SCP-5865

登録日:2021/11/10 Wed 23:20:47
更新日:2024/10/20 Sun 16:28:51
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SCP-5865はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはThaumiel。



概要の前に

このシリーズVIの記事を読んでいるアニヲタ支部職員各位においては、流石にもうDクラス職員について知っていることであろう。
さて、Dクラス職員の供給源……という表現もあれだが、出身はどこかというのは度々議論となる。
一般的には死刑囚から、というのがありふれたヘッドカノンであろう。
しかしよく考えてみれば、収監中の死刑囚なんてそんなに多くはない。
おまけに、よりどりみどりの特性を持つ殺人鬼などそうそう世の中にいるはずがない。いても困るが。
それに死刑囚になってしまうような方々ばかりなので、協力的なDクラス職員も少ないはずだ。

では、どうすればアノマリーの実験で一定数消費されてしまうDクラス職員をしっかり補充できるだろうか?
しかも大概の実験では割とDクラス職員は従順では?

SCP-5865はその答えとなるアノマリーである。




SCP-5865 - Planet D-Class(Dクラス惑星)




概要

もう項目名でオチてる気しかしないのだが、
SCP-5865は、『標準的な財団の実験に使うDクラス職員の供給源となる並行宇宙、宇宙D-4594A』の指定名称である。
このアノマリーの報告書における財団世界では、やっぱり冒頭の通り、
度重なるセキュリティ違反や、産業社会において秘密裏に受刑者を用いた実験を行うのは非現実的というそらそうでしょうという理由から廃止された。
その代わりとして、多元宇宙部門がこの宇宙との出会いを果たし、その後にこれをDクラス職員の供給源とすることを1945年のO5評議会指令で定めたのである。

並行宇宙D-4594Aを財団がSCP-5865とナンバリングし、Dクラス職員の供給源とすることを決定したのには理由がある。
この並行宇宙には非物質的な異常実体SCP-5865-Aが存在し、様々な知的生命体の文明を侵略してきたのだという。
当然、その中にはその世界の地球も含まれていた。
1934年にこの世界の地球人はこのよくわからない、姿もない知性体に侵略されてしまったのである。
そしてこいつは、支配下の人類の意識を好き勝手に書き換えることができる。

で、そんなすごい知性体SCP-5865-Aなのだが、本人曰く「次元を超えることは俺にはできないんだよね」とのこと。
そんなSCP-5865-Aは、基底世界の財団に対して、「支配下の人をそっちの望むように人格を書き換えた上で輸出する」と申し出たのである(ミーティング・ポイント協定)。
次元を超えられないため、基底世界に来たSCP-5865世界線の住人は支配下から解放されるが、
書き換えられた意識はいかなる記憶処理治療でも元に修復できない。

SCP-5865世界の地球

この世界の地球は、米大陸、アイスランド、グリーンランドといった『実験区域』、
欧州、アフリカの『労働区域』、それ以外の『収穫区域』と区分される。

実験区域は、ライトな実験(完全に家母長制の国家を作る)から、ヘビーな実験(人が普通食べないものばかり食べさせて様子を観察)まで様々な実験を行われている。
財団が輸入しているDクラス職員は主にここの人たち。
結構悲惨な目にあっているが、財団曰くこれでも他の2地域よりはだいぶマシらしい。

労働区域は休まず馬車馬のように働かされる地域。死亡率70%のブラック労働に従事している。

収穫区域については報告書では伏せられており、O5とプロジェクト主任レベルでないと情報が開示されないらしい。
普通に収穫といえば農業をイメージしそうだが、伏せられるということは、もしかしたら
人間の収穫』のことなのかもしれない。

倫理的に問題はないの?

倫理委員会は2回、SCP-5865の収容プロトコルと、SCP-5865-Aとの間に交わされたミーティング・ポイント協定を審査している。

しかし結果として
  • この世界の地球を解放できるだけの力は財団にはない。むしろ返り討ちに遭う。
  • そもそも本当に基底世界にSCP-5865-Aが侵略しない保証がない。SCP-5865世界を助けられたとして、今度はこっちの世界がやられるかも。
  • というかDクラス職員として生きるほうが彼らにとってはまだマシな生活だ
  • この世界から輸入する以外の方法で、必要数のDクラス職員を倫理的に取得する方法がない

……と、「どうせ助けられないしDクラス職員として生きるほうがマシだから、数も足りないし文句言えないよね」という
なんとも悲しい結論を導いている。

ちなみに2回めの審査は、Dクラス職員の輸入量が増えたので月例終了をしないといけなくなったという理由で行われた。
しかし結論は1回目の審査と同じに終わった。

……1ヶ月で死ぬほうがマシな生活ってどうなんだろう……。




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最終更新:2024年10月20日 16:28