特殊な例。ストーリークリア後に旧作主人公や人気キャラが使えたりする。
近年のソーシャルゲームでは何人かローンチ実装だったりもする。閃の軌跡NWとか。
ストーリー上の絡みや、会話等が無く、本当にただ使えるだけ。会話する場合もあるが、ほんの少しだったりする。
『Fate/Grand Order』のようにストーリー面でも恒常的なレギュラー陣に昇格するケースもあるが(例としてメインシナリオに登場したキャスター版ギルガメッシュ、主役を務めるハロウィンイベントが毎年恒例となっているエリザベート・バートリー*11など)、さすがに「こういう扱いに変更されるのは旧作コラボイベントのときのみ」のことが多い。
SIREN2』の須田恭也などが一例。
ACE COMBAT 04』の主人公メビウス1は本編での無双っぷりが大きなインパクトを与えた為か後の作品でもたびたびゲスト出演しており、
現在最新作の『7』では明確にオマケストーリーの主人公(VRモードを使用した別個のストーリーのプレイヤーキャラ)としての客演となっている。

上でちょっと触れた『なのは』あたりになると、作品展開の順番では「旧主人公」だが時系列的には未来の人物、がオマケ的にプレイアブル参戦した*12クソややこしい作品まで存在する。


【暗示型】

旧主人公の存在自体は匂わせながらも、あえて直接的に登場させないというパターン。
【客演型】に扱いは近いがストーリーにはきっちり絡んでいるパターンが多い。その作品の外伝や漫画・アニメ版になったとたんに実際に登場する場合もある。
主人公に近かったライバルや親友、部下などのキャラを続投させ、その活躍を伝聞で語らせたり、連絡を取り合っているシーンを挿入したりする。
旧作のファンをそれなりに引っ張れるが、同時に新主人公と食い合うこともない、ある意味では一番いい落としどころである。
ガンダムビルドファイターズトライ』におけるイオリ・セイ、『同アイランドウォーズ』におけるレイジが「なんらかの行動をとったことを示唆する」形でのみ登場したケースや『ガンダムブレイカー4』におけるマイスター・ジンの正体を示唆する展開、『ビルドダイバーズRe:RIZE』におけるヒロトが『ダイバーズ無印』の時期にAVALONに在籍していた・有志連合戦にチャンプ側陣営で参戦していた設定など、『ガンダムビルドシリーズ』ではこの「このキャラや設定は過去作主人公の行動の結果、として健在なのを暗示する」はなかばお約束要素となっている。
…そのせいで明確に全員集まるのはゲーム作品を別にすれば10thアニバーサリー記念アニメ『メタバース』を待つことになった
ペルソナシリーズの歴代主人公の扱い方や*13、『トップをねらえ2!』のタカヤノリコもこれ。
牙狼-GARO- 魔戒ノ花』の冴島雷牙も、設定上は前作主人公の息子でありながら、本編では直接明言されず、はっきりと両親が語られたのは『烈伝』…というか『阿修羅』であった。


【死にました型】

作中で旧主人公が死ぬ、すでに亡くなっていたなどの死を明らかにされるパターン。
主人公やその仲間をかばって、不慮の事故で、前作の段階ですでに不治の病に罹っていてなど…
旧主人公との永遠の別れが描かれることもあり、名エピソードになることが多いが、前作のファンとしては悲しいことは間違いない。
稀に死亡フラグバリバリ*14建てた後行方不明になって最終局面で帰ってくるパターンもあるが…
これ系で最も衝撃的、かつ「それだけは知っている」人々を生んだ作品と言えば、いきなりOPが前作主人公が事故死しての葬式から始まる『センチメンタルグラフティ2』であろう。

時代設定が作品間で全く異なるせいで、普通に寿命で亡くなっているパターンもある。ときには子孫が登場したり、かつての活躍が伝説や神話として残っていることも。
蒼天のソウラ』において、「メラ担当・ヒャド担当・出力調整担当・発射役の4人で撃つ魔法であるメドローアをひとりで使う技として軽々撃っていた魔法使いが過去にいたらしい」として、『Ⅹ』では『ダイの大冒険』ポップマトリフが昔話(神話?)の人物になるほど時代が流れたことが示唆された『ドラゴンクエストシリーズ』も主人公パーティというくくりではある意味このパターンと言える*15

ARMORED CORE VERDICT DAY』は前作『ARMORED CORE V』から数百年の月日が経っているとされ、当然ながらV時代の登場人物は生きてはいない。
だが当時の彼らの戦いは一部で神話のように語り継がれており、特にマギー遠い祖先何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥が生まれる瞬間を見た*16とされている。





あなたが好きな作品の主人公たち。
彼らが一堂に集結する─────そんな光景に胸躍る人は追記・修正をお願いします。

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最終更新:2025年10月16日 19:00

*1 離籍したわけではなく、876プロと315プロと両方に籍を持っている形

*2 初出は「サウンドステージX」だったため、絵がある媒体ではティアナは初披露。

*3 何しろ同じ週刊少年チャンピオンで、都予選を優勝して「山田、甲子園で会おうぜ!」と主人公監督が吠えた最終回の翌週から「大甲子園」が連載を開始している。

*4 実際にホークスに在籍経験がない実在選手が「景浦と私的に交友がある」として登場することはままあった

*5 第一部序盤で既に中学サッカー界で実績ある主人公達として設定されており、結末は半ば窺えるものだった。

*6 第一部チームが1年進級しただけの同校チーム。

*7 話の流れを幾度か悟飯中心に持っていこうとした気配は窺えるが、結果的には踏み切れずにいずれも悟空の活躍の前座にされてしまった。原作者の鳥山明氏が、悟飯の事を戦いより勉強が好きな性格だと強く認識していた事も悟空復帰の要因とされている

*8 過去作主人公とは言えないが、同じ理由でマックスも使いどころに困る「バルキリーに乗れるキャラ」だった様子

*9 ただしピンクと「特別な仲」になれる作品は当時『ポケ12』しかないうえ、主人公が交友を持つようになるまでは「廃ビルに勝手に住み着き、まるなまスーパーのバイトで生活費を稼ぎつつ、ネカフェに通い詰める」暮らしをしている「怒りっぽいが機嫌が治るのも早く、いいかげんでわがままで根性なし」(以上、ピンクの項目より引用)と男性と交友できるかかなり疑問符が付く状態だったため、前者に関してはほぼ明言と同じとも言える

*10 時系列ではVCS→VC→SA→LCS→3となっており少々ややこしい

*11 そのためエリザのいわゆる「別クラスver」は実装数に対してイベント配布サーヴァントにかなり偏重しており、ガシャ枠は「普通の『CCC』仕様」とカーミラ名義版程度。

*12 厳密には当時現行作品だった漫画媒体からの参戦

*13 『Q』などダブル主人公扱いにすることで明確に登場する作品も一応存在する

*14 ここは俺に任せて先に行け!系

*15 ただしこの時は他のパーティメンバーから「(4人のなかのひとり、でもこんなに負荷がかかる魔法である以上)いくらなんでもありえない」「メドローアを決め技のひとつにできるパーティが過去にいたのは事実なんだろうが、だとしてもこの逸話すべてが真実ではないのではないか」とも言われており、明確に世界観がつながっているわけではない様子。ただしポップの驚異的な天才性は『ダイ大』以外のメディアミックスを主とするプレイヤーからも指摘されていることには留意

*16 V主人公がRDのヴェンジェンスを撃破した後、黒く焼け焦げたヴェンジェンスの「鳥のエンブレム」を使うようになったらしい