名鉄蒲郡線

登録日:2022/12/01 Thu 13:53:16
更新日:2022/12/11 Sun 13:12:40
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名鉄蒲郡線(がまごおりせん)とは愛知県西尾市と蒲郡市に存在する名古屋鉄道の鉄道路線である。
路線記号は西尾線から通しでGN

概要

名鉄西尾線吉良吉田駅と蒲郡駅を結ぶ17.6kmの路線で、全線電化されている。
国定公園三河湾に沿って走る路線で、沿線には吉良温泉、愛知こどもの国、西浦温泉、形原温泉、蒲郡競艇場、海水浴場、潮干狩り場を有する観光路線で、多くの観光客に利用されていた。かつては名古屋本線・西尾線から直通する特急列車も運行され、複線化も検討されていたがレジャーの多様化や名鉄側にやる気が無くなってきたことにより通勤メイン路線となり、複線化がされることも無かった。
その後も国鉄が蒲郡競艇場へのアクセス駅である三河塩津駅を開業させたり名鉄側も特急列車を含む直通列車の廃止を行ったりとかつての栄光は何処へやら、どんどん落ちぶれていき、西尾線西尾~吉良吉田間共々今やいつ廃止されてもおかしくない赤字ローカル線となってしまった。名鉄もワンマン化や途中駅の無人化といった合理化を行うも赤字に歯止めはかからず、2022年現在ここ数年の赤字額は毎年7億円を超えている
名鉄側は廃止に積極的だったものの、沿線自治体の西尾市と蒲郡市が反発。両市が名鉄に援助金を、更に県が両市に補助金を出すことで何とか2025年度までの存続が確定している。しかしその期間が終われば廃止となる可能性も多いにあるため油断は出来ない。
このような事態に歯止めをかけるべく沿線自治体は2010年より「市民まるごと赤い電車(名鉄西尾・蒲郡線)応援団」を結成し、後述するような企画を行い西尾線・蒲郡線の利用を促進している。

蒲郡駅から名古屋駅へ向かうには名鉄かJR東海道本線の2つの選択肢があるも名鉄はJRと比べ運賃は高く(名鉄1290円、JR990円)、所要時間は倍以上、最低1回乗り換える必要がある*1ためこの通り名鉄でさえもJRの利用を推奨する有様である。


*2

運行形態

前述の通りかつては特急列車を含む本線・西尾線から直通する列車が存在したものの、特急列車は2005年に、蒲郡線への直通列車そのものは2008年廃止された。現在は終日吉良吉田⇔蒲郡のピストン運転、全列車各駅停車のワンマン運転、2両編成である。運行頻度は30分に1本。

ワンマン運転だが三河線や尾西線などとは異なり乗車は先頭車両の後ろ側のドアから、降車は先頭車両の前側のドアから行う(後尾車両と先頭車両中央のドアは原則締切)。広見線末端区間(新可児~御嵩)と同じ形態である。その広見線末端区間も蒲郡線と同じような状況である。
券売機がある駅なら券売機で乗車券を購入してから、券売機の無い駅(西幡豆、東幡豆、西浦)ではホームの乗車駅証明書を持って乗車し、降車時に運賃箱に運賃と共に投入する方式。
吉良吉田・蒲郡では全てのドアが開き、乗車券や運賃は改札窓口で渡す形になっている。

こんな赤字路線なので全線が交通系ICカード非対応*3であり、蒲郡線内のみ利用の場合はICカードの利用が不可。ICカードを利用して蒲郡線以外で降りる場合は乗車駅で乗車駅証明書を発行し吉良吉田での入場処理が、蒲郡線以外から乗って蒲郡線内で降りる場合は吉良吉田での精算が可能である。

