紅茶

登録日:2011/01/28 Fri 14:09:03
更新日:2025/07/13 Sun 22:33:54
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紅茶とは、茶の木の葉を加工・発酵させたものを煮出して作る飲料、または茶葉そのもの。
たっぷりのクロテッド・クリームと、ジャムを乗せたスコーンをひとくち。
後を追うようにして紅茶をごくり。
なんとも至高の時間である。



◆概要◆


紅茶とは、主にヨーロッパやロシアで飲用される嗜好飲料。
日本語では紅い茶と書くが、英語圏ではblack teaという。
この違いは水色(液体の色)が日本に多い軟水では赤っぽく、欧州に多い硬水では黒っぽくなるため。

ただし当の英語圏では普段「tea」とだけ呼ばれる。black teaとわざわざ呼ぶのは、ミルク無しの紅茶を注文する場合や、緑茶=green teaなどと区別する必要のある場合だけである。
逆説的に、欧米ではblack tea(=ストレート。和製英語)よりもミルクティーのほうがポピュラーな飲み方である。その好み様は、ミルクと紅茶のどちらを先にカップに注ぐか*1宗教戦争が巻き起こるほど。

茶葉は緑茶と同じ種(正確には多くの亜種が存在)を発酵させたもの。*2
「中国で買った茶葉が輸送中に発酵してしまったもの」という説が有名だがこれは作り話であるらしく、実際は「紅茶*3自体はヨーロッパに茶が伝わる前からあり、ヨーロッパでは最初のうち緑茶を輸入していたが、時代が進むにつれ硬水に適した紅茶の存在が知られそちらを主に飲む(買う)ようになった」というのが実際の所らしい。

ヨーロッパでは、お菓子などに紅茶をまぜ香り付けしたものなどが多く存在する。故に洋菓子は紅茶がよく合う。
ヨーロッパでは日常的に飲用され、特にイギリスやアイルランドでは、朝昼晩の食事とともに、また喉が乾いたら一杯、
と日本人にとっての麦茶や番茶のような感覚かもしれない。

手順さえきちんと踏めば、美味しい紅茶を淹れることは難しいものでもない。
日本では堅苦しそうとか高級そうと言うイメージもあるかも知れないが、実際は結構お手軽な飲み物であり、英国でも上は王侯貴族から下は労働者階級まで皆それぞれの方法で楽しんでいる*4



◆紅茶の淹れ方一覧◆

淹茶(えんちゃ)

よくあたためた容器に茶葉を入れ、熱湯を注いで葉を開かせ蒸らすという方法。
一般的に「紅茶を淹れる」とした際に最も多く想定される方法である。

ティーバッグの場合

カップにティーバッグを入れ、沸騰したお湯を注ぎ込んでからフタ*5をして蒸らす。
その後のティーバッグはそのままそっと取り出すように。揺らしたりスプーンで絞ったりすると旨味ではなく苦味やエグ味が増してしまう。

葉(リーフ)の場合

  1. 少量のお湯をティーポットやカップに注いで温め、捨てる
  2. 茶葉を入れる*6
  3. 沸騰したお湯を注いで蒸らす*7
  4. 抽出時間を過ぎたら、茶漉しで漉しながらカップに注ぐ

ちなみに、カップの代わりにもうひとつのポットへ注いでおくと、時間が経っても飲み残しが渋くならずに楽しめる。
ポットがひとつの場合でも、濃くなった紅茶には差し湯をして適宜薄めながら飲めばよい。
なお、「ポットのための1杯」という言葉もあるが、あれは茶葉の出が悪い環境では分量を多くしましょうという話なので、日本人には関係ない。

煮出し式

よく沸騰したお湯が入った鍋に茶葉を直接いれて蓋をし、30秒~1分ほどで濾過する方法。
一度に大量にできる上、抽出時に変化が与えやすい。ロシアやトルコで一般的な方法。
(マサラ)チャイの製法のバリエーションのひとつでもあり、その場合は水の代わりにミルクを使ったり、少量の水で煮出した後にたっぷりのミルクを加えてから温め直したりする。
所謂「ロイヤルミルクティー」*8はそのチャイをスパイスを入れず造ったようなもの。
牛乳+茶葉で沸騰させると、猛烈に吹きこぼれるので目を離さないよう注意。

