惑星4546Bにおける護り神的存在の巨大生物。
非常に高度な知性を持ち、プレイヤーともテレパシーを介して交流することが出来る。
とあるエリアを探索し終えてしばらくすると、突如目の前に思念体を現して語り掛けてきて盛大にビビらせてくれる。
そして実際に遭遇するとボス感たっぷりの演出でシードラゴンリヴァイアサンすら凌ぐ巨体を起こしやっぱりビビらせてくれる。
でも実際はとってもいい人(?)。
群れを成して平和に暮らしていたが、異星人に研究のため乱獲され、生き残った一体が5個の卵と共に星の奥深くに幽閉されている。
母性あふれる言動から一部プレイヤーからはヒロイン扱いされており、マザーとも呼ばれる
(ただし、この星の生物はシーエンペラーも含めほとんど雌雄の区別がない)。
体内の組織がすでに腐敗を始めているなど、もはや老齢どころか死にかけという言葉すら生ぬるい、「死体が動いている」レベルの状態。
この星には「カラー」と呼ばれる、感染率・致死率の高い病を引き起こすバクテリアが存在していた。
それに対抗できる酵素を作り出すことの出来る彼女たちを中心にこの星の生態系は回っており、異星人の目的はこの酵素でカラーを根絶させることだった。
しかし老齢である彼女の酵素には十分な効力がなかったため、異星人たちは卵を孵化させようと研究を続けていたのだが、
研究施設内の環境が合わず卵は孵化できずにおり、彼女もそれを伝えようと試みるも異星人とはテレパシーの波長が合わなかったために失敗、
そうこうしているうちに異星人は全滅してしまう。
その後も幽閉された施設内で過ごし、寿命を大きく通り越して身体中のあちこちが壊死してもなお我が子らの為にと奇跡的に生きていたが、ついに漂着した主人公とコンタクトを取ることに成功。
卵の孵化に必要な特別な酵素の作り方と共に主人公に最後の望みを託し、その尽力によって無事に卵の孵化を見届けると、役目を終えた彼女は静かに息絶える。
今際の際に「友よ」と、種族を超えた感謝の言葉を残しながら…
そしてカラーに感染してしまっていた主人公もまた、シーエンペラーの子供から排出された酵素により体内に巣食っていたバクテリアを退治し、命の危機を脱する事が出来たのだった。
ちなみに初期のPVからも窺えるように、元々はリーパーやシードラゴン同様敵……というかラスボスになる予定であり、酵素も戦って奪い取る想定だった。変更になって本当に良かった。
文字通りシーエンペラーの子供。
子供と言っても生まれたての時点で主人公の背丈を超える大きさであり、またカラーに対抗する為の酵素こと「エンザイム42」を最も新鮮で効きが良い状態で排出できる年齢である。
かつて異星人たちは成体よりも子供が排出するエンザイム42の方がカラーに対する特効効果が高いと突き止めるも自分達の技術をもってすら人工孵化に成功させることは出来ず、やがてある程度卵の中で育ったところで装置を使って無理矢理卵から引きずり出すといった惨たらしい手段に出るようになるが、そうして出された幼体はほぼ同時に息絶えてしまっていた。
またこの光景を見続けたマザーは異星人たちに対して失望してしまう。
主人公がマザーと直接コンタクトを果たした時には既に残った卵は異星人たちが作った孵化器に置かれたたった5つしかなく、彼らが滅んでからあまりにも長い月日が経ち過ぎていた為に孵化出来るかも分からなったが、それでもと一縷の望みを託したマザーと託された主人公の手で5つ全部が孵化に成功。
生まれた幼生たちはあたりをしばらく泳ぎ回った後漸く見る事の出来た母親に少しの間寄り添うと、異星人たちが残したワープゲートを潜って惑星4546Bの広大な海原へと巣立っていく。
それは同時にこの星の生命体がカラーの魔の手からいずれ完全に逃れられるだろうという事でもあった。
なお、孵化してからイベントが進行するまで結構時間がかかるため、バグが発生したかと不安になったプレイヤーがちらほら存在した。
その後の幼生たちはマザーそっくりな姿に成長し、あちこちのバイオームにランダムで出現して優雅に泳いでいる姿を時折見ることが出来る。
【オーロラ号の生存者】
100名弱のうち数名が生き延びるが、不運にも環境が劣悪で主人公以外は全滅した。