使用車両

  • 6000系
6009F~6013Fの5編成が該当。広見線末端区間でも運用されるタイプ。
ワンマン運転可能な2両編成であり、名鉄の他路線で使用される6000系とは異なり車外にはワンマン用の乗車・降車口表示が、車内には運賃箱と運賃表(蒲郡線と広見線末端区間のもの)がある。車内放送も他路線のものとは異なり日本語のみの男性声*4
6011Fは2022年3月19日より蒲郡線の利用促進の一環としてかつて運行されていた平屋パノラマカー7700系をイメージして車体に白帯*5を巻き、にしがま号の系統板を装着しての運行が開始された。にしがま号としての運行は5月8日に終了したものの、白帯ラッピング自体は現在も行われている。

蒲郡線(と広見線末端区間)専用車両は5編成と数が少なく、検査で車両が不足すると6800系や3100系といった非ワンマン用の2両編成車両が運用される。その際には車掌が乗務する。

過去には特急列車用車両なら7000系や8800系、普通列車用なら6500・6800系や3100系、5300・5700系なども定期運用されていた。

  • 1800系
  • 2000系
いずれも特急用車両で定期運用の実績は無いが団体用列車としての運用実績がある。

駅一覧

  • GN13 吉良吉田
西尾線は乗り換え。2004年までは三河線非電化区間(碧南~吉良吉田)とも接続していた。現在は代替バスが運行中。
温泉や海水浴場、ビーチが近いがそこまでのバスが出ていないので鉄道利用の場合30分程歩く(旅館が独自に送迎バスを運行している)。

  • GN14 三河鳥羽
交換可能駅。
温泉やビーチ等吉良地区の観光施設はこちらからでもアクセス可能。歩くけど。
駅の近くに潮干狩り場も存在。

  • GN15 西幡豆
近年まで古い駅舎が残っていたものの2021年末に撤去。それに伴い券売機とトイレも撤去された。トイレは翌年7月に最新式のものが設置された。
旧幡豆町の中心駅だったため今も役場や図書館がこの近くにある。
寺部城跡最寄り駅。

  • GN16 東幡豆
交換可能駅。
こちらも古い駅舎が近年まで残っていたが2021年末に券売機もろとも撤去。
三ヶ根山や猿が島・うさぎ島と動物園化した島の最寄り駅であり、観光路線時代の重要駅だった。現在は2つの島の観光地化や島への観光船も廃止されたが潮干狩り客の需要がある。

  • GN17 こどもの国
途中駅としては唯一の高架駅でかつ観光需要を見込んで6両編成対応ホームとなっている。
その名の通り愛知こどもの国最寄り駅だが、そこそこ距離がある上愛知こどもの国自体山の上にあり勾配もあると行くだけでもそこそこ体力を使う。
特に愛知こどもの国のメインコンテンツとも言える本物の蒸気機関車である「こども汽車」へ行くためには更に歩く(園内には移動用のバスが出ているが)。一応こどもの国駅からこども汽車駅へのショートカットルートはあるが道が悪いのであまりオススメしない*6

  • GN18 西浦
ここから蒲郡市。
交換可能駅。
古い駅舎があるが2022年冬頃撤去予定。西幡豆・東幡豆とは異なり駅舎の撤去よりも早く券売機が撤去された。
西浦温泉最寄り駅だが距離があり、アクセスには駅前からのバスがオススメ(徒歩なら20分程)。バスなら蒲郡駅から出てるじゃないかだって?
温泉だけでなくビーチやマリンスポーツ、桜と海が美しい西浦園地もあり見所は多い。

  • GN19 形原
交換可能駅。
蒲郡線の途中駅にしては近代的な駅舎だがこれは火災で旧駅舎が焼失し1988年に建て直したため。
形原温泉へのバスが出ている。

  • GN20 三河鹿島
形原温泉へは30分程歩けば着ける。
駅の東側にはカインズ・ベイシア・ヤマダ電機・ドン・キホーテなどを有する複合型商業施設がある。

  • GN21 蒲郡競艇場前
東海道本線(三河塩津)は乗り換え。
JRからの乗り換え通路には未だにパノラマカーデザインのピクトグラムが残っている。
蒲郡競艇場、愛知工科大学、蒲郡市のソウルフードであるうずまきパンでお馴染みミシマパン最寄り駅。
他にも駅前にはマクドナルドや来来亭、はま寿司などがあり飲食店が結構充実している。
蒲郡競艇場前~蒲郡間は2000年に高架化した。