煮込み式

あたためたミルクが入った鍋に茶葉を投入し、煮込む。チャイがこの方式であり、衛生上の理由からこうなった。
煮出し式はミルクを入れたあとは沸騰させないよう注意するが、こちらはむしろ葉を入れたままぐつぐつ煮立てることが多い。こちらも吹きこぼれ注意。

濾過式

コーヒーのペーパードリップ同様に行うが紅茶の場合単に湯を注ぐだけでは「色つきの水」にしかならず、絞れば濃い紅茶にはなるが今度は渋すぎることが多い、といい方法ではない。
日本ではプランジャーポットで紅茶を淹れた上でカップに注ぐ時に絞る、ということをやってるところがたまにあるが、紅茶通を気取るならば論外。

アイスティー

その名の通り冷たい紅茶。やや濃いめに淹れた温かい紅茶を、氷が満タンに入った別の入れ物に入れ、一気に冷やしつつ素早くかき混ぜる。
冷えるのが遅いとクリームダウンという濁った状態になる。

水出し

方法としては茶葉をポットに入れてある程度放置すれば出来る。優しい口当たりとなる。
衛生の問題が気になる方は茶葉にお湯をぶっかける→上から水を注ぐ→放置。がいい。専用のポットも売っている。
なぜ衛生を気にするかというとコーヒーは豆や粉の時点で加熱しており、緑茶ももちろん加熱しているため雑菌が少ないのだが
紅茶は加熱をしていないため雑菌を防ぎにくく、水出し用に処理をしていない紅茶を適当に水出しすると簡単に食中毒を起こす。

二番煎じ

一度使った茶葉に、再びお湯を注いで淹れる。
比較的低温でさっと抽出する緑茶でなら基本中の基本となる飲み方だが、沸騰した熱湯で何分もがっつり抽出する紅茶には向かない。可能なのはとびきり上等なダージリンくらいである。節約は回数より茶葉の量で。

備考

どの方式もやり方は何種類かあるがポイントは

  1. 汲み立て+沸騰したお湯を使う*9
  2. 茶葉はしっかり測る
  3. 適切な時間蒸らす

である。
もし加減が分からず渋く作りすぎても心配ご無用。飲むときにお湯を足せばいいのである。*10
最初は気楽に淹れることから始め、拘りたくなってきたら細かい淹れ方を適宜覚える方が楽しく覚えられる、はず。

軟水と硬水

日本の水道水、というより軟水は紅茶の味がかなり出やすい。
一方でイギリスなどに多い硬水は味が出にくく、実際、トワイニング社などの大手紅茶メーカーは、その国の水事情に合わせてブレンドを変えて販売している。
よって、

「紅茶はイギリスで特に嗜まれたがゆえに、イギリスの水、もっといえばヨーロッパの硬水に合っている」
イギリスから輸入した紅茶を日本で飲んでも渋いばかり、というのは水が合わないため」

という意見は正しいとも間違いとも言える。
味が変わるにしろ、茶葉の量などを調整すれば問題ない場合も多く、渋すぎるというのは往々にして硬水向けなイギリス式の量や時間を「これが本場のやり方だから!」と軟水を使う場合でも押し通すことが原因。
むしろ質の良い軟水をいつでも使える我らが日本は、本場イギリスよりも美味しい紅茶を飲める国と言う人もいる。
郷に入っては郷に従って素直に茶葉を減らそう。

ジャンピング

しばしば紅茶の美味さを決定するといわれる現象。
特定の条件下では、茶葉がポット内をゆっくりと浮いたり沈んだりする。
発生させるコツとしては、新鮮な水道水を使うこと、高所から湯を注ぐこと、ポットを温めておくこと、丸っこいポットを使うことなどが挙げられる。

