ガリデブ夫妻(大逆転裁判)

登録日:2021/10/16 Sat 01:18:49
更新日:2021/11/02 Tue 16:31:20
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ガリデブ「ああ、ジョーン。みなさんに勲章を見せてさし上げなさい。」

メイド「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

ガリデブ「ジョーン。勲章を‥‥」


○○○
○ ´ω` ○
 ○○○_。_
/  つc(___アi! 、;.o:
           ゚*・:.


ガリデブ「あちちちちちちちちちちちちちちちッ!

ガリデブ「こ。これ、ジョーン!気をつけなさい!」

メイド「ああ。これは!なんと!モウシワケありません旦那さま!」


ガリデブ夫妻とは『大逆転裁判シリーズ』に登場する人物達である。


■概要

大英帝国・倫敦(ロンドン)のブライヤーロード沿いに構える屋敷に住んでいる夫婦。下宿屋として部屋を間借りさせ、その家賃収入で生計を立てている。
屋敷は3階建てで3階がガリデブ家の部屋、1階と2階を下宿用に貸し出している。現在では2階に留学生の夏目漱石を、1階に”役者くずれ”のウイリアム・ペテンシ―を住まわせている。
屋敷自体は大きいが、外装・内装ともにボロボロで荒んでいる。外装は柱が歪み屋敷ごと傾いていて「この辺一帯でも特にボロい」と評される。
内装も3階はそれなりに華やかだが、下宿部屋は壁は朽ちかけており、さらに40年前の租税回避のため窓を煉瓦と漆喰で塗りつぶされている。そのため部屋内は瓦斯(ガス)灯とロウソクを使っても薄暗く不気味。
特に漱石の住む2階部屋は周囲からは「呪われた下宿」と噂されている。
その分家賃も格安でそれに惹かれて入居する者が多いが、それでも家賃を滞納される事態もあるらしい。

夫婦仲はそれなりに良好で、同作に登場する新婚夫婦のアツアツっぷりに対し熟年夫婦らしく穏やかに生活している。
夫婦喧嘩こそあれど、阿吽の呼吸でお互いを支え合ったり、有事の際には共に真実に向き合うために名乗りを上げたり等持ちつ持たれつつの間柄である。


以下、個人の解説。

  • ジョン・ガリデブ
ガリデブ家の主人で下宿屋の大家。ガリガリの方。46歳。
高身長で細身な体つき。青緑色のガウンを羽織り、常にパイプを咥えている。
元・第4ノーザンバーランドフュージリア連隊・第3連隊小隊長の軍人。数年前マイワンドの戦いで膝に銃弾を受けたことで退役したという。
現役時代はがっちりした体つきで、結婚式では当時からふくよかだったジョーンを軽々持ち上げていた。しかし現在は膝の負傷で足腰が弱く、家の中では椅子に腰かけ、立ち歩く時には杖をついている。
恐妻家でもあり夫婦喧嘩では妻には全く敵わない。頬には彼女からのビンタ跡がくっきり残っており、人前ではそれを隠すために常に横顔を向けている。
室内には軍人時代に授与された勲章が壁にかけられ、特別な用事の際にはその勲章を身に着ける。
さらには本物の大砲と砲弾までもが鎮座されている…が、大砲は現在妻のエプロン掛けに使われている。
趣味は読書で、古書店で買った小説を暖炉の側で読むのが日課だという。古書以外にも「シャーロック・ホームズの冒険」の大ファンでもある。
デザインコンセプトは”月”で、横顔は三日月ソックリな形をしている。

  • ジョーン・ガリデブ
ガリデブ家の夫人。デb…ふくよかな方。38歳。
低身長で豊満な体つきで、顔を叩くたびに頬肉がプルプル揺れる。左手にはひまわりの結婚指輪をはめている。
本来はジョンの妻なのだが、人前ではガリデブ家に仕えるメイドだと偽っている。これは倫敦の中流階級と下流の境界線は「メイドを雇えるかどうか」という風潮から。ガリデブ家は貧乏でメイドを雇う余裕が無いため世間体を気にする夫のためにメイドのフリをしている。
夫が飲む紅茶のティーポットを常に持っており、彼が余計な事を言おうとするとティーカップやパイプに熱々の紅茶を溢れさせ火傷させて口止めする。何度紅茶を注いでも何故かティーポットは空にならない。
一度怒ると夫でさえも手が付けられなくなり、そばにあるものを闇雲に手に取り投げまくるという。その様は《猛獣》と評されている。
ビンタの威力も強烈で夫の顔にはビンタ跡が残っている。さらに興奮するとつい隣の人間に手が伸び、無関係の男性をもひっぱたこうとした場面もある*1
デザインコンセプトは夫の月に対して、丸顔とヘッドドレスを用いて”太陽”を模している。さらに怒ると怖いところから”獅子”のイメージも入っている。


