ヤツカダキ

登録日:2022/06/18 (土) 15:55:55
更新日:2023/06/04 Sun 15:55:41
所要時間:約 8 分で読めます





白無垢まといて しゃなりしゃなりと

彷徨い歩く 八ツ火抱姫(ヤツカダキ)

甘えん坊の童を放ち

激越 火の如く

___________
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   火吹き御前   
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モンスターハンター』シリーズに登場するモンスターの一種。
初登場は『モンスターハンターライズ』(MHRise)。


 種族:鋏角種
 別名:妃蜘蛛(きさきぐも)
危険度:★7


●目次


概要

全身を白い糸で纏った蜘蛛型モンスター。
MH4Gでネルスキュラに亜種が登場して以来、なかなか増えなかった「鋏角種」の待望?の新顔。
ネルスキュラ同様、虫型のモンスターであるが、趣はかなり違っている。

「蜘蛛」というイメージとは裏腹に、腹部に可燃性のガスを蓄えており、火炎放射を攻撃方法の1つとして持つ。
「ヤツカダキ」という名前自体も「八つ」の「火」を「抱」く「姫」に対する当て字としての表現もあり、それ故に付いた異名が「火吹き御前」。

「溶岩洞」や「砂原」といった高温地域に生息する。
ギルドマネージャー・ゴコクによると、普段は人里離れた僻地にいるらしいが、MHRiseは冒頭で「百竜夜行」が間近に迫る一報が届くところからストーリーが始まっており、この「百竜夜行」の影響で溶岩洞に姿を見せるようになったという。
一方で砂原はMH3で登場したフィールドの1つである。「こんなヤツいたのかよ」ということである。
発売前のPVに映っていたが、MHRiseの顔ぶれの中では格上のモンスターという位置付けであり、狩猟は集会所上位★7の緊急クエスト以降である。



亜種


 別名:熾妃蜘蛛(しきぐも)

MHRiseの超大型拡張コンテンツ『サンブレイク』で新たに登場した亜種モンスター
通常種が火属性だったのに対し、亜種は爆破属性を操り、幼体のハゼヒバキを媒体に大爆破を起こす。


ツケヒバキ


 別名:臣蜘蛛(しんぐも)

鋏角種初の小型モンスターにして、ヤツカダキ通常種の幼体。
「砂原」や「溶岩洞」といった高温になりがちなフィールドで姿を見ることが出来る。

下位クエストでは、ツケヒバキは単体で登場するため、冒頭の通りヤツカダキの幼体と言われても最初はピンとこないだろう。
幼体が下位、成体が上位と登場時期が分かれているのはシリーズでも数少なく、新規モンスターでこのような形になるのはまず例が無い。
他にあるとすればMHXXのウロコトル(下位)とアグナコトル(上位)といったところか。

小型甲虫種と同じく攻撃で倒せるが、クンチュウと同じくバラバラにはならない。

攻撃手段は糸玉の発射と体当たり、そしてなんと火炎放射
メインシリーズで火炎放射を使える小型モンスターは初である。

生まれた時から糸が使えるようで、ヤツカダキは生まれてすぐのツケヒバキに指示を出して行動する。

意外と好戦的であり、大型モンスターに火炎放射で挑みかかることもあるとか。
でもヤツカダキからこぼれ落ちた個体はそそくさと地面にもぐる。

MHRiseの設定資料集では、ヤツカダキの雄はツケヒバキとほとんどサイズが変わらず、ツケヒバキに混じってヤツカダキの腹部にたくさんいるらしい。
そして交尾前の雄は栄養満点で、ヤツカダキやツケヒバキに喰われる運命とのこと。交尾したら死ぬとも書かれてるのでおそらくその前後に喰われてるのだろう。
もう一つ衝撃的な設定が公開されており、「ヤツカダキから剥がれ落ちた雄は珍味で、白子のような味わい」とある。
過去にもセルタステツカブラを食べようとした「酔狂な美食家」という依頼主がいたが、ここに来てモンハン世界の新たな虫食文化が判明した。

ハゼヒバキ


 別名:衛蜘蛛(このえぐも)

