PlayStation4

登録日:2022/01/31 (月) 23:10:50
更新日:2024/04/11 Thu 21:44:17
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世界が、遊びでひとつになる。




PlayStation4とは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE表記)より発売された家庭用ゲーム機。
通称「PS4」「プレステ4」。

【解説】


日本では2014年2月22日発売。第8世代据置型ゲーム機に分類される。
海外では2013年11月から発売されており、日本ではわざと遅れる形での発売となった。忘れがちであるが、このゲームの発売年は2013年なので注意が必要。

SCEが開発及び発売した家庭用ゲーム機PlayStation3の次世代機であり、据置型ゲーム機のPSシリーズとしては4代目。
キャッチコピーは「世界が、遊びでひとつになる。」「play & peace」「できないことが、できるって、最高だ。

PS3からより進化したグラフィック性能や処理能力を売りにしている。
本機は性能面の進化だけではなく、シェア機能によるユーザー間の繋がりの強化など、前世代よりもSNSが普及した時代を反映したギミックも持つ。
リモートプレイによるPlayStation Vitaやスマートフォンなどのモバイル端末との積極的な連携機能も特徴。

前回PS3を発売した際、過去に前例が無い程の凄まじい大騒動が起きた事を反面教師としたのか、今回PS4を発売した際は「充分な在庫を確保してから販売に踏み切る」という手法に踏み切った。
これによりPS3を発売した時のような大混乱は生じず、多くの人々がPS4をすんなりと購入する事が出来た。転売屋が大爆死したという話はあまりにも有名。



【普及状況】


日本では当初はPS3とのマルチが多かった事や据置市場自体の勢いの弱さもあり、普及ペースは遅かった。
やがてPS3とのマルチが少なくなったことや独占ソフトが増えたことなどもあって、販売台数を積み上げていった。
第八世代で先行していた他社ハードのWii Uよりも当初の普及ペースは遅かったが、2016年以降は販売台数を逆転させたことにより、一時的にPS2以来の国内トップシェアハードに返り咲いた。

2022年時点で国内では900万台以上売り上げており、前世代と同程度のシェアの獲得に成功したと言えるだろう。
ただし、後に登場した他社ハードであるNintendo Switchの普及の急速な勢いに押されたことや長期展開による停滞感と次世代機の影が影響してなのか、2020年代以降は国内シェアにおいて急速に勢いが落ちている。
2020年から次世代機であるPS5に現行機の座を譲っているが、このPS5が国内普及で苦戦中と言う状況や互換性の影響から、現在でも実質的な現役ハードの状態にある(PS3初期におけるPS2の立場に近いか)。

海外市場では非常に好調な売れ行きを維持し、前世代の状況から大きく改善された。
2019年度末の時点でPS4の世界累計販売台数は1億600万台を突破するなど、極めて優れた記録を残している。

【性能】


CPU x86-64 AMD 8コアAPU "Jaguar"
GPU 1.84 TFLOPS, AMD next-generation Radeon
メモリ GDDR5 8GB
ソフトメディア Blu-ray Disc
内部ストレージ HDD500GB(ユーザーの手で交換可能)
外部接続端子 USB3.0×2(市販のUSBハブで増設可能)

前世代におけるPS3のCPUの独自仕様が様々な意味で混乱を招いた経験を反省し、本機ではAMD社製の既存品のセミカスタム品を使用。
つまりはPS3の次世代機ではあるがその仕様は繋がりが薄い別物であり、実際に互換は存在していない。
PCの環境に近くなったこともあってソフトの開発がしやすく、開発者からは好評を得ることになった。

PS4の強みはメモリの容量・スピードにあり、8GBという当時としては大きな容量のメモリが搭載されたことでゲームの作りやすさと高速処理を実現。
ゲーム様に割り振られている容量は約5GBで、残りの3GBはOS用などに割り振られている。
帯域は176GB/sと当時のゲーミングPCと比較しても速い分類だった。

