慈獄政士郎

登録日:2021/09/23 Thu 01:16:17
更新日:2025/04/01 Tue 00:37:54
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これより、本法廷において成歩堂龍ノ介の審理を開始する。

慈獄政士郎(じごくせいしろう)とは『大逆転裁判シリーズ』に登場する人物である。


■概要

大日本帝国の判事で最高権威の裁きの庭・《大審院》の裁判長。またこの世界における日本の外務大臣も兼任している。43歳。
大逆転裁判シリーズ』の中で日本編にあたる『大逆転裁判1』第1話、及び『大逆転裁判2』第1話の審理において裁判長を担当した。

逆転裁判シリーズ』における所謂「サイバンチョ」で、シリーズで初めて名前が判明したサイバンチョキャラである。
今までのシリーズのサイバンチョとは全く違う外観をしており、がっしりとした体躯に豊かな黒髭を纏った中年男性で帽子の下にはこれまた立派な髷を結っている。服装は明治時代の判事が着用していた、刺繍を施した法衣を着ている。
彼のデザインコンセプトは罪人を裁くことから”閻魔大王”であり、髭と髷は地獄の炎を表現している。服装のデザインには仏教の世界観を取り入れている。
そして手には打ち出の小槌のような金色の木槌(ガベル)を持っており、ことあるごとにカンカン鳴らす。
その隆々とした外観は時折見せる峻厳な顔つきと共に、大審院の格式高い雰囲気と緊張感を強調している。(ちなみにいつもの白髭、禿頭のサイバンチョは大英帝国の法廷に登場する。)
いつものサイバンチョ同様証人のぶっ飛んだ言動には驚愕したり圧倒されたりするものの、基本的には強大な圧力に屈せず公平な判断を下すように務めている。
ただ、大日本帝国は大英帝国との外交関係において弱腰であるせいか、英国人の証人の前では「誰か、紅茶を!英吉利(イギリス)人のアイサツは紅茶に始まり、紅茶に終わるとか!」と発言するほど平伏している。

外務大臣としては『日英和親航海条約』*1の締結に貢献した他、亜双義や龍ノ介の留学(代理)を最終的に認定した。
まさにこの男の決定が無ければ『大逆転裁判』の物語は始まらなかったと言える。

彼自身は『大逆転1』から登場するが名前は細長悟刑事の口から「慈獄長官」と名字が出てきたのみ(それも彼が登場していないエピソードの中)で、
彼のフルネームと「慈獄長官」=「大日本帝国の裁判長」だと判明するのは『大逆転2』からである。


■作中での活躍

※ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
第1話「大いなる旅立ちの冒險」に登場。
英国人の医学博士ジョン・H・ワトソンが殺害され、成歩堂龍ノ介が被告人となった裁判を担当する。
その裁判の冒頭で彼の「本法廷において。被告人の弁護を行うのは、誰であるか?」という”最初の質問”にはいッ!と答えたことで弁護士・成歩堂龍ノ介の物語が始まった。
本来の担当弁護士は亜双義一真であったためこの返答に一度は驚くも了解し、龍ノ介を弁護士としてふさわしいか確認するために事件についてのいつもの簡単な質問を投げかけた。
審理中も圧倒的に不利な状況に立ちながらも真相解明に尽力する龍ノ介を裁判長席から見守っていた。一方、的外れな言動をした場合容赦のない叱責とペナルティを下すのもいつも通り。
そして裁判の最後、龍ノ介が暴いた真犯人と2人だけの話し合いの約束を取り付けた後、龍ノ介の活躍を称え彼の可能性に期待しながら無罪判決を下した。
また、亜双義には司法留学での自身の使命を果たすよう今一度念を押し、彼の活躍を期待していた。

第2話「友とまだらの紐の冒險」では名前のみ登場する。細長悟に「亜双義が暗殺される事無く大英帝国まで護衛しろ」という特務指令を出していた。
細長にはこの時代の世界情勢は実に緊張かつ複雑であるので「あらゆる可能性を考えるべき」だと伝えている。細長は任務を遂行したがそこで亜双義は――
後に龍ノ介が司法留学生”代理”を申し出たことを細長から聞き、手続きのあれこれを『一喝』で収めていた(この件は『2』で判明)。

その後舞台は大英帝国へと移り、彼自身は物語からフェードアウトした。
エンディングでは第1話の証人達の裁判を執り行っていた。


  • 『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』
前作に引き続き第1話「弁護少女の覚醒と冒險」に登場。
本作では御琴羽寿沙都の親友・村雨葉織の裁判を担当する。
女人禁制の大審院で葉織の弁護をするために「成歩堂龍太郎」を名乗り法廷に立った寿沙都に、9か月前と同様簡単な質問を投げかけた。
そして親友の為に悪戦苦闘する寿沙都(龍太郎)を裁判長席から見守っていた。無論間違えた時のペナルティも忘れない。


※以下、さらなるネタバレ注意











はっはっはっはっはっはっ!