『サンブレイク』でヤツカダキ亜種の幼体として、ヤツカダキ亜種と共に登場した新たな小型鋏角種。
従来では主従関係にある大型モンスターに亜種が登場した場合に、亜種と主従関係にある小型モンスターは登場しないことが通例*1だったが、ヤツカダキ通常種とツケヒバキの関係は簡単に切れるものではないようで、ツケヒバキの亜種といった感じで登場したと考えられる。
ヤツカダキ亜種の特殊な糸によって爆轟が伝播することで、爆破の際の媒体になるようだが、その後爆発したハゼヒバキはともかく、その周囲がどうなるのかは予想もつかない。

野生の個体も生息し、大型モンスターとの交戦中に爆破やられを振りまいてくるが、マスターランクのモンスターでありながら異常なほどに体力が低く、適当な攻撃でも一撃で倒せてしまうこともザラ。
ハンターへの妨害もロクにできずオレンジ色の亡骸を晒す様はどこか哀愁を覚える…。

戦闘

最大の特徴なんといっても火炎放射。側面から発射したり天井から振り回したり多種多様。

また、移動方法が独特で、脚はあるものの、ヤツカダキ自身は(エリア移動以外で)自ら動くことが少なく、腹部に取り付いたツケヒバキを1匹放ち、そのツケヒバキに糸で引っ張ってもらうことで移動する事が殆どである。
ツケヒバキのヤツカダキを引っ張る糸は、複数回攻撃しないと切れないほど頑丈であるが、切断可能で、成功するとヤツカダキの行動をキャンセルできる。

また、離れた場所にいる場合はツケヒバキを1匹に留まらず複数匹放ち、火炎放射や糸で攪乱してくる。
つまり、糸を武器とすることが前提で使い手が限られている「糸拘束状態」のMHRiseでの継承者である。
MHRiseでは糸拘束状態で火属性ダメージが増えてしまうため、先の火炎放射で狙われるのも相まって危険。
脱出方法はネルスキュラの場合と変わらずだが、間に挟んだMHWorldでのスキルシステムの刷新と糸拘束の使い手の不在が重なってしまい、無効化スキルが無くなってしまった。

脚などに一定ダメージを与えると全身の糸が剥がれ落ちダウンする。その後ヤツカダキは巨大な卵嚢を作りこれを振り回したりしながら攻撃する。
このあいだはツケヒバキを使役しない。
卵嚢を攻撃し続けるとまたダウンして、最初の形態に戻る。

厄介なことに弱点の頭を脚や爪の奥に隠しており、普段は部位そのものが無いため、特定の行動後やダウン中以外攻撃できない。
MHRiseの人気スキル「弱点特効」は頭と卵嚢以外にはスキルが通らない絶妙な事になっているため、相性はかなり悪い。
さらに各種特効の百竜スキル及び装飾品にも該当するものがないという有様。*2
この肉質に加え体力が非常に高く、タフさはMHRiseの大型モンスターの中でもトップクラス。
『サンブレイク』の「傀異化」したマスターランク個体ともなれば、8万を超える莫大な体力を得ることまである。

弱点属性は氷。といっても通りは悪い方で状態異常も効きづらい。できるだけ物理重視がいいだろう。
また、脚の糸や卵嚢を破壊してダウンさせる関係上「破壊王」スキルが有効。

なお、亜種の方は糸を纏った状態の脚に「弱点特効」が効くようになっているので幾分耐久面は落ちている。
こちらの弱点属性は水。脚に良く通るようになっているので活用するとよいだろう。


設定通り、百竜夜行にも登場。ハンターたちには目もくれず関門の突破を目指す破壊型。
硬い肉質も厄介だが、なにより問題なのは頭を収納しているヤツカダキ独自の骨格。(虫なのでというのも不適切かもしれないが)
バリスタの徹甲榴弾による気絶がまず狙えないため、破壊型であるにも関わらず容易な足止めが効かない。
関門を攻撃しようとしている時に露出した頭を狙うか、閃光玉で無理矢理止めてしまうくらいしか有効な手立てがない。
ただし、動きがやや緩慢であることから大砲の高威力攻撃が有効であるため、ヤツカダキが出る百竜夜行では設置兵器の配置を工夫し、序盤のうちからポイントを稼いで兵器を強化することを心がけるべし。