専用コントローラは「DUALSHOCK 4」と呼ばれるコントローラを採用。
形状が大幅に変わり、よりグリップしやすくなった。
後述するシェア機能に用いる専用ボタンやコントローラ中央部にタッチパッドを搭載。
コントローラ上部には発光機能が存在し、複数のコントローラを用いる時のプレイヤーの識別やゲーム上における何かしらの表現などに用いることが出来る。

PS3と違いPS4のゲームを遊ぶ際は、必ずストレージにデータをインストールしなければならず、またディスク版のゲームを起動する際は認証の為にディスクをセットしなければならない。
発売当初は内部ストレージにしかインストール出来なかったのだが、アップデートによりUSBでの外付けのHDDやSSDにもインストールが可能となった。
これによりHDDやSSDを複数用意する事により、理論上は無限にソフトのインストールが可能となり、容量不足に悩まされる事は無くなっている。

【シェア】


PS4ではゲームプレイは常に録画されており、この機能を活かしたPSシリーズ初となるゲーム配信機能が搭載されている。
DUALSHOCK4に存在するSHAREボタンを押すことによって、ゲーム画面の保存や外部サイトへの動画アップロードを行える。

ゲームには未プレイ者に見られるとまずい内容や著作権的に配信が好ましくない作品も存在するが、そのような類のゲームはネタバレ対策のためにシェア機能に制限を加えている。
このようなゲームはプレイ中の画面に「録画禁止区間に入った為ゲームプレイの録画を一時停止しました」という警告文が出る。

【主な歴代モデル】


通常モデル

CUH-1000

  • 発売日:2014年2月22日
  • 価格:39,980円
一番最初に販売された初期型及び始祖。
タッチセンサー方式の電源スイッチが採用されているなど、PS3の初期モデルへの回帰が見られる。
しかし、その方式が災いしてか静電気が蓄積した際に(ゲームプレイ中でも)勝手にディスクを吐き出してしまうという誤動作が起きる場合がある。
この不具合は本体の周りをこまめに掃除して埃を除去する、イジェクトボタンの周囲に静電気除去テープを貼る、静電気除去ブラシで撫でるなどの対策を行えば改善可能。

中には本体を分解してイジェクトボタンの接続端子に絶縁テープを貼り、イジェクトボタンその物を機能させなくする事で対処した猛者も存在する。
ディスクの取り出しはホーム画面からOPTIONボタンを押す事でも可能なので、イジェクトボタンが使えなくなってしまっても全く問題無い。

SONYもこの不具合を公式に認めているものの、修理対応はまさかの有料で、修理費用は約1万円。
2022年現在は部品の在庫の枯渇を理由に、修理サポートが打ち切られてしまっている。

CUH-1100

  • 発売日:2014年9月30日
  • 価格:39,980円
CUH-1000におけるバグの改善や冷却性能の僅かな改良などが行われたモデル。

CUH-1200

  • 発売日:2015年6月24日
  • 価格:39,980円→34,980円
PS4シリーズの一つの完成型とも言えるモデル。フロントパネルが普通の素材になった。
CUH-1100から消費電力の省エネ化と軽量化が行われており、電源ボタンも通常の物理型に変更されたため、誤動作対策であればこのモデルが最安値。

PS4 Slim

CUH-2000

  • 発売日:2016年9月15日
  • 価格:29,980円
デザインを変更して価格設定を下げた改良版モデル。
重量が下がったことで移動が楽になり、消費電力や騒音などの面も省エネ化が行われた。電源ボタンの仕様も変更。地味にS-PDIF端子も削除。
Wi-FiもIEEE 802.11ac(5GHz帯Wi-Fi)の規格に対応するようになった。

CUH-2100

  • 発売日:2017年7月29日
  • 価格:29,980円
CUH-2000から重量が僅かに軽量化されたモデル。内部パーツも変わっているが、スペックにこれといった変化は与えていない。

CUH-2200

  • 発売日:2018年7月2日
  • 価格:29,980円
Slim系列の最終モデル。と言ってもCUH-2100とこれと言った違いは確認されていないので製造コスパの短縮のみである。2023年末でようやく製造を終了し、10年間の製造に幕を閉じた。