茶葉に付いた気泡が関与しているとも、これが起こると茶葉からムラなく抽出できるともいわれるが、熱対流が関与しているであろうこと以外に詳しい原理はわかっていない。
美味さを決定するというのも確実な話ではなく、良くて漢方薬などのような経験則レベルのもの。
ムラなく抽出したいだけならスプーンで掻き混ぜればよいわけだし、美味さを求めるならジャンピングの起こし方よりも、茶葉の品質、分量調整、保管方法、浄水器、雰囲気作りにこだわったほうが遙かに効率がよい。
それに、ジャンピングを起こすためには抽出時間を長く取らなければならず、ふやけた茶葉から雑味まで多く抽出される欠点もある。

牛乳と悪臭

75度以上の高温において、牛乳は硫化水素のような悪臭物質を発生させ、ミルクティーが時たまゲ○の味と呼ばれる原因となる。
これが冒頭の「ミルクと紅茶のどちらを先に入れるか」という問題に繋がってくるわけだが、英王立化学協会の発表(マジです)によれば「ミルクを先に入れるのがよい」*11とのこと。
とはいえ色味をみながらミルクの具合を調整していくというのも趣向としてはぜんぜんアリで、どちらが優れた淹れ方かは未だ明確な決着を見ていない。



◆茶葉の種類◆

基本はダージリン、アッサム、ディンブラ、ウバ、キームンなど原産地名で呼ばれる。またその中でも、ひとつの茶園だけで取れた紅茶を使用しているものと、色々な茶園を混ぜているものもがある。

ブレンド
様々な紅茶の銘柄を混ぜたもの。用途にあわせて存在する。イングリッシュ/アイリッシュ・ブレックファーストなど。

フレーバー(ド)ティー
アールグレイが有名。紅茶に香料をつけたもの。レディグレイ、ラプサンスーチョンなどを始めに、各メーカーで様々なものがあり、人によって好き嫌いが分かれる。

フルーツティー
紅茶に果物などを入れたもの。



◆紅茶に入れるフレーバー◆

ミルク
煮出し式ミルクティーと紅茶にミルクを注ぎ込むのがある。
いずれにせよ牛乳を使うこと。ファミレスなどでミルクティーを頼むとしばしばコーヒーフレッシュが出てくるが、論外である。
牛乳の種類や比率で味が非常に良く変わる。
また、加熱のしすぎによる悪臭に注意。

レモン
薄く切ったレモンを入れる。一般的にレモンティーと呼ばれる。
実はアメリカ発祥の飲み方のため、イギリスではあまりポピュラーではない。
長く浸けると苦味が出るため、意外に思うかもしれないが、さっと茶をくぐらせた後はすぐに捨ててしまおう。当然、絞るなど以ての外である。

スパイス
いわゆる(マサラ)チャイのレシピ。インドでの飲み方で、シナモン・カルダモン・クローブ・コショウ・ショウガなどのスパイスなどをふんだんに投入する。
またショウガ単体でも「生姜紅茶」として親しまれている。

ハーブ
庭で摘んだミント、レモンバームなどを茶葉と一緒に入れる。レモンバームについては、酸味や苦味のないレモンティーを作ることができる。
個性の強いものは、紅茶とケンカしないよう分量を加減すること。

はちみつ
しばしばタブーとされる。蜂蜜に含まれる鉄分が紅茶のタンニンと結合し、汚らしい黒ずみになってしまうため。風味も落ちるといわれるが、とはいえ、味自体はミスマッチというほどではない。
ロシアではヴァレニエと同様に、紅茶のお供にされることもある。

