登録日:2021/11/20 Sat 05:13:41
更新日:2025/04/16 Wed 08:25:26
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『いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか?』は、
ガンガンONLINE連載の漫画作品。
全30話、単行本全6巻。アプリにて5話分が先読み配信されていた(2022年6月に全話配信終了し以後は無料閲覧チケット解放となっている)。
作者は原作が君塚力、作画を日丘円が担当。『
僕の名前は「少年A」』のタッグによる2作品目である。
いわゆる「復讐モノ」ではあるが、人間関係が絡み合ったストーリー展開や序盤から多くの謎と伏線が積み立てられていき、話が進むにつれてそれらが紐解かれていくなどサスペンスまたは
ミステリーの要素も強い作風となっている。
前作が前作なためか、登場人物の大半がクズばかりなのもある意味見どころではある
【あらすじ】
ホテルにて行われたとある学校の同窓会。
出席した面々はかつて酷いいじめを受けた事で不登校に陥った生徒・相沢優一が出席した事で騒然となる。
かつてのクラスメイト達が彼にいじめを行った事を謝罪する中で、その中で特に率先して行っていた鈴木真司はかつてと全く変わらない態度を取る。
「いじめられる側にも原因ってあるんだよ」
翌朝、真司の娘である鈴木詩織が登校した際に下駄箱が罵倒で落書きされている光景を見て凍り付く。
それを見たのは詩織たちの担任教師である相沢であり、彼女の様子を見て相談に乗る。
ねぇ、鈴木くん― 君は自分の娘にも同じことが言えるのかい?
【登場人物】
主人公。詩織の担任教師で年齢は30代半ば。
外見が『無能なナナ』の小野寺キョウヤに似ている
20年前の中学生時代にクラス内で身体中に傷跡が残るほどのいじめを受け、その事が今でも
トラウマとなっている。
現在、いじめを受けている詩織に自分がかつて受けた傷を見せ、自分も同じ経験がある事を話すが、
詩織がいじめに遭っている事を同僚の矢崎に話そうとせず「いじめは起きていない」と言うなど次第に不審な行動を見せるようになる。
彼の復讐対象は既にいじめた張本人である鈴木真司という「個人」だけではなく、いじめを行う者達とそれを容認する「学校の環境」にまで及んでいた。
真の目的は「自分のようなクラス内の生贄を生み出さない事」であり、前に赴任していた学校においてもいじめの証拠を独自に集めていた。
そして、限界を迎えた詩織に対して、いじめの証拠と共にある「選択」を持ちかける。
もう一人の主人公。中学3年生。かつて相沢に凄惨ないじめを行った鈴木真司の愛娘。
いつからか南雲を始めとするグループからいじめを受けるようになり、鬱屈した日々を送るようになる。
最初は相談に乗った相沢を信用していたが、不審な行動が多くなる相沢を次第に信用しなくなる。
やがてエスカレートしていくいじめを行う南雲達に対して、遂に我慢の限界を迎えるようになり…
詩織の父親。かつて相沢に酷いいじめを行った張本人。現在はやり手の銀行員として出世街道を歩んでいる。
一見人当たりのよさそうな言動を持っているが、内心では自分を成功者と高いプライドを持っており
旧友たちを含めた周りの人間を見下しているなど、極めて自分本位な性格の持ち主で、文字通りいじめっ子がそのまま大人になってしまったような人間…というかもはやサイコパスの領域。
妻とも俗にいう「できちゃった結婚」であり、大した愛情を持っておらず、矢崎と不倫関係を持つなど、女遊びを繰り返している。
一応、一人娘である詩織には深い愛情を持ってはいるものの、
いじめは完全に他人事と思い込んでいる上に
詩織のそれとないサインには全く気付かず見当違いな意見を出したりと、すれ違ってしまっている。
そうした態度や行いの積み重ねが原因で遂に決定的な出来事を生み出してしまう。
「相沢がテストで自分よりも良い点をとったせいで父親にご褒美を買ってもらえなかったから」という、中学生にしては非常にしょうもない逆恨みで相沢をいじめていた。
さらにタチの悪いことに、いつしかその動機を忘れ「相沢をいじめることで優越感に浸る」ことが目的となっていった。(当然というべきか、いじめられた側である相沢は動機を忘れず覚えていた。)
そして5巻にて、謝罪を要求する相沢に対しても完全に開き直った態度を取り、娘にバレた不倫の件も原因を一方的に矢崎に押し付けようとした有様であった。
が、そんな腐りきった性根など相沢には全て予測されており…
詩織の同級生であり、いじめグループの主犯格。母・京子は教育評論家としてTVにも出演する有名人だが、内心では「ババア」と呼び見下している。
詩織と同じバスケットボール部に所属しており、詩織に深い恨みを持っているようだが…?