PS4 Pro

CUH-7000

  • 発売日:2016年11月10日
  • 価格:44,980円
ハイデンドモデル。4K解像度に対応したことで出力可能な映像クオリティが向上している。ただし4KのBDには非対応。
CPUやGPUも変更されたことでソフトの動作やロードなどが軽くなるなどの恩恵が得られたが、PS4.5と言えるような劇的な変化があるわけではない。
専用ソフトは存在していないが、一部のソフトはProでプレイすることによって画質や処理速度が強化される仕様が搭載されるようになった。ただしネイティブ4K出力は非対応。
アップデートで、表向きPro非対応ソフトでも処理速度を向上させる「ブーストモード」が追加された。
ただブーストモードOnでも余裕で処理落ちするゲームも結構多い。

本体後部にUSB3.1 Gen1 Type-A端子が追加されている。しれっと前部のUSB端子も3.0から3.1に変更されていたりする。
USB規格の策定の結果名前が変わっただけですけどね!
今まで前面に接続するしかなかった外部ストレージを接続するのにぴったし。

一方で高性能化の影響によって本体は大型化し、重量や消費電力が増加している*1
ファンの音も大きくなるなど、初期系やSlim系に完璧に優位性がある訳ではない。

CUH-7100

  • 発売日:2017年10月2日
  • 価格:44,980円
CUH-7000から僅かな軽量化と内部パーツの一部変更などの改良が行われたモデル。

CUH-7200

  • 発売日:2018年10月12日
  • 価格:39,980円
PS4 Proの最終モデル。Proとしては初の値下げが行われたことでお買い求めやすくなった。
消費電力が僅かに改善されており、虫やゴミなどの侵入防止を理由に排気口の内側に対策用のネットが設置された。
HDD2TBモデルがあるというのが大きな利点。

【主な周辺機器】


PlayStation Camera

  • 発売日:2014年2月22日
  • 価格:6,279円
本体と同時に展開されたカメラ型周辺機器。
プレイヤーの動きをキャプチャーモーションしたり、音声や顔認証によってログインや電源などの操作を可能とする。
また、PSVRで遊ぶためには必須。

2016年には「CUH-ZEY2J」と呼ばれる新型が展開されている。
こちらは外観が円筒状で同梱のスタンドを装着する構造に変更されており、カメラの角度調整などがしやすくなったという売り込み。
ただし、性能面に関しては特に変更点はない。

PlayStation VR

  • 発売日:2016年10月13日
  • 価格:44,980円
PS4用に開発されたVR機器。ヘッドセットを頭に被ることでVR映像によるゲームプレイが可能になる。
加速度センサーや重力センサーなどが搭載されており、頭の動きに合わせた映像の対応をこなす。
PS4専用だがHDMI端子による接続なので、実はやろうと思えは他のゲーム機とも連携させることが出来る。

本機の展開に合わせて、専用ソフトやPSVRを用いないと遊べないモードを搭載したゲームなども多く発売されている。
PlayStation Moveと組み合わせることにより、画面の没入感と身体の動きを同時に体感させるゲームも。

【ソフト展開】


ハードの高性能なグラフィック描写を活かし、PS3以上に画質面が進化した次世代のゲームシリーズが排出されている。
やはりCellが無くなりソフトが開発しやすいためサードソフトも多く展開されており、何気にPS3では実現されなかったドラクエ・FF・モンハンと言った超有名大手サードタイトルが集結した。
ソフト売上に関してもPS3から伸ばしており、PS3では1本しか出なかったミリオンタイトルも複数本出ている。
特にソフトラインナップは優れ、ソニー本体の開発スタジオから出る作品もそこそこ増加したことから、国内よりも海外でのPS4のごり押しぶりが異常なレベルで熱狂を食らうようになっていった。その熱狂ぶりがゲームの歴史の中で今までにないレベルだったので当時がどのような世論であったかはご察しすべき。そのためPS4以外のライバルハードはとにかく追いやられる傾向にあったが*2PlayStation5の時期になってから1~2年以上経過したころにXBOXの勢力が強くなっていったため、ある程度売り上げや需要を逆転した市場を形成するようになった。特に2013年から2017年に性能がPS4 Pro以上のXBOX ONE Xが登場するまでは、このハードに移植した作品のグラフィック性能がPC版やXBOX ONEを越えてしまう事も容赦なく発生していた。