ジャム
通称、ロシアンティー。つぶつぶが口触りを悪くするベリー類とはあまり合わないとされる。
ちなみに当のロシアではジャムを紅茶に入れずお茶請けとしてそのまま食べており、正確にはコンポートなどのシロップ漬けに近い「ヴァレニエ」と合わせるのが一般的。入れるとせっかくの熱い紅茶が冷めてしまい、暖を十分に取れないため。
アニヲタ諸氏にはガルパンカチューシャがしていた飲み方と言えばピンと来るだろうか。
「違うの! ジャム*12は中に入れるんじゃないの。舐めながら、紅茶を飲むのよ」
それがどういうわけか日本へはウクライナやポーランドの方での主流であるジャムを入れての飲み方の事として定着してしまい、今日も一般には概ねその意味で通じている。なんでさちなみに日本初のロシア料理専門店ロゴスキーでは、かつてジャムやウォッカと合わせた紅茶を提供していたらしく、同店の料理を担当していた長屋美代がジャム入り紅茶の生みの親とする説もある。

主に蒸留酒が使われる。真のロシアンティーと題してウォッカを垂らすもよし、某魔術師よろしく(たっぷりと)ブランデーを入れるもよし、寒い冬場に甘いミルクと甘いラムで暖を取るもよし。
なお、逆にティーリキュールというものも各メーカーから販売されている。

炭酸水
たまーに物好きなメーカーが発売するアレ。炭酸を追加すると酸味と渋みが強く出るので、紅茶好きでも好みが分かれる。ホットの紅茶から作ろうとすると分量に困るし、渋みも強くなりがちなので、水出しがよいとのこと。

フルーツジュース
ぶっちゃけると紅茶入りジュース。ジュースに深みを与えるよう調整すると、合うものは合う。


◆茶葉の大きさ◆

これで味も変わってくる。丸ごとそのままの上質な葉もあれば、ティーバッグに使われるような、ただ抽出効率とコストを優先した粉状のものも。
またCTCという丸まった茶葉は、抽出が早くミルクティーに向く。



◆クオリティシーズン◆

紅茶は年がら年中とれるが、特に旬になるクオリティシーズンは美味しい。
ダージリンは例外的に、取れる時期によって別の呼び方をされることが多い。



◆三大原産地と特徴◆

インド、スリランカ、中国が三大産地と呼ばれる。

☆インド産

一般に刺激的な渋味と強めのコクが特徴で、タンニンを多く含む。

アッサム
4月から6月頃に摘まれ、色は深い赤で、仄かにオレンジが見える。香はやや燻製かかったものの甘みがあり、味はコクと重さがある。日本人向けに説明するなら、焼き芋や焼き栗のまさにあの匂い。
ストレートやミルクティー向け。

ダージリン

世界三大銘茶の1つ、「紅茶のシャンパン」。
収穫の時期によって呼び方が異なる。

ダージリン (FF)
呼び方はダージリン・ファーストフラッシュ
3月から4月にかけて摘まれた葉を用いるもので、色は深い緑がかかったオレンジ。
清々しいマスカットの香*13があり、味は強いが舌触りはマイルドでストレートにあう。
日本茶の新茶を好む、また初物好きな我々日本人に向いた茶葉といわれ、実際に日本では他のダージリン以上の高値で扱われている。

ダージリン (SF)
呼び方はダージリン・セカンドフラッシュ。
一般に流通する荼葉で、薫り高く、渋い味の中に刺激的なコクを見せる。1stが温州みかんとすれば、飴色の赤みがかかったオレンジ色。
ストレートが美味しい。実は世界的にはFFよりこっちの方が味の良さなどから高級品とされている。

ダージリン・オータムナル
秋積みダージリン。この茶葉だとミルクティーでもいけるやつはいける。

ニルギリ
最近流行りの茶葉。クセの無い味と香で、透明度の高いオレンジがかかった赤色を出す。冷めても濁りにくく、様々な合わせ方が出来るが、言い換えれば器用貧乏。
しかし飲みやすいのでストレート、ミルク、アイスどれでもいける。


☆スリランカ産

一般に「セイロンティー」*14として流通するスリランカ産の荼葉は、渋味の少ない軽快な味が特徴。
スリランカは山の国であり、高地、真ん中、低地と分かれている。
昔はコーヒーの名産地だったが、英国の植民地時代に蔓延したさび病で壊滅状態へと陥り、代わりの作物としてアッサム産の茶の苗を植えたことで栽培が始まった。
有名なのは高度順に、ヌワラエリヤ、ディンブラ、ウバ、キャンディ、ルフナなど。
最近は山地を細分化し、もうちょっと細かく分かれてきた。

