+ | 結末までのネタバレのため注意!! |
最終的に、楠本玲子を利用しようとする黒幕の命を受け公安の潜入としてRKを手引していた相馬和樹をおびき出すために、
桑名は逆探知されることを承知で、川井の冷凍遺体という楠本玲子の殺人の証拠を隠していた海沿いの巨大な倉庫施設から彼女に電話をかける。 桑名がRKに殺され、全てが闇に葬られることを危惧した八神たちも桑名を助けるために倉庫へと向かい共闘、死闘を乗り越え相馬を捕えることに成功する。
だが桑名は、楠本玲子とその息子、充にもう苦しんでもらいたくないという想いから、川井の冷凍遺体を倉庫ごと爆破するつもりだった。
その場を離れるよう要求する桑名に対し、八神は楠本玲子を罪悪感から解放し澤陽子の犠牲の真実を明らかにするためにそれを拒否する。 ならばこの場にいる者全員を巻き込んで爆破すると脅す桑名に対し八神は断言する。
いや、あんたがそこまでのクズなら俺らはこんなとこまできちゃいない。
あんたを助けに来たりしなかった。
苦悶の表情を浮かべた末に、爆破装置を投げ捨てた桑名は無念の想いと共に咆哮し、八神と衝突する。
最終決戦のBGM「Unwavering Belief」は「揺るぎない信念」を意味し、悲壮かつダイナミックなメロディーは物語の最後にふさわしい演出となっている。
人を……幸せにしない真実に価値なんてあるのか……?
激戦の末敗れた桑名は涙ながらに楠本親子への想いを零すが、八神は真実を隠した末に、
「身勝手な正義」によって命を落とした澤陽子のような犠牲者を出さない為にも、 闇を抱えたまま苦しむことになる楠本玲子の為にも、全てを明らかにしなければならないと諭す。
そしてその場に現れた楠本玲子に澤陽子を巻き込んでしまった後悔とともに、自分自身や息子、そして桑名のためにも自首することを打ち明けられ、慟哭しながら敗北を受け入れた。
だがこのまま捕まれば公安に消されかねない上に、これまでいじめ加害者たちを粛清してきた証拠も残していなかった桑名は、
この先、もう自分は光の当たらない世界でしか生きられないことを暗示するかのように、八神たちに見送られながら闇に消えていった。 いじめ被害者がいる限りこれからも手を汚し続けると言い残して。
その後桑名は匿名でかつて葬ってきたイジメ加害者たちの遺体の場所を警察に通報。
それはこれまでのことにけじめを付けるということに加えて、江原昭弘の裁判と併せた全国のイジメ加害者たちに対する警告の意もあったのだろう。
桑名の未来に対して思いを馳せながら八神が仲間たちと宴を始めるシーンと共に、物語はエンディングを迎える。
エンディングテーマの「蝸旋」はいじめによって全てを失った者たちの怨嗟と悲哀を唄った、胸を打つ歌詞になっている。
その結末には犯罪者を野放しにしているという意見も見られる一方で、桑名の立場を理解する声も多く存在し、日本でも海外でもクリアしたものの間で議論になっている。これは当時の名越監督によると「現場は怒鳴り合いのような喧嘩」とインタビューで語ってるほど龍が如くスタジオのスタッフ達とかなり揉め合いに発展していた。
劇中では八神だけでなく、海藤や東も桑名の行動に理解を示していた。 また結局八神が問題の根幹ではなく澤陽子の犠牲を主な桑名との対立要因にしていたため、ある種の大義を持つ桑名と比較して批判するものもいる。 その澤陽子でさえ江原敏郎のいじめを隠蔽した側であったという点も論争を呼ぶ要因なのだろう。 とはいえ仮に澤が死ななかったとしても、桑名のやり方ではいずれは別の 八神はそのような不毛な連鎖を止める為に、桑名とぶつかりあった節もある。
いずれにしてもこれだけの議論を呼んでいるのは、現実においても未だ解決策を見いだせていないいじめ問題を取り上げつつ、
様々な正義がぶつかり合うというプレイヤーを引き込むような物語を描けたゆえではないだろうか。
最終決戦の前に海東は八神と桑名に問いかけている。
「お前らふたり どっちが正しいか答えなんてあんのか?」と。 もちろん答えなどあるはずがない…だがもしも、その答えがあるとするならば 「こっちが正しいに決まってる!」と思考停止せず、その狭間で考え続けることであろう。 人と人の間に在る生き物 |
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