■作中での活躍

※作中での時系列順に解説する。ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』第4話「吾輩と霧の夜の冒險」
霧の濃い夜に倫敦通り魔事件が発生し夏目漱石が容疑者として逮捕されてしまった。
弁護士の成歩堂龍ノ介は事件現場からブライヤ-ロードを挟んで向かいの位置にある漱石の下宿先の調査のために、ガリデブ夫妻に聞き込みをした。
一週間前に入居した漱石の挙動不審ぶりから疑いの目を向けており、特にジョーンは「この方は‥‥いつか。なにか、やる!」とどっかのボーイのような決めつけをしていた。
だがその割には下の階に住む漱石の帰宅時間や就寝時間を詳細に把握しておりどこか不自然な雰囲気を醸し出している。

事件当時は「何事もない静かな夕べ」だったと語る…がこれは嘘でその時間彼らは”ガリデブ夫婦戦記”とも称される壮絶な夫婦喧嘩を繰り広げていたことをシャーロック・ホームズとの共同推理で見抜かれた。
夕べジョンは読書をしようと本を開くと「メアリ」という人物が書いたキスマーク付きの恋文が発見された。
それを見たジョーンは当然浮気を疑い大激怒。ジョンに猛烈なビンタを食らわせた。
その衝撃で彼は吹っ飛ばされ、テーブルの上にあった燭台を倒してしまう。その結果、絨毯や本棚の古書に引火し室内で火事が発生した。
なおも怒りが収まらないジョーンは、火のついた本を始めとして手に取った物を手当たり次第夫に投げまくった。
炎と妻両方の猛攻に襲われたジョンは窓際に追いつめられ、部屋に立ち込める煙を逃がすために跳ね上げ式の窓を開放した*2
この”戦い”のせいで彼は読みかけだった「獅子王物語」等のいくつかの古書を失う羽目になったという。
なおジョン曰く、「恋文は買ってきた古書にしおりとして挟まれたものであり、しかも宛先は”ジェームズ”であるため身に覚えが無い」と主張するもジョーンには「‥‥どうだか。」と信じてもらえていなかった。
全てを暴かれたジョンは「さすがは、メータンテェェェェェェェェェェェ!」と叫んでブッ倒れ、すかさずジョーンに支えられた。
…以上の夫婦喧嘩の詳細を解明したものの、それと漱石の事件には(現時点では)特に関係性が見られず、龍ノ介はすさまじい遠回りをした徒労感に苛まれた。

翌日の裁判ではジョーンは陪審4号として出廷。相変わらず漱石に疑いの目を向けており、容赦なく有罪評決を下してくる。
ちなみに法廷内でもメイド服を着て、職業をメイドだと偽っている。


※以下、さらなるネタバレ注意




















当初事件現場はブライヤーロードを挟んで向こう側の歩道であるとされていたが、実はある巡査が事件現場を自分の管区外だと偽装するため*3に被害者の身体とその場にバラまかれていた本を移動させていた。
よって、本来の事件現場はガリデブの屋敷のすぐ隣の歩道であった。
そして事件現場に焼け焦げた「獅子王物語」があったこと、事件当時ガリデブの部屋の窓を開けていたこと、ジョーンが手に取った物を片っ端から窓際の夫に投げまくっていたことを踏まえるとこの事件は、

ジョーンが投げた「獅子王物語」とナイフが窓の下に落ちる→被害者が落ちてきた本を拾おうと前屈みになる→無防備になった背中にナイフが突き刺さる

という偶然に偶然が積み重なって起きた不幸な”事故であったことが判明する。
自分があずかり知らぬうちに他人を傷つけていた事実に当然ジョーンは反発し、傍聴に来ていたジョンと共に夫婦喧嘩について証言した。
だがその証言中に彼らの所持品からナイフの欠片が発見され、それが凶器のナイフと完全に一致したことでついに”過ち”を認めざるを得なくなった。

最後にジョーンは全ての罪を認め、迷惑をかけた夫に謝罪し――


ジョーン「‥‥アンタ‥‥」

ガリデブ「‥‥ああ。わかっているよ。」

ジョーン「‥‥本当に、ゴメンなさいね。
‥‥本当に‥‥‥‥‥‥」

ジョーン「ごめんなさいねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!