ディンブラ
午後の紅茶ストレートなどでお馴染みの味。ストレートでもミルクでも飲める無難さ。

ヌワラエリヤ
青々とした香りと、軽やかな渋みが特徴。ストレートに向く。

ウバ
世界三大銘茶の1つ。ウバだけ二つ名が無い。
6月から8月に摘まれ、甘い花の香を持ち、強く渋味を持つ。濃く深い赤色を出し、ミルクティーで最高の色と味が出るとされる。
ストレートでも美味しい。


☆中国産

東洋的な独特の香があるとされる。

キームン
世界三大銘茶の1つ、「紅茶のブルゴーニュ酒」。
東洋的で蘭のような燻製かかった香があり、少しオレンジかかった赤色を出す。しかし上等なものは煙ったさを感じさせないという。
渋みが少なく、時間や分量を間違えても問題なく飲める。
ちょい高い。ミルクでもストレートでもOK。



◆その他の産地◆

上記以外にも、ケニア等他の国もあるし日本でも紅茶は作っている。
因みに地理的な話をすると紅茶の生産・輸出上位国の大半は元イギリス領である。
大学受験では割と問われる分野なので覚えておきたい。


☆ケニア

荼葉の流通の為に輸入したのが始まり。顆粒状に加工した荼葉が特徴で甘みがある。

☆マレーシア

日本ではあまり知られていないようだが、古くは英国の植民地であったため紅茶栽培が盛んに行われている。
マレーシア観光のお土産としても有名。

☆台湾

もともと古くから茶栽培が行われていたが、戦前の日本統治下で紅茶用茶葉の栽培・加工が始まった。
それから途切れず続けられており、「紅玉」等の独自品種も存在する。
実はタピオカミルクティーはここ発祥。

☆国産紅茶

日本でも紅茶は作られており、和紅茶などとも呼ばれている。緑茶用の葉を紅茶に加工したものもあれば、「紅ふうき」など紅茶用の品種も開発・栽培されている。
外国産の紅茶よりは渋味が少なく、飲みやすい。紅茶を飲んでみたいという方はこれから始めて見るのもいいかもしれない。

☆イギリス

1999年にコーンウォール州トゥルーロのトレゴスナン・エステートで30種類以上の茶の木の栽培が開始されて、2005年にトレゴスナンティーとして最初のブランドが登場した。
アッサムの茶葉とブレンドしてベルガモットオイルで香り付けしたアールグレイに定評はあるが、当初の茶畑は約40haで生産量が少なく、約60haまで拡大させる予定になっている。