  • GN22 蒲郡
東海道本線は乗り換え。
上記の貼り紙があるのもここ。
西浦温泉など蒲郡市内の観光地へのバスは大体ここから出ている。なんなら観光案内所で借りられる電動アシスト自転車(無料)でいいかも。
ラグーナテンボスへの送迎バスは無料だがイルミネーションのシーズンなんかは異様に混む。
駅前にはアピタがある。

利用促進活動

前述の通り2010年より市民まるごと赤い電車(名鉄西尾・蒲郡線)応援団を結成。
幸い蒲郡線は沿線に多くの見所を有するためウォーキングやスポーツイベント、愛知こどもの国や寺社などの沿線施設と連携したイベントの実施、駅から乗れるレンタサイクルの拡充、にしがま号の運行など沿線の魅力をより生かせるような形で蒲郡線の利用を促進を行っている。

また、2022年には愛知こどもの国とスマートフォンゲーム『駅メモ! -ステーションメモリーズ!-』と連携し、同作の登場キャラクター(でんこ)である夕陽ケ丘マツカと夕陽ケ丘ウシオ*7を「にしがま線応援特使」、愛知こどもの国公認キャラクターに任命。これに伴い期間限定のゲーム内イベントを実施。蒲郡線各駅と西尾線西尾~吉良吉田の各駅と沿線施設(西尾市歴史公園、こども汽車駅、竹島)を巡ると各種ゲーム内アイテムの他マツカとウシオの限定衣装を獲得可能。マツカのものは蒲郡市の花であるツツジ、ウシオのものは西尾市の花であるバラをあしらったもの。ただこの2人はエクストラでんこなので入手には課金がほぼ必須。一応持っていなくともイベントをクリアして衣装さえ貰えたら観賞用にはなるが。
他にもキャラクターグッズの販売も行われている。
同作は他にも様々な鉄道会社の公認キャラクターとなったキャラクターが存在し、それに伴い沿線を巡るイベントを開催しており、公認するキャラクターがいなくともその鉄道会社とコラボし沿線を巡るイベントを行うなどしてきたが、特定の路線限定で、「鉄道会社としての」公認キャラクターではないものの、大手私鉄並びに廃止が検討されている路線でのイベントや公認化実施は史上初*8でも何か忘れているような気がするのは気のせいである。
イベント実施により多くのプレイヤーに西尾線・蒲郡線が利用されることになった。


にしがま線存続のため追記・修正をお願いします。

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最終更新:2022年12月11日 13:12

*1 吉良吉田で必ず乗り換える必要がある。更に吉良吉田で乗り換える列車によっては新安城で乗り換える必要もある。

*2 項目作成者撮影。

*3 かつて使用されていた名鉄系列のプリペイドカードであるトランパスも非対応だった。

*4 広見線末端区間でも同様の声だが広見線は放送開始のチャイムが無い。

*5 パノラマカー車両は白帯が無い車両とある車両が存在したが、白帯車は白帯が無い車両とは違い座席指定列車に使用出来るよう改造されていた。

*6 一応そのルートを書いておくと蒲郡線の北側を西に向かって300m程歩いて山の方に続く道をそのまま上がるだけ。途中の分岐は左に。道中は子供でも頭をぶつけそうな木があり雨の日なら落ち葉で滑りやすくなるととにかくワイルドな道のり。

*7 それぞれこども汽車B11号機関車、B12号機関車をモチーフにしたキャラクターである。実車同様双子の姉妹。

*8 「沿線を巡るイベントの実施」についてはアニメの聖地巡礼イベントや特定の有料プランに加入したユーザーが主催するものは鉄道会社が関わるものではないため除外。JRの公認でんこも長らく存在しなかったが後に登場