PS4ソフトの性的表現に関しては、ハードの中期から独自の基準が設けられたことで厳しくなったという噂が流れた(公式側は認めてはいない)。
美少女系のゲームのマルチタイトルは他社ハード版(主にSwitch版)の方が描写が過激化されている例が多く、この影響を大きく示した『ラビリンスライフ』(Switch版は『オメガラビリンス ライフ』)に関する動きも話題となった。PS3やVitaではエロを売りにしているような美少女系ゲームを多く集めていたこともあり、方針の違いに困惑する声も出ている。
一方、一部のギャルゲーアイドルマスターのような日本国内以外で売ることが倫理的に難しい作品は、Nintendo SwitchをすっぽかしてPSのみで展開せざるを得なくなったケースもいくつか存在するため、需要が丸ごと消滅したわけではない。


ソフト展開の初期はハードの普及が進んでいないことや後方互換性がない影響もあって、PS3やPSVitaとのマルチソフトが目立っていた。
性能面の違いでPS4版は動作などが快適になっているパターンが多く、同社ハードということを活かしたクロスプラットフォーム機能を搭載している例も目立った。
やがてPS4の普及が進んだことやVitaの展開が縮小していった影響により、独占タイトルが目立つようになった。
Nintendo Switchの発売後はそちらとのマルチタイトルが目立った。ただし、ハード性能面ではPS4の方が上であるため、動作面やグラフィックの細かい描写などの面ではPS4版に優位性がある場合が多い。
Xbox Oneとのマルチとなるソフトも多かったが、日本では同ハードの普及が進まなかったこともあり、海外と異なりPS4独占またはSwitchとの2ハードでのマルチになるタイトルも少なくなかった。

PS5の発売以降もPS5側に互換性があることやPS5のソフト売上の苦戦により、PS4とのマルチが積極的に組まれている。
こちらのマルチは当然の話ではあるが、PS5版と比べると動作などが不安定になっていることが多い。PS4が一度に処理できる量はPCやXBOXの機種に不足するのも無理はないためである。

【余談】


  • PS4専用ソフトのパッケージのカラーはVitaと同様の青色が採用されており、PS2~PS3で続いた黒色ベースのパッケージの系譜は途絶えることになった。

  • PS4の時期に放映された一部のCMは、海外のCMよりもなぜか明らかに気合と予算が入りすぎているケースが多かった。
    例(どれも国内CM。):
    ローンチ直前に放映。Play&Peaceというロゴが中心で、メタルギアソリッドも映像に含まれていた。

    ローンチCM(二つ目)。

    2017年(Nintendo Switchのローンチ後)に出たCMで、「なんでもできる」をテーマにCGを大幅に使用している。

    2018年ごろ。CMではなくPVだが高クオリティのMVとなっている。
  • 実はPS4の商標はPS3が発売された年である2006年に既にPS5と共に登録されていたりする。
    ちなみに、PS4の展開中である2019年にPS6~PS10の商標が登録されている。果たしてPS10まで辿り着くのはいつになるのだろうか…。
    これは模造品対策として良くある事で、他にもSONYがSANYなどの1文字違いの商標を大量に取得していたりする。



世界が、追記・修正でひとつになる。

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最終更新:2024年04月11日 21:44

*1 消費電力の増大により電源ケーブルがアース付きになり、やや太くなっている。しかし、XBOXONE S以降のXBOXモデルは普通の二軸ケーブルを使っているので、それほどアースに問題がないことに気づいたのか、PlayStation5では普通の二軸ケーブルを採用した

*2 ただし、WiiUに関しては全世界でのソフト数を比較するとわかる通り、日本だけWiiUのソフト展開が異様に減っていたことがわかるので事情は複雑になる。また、日本でのXBOX ONEの展開は発売を1年近く遅らせるなど、非常に消極的であったため売り上げ競合に入るレベルではなかった。