◆日本で購入可能なブランド(一部)◆

トワイニング
英国王室御用達。そこら辺のスーパーでも見かけるメジャーでお手頃価格なブランド。創業は1706年なんだってさ。
フォートナム & メイソン
英国王室御用達。
ハロッズ
英国王室御用達。くまたん可愛いお。
アーマッド
お手頃価格の紅茶ブランド。
フォション
安定した荼葉を生産するフランスの雄。一部荼葉はFどころかDと言われるほど細かい。アップルティーはあまりに有名。
リプトン
そこら辺で売っ(ry世界の紅茶王。ティーバッグだけじゃなく缶でもきちんと売ってます。
ウェッジウッド
1759年創業。食器類でも有名。ピーターラビットティーもここ。イングリッシュティーと言えばとりあえず。
ロイヤルコペンハーゲン
ロイコペ。こちらも食器類でも有名。ライチティーなど、変わったブレンドも。
マリアージュフレール
フレーバードティー「マルコポーロ」は有名。一部はその辺の雑貨店でも手に入るが、高級志向。
日東紅茶
日本最初の缶入り紅茶を発売。日本人なら知っとけ。相棒とコラボしたりした。
旧帝国時代に台湾で紅茶栽培をしていたため、台湾の高齢者には「紅茶=日東紅茶」という認識の人もいるとか。
恐ろしく安くてそこそこの茶葉をスーパーで売ってくれる。大量消費する人にはオススメ。
伊藤園
意外なことに、日本茶だけではなく紅茶や、烏龍茶などの中国茶も、農園物含めて本格的に販売している。デパートの一角で探してみよう。
ガーデンフレッシュティー
サザビーリーグ(JQS7553)が運営するAfternoonTeaが作り上げたブランドで、日本の水質に合う最高のブレンド(と広報)。
千疋屋
東京京橋の果物屋。フランス限定販売?本店でも有るとか無いとか。
ルピシア
メジャーな茶葉の品種はひと通り扱ってる。緑茶やノンカフェイン系のお茶、変態じみたフレーバーティーなんかも有名。現在は北海道のニセコに本社を置き、同地で茶葉の生産も試みてる。
ジャンナッツ
輸入雑貨店のカルディに必ず置いてあるブランド。猫のロゴがあしらわれたスタイリッシュな容器が評判。
フランスのブランドを自称するが、紅茶通の間では「JANATでジャンナッツなんて読まないよ」とか「ジャンナッツ・ドレスってどこの国の人だよ」とか「フランス在住だけど見たことも聞いたこともないよ」とか噂される謎めいたヤツ。
JAVA TEA
プログラミング言語とは一切関係ない。


◆創作での紅茶ネタ◆

イギリス人
2次元・3次元を問わずイギリス人にとって紅茶は切っても切れないものである。
詳しくは国別代表もの乃至英国面を参照

スパロボOG
ユウキ・ジェグナンが紅茶を嗜んでおり、紅茶についてならば嫌いな上官にも意見し、周りを忘れて語り出す。
この為に『紅茶王子』と名付けられ、ネタキャラとして大躍進している。因みにインスタントは邪道らしい。
同作の彼の元上官であるアーチボルドは血にそっくりなアッサムが好みである。

テレビドラマ『相棒』シリーズ
登場人物の杉下右京がロンドンはスコットランドヤードでの研修中に覚えた紅茶を嗜む。その姿と雰囲気はまさに英国紳士。
劇中で度々特徴的な淹れ方をする(匂いを立たすためとしては正しい)が、普段何を飲んでるかは不明。少なくともブランドは日東紅茶だと思われる。

銀河英雄伝説
主人公の一人ヤン・ウェンリーが紅茶党として有名。特にブランデー入りの紅茶*15を嗜む。彼曰わく「コーヒーは泥水」*16
またイゼルローン要塞に仕掛けたある罠を発動するキーワードは「健康と美容のために、食後に一杯の紅茶」、
解除するキーワードは「ロシアン・ティーを一杯。ジャムでもママレードでもなく蜂蜜で」である。

聖☆おにいさん
自称「主に愛された弟子」にして黙示録の著者ヨハネが作品を執筆する際、欠かせないものとして登場する。
紅茶を口にするとイマジネーションが湧いてくる…と書くとただの紅茶好きのようだが、その実は紅茶が切れると執筆が進まずイライラし始め、飲むと途端に幻覚でも見ているかのようにキーボードを叩き始めるという有様で、見ていたブッダが危ない葉じゃないかと心配するほど。
兄のヤコブ曰く、「少し高価なだけの紅茶」とのことだが…
彼ら新約聖書の人物が暮らしていた古代イスラエルやその周辺地域には紅茶を含めた「茶」に相当する植物が存在しないため
聖人になってから現世の紅茶にハマったのかもしれないだから違うナニカを紅茶と思い込んでいる可能性も捨てきれないのだが

キン肉マン
紅茶(とティーカップ)をモチーフにした正義超人であるティーパックマンが登場する。
出身国はイギリス(主要消費国)ではなくスリランカ(主要生産国)。
何故ティーカップマンやティーバッグマンではなくティーパックマンなのかは永遠の謎。
巨大なティーバッグを頭部のティーカップ内に注がれた紅茶にひたすことで鋼鉄のような強度に変え、それをのように振るうという戦い方をする。
しかし彼自身のパワーはあまりないため、何らかのアクシデントでこのティーバッグを使えなくなってしまうと窮地に陥る。