ポッドも破損してしまっている。
本名ライリー・ロビンソン。
本作に於けるプレイヤー。面長でリーゼントヘアーという中々個性的なスタイルが特徴の男性。
オーロラ号クルーの中では重要な仕事を任せられる程ではない、しがないエンジニアを務めていたが個室を与えられていた等、何だかんだでそこそこの立場に居たようである。アルテラから支払われる給料には不満を抱いている模様。
脱出時に乗り込んだポッドの消火器やパネルが外れて顔面に直撃で気絶したり、着水に成功したらしたで内部火災が起きてて慌てて消し止めるハメになったりと、始まって早々不幸なのか幸運なのか良く分からない体質ぶりを見せてくれる苦労人。
惑星4546Bからの生還を当初の目的として行動している内にオーロラ号が受けていた密命、そしてこの星に隠された秘密を知っていく事になるが、同時に途中で惑星の生命体全てを蝕む病原体ことカラーに感染していることが判明し、その治療法も探し求めてゆく。
良く分からない原生生物や植物を生食しても平然としていたり、1000m超の深海ですら酸素さえあれば水圧?なにそれ美味しいの?と言わんばかりに普通に泳いでみたりと地味に超人だったりする。
続編Below Zeroで見付けられる記録によればその後無事に生還したようだ。
オーロラ号の乗員を脱出させ、1人船内に残り制御降下を試みたが失敗。爆発に巻き込まれて死亡した。
皮肉にも数日前に、乗ってきた船が爆発するシチュエーションのサバイバルアドベンチャーゲームで遊んでゲームオーバーになっている。
「救難信号を出すにはこの船がいる、なんとか制御降下を…」
二等航海士。
数少ないポッドから無事に脱出できた人物。
CTOユウと共にアルテラ本部からのメッセージを聞くため、オーロラ号へ向かうが、途中でリーパーリヴァイアサンに襲われ死亡。
「…なぁCTOさん、あんたの趣味は仕事を安全にも快適にもしてくれないようだが?」
CTO(Chief Technology Officer: 最高技術責任者)。女性。
バークレーという技術者と共に水深500mに墜落するも何とか生存し、二等航海士キーンと合流する。リーパーリヴァイアサンに襲われ死亡。
余談だが、最集結地点ではバークレーの発言がないばかりか、キーンの最後の通信でも名前が上がっていない。…何か嫌な予感がする。
「そうね。でもお陰で暇を持て余した挙句、パンツ一丁で宇宙遊泳する羽目にはなってないわ。」
医療責任者。この世界はロボットが外科手術をしており、彼を含む外科医はコンピューターの出した診断結果を読み上げることしか出来ない。
カラーとそれによる皮膚炎に手も足も出ず、自棄を起こしながら死んでいった。
「コレについてわかったところで何になる。私は…ここで死ぬんだろう。」
宗教家であり後述するポール・トーガルとの親交があった人物であり特使。
助かるための祈りを神に捧げていたが、最後は諦めて天に帰るための祈りを捧げていた。落下の衝撃で即死。
ポッドの自動メッセージ機能に埋葬班の派遣を要請されてしまった。
「我は肉塊での遊戯を終えん。我を帰したまえ。」
船内カフェのマスター。突然の墜落に混乱していた。ジェリーシュルーム洞窟近くに落ち、おそらくクラブスネークに襲われ死亡。
洞窟内はもちろん、外は外で真っ赤な海藻が生い茂る景色の中、サンドシャークやバイター、リーフバックリヴァイアサンが数多く生息する環境なので恐怖は相当なものだったと思われる。
2名が搭乗していた。
一台のシーグライドを改造して2人一緒に移動しようとしていたが、近くに落ちている残骸を見るに破損してしまった様子。恐らくストーカーに襲われて死亡。
「技術的な問題だと思ってるからね。計算をやめたら…怖くなるだろう。」
リーパーリヴァイアサンがいる海域の近くに落ちる。
クリーチャーデコイを駆使してオーロラ号周辺の安全を確保しようとしたが、失敗してリーパーリヴァイアサンに捕食された模様。
ゲームスタート時点ではオーロラ号が放射線を放っているため、それが死因かもしれない。
余談だが、主人公を除けば唯一脱出ポッドが浮いている。…浮かんでいるだけだが。
アルテラ社の人事部長と顧客のマダムが乗っていた。