裁判は終わった。今の私は、父上の友人、慈獄政士郎だ。


実は龍太郎の正体を最初から知っており、昔からの友人である寿沙都の父・御琴羽悠仁が裁判中にバレて混乱させないよう前もって話を通してあった。
寿沙都のことも昔から知っており、久しぶりに対面した彼女を”凛々しくなった”と評した。

このことから前作第1話の裁判も悠仁が彼と話を通しておいたことで、龍ノ介が弁護士を名乗り出た際にもすんなり審理が進んだのだろうと予測できる。

法廷外の素の彼は「はっはっはっはっはっはっ!」と高笑いする豪放磊落な性格で、審理中とは打って変わった優しい笑顔を見せるギャップのある紳士であった。(『逆転シリーズ』だとコイツに近い性格か)
逆に仕事中はたとえ友人の娘が相手でも一切手を抜かず、公平に審理を進めることに徹する裁判官の鑑ともいえる優秀な人物でもある。
武術の嗜みもあり、裁判終了後、突如被告人控室に乱入してきた真犯人を「ジゴク投げ」という一本背負いで撃退した。
その後今回の事件に関して対策を練るために、悠仁と共に人力車に乗り大審院を後にした。

『大逆転2』では第1話以外では初回限定DLC『遊べる!大逆転物語・大日本帝国編』でも裁判長を担当している。


「Wiki篭りにはただちに追記・修正を命じる!」
























『大逆転2』ではさらに出番があり、第4話「ねじれた男と最後の挨拶」では《国際科学捜査大討論会(シンポジウム)》に出席するために外交使節として悠仁と訪英した。
ここでは帽子を外し、悠仁共々洋装姿になっている。1年ぶりに対面した龍ノ介はすっかり雰囲気が変わったこともあり彼のことを覚えていなかったが、どこからか取り出した木槌を振り下ろし

有罪ッ!はっはっはっはっは!

と裁判長モードになったことで思い出させた。龍ノ介「(‥‥たしか、ぼくが受けた判決は《無罪》だったハズだけど‥‥)」
大柄な体型に似合った巨大な旅行鞄(トランク)を持参しており、外務大臣の特権で入国審査時の持ち物検査を免除していたことで悠仁に羨ましがられている。
その後龍ノ介達と10年前の昔話や8日前の裁判の真実を話し合った後、ホテル・バンドールのロビーで龍ノ介、寿沙都、悠仁と一緒に記念写真を撮影した。

『2』の16年前には悠仁、亜双義玄真(亜双義一真の父親)と共に日本初の司法留学生として倫敦に留学しており、ハート・ヴォルテックス主席判事の下で判事として学んでいた。
しかしその6年後、倫敦を揺るがした連続殺人事件プロフェッサー事件で玄真は容疑者として逮捕されてしまい裁判にかけられた。
慈獄は友人である玄真の罪を軽くするためにために証言したが、その時つい熱くなって証言台を破壊してしまった。そのうえ大英帝国を侮辱する発言をしたため起訴されてしまった。
幸い全額弁償したことで慈獄は無罪になったものの、玄真の方は彼の頑張りも虚しく有罪判決を受け処刑されてしまった。
そうして失意の内に日本へと帰国した苦い思い出があるので、10年ぶりの渡英には二人揃って複雑な表情をしていた。

その後行方不明となり悠仁とも連絡がつかなくなったが、第5話「成歩堂龍ノ介の覺悟」で再び姿を見せたが――




追記・修正は証言台の弁償をしてからお願いします。

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最終更新:2025年04月01日 00:37

*1 英国の領事裁判権を撤廃した本作の架空の条約。史実で領事裁判権を撤廃したのは日英”通商”航海条約。

*2 この時の慈獄はグレグソンの旅行鞄に入っていた赤いカツラを被って変装していた。

*3 腕を組んで放心した姿がスーツの袖から見えるシャツと合わせて手錠をかけられているように見えると考察するプレイヤーもいる。

*4 目的の場所へ慈獄と一緒に向かおうとしたら、玄真にそれとなく止められた。