ガールズ&パンツァー
「戦車道」という戦車を使った架空のスポーツを描いた作品。
これに登場するイギリスをモチーフにした「聖グロリアーナ女学院」の登場人物は名前が紅茶の種類をもじったものである。ちなみに基本的に全員日本人
その学院では『激戦の中にあっても紅茶を零さない』事を信条とし戦車に乗っている時も紅茶を持っており、実際に隊長のダージリンはそれをこぼした事は全くない。カップごと落とした事はあるが。
ダージリンに憧れるローズヒップも真似して紅茶を持っているが、本人がかなりガサツな上乗っているのが高速戦車の為めっちゃこぼしている説が濃厚だが、汚れが見当たらないので「跳ねてはいるが全部受け止めている」という説もある。
むろん聖グロの面々は戦車に乗っていない時も暇さえあれば紅茶を飲んでいる。
その他ではカチューシャがジャムを紅茶に入れようとしたダージリンを制止してロシア式の飲み方を見せ、口に付いたジャムをノンナに指摘されている。
なお、本編外では西グロこと「西呉王子グローナ学園」のキリマンジァロ(白鳥霧)がダージリンの大ファンであり、容姿や隊服を似せるどころか車両も英国製に統一しているのだが、当の彼女はコーヒー党である。閑話休題。

Link!Like!ラブライブ!
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブメンバーの一人、乙宗梢の好物および趣味が、紅茶とお茶菓子作り。
梢の自室はもちろんクラブの部室にも茶葉缶がいくつか並んでいるのが確認でき、実際にストーリー中で仲間に振る舞う場面もよく見られる。
配信でも紅茶の話題は定番で、オススメの茶葉や淹れ方のポイントなどをよく語っている。
なお、紅茶趣味は中の人も同じであり、キャストとして出演している際も確かな紅茶愛がうかがえるほかラジオの収録中に紅茶を淹れたことも。

おじゃる丸
ご存知Eテレで放送中のアニメ。この作品と紅茶といえば、うすいさちよが有名だろう。
彼女はいつの日か少女漫画でどかんと一発当てて大金持ちになることを夢見ている28歳独身の漫画家だが、現状ほとんど売れていないためお金持ちの老婦人マリーの元で下宿生活をしている。
そして紅茶を愛飲しているが、やはり貧乏故にマリーから譲ってもらった使用済みティーバッグで飲んでいる。
3回使ったティーバッグをお客様用にストックしており本人は5回まで使うという使用方法で、部屋のあちこちにティーバッグが干されている。
そんな生活に慣れてしまったのか、濃い紅茶には拒絶反応を起こしてしまう


◆その他、逸話や余談など◆

ボストン茶会事件
1773年、ボストン市民が原住民(ネイティブアメリカン)に扮して東インド会社の茶船を襲い、「ボストン港をティーポットにしてやる!」と大量の茶を海に捨てた事件。*17
当時植民地だったアメリカでは宗主国イギリスからの強引な課税に反発心が高まっていた。結果、アメリカでは税を逃れようとする茶の密貿易が蔓延したが、これによりイギリス東インド会社は大量の在庫を抱えることになってしまった。
東インド会社はその名前と裏腹に、ただの一企業ではなく植民地におけるイギリス政府の名代のようなものだった。行政機構や通貨、法律、軍隊まで抱える重要組織で、イギリスにとってその破産は絶対に避けねばならない。
そこで、アメリカにおける茶の密貿易を廃絶し、東インド会社の茶を買わせるため、「茶法(東インド会社の茶から関税を撤廃し、アメリカにおける独占販売を認める法律)」が施行された。この法は課税を強化するわけでもなく、植民地民にも受け入れられると思われた。
……しかしひとつ、イギリスには誤算があった。植民地民の多くは密貿易によって生活の糧を得ていたのだ。そして冒頭の 爆発 が起こったのである。
この後イギリス政府はボストン港を閉鎖。その反発はやがてアメリカ独立に至る一連の流れの契機の一つともなった。
アメリカで紅茶よりコーヒーが主流なのは、当時紅茶がイギリスの圧政の象徴とされてたからだとか。
今もこの事件と同じことは形を変え行われているのかもしれない。自国の為だけの行動はいつか手痛いしっぺがえしとなる。
一度自分の国に目を向け、他国に目を向けると新しい発見があるだろう。