マダムが発煙筒を振り回したためポッドの燃料に引火・爆発して死亡。
おバカの巻き添えになった人事部長が不憫でならない。
「違います!それは遭難用発煙筒じゃありません!すぐにやめ[爆発音]」
ファブリケーターが破損し、変な人形や車の模型などを生産するようになってしまったらしい。
結局何も出来ないまま死亡。
「こうなりゃヤケだ。ボタンを全部押してやる。一つくらい使えそうなのが出てくるハズだ。」
【デガシ号の生存者】
モンゴルの大企業、トーガルコーポレーションが所有していた宇宙船の乗員たちで、10年前に突如通信が途絶えた。
オーロラ号は彼らの捜索と救助の密命を受け惑星4546Bに降り立とうとしていた。
トーガルコーポレーション社長。
歳と地位のためか他二名に比べて融通がきかずメイダとよく衝突していた。
もっとも安全性という点では彼の主張も間違いではなく、メイダの申し入れも最終的にはよく聞いている。
深度500mの深海基地がリヴァイアサンに襲われた際に基地の外に放り出され発光体の明かりを頼りに逃げのびる。
しかし息子バートの痕跡だと思っていた発光体は実は深層へと続いている高濃度海水の沈殿帯だったため一層深海へと迷い込むことになってしまった。
「あれは幻覚だったのだろう。酸素レベルが下がってきた。確実に私の…血の匂いがする。」
トーガルコーポレーション副社長で、ポールの息子。
遭難したにも関わらず、未知の生物や世界を肌で感じられることを幸運と考えられる前向きな思考の持ち主。
研究熱心でこの星の核心に近付いていたがカラーに感染、さらにリヴァイアサンに襲撃され基地を破壊される。
本人は生き延びたもののポールとメイダを失ったこともあり戦意を喪失してしまった。
その後はカラー感染による死が訪れるまで、墜落直後に使用していた基地に戻り残酷で美しい自然を眺めながら過ごした。
なお、シネマティック・トレーラーは主に彼の遺した記録をイメージした映像である。
「この“素晴らしい惑星”の一部になれるなら、気は楽だ。それまでは…ここで見ていよう。」
中年の女性傭兵。ライバル企業や宇宙海賊の襲撃に備え格安で雇われた。
粗暴で向こうみずな性格をしているが、率先して危険な素材調達に向かうなどしてサバイバルに貢献していた。
しかしバートの研究のためにとリヴァイアサンを生け捕りにして連れ帰ったところ、別のリヴァイアサンを呼び寄せてしまう。
応戦した彼女はそのまま暗い深海に消えていった。が…
「船を作れ、バケモンを殺せ、そのバケモンでもっとデカい船を作れ、バケモンがこの世から消えるまでね。」
【その他】
アンドロメダ銀河のトランス・ガブ所属の貿易船サンビーム号の搭乗員。
アルテラ社やその所属船の横暴に日頃から振り回されているらしく、救難信号を受けたときは毒づいていた。
しかし状況を把握した後は熱心な態度で救助に尽力する。
惑星4546Bに上陸する寸前で謎のレーザー砲に船を撃墜されて死亡するが、頑張れば彼らが死なずに済む展開に持っていくこともできる。
まぁその場合でも軌道上にあるオーロラ号の残骸がスペースデブリとなって近付けないから無理と助けてはもらえないのだが
「オーロラ?聞こえるか?…返事なしか。ALTERRAの船だ、エンジングリスが切れたとか、しょうもない理由でSOSを乱発してるんだ。クソ憲章が無けりゃ、こんな金の無駄なんてやらなくて済むんだが。」
22世紀に発足した超が付く暗黒メガコーポ大企業で、その力は大国に匹敵するらしい。
オーロラ号の救難信号を受けるが、救助船の派遣は出来ないとメッセージを送る。一応、惑星脱出用ロケットの設計図を送ってくれはするものの、要求される出力が膨大すぎて脱出させる気がない。しかもそのロケットは一人乗りというのだから酷いものである。
乗員達のログによると相当なブラック企業のようで、戦時中は全方位に兵器を売り捌いて大儲けしたり、ろくな保障もせず従業員を辺境宙域に送り込んだり、理由を付けて給料の支払いを渋ったりというのは日常茶飯事で、挙句PDAのAI曰く「惑星4546Bで発見・回収した資源は全てアルテラの資産であり、それを主人公が利用するのは横領行為に当たる」などと宣う始末。主人公、帰還しないほうが良いのでは?