  • バインドボイス
鋏角種初の咆哮。
耳栓Lv.4以上じゃないと軽減できない「咆哮【大】」持ちである。カマキリじゃあるまいし

  • 火炎放射
ヤツカダキの最大の特徴。
首を伸ばして扇状に薙ぎ払ったり、はたまた首を回転させながら火炎放射したりする。
ただ、頭を出す関係上密着すればダメージを与えるチャンス。
天井のあるエリアでは体の周囲に熱を噴出して天井に張り付き、そこからグルグル薙ぎ払う。
この攻撃の最中は手だししないで逃げるが吉。

  • 側面火炎放射
文字通り側面から火炎放射。ツケヒバキによる移動後行うことが多い。

  • ツケヒバキ攻撃
ツケヒバキに攻撃を指示し、糸玉や火炎放射を行わせる。
その際にツケヒバキに引っ張ってもらい、爪を叩きつける攻撃をすることも。

  • 5連糸ビーム
口から糸のビームを5つ同時に発射する。疲労時は単発。
今作で糸拘束状態が復活してるが、糸が絡んだ状態で火属性の攻撃を受けるとダメージが増す仕様がある。
消散剤を忘れずに。

武具

通常種から生産出来る武器は火属性武器となるが、武器は控えめの攻撃力の代わりに会心率、優秀なスロット数を持つ。
剣士武器は斬れ味が素で白ゲージまで出ているが半分くらい赤と変に無駄の多い仕上がりになったり、性能を生かせそうな手数武器に妃蜘蛛派生が無かったりもする。
ボウガンはいずれも火炎弾、貫通火炎弾に秀でて、弓も貫通5が使えて優秀である。
HR解放までの時点では武器としての強さが中途半端であるが、タイトルアップデート第1弾(Ver2.0.0)以降はテオ・テスカトルの素材を使って更に強化が出来るようになっている。

防具の方は蜘蛛の衣装を取り込んだ洋風の花嫁花婿をイメージしたもので、オトモは教皇又は司祭(アイルー)と花嫁を運ぶ馬(ガルク)をイメージ。原種は、亜種はを基調としている。説明文には人間の男を愛してしまった蜘蛛の妖と彼女が妖と知りながら愛してしまった男の悲恋の物語が刻まれているが、男女で物語の視点が変わる
オトモの武器()によると続きが気になって仕方ないとかなんとか。
なお、マスターランクの防具で諸恋の物語として続きが描かれ、悲劇の結末を迎えながらもそれでも互いを追い求める男と妖が再会する結末が描かれている。
スキル構成は拡散型の弓特化といったところ。
ところが、肝心の妃蜘蛛派生の弓は残念なことに拡散型ではない。重ね着装備で代用しよう。

余談

モチーフは絡新婦(じょろうぐも)八束脛(やつかはぎ)と思われる。
絡新婦は百鬼夜行絵巻で火を吹く小蜘蛛を使役する蜘蛛女として描かれている。「太平百物語」という江戸時代の書物にはちょっとした悲恋も書かれてる。
八束脛は妖怪「土蜘蛛」の別名で、源頼光との対決は有名。
また、「八百屋お七」がモチーフの1つという説もあり、これは火災から寺に避難したお七が、小姓の青年に恋をしてもう一度会いたい一心で火をつけるor火の見櫓に登り虚報を発する…という筋書き。
浮世絵、歌舞伎、浄瑠璃などになっており、特に浄瑠璃は糸を操るヤツカダキのイメージに繋がるとか*3

ヤツカダキはMHRiseのモンスターの中でオロミドロと並び、一二を争うほど間違えられやすい名前で知られている。
本来濁点は「タ」に付くはずなのだが、これが「カ」に付いてどこかの山みたいな名前になったり、「キ」に付いてどこかの作品の主人公みたいなことになったりしてしまっている。


追記修正は母さん(ヤツカダキ)の指示に従ってお願いします。

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最終更新:2023年06月04日 15:55

*1 強いて例外を挙げるとすればMHP2の頃のドスギアノスか

*2 「鋏角種」を対象としたものがなく、さらに飛ばないし水生でもないので「空棲・水棲系特効」も対象外。

*3 実際絡繰り人形はモチーフの1つと明言されている。