と絶叫しその場で卒倒した。
すぐさまジョンは力を振り絞り彼女の体を持ち上げ…ようとしたが足が耐えきれず、抱きかかえたまま後ろにぶっ倒れた。
一見するとギャグシーンだが、共同推理時の妻に支えられた時や同じ構図の結婚式の写真と比較すると彼らが引き起こした《悲劇》と合わせて物悲しい気分にさせる。ついでに彼のガウンは尻の辺りが焼け落ち縞パンが見えている。誰得。
ジョーンは救護室に運ばれた後、過失傷害罪により逮捕された。空いた陪審4号席はジョンが座り、妻に代わって漱石に無罪評決を下した。

ここでジョーンは逮捕され物語から退場、以降のエピソードではジョンのみが登場する。


  • 『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』第2話「吾輩と霧の夜の回想」
上記の裁判から翌日、再び逮捕されてしまった漱石の弁護の為に龍ノ介から再び聞き込みを受ける。昨日の裁判で疲れ切ってしまい出番は少な目である。
本話で「呪われた下宿」の真相が明らかとなった。漱石が住む2階部屋に住んでいた人物が立て続けに死亡しており、特に漱石の一つ前に住んでいた学生はちょうどその部屋でガス中毒死していた。
そして漱石達下宿人の生活に詳しかったのも、瓦斯ランプの炎の揺らめきで住人たちが瓦斯を使っている時間を読み取っていたからだった*4
つまり何か事件が起こらないように瓦斯ランプ見張ることで、住人の安全に気を使っており、文句を言いつつも彼らなりに住人への優しさを見せていたことが判明した。

ちなみにこのエピソードを最後までプレイすると、前回の被害者がジョーンに刺されたことは因果応報だったことが判明する。…だからといって彼女の罪が無くなるわけではないが。


  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』第5話「語られない物語の冒險」
漱石が巻きこまれた二つの事件から約二か月後、ジーナ・レストレードの裁判で陪審長(陪審1号)として出廷した。
ここでは陪審1号よりも「小隊長殿」と呼ばれることを希望したり、他の陪審員達を「小連隊の戦友」と呼ぶ等軍人時代のテンションに戻っている。アイリス・ワトソンからは「ガリデブ小隊」と呼ばれたりも。
二つの事件ですっかり「呪われた下宿」の風評が広まり、下宿人は全て出ていき、未だに借り手もつかない状況にある。
その一因となった龍ノ介を恨めしく思っており、彼ににそれとなく無罪評決を求められても肩入れすることなく容赦なく有罪評決を下す。
裁判中に時折、隣に座っている陪審2号のメイドをいやらしい目つきでジロジロ見つめていた。

EDには『大逆転1』にのみ登場。あれから毎日ジョーンへの面会に通っており、3階まで昇り降りを繰り返すうち足が元通りになったという。
ついでにメイド問題は自分自身がメイドになることで近所の目を欺き、解決したという。
…やたらメイド萌えな側面が推しだされ、世間体云々の前に単にメイド自体が大好きだったという可能性がある。


■余談

「ジョン・ガリデブ」という名前はシャーロック・ホームズシリーズの短編「三人ガリデブ」が由来。
またジョンの「フュージリア連隊に所属」、「マイワンドの戦いで重傷を負った」という経歴や、「メアリ」と「ジェームズ」のやり取りは原作ではワトソン(ワトスン)がやってたことが元ネタ。


追記・修正は夫婦喧嘩という名の”戦場”を戦い抜いてからお願いします。

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最終更新:2021年11月02日 16:31

*1 幸いその男性もジョンと同じく恐妻家であるため、彼女の一撃を紙一重で避けている。

*2 倫敦は冬の寒さが厳しく、この時期は普段は開放していないらしい。

*3 自分の管区内で事件が発生したら、たとえ非番であっても捜査に参加しなければならないため。

*4 ある部屋で瓦斯を使うと、それ以外の部屋のランプが一瞬暗くなるため。