今回の事件についても重要通信中にレギュラーサンドがどうのと話しており、完全に他人事の模様。こんなもんを聞こうとして死んだキーンやユウが不憫でならない。
そもそも今回オーロラ号が4546Bを訪れたのは、消息不明の社長親子の捜索を行うポーズを取ってトーガルコーポレーションに恩を売りつつ経費をがめるのが目的。衛星軌道上からの簡易スキャンで痕跡らしきものを「発見してしまった」際にはレコーダーを切って無かった事にするなど実際に捜索する気は最初からなかった模様。
「レギュラーサンドってのはハムとチーズのサンドだ!そう、ハムとチーズ!」
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エンディング後ネタバレ注意 |
なお、惑星4546Bから脱出すると脱出おめでとう。1兆クレジット払え(意訳)と言われ幕が閉じる。
それが嫌なら少し休んでからまた4546Bに行ってこいとも付け加えられて。
多分殆どのプレイヤーが後者を選ぶだろう。手塩に掛けた基地や可愛いカドルフィッシュ君もおるし
ちなみにこの金額はオーロラ号の本来の任務であるワープゲート建造計画の費用とおおよそ一致する。
つまりはオーロラ号唯一の生き残りである主人公に計画が頓挫した全責任を被せてしまおうという腹積もりである。
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すべての元凶。
話は1000年ほど前まで遡る。
彼らの文明は人類よりはるかに発展していたのだが、その宇宙開拓の中で恐ろしい感染症…“カラー”を見つけてしまう。
この病原菌を研究するために彼らは調査中の辺境惑星に病原体の研究施設を設置する。研究の結果“エンザイム42”という酵素成分がカラーに対して薬効があることが判明した、のだが…
リヴァイアサン級生命体を無理矢理捕らえていたために仲間の襲撃に遭い研究施設の一つが損壊、感染症はこの惑星に流出してしまう。
そう、この調査中だった惑星こそが4546Bなのである。
カラーが他文明まで汚染することを危惧した彼らは“隔離執行プラットフォーム”…有体に言うならば巨大レーザー砲を無制限起動し、惑星に出入りしようとする物体を何もかも破壊・撃墜することで惑星ごと宇宙から完全に隔離することにした。
主人公を救助に来たサンビーム号が撃墜されたのはこれによるものであり、またデガシ号が消息を断ち、オーロラ号が突然の墜落をしたのも同様。
よって星から脱出するにはロケットの製造だけでなく、隔離執行プラットフォームの機能停止、つまるところカラーの克服も必要となる。
なお、最重要研究施設はパイプによって惑星各所に通じており、施設を出入りするピーパーを介して酵素を拡散させる仕組みを持つ。
これにより、カラーが惑星全体に拡散したあとも生物が死に絶えるほどの被害は出ずに済んでいる。
しかしその酵素を作れるのは唯一残った成体、しかも寿命を遥かに超えて生き続けている老齢の個体であるため、酵素の排出量は僅か、酵素の質もカラーの拡散を抑え込むのが精一杯という末期的状況に陥ってしまっている。
ちなみに付け加えるなら、ワーパーの正式名称は“自己転移式隔離執行ユニット”…異星人が手掛けたいわば生体ロボットで、カラーに感染した生物を隔離する目的で作られた。
主人公は隔離執行施設の制御装置で検疫に引っかかった結果、感染者であることがばれて狙われることになる。
このため、感染発覚前か隔離執行施設の停止後ならワーパーと遭遇しても襲われることはない。
メタ的な要素として、主人公がカラーに感染してるはずなのに時間制限がないのは、根治できるほどではないにせよ酵素を持ったピーパーが、序盤から優良な食材として登場して捕食されていたためと思われる。
彼らの姿とその詳細な社会構造及び何故ここまでしてカラーの根絶に血道を上げていたかについては、続編Below zeroで明らかになる。