イグノーベル賞
1999年には紅茶にかかわる3つの研究が イグ ノーベル賞を受賞している。
「ビスケットを崩さずに紅茶などに浸す最適な方法の計算」および「しずくの落ちないティーポットの注ぎ口を作る方法の計算」に物理学賞が、
(試料としての)紅茶の正しい淹れ方について6ページにわたる仕様書を作成した英国標準協会に文学賞が与えられた。
受賞スピーチに際し会場では紅茶がふるまわれたとか。

ティーバッグとティーパック
日本ではティーバッグのことを言う場合に「ティーバッグ(tea bag)」と「ティーパック(tea pack)」の2つの呼び方でブレてしまっているが、英語として正しいのは「ティーバッグ(tea bag)」の方。
なんでも「Bag」は袋状のものすべてを指すが、「Pack」は運びやすいように梱包されたものやまとめられた荷物を指すためとか。「梱包(pack)開けた状態のコレは何よ?」と言われれば「茶葉の入った(bag)」なので「tea bag」というわけだ。
日本で「ティーパック」呼びが増えた理由については、英語の細かい用法に疎かったり、「ック」と「ッグ」の発音を使い分けにくいこと、加えて下着のほうの「Tバッ(T-back)」と間違えられないように…という面がある模様。



ジョンブル魂を持つ紳士諸君。ごきげんよう。我々は紅茶を愛する。しかし真の紅茶とは空気を吸うように、水を飲むようには得られない。
およそ200年前、我々の偉大な祖先が戦い勝ち取ったのだ。我々はこれを忘れてはならない。ジョンブル魂を持った紳士ならば、追記修正せねばならない。
そこに大義名分や美辞麗句はいらない。何故ならばジョンブル魂だからである!

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最終更新:2025年07月13日 22:33

*1 それぞれMIF(Milk in First)、MIA(Milk in After)と呼ばれる。

*2 緑茶は茶葉を加熱して発酵を止めたもの。発酵を途中で止めるとウーロン茶等の半発酵茶になり、完全に発酵させたのが紅茶である

*3 正確には当時あった茶葉のうち、現代の紅茶に似た品

*4 ただし他人と一緒に飲む時など、身分や立場に合った作法を気にすることはむしろ多い。

*5 ティーソーサーでも、最悪その辺の雑誌でも構わない。

*6 目安はティーカップ1杯に対して小さじ1(ティースプーン1杯)。

*7 目安は3分。

*8 こんな名前だが日本発祥。まあ和製英語なんだが。

*9 怠るとぼやけた味に。美味さを決める「ジャンピング」という現象には、空気を多く含んだ水が必要とされる。

*10 とはいえ薄すぎるのも少し困りものだが。

*11 ミルクの一部だけが急に熱せられるのを防ぐため。

*12 視聴者及びダージリンへの通じやすさからヴァレニエをそう呼んだのか、はたまた本当にジャムなのかは不明。

*13 マスカテル、とも。「マスカットの香りってなんのことじゃい!」と思われるだろうが、茶葉のダージリンを飲んだときに漂う、独特のフルーティな香りをこう言い表す。ウンカによる虫害の副産物。

*14 セイロン(Ceylon)はスリランカの旧称。

*15 ブランデーの比率が高すぎてたまに「紅茶入りブランデー」になる。

*16 コーヒーとサンドイッチを差し入れた少女(後に妻となるフレデリカ・グリーンヒル)に「出来れば紅茶の方が良かった」と苦言を呈するほど。

*17 本当に海がしばらく紅茶の色に染まり続けたという逸話がある