自分を差し置いてバスケ部レギュラーになった詩織の父親が矢崎と不倫していたことを偶然知り「詩織がレギュラーになったのは矢崎の依怙贔屓のせいである」と邪推し嫉妬心を爆発させ、詩織をいじめるようになった。
つまり、詩織の父である真司こそがこの作品の元凶とも呼べる立ち位置になってしまっていたのである。
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末路 |
相沢により学校中に仕掛けられた監視カメラの映像を詩織による報復でネットに流出された事で一連の行いが知れ渡るようになる。
これを打開すべく、隠し撮りした不倫現場の写真を渡す事を条件に矢崎と共謀。「相沢の命令で無理やりいじめを行っていた」と母に虚偽報告を行い、テレビ局をも巻き込んだ騒動へと発展させてしまう。
しかし相沢はこれを利用し、自身のいじめへの想いと受けた被害を主張。これに感化し改心した米田の告白も相まってボロを出してしまいウソを付いていた事がバレる。
それでも一切の反省もせず両親に留学したい要は国外脱出と宣言するも、テレビ放送の影響でエスカレートしたバッシングが一家全員に及ぶようになり仕事に支障をきたすようになる等、もはや詰んだ状況にまで追い詰められてしまった。
最終回では結局両親共に失職してしまい夜逃げ同然で地方へと引っ越し、貧乏暮らしを余儀なくされるという自業自得の憂き目にあった事が語られた。
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南雲の友人であり、いじめグループの一員。
ポニーテールが高橋でゆるふわパーマが姫川。
共に詩織を疎んでおり、いじめにも積極的に参加していた。
自身たちが行ったいじめ現場の動画がネット上に流出して以降、高橋は監視カメラが至る所に取り付けられていると被害妄想に囚われ引きこもりとなってしまった。
一方、姫川は周囲の目を警戒するようになるものの引きこもることもなくその後もしばらく南雲と共に行動をしていたが、最終回にて高校進学もせず不良たちとつるむようになるなど完全に非行化した事が語られている。
後味こそ悪いが、両者共に「私は悪くない」と行いを顧みることも無かったために同情の余地は薄い。
詩織の同級生である男子。この漫画最大の良心
いじめられている詩織を度々庇うなど正義感の持ち主。
相沢を怪しく思い、学校に赴任する前の事を調べていた。
詩織の親友である女子生徒。
しかし内心では恵まれた環境にある詩織に嫉妬しており、話が進むにつれて南雲たちの肩を持つようになってしまう。
そして彼女もまた詩織に恨まれるようになってしまい…
相沢の同僚である女性教師。
真司と不倫関係にある上に、重度のメンヘラで自分と結婚してくれるように持ち掛けている。
一応、詩織がいじめに遭っている事を見過ごせない様子でもあるが…
終わってみれば、メンヘラではあるものの悪人ではなかったという登場人物の中では比較的なマシな立ち位置となった。
詩織たちが通う中学校の校長。
事なかれ主義の持ち主であり、いじめなどについて見て見ぬふりをするように指示を出していた。
追記・修正は終わった過去ではありません、今でも続いています。
最終更新:2025年04月16日 08:25